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March 02, 2020

「Der Zigeunerbaron」PremiereReport(その3)

Zigeunerbaron_0013回連載の「Der Zigeunerbaron」PremiereReport。今日が最終回です。明日から通常モードに戻りますので、オペレッタの関心のない方は、ご容赦ください。

さて、演出に関しては、Feriも含めて不満の向きが多い「チャールダーシュの女王」に比べれば、良いと思います。ただ、ジプシーの場面を中心に暗い場面が多いのは、致し方ないかもしれません。ある意味、民族対立を鮮明にしたいという意図があるのでしょう。

20200301006全体的にハプスブルク家のハンガリー統治に対して批判的な感じを受けました。ただ、オリジナルの設定を極端に改変していない点は「チャールダーシュの女王」よりは評価できます。

左の写真はカーテンコールに登場した制作スタッフですが、ブーはありませんでした。

○歌手の仕上がりなど
タイトルロールのバイリンカイを演じたLucian Krasznecさんは、Volksoperでは2016年「乞食学生」のシモンでハウスデビュー。その後、「チャールダーシュの女王」でエドウィンを演じています。

Zigeunerbaron_ohp_110エドウィンの評価は「歌の仕上がりは次第点」。今回はマイクなしで実力が問われます。頑張っていましたが、聞かせる歌では声の出方が、不十分。正直、不満の残る仕上がりでした。

一方、リザーブ組のMarco Jentzschさんは2019/18シーズン「ホフマン物語」でハウスデビューを果たした方で、今シーズンはバイリンカイのリザーブに起用されました。

オペラ出身の方らしく公開ゲネプロでは、素晴らしい歌声を披露しています。正直、バイリンカイはリザーブ組の勝ち。

20200301005ザッフィも、本作品ではキーを握る重要な女性。Kristiane Kaiserさんは2004/05シーズンからアンサンブルとして活躍している方。主にオペラ演出が多いので、声もよく出ていて、歌、お芝居共に見事でした。

リザーブ組のKatrin Adelさんは、ドイツ出身のオペラ歌手で、ドイツの歌劇場で多数のオペラに出演しています。

Volksoperは今回が始めたてのようですが、歌、お芝居共に素晴らしいものがありました。どちらが良いかは、好みの問題になると思います。

ツィプラはMartina Mikelićさん。この方も、どちらかというとオペラ畑の歌手だけに、歌については安定感がありました。

20200301007とくに「カルメン」でタイトルロールを歌っているので、この役にはピッタリです。オペレッタでは「地獄のオルフェ」ではヴィーナスに起用されています。今回は妖艶な感じが良かったですね。

本作品は、聞かせる歌が多いので、お芝居とともに歌のうまさがポイントになります。

20200301004リザーブ組は安定感抜群のAnnely Peeboさん。雰囲気、お芝居、歌ともに申し分ありません。

ジュパーンは広告の写真にも掲載されたKurt Rydlさん。なかなか芸達者な方。押し出しも強く、この役にピッタリという感じがしました。

リザーブ組は、おなじみのGerhard Ernstさん。ゲネプロで拝見しましたが、お芝居は申し分ありません。甲乙つけがたい感じですね。

Zigeunerbaron_ohp_062_20200302170701アルゼーナは、本作本のスプレッド。ゲネプロでも起用されAnita Götzさんが本番でも登場。

例によってコミカルな演技と歌で、彼女の魅力が発揮されていました。こういう役は上手ですね。ゲネプロでも唯一、リザーブ組が出ませんでした。

ミラベラは2003/04シーズンからVolksoperで活躍しているベテランのRegula Rosinさん。歌う場面も多いですが、お芝居がポイント。さすがに見事な演技でした。

多数の作品に出演していますが、「地獄のオルフェ」では世論を演じているので、その実力は証明済み。リザーブ組はElisabeth Flechlさんですが、こちらも素晴らしい仕上がりで、正直、甲乙つけがたい感じです。

Zigeunerbaron_ohp_050オットカールはDavid Sitkaさん。「地獄のオルフェ」ではプルートに起用されています。ブッフォのような役なので、お芝居がポイントですが、なかなか良い仕上がり。

リザーブ組は、今回がハウスデビューとなるJohannes Straußさん。ゲネプロでは、強くなりきれない母性本能をくすぐる男性を見事に演じていました。

政府委員カルネロを演じたのはBoris Ederさん。歌う場面もありますが、本演出ではストーリーテラー的な役割もあるので、最適な人選だったと思います。

ホモナイ伯爵は、Marco Di Sapiaさん。安定感抜群の方で、歌、お芝居共に見事です。なお、リザーブ組には、Feriにとっては久しぶりだったMorten Frank Larsenさんが起用されています。

20200301003「その1」でもお伝えしたように、タイトルロールの仕上がりを考えるとリザーブ組の方が良かったような気がします。最近のVolksoperではPremiereのカーテンコールでは、異常と思われるくらいブラヴァをはじめとする声援が送られます。これも時代の流れですかね。

Premiere当日は、劇場のホワイエに舞台写真が飾られてありましたが、過去の記録が出なくなったのが残念。できれば、過去の公演記録を掲出してくれると、色々と参考になるのですが‥

20200301001また、Premiereではスポンサーからお土産が出るケースがありますが、今回は、何もありませんでした。また、開演前、ホワイエでゲストを迎えていたRobert Meyerさんにご挨拶をすることができました。

重唱を含む聴かせる曲が多い重厚なオペレッタだけに、歌手の皆さんの仕上がりが良いと、非常に聴き応えのある作品です。

上演期間が短いのが玉に瑕ですが、機会があったら是非、劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

なお、最後の写真は公開ゲネプロでのカーテンコール。リザーブ組の皆さんが大活躍した舞台です。

新聞評ですが「KURIER」のタイトルは「Als wäre es ein bitterböses stück von Brecht」で、星3.5(満点は星5つ)。辛口で知られる「Die Presse」は「“Zigeuner”gegen böse Obelixe」というタイトルでした。

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