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January 14, 2020

「Gräfin Mariza」再演レポート(下)

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昨日に引き続き「Gräfin Mariza再演レポート」をお届けしましょう。演出に関しては、前回のものを踏襲しており、大きな変更はありません。

「謎の少女」がストーリーテラーとして、Tschekkoと一緒にポイントで舞台袖から登場します。本筋とは余り関係がないので、この演出は、どうかな‥と思っています。

また、ジュパンが1幕でマリッツァに強烈にアプローチする場面では、例によってジュパンと同じ格好をしたダンサーが12名登場し、ジュパンの熱意を表現しています。

ここも、やり過ぎの感がありますが、まぁ、テンポの良い踊りがメインなので、ギリギリで許容範囲と言えるでしょう。なお、Jakob Semotanさんは、体格が良いので、群舞の中でも存在感があり、埋もれることはありませんでした。これは、非常に良かったですね。

20200113001また、ジュパンがリーサにアプローチする場面は、Jakob SemotanさんとJuliette Khalilさんの体格が随分違うため、ユーモラスな感じが強調されていました。2人の息もあっていましたね。

また、出番は少ないですがキーパーソンとなっているマニャはAnnely Peeboさんだったので、抜群の歌唱力で存在感を発揮していました。前回の上演時にも、Annely Peeboさんがよく起用されていたので、役作りも完璧でした。

また、2幕のタバリンの場面では「Die Bajadere」の楽曲が使われて、バレエ団による華麗なダンスが披露されるのは従来どおりです。

オペレッタでは、リフレインがポイントになるケースが多いのですが、本演出では、3幕のハイライトであるマリッツア、ポプレスク、ジュパンの三重唱のリフレインが1回と少ないのが残念。

これは、3幕の時間短縮を図るためだと思うのですが、リフレインの途中で舞台が回り、ボジェナ侯爵夫人とペニジェクが登場する演出です。

202001120073幕については、お芝居が中心になりますが、ボジェナ侯爵夫人とペニジェクの掛け合いが大受けでした。ベテランのHelga PapouschekさんとRobert Meyerさんですから、アドリブも含めて、見応えのあるお芝居でした。

なお、ボジェナ侯爵夫人とポプレスク侯爵の再会場面については、過度な演出ではなく、好感が持てます。

3幕後半では、リーサとジュパン、ボジェナ侯爵夫人とポプレスク侯爵、ペニジェクが一緒になって歌う場面が見どころですが、ここもリフレインがないのが寂しいところ。

Feriは、4年ぶりに観たわけですが、Karsten Januschkeさんの指揮もよく、カールマンらしい躍動感あふれる楽曲の演奏は見事でした。

カーテンコールでは、Caroline Melzer とJuliette Khalilさんに花束が投げ込まれました。オペレッタの花束は久しぶりですね。

20200113005なお、再演初日ということで、ハロルド・セラフィンさんがお越しになっていました。きっと、劇場からのご招待でしょうね。幕間には劇場関係者と歓談していました。

再演なので、公演回数は前回からの継続で26回目。ちょっと上演回数が少ないのが、残念なところです。また、今シーズンは2月12日まで、あと7公演の上演が予定されています。

20200113003出演者ですが、ダブルキャストになっている役もありFürst PopulescuにKurt Schreibmayerさん、Baron Koloman ZsupánにBoris Ederさん、Graf TassiloにSzabolcs Bricknerさん、Lisa,にTheresa Daxさんらが起用される予定です。

Kurt Schreibmayerさんは、前回も起用されましたが「良いおじさま」という雰囲気がにじみ出ているので、Fürst Populescuには、あまり似合わない気がします。

余談ですが、この演出ではGräfin Marizaがヘビースモーカーという設定で、劇中、頻繁にタバコをのんでいます。4年前は、まだ分煙でしたが、ホイリゲすら全面禁煙になった現在、大丈夫なのでしょうかね。

演出面で、多少、気に入らない部分もありますが、現在、Volksoperで上演中のオペレッタとしては、オペレッタの王道を行く、素晴らしい作品だと思います。

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Comments

Feriさま
いつも楽しく読ませて頂いています。
今回、Gräfin Marizaが再演されるので、観に行こうか、悩んでいたところでした。昨シーズンは、Die Csardasfürstinをわざわざ観に行って、かなりガッカリしたので。Feriさまの記事を読んで、かなり心が傾いてきてしまいました。行けそうな2月は平日なのが悩ましいところです…羽田〜ウィーン直行があるとはいえ、ウィーンは遠い…

Posted by: yumicino | January 14, 2020 20:22

yumicino様

コメント、ありがとうございます。今回、上演期間および回数が少ないのが難点ですが、正直、現在の「Die Csardasfürstin」よりは絶対にお勧めです。2月だと後半なので、だいぶこなれてくると思います。再演の場合、2020/21シーズンも継続上演される保証がないので、Robert Meyerさんに成り代わり、万障お繰り合わせの上、お越しになることをお勧めします。

Posted by: Feri | January 15, 2020 14:38

Feriさま
返信ありがとうございます。
Feriさまにそう言われてしまうと、ホント、行きたくなってきてしまいました。飛行機の値段みて前向き検討します。
GWにはDie Lustige Witveがあるので、それは絶対行こうと思っています。これも再演ですかね?
また、ちょうどその時期にチューリヒで、Die Csardasfürstinがあるので、それも行こうと考えています。2017-18シーズンだったと思いますが、チューリヒでDas Land des Lächelnsを観ましたが、オペラハウスだけに歌と演奏のクオリティが非常に高く、とても良かったので(しかも、テノールは、現在ウィーンのKSでした)、最近、他の都市の方が観たいオペレッタが多い気がします。

Posted by: yumicino | January 20, 2020 09:56

yumicino様

5月の「Die Lustige Witve」は再演なので、同じ演出です。ただ、現時点では出演者が発表になっていないこと。ハンナとダニロに誰が起用されるかで、魅力が変わってきます。悩ましいところです。

ところで、Volksoperはやはりウィンナオペレッタはうまいです。逆にドイツのオペレッタもウィーン風になってしまいますが(笑)。それだけにレハールやカールマンの作品は見逃せないのですよね。

Posted by: Feri | January 20, 2020 11:55

Feri様
仕事のメドがついたので、2/6のGräfin Marizaを観に行くことにしました!Feri様のおっしゃる通り、ウィーンで聴くウィンナ・オペレッタはドイツのとは一味も二味も違うので、かなり楽しみです。再演レポートありがとうございます😊

Posted by: yumicino | January 28, 2020 22:31

yumicino様

Robert Meyerさんに代わりまして、ご来場をお待ちしております。当日、タイトルロールはUrsula Pfitznerさんですね。彼女は2015/16シーズンにも出演していますから、安心して観ることができると思います。ご感想をお待ちしております。お相手のGraf TassiloはCarsten Süssさんなので、お楽しみ頂けると思います。

Posted by: Feri | January 29, 2020 10:07

Feri さん、こんにちは。

Gräfin Mariza 再演の5回目に行きました。
Manja(Elvira Soukop)と Ein Mädchen を除き、再演初日と同じ出演者でした。

Jakob Semotan さんの Zsupán が良いですね。
Boris Eder さんも良かったのですが、彼は真面目さが出てしまうので、Zsupán には Semotan さんの方が適役に思えました。
Axel の5人組で初めて見た時から存在感がありましたが、踊って歌えるデブ(失礼!)という感じで、今後の活躍が楽しみです。

Caroline Melzer さんのタイトルロールが、素晴らしかったです。
これまでの Astrid Kessler さんも好きでした。彼女に合わせて演出されたので役にピッタリでしたが、Melzer さんは少し柔らかい感じで、背が高いので存在感もあり、とても好ましかったです。
ちなみに Kessler さんは、今季、Mannheim で Feldmarschallin や Leipzig で Arabella を歌ったり、来季は新国立劇場に登場したり、Volksoper をステップにして一段上がったというところでしょうか。

Baden の Die Rose von Stambul にも行ってきました。
あまり大道具は使わず、壁(イスラム風の透けているもの)を移動させて場面の変化に対応しており、Baden らしいキビキビした舞台でした。曲も美しく、とても楽しめました。
Leo Fall にはあまりピンと来ず、避けてきたところがあるのですが、これからは食わず(聴かず)嫌いをやめようと思っています。

Posted by: Steppke | January 30, 2020 17:42

Steppke様

コメント、ありがとうございます。お楽しみ頂けたようでなによりです。Jakob Semotan さんは「地獄のオルフェ」でキューピットを演じていましたが、その時よりも Zsupán の方が良かった気がします。今後、ブッフォとしての活躍が期待できる逸材かもしれません。

>Baden の Die Rose von Stambul にも行ってきました。
バーデンも演出傾向が変わってきたような気がしますが、珍しい作品も上演されるので、気をつけたいところです。

今回、ウィーンにお越し頂いたのにお目にかからず残念です。しかし、「Gräfin Mariza」ですが、もう少し上演期間が長いと良いのですが‥

Posted by: Feri | January 31, 2020 08:54

Feri様
昨晩、Gräfin Marizaを観てきました。
結論として、日本から来た甲斐がありました。Feri様のレポートのおかげです。ありがとうございます。手帳を調べたら、どうやらこの演出は観ていなかったようなので、今回の再演を逃さなくてホントによかったです。
Tassilo役も良かったのですが、Steppke様も書かれていらっしゃいます通り、Zsupan役がとても素晴らしかったです。見た目とは裏腹なコミカルで軽快な動きに加え、歌唱力もあって、楽しめました。Mariza役は、オケに負けてしまうところがあったのが残念なところ。確かにタバコ吸いすぎな演出で驚きました。Robert Meyerさんのところは、ドイツ語力が足らず、会場の笑いについていけなかったのが悔しいところです…😢テンポがよくて会場は大ウケでした。
最初にManjaから始まるのは、おととしのMörbischみたいでしたね。ストーリーテラーの女の子は、最後まで意味がよくわかりませんでした。演出的には、前演出の方がオーソドックスで好みですね。
現在のDie Csardasfürstinみたいな演出にしないで、今回のような旧演出での再演をもっとして欲しいです。ザルツブルク音楽祭だと新演出を楽しみにしているお客様が多いですが(去年の地獄のオルフェは過激でした…)、フォルクスオーパーのお客様は、オーソドックスな演出のウィンナ・オペレッタが観たいんじゃないでしょうか。また、今回、会場はほぼ満席でしたし、オペレッタの上演回数をもっと増やして欲しいと思いました。

Posted by: yumicino | February 07, 2020 15:04

yumicino様

お楽しみ頂けたようで、何よりです。Volksoperのオペレッタですが、全体的にお歳を召したお客さまが多く、劇場側としては将来を考えて、若いファンを増やしたいという考えが強くあるようです。

そのため斬新な演出を導入する傾向が強くなっています。このブログでも何回か書きましたが、人を呼べる歌手がいれば、どんな演出でも大丈夫ですが、現在のオペレッタ界では、それは不可能。

月末には「ジプシー男爵」の新演出が上演されますが、期待もある反面、不安も沢山。Feri個人としては、オリジナルが制作された時代の考え方は踏襲してもらいたいと思っています。

なお、私自身「Gräfin Mariza」は、前演出の方が自分の好みに合っていました。

Posted by: Feri | February 08, 2020 09:08

Feri様

なるほど〜、若いお客様開拓のために新演出…。でも、新演出にしたからといって、思惑通りにはいかないと思いますけどねぇ…。

今後、Volksoperの新演出は、Feri様のレポートを読んでから、観に行くか決めようと思います。Die Csardasfürstinの時は、Feri様のレポート前にチケットを購入してしまい、ガッカリして帰りましたから。
ということで、これからもオペレッタ・レポート、よろしくお願いします。
残念ながら、明日お昼の便で帰国です…😢

Posted by: yumicino | February 08, 2020 18:14

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