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December 03, 2019

深刻化するリゾートアパート問題

20191202000611月、当ブログで最もページビューが多かったのは、11月18日でした。また、11月のエントリーでご覧になった方が多かったのは「日本オーストリア修好150周年記念切手」、「“ベルリンの壁”崩壊、30年に思う」などでした。

さて、今日はオーストリアのリゾートエリアで、最近、問題化している「リゾートアパートの話題」をご紹介しましょう。

バブル全盛期、日本でもリゾートエリアにマンションが大量に建設されたことがありましたね。当初は強気の価格設定だったようですが、バブル崩壊後、分譲価格が下落。信じられないような低価格で販売されていたという話を耳にしたことがあります。

ちなみに、以前、Feriが務めていた会社でも、社員の福利厚生施設として越後湯沢近くの高層マンションの一室を購入したことがありました。

ちなみに社長に購入価格を聞いて、その安さにビックリした経験があります。

201912020003さて、先日、昼間にORFを見ていたら、興味深い番組を放送していました。途中から見たので、特集のタイトルは失念しましたが、「リゾートエリアで続々とリゾートアパート(日本のマンション)が建設されており、これが地域住民とのあつれきを生んでいる」といった内容でした。

リゾートエリアですから、観光客が来ることは基本的に歓迎なのですが、一時滞在を前提としたホテルやペンションではなく、問題は「インバウンド需要を狙った分譲アパートの建設」という点です。

建設されているのは、ザルツブルク州やチロル州などにあるスキーリゾートや国立公園エリアが中心。

201912020005建設しているデベロッパーとしては、海外の富裕層に販売することを念頭にしており、「景色が良い」というのが最大のウリです。

何が大きな問題になっているかというと、景観を損ねるという要素もあるのですが、それ以上に問題なのは、地域住民と新住民との間に発生する軋轢。

ウィーンでも、旺盛な需要を踏まえてスクラップアンドビルド方式でアパート建設が進められており、高級アパートの入居者は、海外の富裕層が多いと聴いています。

しかし、ご存じのようにウィーンは、元々、他民族都市。実際、ウィーン市内を歩いていると、ドイツ語がほとんど聞こえてこないエリアも沢山あります。

そのため、「外国人に対する抵抗がない」とは言いませんが、比較的低いと思います。

201912020002それに対して、リゾートエリアの場合、元々、住んでいる住人はオーストリア人で、多くは農業・酪農業を営んでいる皆さま。

最近では、繁忙期にはホテルで外国人従業員が働いているケースもあるようですが、定住者の多くは古くから住んでいるオーストリア人です。

そこへ、大量の外国人が流入してくる訳ですから、生活習慣の違いなども相まって、新住民に対して、ある種の嫌悪感を抱く方々が増えてくるのは、やむを得ないかもしれません。

番組では、地域住民だけでなく、自治体やデベロッパーの責任者にもインタビューをするという多角的な構成になっていました。

201912020004デベロッパーとしては、法令に違反することなく建設を進めており、景観にも十分配慮しているという主張です。確かに新しくできたアパートも、高層アパートではなく低層で、周囲に配慮したデザインになっています。

また、自治体としては、通常の観光客ではなく、新しい定住者が増えることは、税収の増加につながりますから、法令違反がない限り、表立って規制を打ち出すことには抵抗があるようです。

201912020007番組では新しい住民の様子も映し出されていましたが、ベールをかぶった女性など、中東系住民の姿も‥当然、生活習慣も大きく違うので、古くから住んでいる地域住民の皆さまから見ると、違和感を強く感じるのでしょう。

これが、ペンションなどであれば、長くても滞在期間は限られていますが、分譲アパートになると、維持コストを考慮すれば、そのに一年中、住むとは言わないまでも、滞在期間は長くなるのは当然です。

実際、将来的にイスラーム系の住人が増えてくれば、モスクの建設などという話に発展することも考えられます。

201912020008また、Airbnbなどの普及で、投資目的で物件を購入し、それを第三者に貸すという民泊パターンも増えているようです。日本でも問題になっていますが、貸主が常時、住んでいない場合、アパートの管理(利用者のマナー違反など)で色々な問題が発生します。

さらにリゾート地なので古くから営業している地元資本のホテルもあります。ホテル側からすると、このような新参者は、お客さまを奪われることにつながりますから、死活問題。実際、ホテルの支配人もインタビューに答えて、胸の内を語っていました。

そのため、地域住民によるリゾートアパート建設反対運動が起こっている地域もあるようです。

201912020001ところでリゾートアパートを新しく建設には土地が不可欠。どうも地域住民の中には、後継者難などから、土地を手放す(デベロッパーに売却する)ことを決断している方もいるようです。

それだけに、地域住民の皆さまも色々な意味で、苦悩があるのかもしれません。

このあたりの事情は、日本のニセコが「日本人から見ると外国のようになっている」のと似ているかもしれません。

ただ、日本の場合、過疎化が深刻になっているエリアでは、内心は反対であっても、地域住民は、それを言い出せない事情があるような気もします。

外国人のFeriも色々と考えさせられる番組でした。

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