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April 2020

April 30, 2020

Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記(下)

202004280124月最後の話題ですが、今日も昨日に引き続き「Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記」の後編をお届けしましょう。

Carsten SüssさんとUrsula Pfitznerさんがホールから出ると、入れ替わりにJohanna ArrouasさんとBen Connorさんが、ソーシャルディスタンスを考慮して離れて入場。

歌うは「Die Csárdásfürstin」の2幕で、AnastasiaとEdwinが歌うデュエット「Machen wir’s den Schwalben nach」。歌詞がアナスタシアの気持ちをよく表現している名曲。ただ、ここも2人の距離がポイントなので、今回の番組では、何となく消化不良でした。

20200428013続いての楽曲は「Die Csárdásfürstin」からSylvaとEdwinが2幕で歌う名曲「Weißt Du es noch」。エドウィンは引き続きBen Connorさん、シルヴァはUrsula Pfitznerさんです。

Ursula Pfitznerさんは、シルヴァを何度も演じているので、ポイントを抑えており、よい歌いぶりでした。また、本物の舞台を観たくなる…そんな気持ちにさせてくれました。

が、ここでも2人の微妙な距離感が、歌のイメージを崩していた感じがします。まぁ、やむを得ないのですが‥

2人が退場すると、Johanna Arrouasさんが、1人で入場。

20200428014彼女が歌うのはVolksoperでも人気のミュージカル作品「Der Zauberer von Oz」から、名曲中の名曲「Somewhere over the Rainbow」。今の時期にはピッタリの作品かもしれません。この曲もピアノ伴奏だけでした。

ここで、画面はVolksoperの稽古場へ。窓の外からはU6のWähringer Straße駅が見えます。ギュルテルを走る自動車が少ないのが印象的。

2019/20シーズンでも予定されていたRalph Benatzkyの作品「Meine Schwester und ich」から、「Mein Mädel ist nur eine Verkäuferin」が披露されました。

20200428016歌はOliver Lieblさん。彼はミュージカルの出演が多く、公演中止になる直前の3月5日には「Meine Schwester und ich」に、この楽曲を歌うDr. Roger Fleurioとして起用されました。稽古場でリラックスした雰囲気で歌っていて良かったですね。

いよいよフィナーレです。作品は、再び「Die lustige Witwe」。

20200428017まずJohanna Arrouasさん(Valencienne)とVincent Schirrmacherさん(Camille)が2幕で歌う「Wie eine Rosenknospe」。

色男Camilleが「貞淑な人妻」Valencienneを口説き落とす名場面。その後、四阿に2人で入っていき、それが元で大騒動に発展する訳です。

当然、舞台では2人の密着度が高まるシーンです。が、今回は、2人は離ればなれのまま‥なお、歌っている時の2人の雰囲気は良かったですね。

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April 29, 2020

Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記(上)

20200426001ホイリゲと劇場が閉鎖中でフラストレーションがたまっているFeri。そんなFeriを癒やしてくれる番組「Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien」が4月26日、20時30分からORFⅢで放送されました。

まず、お詫びからMCはChristoph Wagner-Trenkwitzさんでした。ただ、冒頭、ご自身が出てきただけで、後は「声の出演」。極端に接触を避けていることがよくわかります。

また、収録はスタジオではなく、ORF RadioKulturhausという小ホールで行われましたが、当然、客席には人はいません。

ちょっと気になったのは、舞台が全般的に暗い点。通常、特殊な演出がある場合は別ですが、この手のテレビコンサートでは、舞台を明るくすることが多いような気がするのですが‥

とくに無観客で、拍手をはじめとするお客さまの反応がゼロなので、Feri個人としては、余計、舞台の暗さが気になりました。

20200428001さて、舞台上には伴奏の奏者(ピアノ、ヴァイオリン2名、ヴィオラ1名、チェロ1名)が並んでいますが、奏者の間が微妙に距離をとっているのが印象的。室内楽団(ORF Radio-Symphonieorchesters Wien)を起用した理由がわかるような気がします。

伴奏の皆さんですが、ピアニストはVolksoperのEric Machanicさん。ヴァイオリンはPeter Matzkaさん(コンサートマスター)とJue-Hyang Parkさん、ヴィオラはMartin Kraushoferさん、チェロはSolveig Nordmeyerさんでした。

歌手の皆さんは、その都度、1人ずつ入ってきて、歌い終わったら、ホールの外へ出るというパターン。もちろん、拍手もありません。

結論から申し上げると、この時期、無人のホールとは言え、ライブでコンサートを実施することが、如何に大変であるかを、改めて実感した番組でした。

20200428002また、出演者の選定にも苦労があったことでしょう。この時期、喜んで出てくれる歌手ばかりではないでしょうから‥ 制作陣の苦労が忍ばれます。

プログラムは、事前に公開されていまいたが、やはり劇場閉鎖によって2019/20シーズンの再演がキャンセルになった「Die lustige Witwe」が中心でした。

 前半はソロの演奏。オープニングはGrafen Daniloが歌う「Da geh’ ich zu Maxim」。歌手はAlexandre Beuchatさん。

20200428003元々、オペラ畑の歌手ですが、2019/20シーズンで幻となった「Die lustige Witwe」で、ダニロを演じる予定でした。そのために起用された感じがします。

オペラ畑なので、歌いぶりは良いですが、最初は固い感じが‥ 実際の舞台では、ダニロ役がピッタリだったかどうか、若干不安。

続いて、Hanna Glawariの「Es lebt eine Vilja」。歌手はRebecca Nelsenさんだったので、ご機嫌です。彼女も今シーズンの「Die lustige Witwe」で、ハンナに起用される予定でした。彼女のハンナは観てみたかったですね。

20200428004続いて、レハールの作品「Das Land des Lächelns」。歌うのは皆さまご存じのVincent Schirrmacherさん。

1つ気になったのは、いつも劇場で観るときと雰囲気が違っていた点。

歌ったのはPrinzen Sou-Chongの「Von Apfelblüten einen Kranz」と「Dein ist mein ganzes Herz」。無観客の小ホールとは言え、歌いぶりはいつもどおり。声を張りあげて頑張っていました。

20200428005ここで、「Volksoperの劇場舞台」に場面転換(伴奏者の休憩タイムですね)。

事前にビデオで撮影していたのだと思いますが、客席側からではなく、舞台奥から無人の客席に向けた新鮮なアングル。

ここでは、VolksoperのピアニストEric Machanicさんの伴奏で、「Die Fledermaus」2幕でPrinzen Orlofskyが歌う「Ich lade gern mir Gäste ein」。歌を披露したのはMartina Mikelićさんでした。

20200428006Martina Mikelićさんは、ビデオ出演だけだったので、1曲だけの披露です。

彼女はVolksoperではオペラ中心に出演していますが、2019年の大晦日に上演された「Die Fledermaus」でオルロフスキーを演じています。という訳で、聴き応えがありました。

続いて、「Die Fledermaus」から、もう1曲。披露されたのは仮面を付けたRosalindeが2幕で歌う「Csárdás」。通常の舞台では、回りの男どもを魅了する部分。

20200428007歌ったのはKristiane Kaiserさん。2004/05シーズンからアンサンブルとして活躍しているベテラン。主にオペラの出演が多いですが、「Die Fledermaus」のロザリンデにも、起用されています。

歌いぶりは申し分ありませんが、如何せん、回りにロザリンデを虎視眈々と狙っている男どもがいないので、今ひとつ雰囲気が‥ サポートしてくれる男性陣がかいのので、卒倒する訳にはいきません(笑)。

20200428008次は、再びビデオ映像。ホームページやYouTuberでも公開されているVolksoper@homeが流されました。

無人のホールでの演奏では、変化がありませんから、こういった趣向が異なる映像を入れることで、番組にメリハリを付けたのでしょう。

また、今回、出演がかなわなかったオーケストラメンバーが登場したのもご愛敬。皆さん、お元気ですか?

20200428009今回の番組は、オペレッタ作品が中心ですが、ここでミュージカル作品が入ります。

オスカー・ハマースタイン2世によるブロードウェイ・ミュージカル「Show Boat」から名曲「Ol’ Man River」が披露されました。歌うはStefan Cernyさん。

この曲はEric Machanicさんのピアノ伴奏だけでした。Stefan Cernyさんは、平素はオペラ専門の歌手。彼になぜ、ミュージカル作品を歌わせたのかは、疑問です。ただ、オペラ歌手なので歌は見事でした。

ここからは、Feriもお気に入りEmmerich Kálmánの作品が登場します。

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April 28, 2020

速報Wiener Staatsoper2020/21プログラム

202004270064月26日、ウィーン国立歌劇場が、例年とは異なり、ORFⅢの特別番組「Erlebnis Bühne Spezial Spielplanpräsentation der Wiener Staatsoper」を通じて2020/21シーズンのプログラムを発表しました。

通常の記者会見ではなく、総裁と音楽監督の対談に加えて、注目歌手の映像を盛り込むなど、意欲的なプログラムになっていました。本番組は海外へのアピールも兼ねているため、日本からでも視聴できたと思います。

同時に発行された年間プログラム(5Euro)ですが、表紙が随分、変わりました。

2020/21シーズンは9月6日のTag der offenen Tür(オープンハウス)で幕を開けます。それでは、概要をご紹介しましょう。今回は、定番作品の新演出が多いのが興味深いところ。

○プレミア・オペラ
2019/20シーズン後半にプレミアが予定されていた「Così fan tutte(コジ・ファン・トゥッテ、2020年5月22日プレミア予定)と「Un ballo in maschera(仮面舞踏会)」(2020年6月15日プレミア予定)の2作品は、意外なことに2020/21シーズンに引き継がれることなく、消えてしまいました。

20200427003MADAMA BUTTERFLY(2020年9月7日)
今までの演出もオースドックスで良かったのですが、今回、シーズントップを飾って新演出で「マダムバタフライ」が登場です。
Cio-Cio-SanはAsmik Grigorianさん、SuzukiはVirginie Verrezさん、Kate PinkertonはIsabel Signoretさん、PinkertonはFreddie De Tommasoさん、SharplessはBoris Pinkhasovichさん、GoroはThomas Ebensteinさん、SolotänzerinはHsin-Ping Changさん、SolotänzerはTom Yangさんらの起用が予定されています。

DIE ENTFÜHRUNG AUS DEM SERAIL(2020年10月12日)
モーツァルトの定番オペラも新演出で登場します。
Bassa SelimはChristian Nickelさん、KonstanzeはLisette Oropesaさん、Konstanze – Schauspielerinは Emanuela von Frankenbergさん、BlondeはRegula Mühlemannさん、Blonde – SchauspielerinはStella Robertsさん、OsminはGoran Juricさん、Osmin – SchauspielerはAndreas Grötzingerさん、BelmonteはDaniel Behleさん、Belmonte – SchauspielerはChristian Natterさん、PedrilloはMichael Laurenzさん、Pedrillo – SchauspielerはLudwig Blochbergerさんらの起用が予定されています。

EUGEN ONEGIN(2020年10月25日)
チャイコフスキーの代表作。かつて小澤征爾さんが得意としていた演目。
TatjanaはTamuna Gochashviliさん、OlgaはAnna Goryachovaさん、Eugen OneginはAndrè Schuenさん、LenskiはBogdan Volkovさん、Fürst GreminはDimitry Ivashchenkoさんらの起用が予定されています。

DAS VERRATENE MEER(2020年12月13日)
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェのオペラ。新しい作品です。

20200427008CARMEN(2021年2月6日)
ビゼーの代表作で、日本の方にも馴染みが深い作品。今までも良い演出でしたが、さて、どうなるのでしょうか。
CarmenはAnita Rachvelishviliさん、Don JoséはCharles Castronovoさん、Escamillo,ToreadorはErwin Schrottさん、MicaëlaはOlga Kulchynskaさん、FrasquitaはSlávka Zámečnikováさん、MercédèsはSzilvia Vörösさん、ZunigaはPeter Kellnerさん、Moralès, Sergeant はStefan Astakhovさん、RemendadoはCarlos Osunaさん、DancaïreはMichael Rakotoarivonyさんらの起用が予定されています。

LA TRAVIATA(2021年3月4日)
ヴェルディの代表作「椿姫」。こちらも日本の方に馴染みの深い作品。定番中の定番オペラと言えるでしょう。
Violetta ValéryはPretty Yendeさん、Flora BervoixはMargaret Plummerさん、AnninaはDonna Ellenさん、Alfred GermontはFrédéric Antounさん、George GermontはIgor Golovatenkoさんらの起用が予定されています。

20200427005PARSIFAL(2021年4月1日)
ご存じ、ワーグナーの大作ですが、出演者で注目を集めそうです。タイトルロールのパルジファルには、当代きってのワーグナー歌手Jonas Kaufmannさんが起用される他、日本のファンも多いElīna Garančaさんがクンドリ(Kundry)として出演します。
この他、AmfortasはLudovic Tézierさん、GurnemanzはGeorg Zeppenfeldさん、TiturelはPeter Kellnerさん、KlingsorはWolfgang Kochさんらの起用が予定されています。また、指揮はPhilippe Jordanさんが務めます。

20200427004FAUST(2021年4月22日)
グノー作曲のオペラ。ゲーテの劇詩をオペラ化したもので、グノーの最高傑作と言われています。
Doktor FaustはJuan Diego Flórezさん、MargueriteはNicole Carさん、Méphistopélès はAdam Palkaさん、Valentin はBoris Pryglさん、Wagner はPeter Kellnerさん、Siébel はVirginie Verrezさん、Marthe はMonika Bohinecさんの起用が予定されています。

L'INCORONAZIONE DI POPPEA(2021年5月22日)
「ポッペーアの戴冠」はモンテヴェルディが作曲したオペラ・セリア。皇帝ネロと悪女として有名なポッペーアの史実に基づく作品。モンテヴェルディ最後のオペラ。
Nerone はKate Lindseyさん、Poppea はSlávka Zámečnikováさん、Ottone, früherer Gatte PoppeasはXavier Sabataさん、Ottavia, Neros GemahlinはChristina Bockさん、SenecaはWillard Whiteさん、Virtù / DrusillaはVera-Lotte Boeckerさん、Arnalta, Poppeas AmmeはThomas Ebensteinさん、Amore / VallettoはIleana Toncaさんらの起用が予定されています。 

20200427002MACBETH(2021年6月10日)
シーズン最後を飾る新演出はヴェルディの「マクベス」。こちらも注目を集めそうです。というにはLady MacbethにAnna Netrebkoさんの出演が予定されているからです。
この他、MacbethはLuca Salsiさん、BanquoはRoberto Tagliaviniさん、MacduffはFreddie De Tommasoさんらの起用が予定されています。

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April 27, 2020

ウィーン市がフィアカー業者を緊急支援

202004260031日本では、いよいよゴールデンウィークに入りますね。例年ですと、海外旅行へお出かけの方で賑わう時期ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「ステイホーム週間」になってしまいました。

友人の話によると、近距離も含めて休日の鉄道利用者は激減しているようですが、逆に住宅立地では、域内での人の動きは活発になっているとか。まぁ、天気が良い日に自宅に篭もるのは、さすがに厳しいでしょうね。

さて、今日は「ウィーン市の観光産業支援の話題」をお伝えしましょう。

202004260021皆さまもご存じのようにオーストリアはインバウンド需要を基本とした観光立国です。当然、観光に関わる仕事をしている方も多数、生活しています。

ウィーンで旧市街を中心に運行されている観光馬車Fiaker(フィアカー)も、その1つでしょう。基本的に交通機関ではありませんから、地元の人は結婚式など特別の行事の時以外は、利用しません。

現在は、盛大な結婚式も自粛していますから、事実上、需要はゼロ。市内を巡回する乗合観光バスと同じく、観光需要に特化した乗り物です。

202004260041乗合観光バスの場合は、需要がなければ、運休してしまえば、ドライバーさんの人件費という問題はありますが、燃料代はかかりません。

ところがフィアカーは、2頭の馬が必須。馬は生き物ですから、フィアカーの運行を停止していても、餌代をはじめ、ゴミ処理費用、蹄鉄の交換など多額の費用がかかります。

フィアカーの業者や基本的に個人事業主なので、財政基盤も決して盤石ではありません。このまま、国境閉鎖が続き、観光客がウィーンにこないと、最悪の場合、廃業ということも考えられます。廃業=馬の処分というケースも想定されます。

フィアカーについては、色々と意見もありますが、やはりウィーンを代表する観光資源。そこで、ウィーン市では、ウィーン商工会議所と協力して、業者への支援を始めました。

具体的には馬1頭に対して月額250Euroを3ヵ月間提供するものです。支援資金はウィーン市が準備し、ウィーン商工会議所が窓口となって、申請のあったフィアカー業者に支給されます。

20200426006なお、現在、ウィーンには21の登録フィアカー業者があり、合計約300頭の馬がいます。今回のポイントは、「動物保護という視点での支援」という点でしょうか。

ところで、裏付けはとれていないのですが、ドイツの動物園の中には、長期間の閉鎖により、危機的な状況に陥っているところがあるというウワサを耳にしました。

これは収入が立たれたため、動物の餌代などを捻出できないというもので、動物の処分も検討しているとか‥まさか、21世紀の今日、「かわいそうなぞう」が先進国で出現するとは‥新型コロナウイルス感染拡大は、色々なところに影響を及ぼしているようです。

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April 26, 2020

臨時更新 4月26日、Volksoperが特別プログラムを放送(追記あり)

20200425201Volksoperを始め各劇場で2019/20シーズンの公演がキャンセルとなっていますが、そんな中、4月26日、ORFⅢで「Wir spielen für Österreich」(Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien)というオペレッタ・コンサートを放送(ライブ配信を含む)することが決まりました(現地時間20時15分からの予定です)。

時節柄、ドクターによる出演者に対する検査をはじめ、十分な感染防止対策を施した上での特別コンサートです。なお、会場はORFの施設が使用されるようです。

出演はJohanna Arrouas、Alexandre Beuchat、Stefan Cerny、Ben Connor、Kristiane Kaiser、Oliver Liebl、Martina Mikelic、Rebecca Nelsen、Ursula Pfitzner、Vincent Schirrmacher、Carsten Süssの皆さん。

演奏はORF Radio-Symphonieorchesters WienとVolksopernのピアニストEric Mechanicさん。おなじみのChristoph Wagner-Trenkwitzさんが構成を担当。Robert MeyerさんがMCを務めるようです。

20200426001コンサートでは、Johann Strauß、Franz Lehár、Emmerich Kálmán、Ralph Benatzkyなどの作品からアリアやデュエットなどが取り上げられますが、すでにORFⅢのホームページでは、当日のプログラムも発表されています。Feri、お気に入りの楽曲が盛り沢山。

劇場へ行けないだけに、オペレッタの名曲を楽しめるのはありがたいことです。

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大型E-Bus(電気バス)が再び試験運転中

20200424004時節柄、偏った話題が多くなり、申し訳ございません。今日は「Wiener Linienが12メートル級E-Busのテスト開始」という話題です。

様々な省エネ政策を進めているWiener Linienですが、12メートル級のE-Bus(電気バス、90席)の路線運行テストが新型コロナウイルスで厳しい状況が続く中、4月22日から始まりました。試験運行は5月6日まで実施されます。

今回、導入された車両はメルセデスのE-Citroで、57A系統(Burgring-Anschützgasse/Bhf. Rudolfsheim間)に投入されました。

20200424006新型コロナウイルス感染拡大防止のため、通常の路線バスと同じく、前部ドアは閉鎖されており、運転台に近い客席は閉鎖されていますが、一般のお客さまも利用することが可能です。

ただ、今回はメーカーから試作車レンタルしてテストを行っている模様なので、車体の色や車内もWiener Linien仕様ではありません。

そのため、前面と側面にステッカーが貼られています。実際に車両のナンバーもドイツ籍です(D MA MB2000)。

2020042400212メートル級E-Busのテストは、2019年1月にもBurgring-Anschützgasse間で行われており、今回は2回目となります。

今回テストされている車両は、バッテリーの持ち時間を長くすることを目的にエネルギー効率を向上させた改良型で、暖房や空調の制御も最適化されています。

20200424005エアコンはヒートポンプ式で、Euro VIエンジンを搭載した現在のCitaroと比較して、暖房、換気、および空調に必要なエネルギーは約40%削減されています。

ブレーキ時には、モーターを発電機として活用し、バッテリーに電力をフィードバックする電力回生ブレーキが採用されているのは言うまでもありません。

Wiener Linienでは、今後、本格的な12メートル級E-Busの開発を計画しており、今回の試験は、実際に乗客を乗せて試験運行を行うことで、開発に必要な各種データーを収集するのが目的です。

20200424003

試験運行のため、原則として車庫で充電を行っていますが、パンタグラフも装備されており、運行途中でも充電設備のある停留所で充電することも可能です。

ただ、メーカーのメルセデスはは、1回の充電で150kmの走行を保証していますので、テスト中、途中での充電は想定していないようです。

Wiener Linienでは、2027年までに82両のゼロエミッションバスを営業路線に投入する計画を立てています。

興味深いのはE-Bus62両に加えて、燃料電池バス10両の導入(2020年6月からテストを開始し、2021年から本格導入を予定)が計画されていることです。

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April 25, 2020

オーストリア航空も機材整理実施を発表

20200424104世界的な新型コロナウイルス感染拡大で最も影響を受けているのは、皆さまもご存じのように航空会社です。このブログでもお伝えしたようにオーストリア航空は5月17日まで、定期便は全便運行停止中です。

日本の航空会社でも国際線はほとんど欠航、国内線も大幅に減便となり、大幅な減収に見舞われているようです。特に日本航空が倒産してから、「行け行けドンドン」だった全日空の方が大変そうです。

20200423104運行しなければ燃料は消費しないので、その分はプラスですが、空港での駐機費用をはじめ、定期検査費用、訓練費用、社員の人件費など運行休止中でも見えないコストがかかります。収入がゼロで、経費だけ出ていく訳ですから、企業の体力が問われます。

現在、ルフトハンザ傘下のオーストリア航空も、需給調整の一環としてついにルフトハンザに習って機材整理を発表しました。

まず、2022年までにエアバスA319型(座席数138名)全7機機を退役させます。掲載した4枚の写真は、今回、早期退役が決まった同社のエアバスA319型です。

20200424103ちなみに同社のA319型は2004年から2006年にかけて導入されました。その後、追加で発注されていないため、機齢は16年ほどです。

また、長距離国際線用のボーイング767-300ER型(座席数211名)も、6機中3機を退役させます。

A319型に関しては、座席数ではA320型とエンブラエルERJ195型の間に当たるので、どちらかで代替えできると踏んでいるのだと思います。

20200423103一方、同社のボーイング767-300ER型は、ラウダから移管された機体が中心で、更新工事が行われているとは言え、平均機齢は28年。今回、退役することになったのはOE-LAT、OE-LAW、OE-LAXです。

残る3機(OE-LAZ、OE-LAE、OE-LAY)は引き続き、使用されます。余談ですが、プレスリリースで、抹消される機体の登録記号を発表するとは、マニアックな会社です。

20200423102ちなみに右(5枚目の写真)は、今後も継続使用されるOE-LAY。そして、左(6枚目の写真)は退役が決まったOE-LAT。同じB767-300ERながら悲喜こもごもです。

同社のボーイング767-300ERは、ボーイング777-200ERと共に長距離国際線で使用されていますので、機材を整理すると言うことは、長距離国際線の路線整理が実行される可能性が高いでしょう。

20200424101この他、2019年から引退を開始したボンバルディアDHC-8-Q400型(座席数76名)も、2022年までに全機退役させることになりました。

こちらは後継機としてエアバスA320型が導入されます。ただ、DHC-8-Q400型は旅客の少ない路線に投入されていたので、A320型では、明らかにキャパシティオーバー。

実際にはERJ195型で置き換えると思われますが、こちらも路線の整理が絡んでくると思います。

20200424102古い機材を退役させることで、同社の全機材平均機齢は15.4年から14.6年に下がります。

これらの退役により、オーストリア航空のフリートは5機種60機(B777-200ER、B767-300ER、A321、A320、ERJ195)になりますが、長距離国際線用機材はわずか9機です。

新型コロナウイルス蔓延前の輸送量80%に対応する布陣で、再起を図ることになりました。

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April 24, 2020

ウィーンの新しいバスターミナル建設計画続報

20200423003毎年、秋のお楽しみ、プラーターで開催されている「Wiener Wiesn 2020」ですが、主催者から中止が発表されました。まぁ、本家ミュンヘンのオクトーバーフェスト中止が決まったので、やむを得ないかもしれません。

今日は「ウィーンの新しいバスターミナル建設続報」をお届けしましょう。

2019年3月10日の記事で「ウィーン市が長距離バスターミナルを建設する」という話題をお伝えしましたが、このほどウィーン市から都市計画委員会で検討された計画の詳細が発表されました。

新しい長距離バスターミナルZentraler Fernbus-Terminal)は、レオポルトシュタットのHandelskaiに建設されます。南東にあるRadstadion(屋内競技場、右側の写真が競技場周辺)と直結している他、地下鉄U2のStadion駅まで徒歩4分ほどというロケーションです。地下鉄などを利用すると都心まで7分で行くことができます。

20200423005前回もご紹介しましたが、この場所が選ばれた理由はアウトバーンA23のAnschlussstelle Handelskaiに近く、周辺の生活道路への影響を最小限にとどめることができるためです。

ウィーン市では、新しい長距離バスターミナルを、空港や主要鉄道駅と並ぶ長距離旅客輸送における3番目の「強力な柱」と位置づけています。現在は冷え込んでいますが、観光都市ウィーンの重要なゲートウェイという訳です。

再生可能エネルギーを積極的に取り入れているウィーン市らしく、今回の新しいバスターミナルでも、太陽光発電システム導入を始め、地域エネルギー供給施設の統合なども計画されています。

20200423004バスターミナルは、オフィスとホテルが入る複合施設(総床面積約35000平方メートル)になることが発表されました。

冒頭の写真がファザードの完成予想イラストですが、向かって右側がオフィスとホテルが入る高層棟になるようです。

バスーミナルは2階建てで、1階にはオンラインチケット発券機、コンコース、カフェ、ショップ、チケットカウンターを備えたチェックインホールが設けられます。空港のチェックインカウンターをイメージしているような感じです。

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April 23, 2020

オーストリアの新型コロナウイルス対策の状況

20200422001オーストリアでは4月14日に規制が一部解除され、新型コロナウイルス感染対策が第2フェーズに移行しました。

現在、感染者数増加率は、ここ4日間で0.52%と連邦政府の思惑どおり抑えられていますが、新型コロナウイルスの潜伏期間を考えると、人々が街へ出るようになってから2週間後、つまり4月末当たりの動向が気になります。

もし、4月末に感染者数が急増するようなことがあると、4月14日の規制緩和は早すぎたということになります。

20200422006そんな中、連邦政府は、4月21日、5月4日の大規模店舗営業再開に加えて、5月15日からバーを含むレストラン、学校、教会の再開を発表しました。ただし、レストランに関しては、従業員はマスクを着用し、お客さま同士はソーシャルディスタンスをとることが条件です。

気になるEU内を含む国外移動ですが、Sebastian Kurz首相は、会見で“ヨーロッパ内の自由移動はしばらく制限される”と発言しています。

そして、今夏はオーストリア国内での旅行を推奨することを発表。キャンペーンなども実施するようです。なお、来週、火曜日(4月28日)に、新しい発表が予定されています。恐らく感染者増加の動向を見極めた上での発表だと思われます。

20200422004気になるのは、日本との往来です。夏頃でもEU内ですら、移動が大幅に制限されることが示唆されていることを考えると、しばらくは日本との往来は不可能かもしれません。

ちなみに、ドイツではミュンヘンの「オクトーバーフェスト」中止が、バイエルン州政府首相から発表されました。ご存じのようにウィーンでもプラーターでオクトーバーフェスト(Wiener Wiesn)が開催されていますが、実施の可否は4月23日に発表される模様です。

さて、フェーズ2移行後、最も大きな変化は公共交通機関利用時のマスク着用。これはお客さまだけでなく、乗務員も含まれます。そこで、Wiener Linienでは3Dプリンターを使ってフェイスガードを自前で作成しています。

20200422005このフェイスガードはプレキシガラス製で、3つの部品から構成されています。3Dプリンターによる製造時間は2時間30分ほどで、過去2週間に400個以上が製造されました。また、現在、200個の製造準備が進められています。

自家製フェイスガードは車両の点検や修理、路線の維持などに従事する職員が使用するものです。

Wiener Linienでは、外部からフェイスガードを調達していますが、数が揃わないため、自前での製造に乗り出したものです。

また、Wiener Linienでは再利用可能な布マスクの製造も行っています。マスクの製造を担当しているのは、職員が着用する被服の修理や加工を行う部門。縫い物には慣れています。

20200422002ただ、日頃、行わない作業であるため、プロジェクトチームを立ち上げ、縫製パターンの確立と作業手順をまとめました。現在、こちらも製造が始まっており、4月初旬から職員に配布されています。正に「総力戦」といった感じです。

さて、このブログでもお伝えしたMesseに設けられた新型コロナウイルス感染者(軽症者)ケアセンター(Covid-19-Erkrankte in der Messe Wien)の写真が公開されました。

センター内感染防止のための対策が施されている様子もうかがわれます。

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April 22, 2020

壮大だったウィーン地下鉄建設プロジェクト

20200421001興味深いコメントを頂いたので昨日に続き、今日も「ウィーン地下鉄の話題」をお届けしましょう。

ウィーン市は約400平方キロメートルで、人口は19万人弱です。人口では劣りますが、名古屋市を一回り大きくしたような都市です。行政区はウィーンの23、名古屋市は16です。さらに名古屋にも地下鉄が6路線ありますね。

現在、ウィーンの地下鉄は鋭意建設中のU5系統を含めると6路線なので、規模は違いますが、名古屋に近いものがあると思います。

昨日もお伝えしたように、ウィーンでも自動車の増加に伴い、市内交通の再編機運が高まりました。

1968年1月26日、ウィーン市議会は大量交通輸送機関として地下悦U1、U2、U4の建設を決定します。

20200421002その後、数年の間、ウィーンでは、様々な地下鉄建設計画が検討されます。

当時、新規建設路線のU1とU3がウィーンを横断する中心路線として位置づけられており、それを補完する形で、既存インフラを活用した路線(U2、U4、U6)を整備することがコンセプトだったようです。

1970年段前半、ウィーンでは地下鉄中心の街づくりを計画していたようで、地下鉄路線についても、様々なプランが検討されていました。

プランにはE、K、Mなどがあったようですが、1974年には、まだ実現可能性があったのが「Mプラン」(Netzentwurf M)です。

このプランは地下鉄計画初期の出版物などにも掲載されているため、比較的良く知られているプランです。

さて、想定路線図をご覧になると、如何に壮大なプランだったかがわかります。

実際に建設された路線と異なる計画だったこともわかります。U1は支線を除くと現在の路線を踏襲していますが、U3はSt.Max経由でドナウ川の向こう側へ延伸する計画になっています。

20200421005U2に関しては、建設中の区間は別にすると、現在とは全く異なる計画で、北側はOberdöblingへ路線が延びています。また、南側に関してはSt.Max経由でKlein Schwechatまで伸びる路線になっています。

更にU5に加えて、U7という路線も検討されていました。まず、U5は現在の路線ではなく、WestBahnhof-St.Marx間の路線になっています。つまり路面電車18系統を代替えする予定だった訳です。

「幻のU7」はFloridsdorf-Schierlinggrund間の路線として計画されています。途中、U1、U3と接続するように計画されています。U2のSeestadt延伸に伴って26系統という路面電車の路線が新設されましたが、これに近い機能を担っているようです。

20200421003興味深いのは、多数の支線(A線、B線)が計画されていたことです。支線で注目されるのはU4A。現在、建設中のU5に近い路線になっています。

これを見ると、完全に路面電車を地下鉄で置き換えるという意図が明確に感じられます。ちなみに路線図で矢印になっているのは、「更に延伸する計画があった」という意味です。

U3などは、実際にはOttakringまで延伸されましたが、この路線図ではJohanstraßeまでしか実線では描かれていません。逆にU3AがOttakringまでの延伸が示唆されてます。恐らくU3Aは、現在の路面電車46系統を置き換える計画だったのでしょう。

St.MaxはU3、U2、U5という3路線が集まる一大ターミナルになる計画だったことがわかります。

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April 21, 2020

地下鉄U2誕生秘話

20200420004先日U2/U4乗り入れプロジェクトをご紹介しましたが、ウィーンの地下鉄には、それ以外にも面白いエピソードが存在します。今日は「U2誕生秘話」をご紹介しましょう。

U2は、リングの外側に沿ってKarlsplatz-Schottenring間が1980年8月30日に開業しました。この間には、現在、Museumsquartier、Volkstheater、Rathaus、Schottentorという4駅が設けられています。

しかし、開業当初、Volkstheater-Rathaus間にLerchenfelder Straßeという駅がありましたが、2003年に閉鎖されました。これは、Volkstheaterのプラットホームを延長に伴い、駅間が短くなりすぎたためです。現在でもプラットホームに遺構は地下に残っています。

20200420003なぜ、このように駅間が極端に短い駅ができた理由には、興味深い背景があります。

1950年代、ウィーンでは奇跡的な経済成長と、それに伴う人口の増加により、自動車の交通量が増大し、路面電車の運行に支障が生じるようになりました。

当時、オーストリアでも日本と同じく、路面電車は「時代遅れの乗り物」と認識されており、やがて廃止されると見込まれていました。そして、1958年以降、自動車が通るスペースを確保するため、路面電車路線のバス転換が進められます。

しかし、バス転換を実施した結果、バスが渋滞に巻き込まれ、思った程、成果が出ないことが判明しました。現在は路面電車、路線バスともに同一運賃ですが、当時は路線バスの方が、運賃が高かったことから、利用者も減少。その結果、路面電車のバス転換は中止されます。

20200420001本来、地下鉄の建設が解決策になるのですが、建設費が高額になるため、反対が強く、建設にふみきることはできませんでした。

その代わりに導入されたのが、当時、ブリュッセルやストックホルムで採用されていた「路面電車路線の一部を地下化する」という「路下電車方式」です。ウィーンでは、U-Straba(Unterpflaster-Straßenbahn)と呼ばれています。

ウィーン市は、1963年、Friedrich Schmidt-Platz(フリードリヒ・シュミットプラッツ)北側からLandesgerichtsstraße・ Secessionstraße(現在のMuseumstraße)の地下に路面電車用トンネルの建設を開始します。

1966年10月8日、全長1.8kmの路面電車用トンネルZweierlinieが開通し、途中、Mariahilfer Straße、Burggasse、Lerchenfelder Straße、Friedrich-Schmidt-Platzの各停留所が地下に設けられました。

20200420002このトンネルは、H2系統(Hernals, Wattgasse-Prater Hauptallee間)、E2系統(Herbeckstraße -Praterstern間)、G2系統(Hohe Warte – Radetzkystraße間)が利用が利用しました。H2、E2、G2系統に共通しているのは、多くの区にまたがって運行されていた点です。

ちなみにH2は1区、2区、3区、4区、6区、7区、8区、9区、17区を結んでいます。

当時の写真を見ると、短い路面電車が使う割にはプラットホームの長さが長い仕様になっていました。これは複数の系統が乗り入れるため、同時に停車できるように配慮したものです。

一時は注目された路下電車ですが、やはり輸送量においては本格的な地下鉄にはかないません。

20200420007このブログでもお伝えしたことがありますが、ウィーンでは、地下鉄と同時にモノレールも比較検討していました。しかし、最終的には景観への影響が少ない地下鉄が採用されます。

1968年1月26日、ウィーン市議会はU1、U2、U4の建設を決定します。U1は完全な新規建設ですが、U2とU4については、既存の施設を活用することで、建設費の削減、建設期間の短縮を図ることになりました。

20200420010U1の建設が1969年から始まり、1976年9月25日、Keplerplatz-Karlsplatz間が開業しました。

U4は、Stadtbahnの路線を活用し、1976年5月、Heiligenstadt-Friedensbrücke間が開業します。

U2/U4プロジェクトの記事でもお伝えしたように、当時、ウィーン市ではU2とU4を使ってリングを結ぶ地下鉄の環状線化を考えていたようなので、H2系統の路線であるHernals方面ではなく、Schottenringへの延伸を計画します。

20200420006今から考えて見ると、路下区間のプラットホームやトンネルに余裕があったのは、もしかしたら将来、本格的な地下鉄化を想定していた可能性もあります。既に完成し、運用されていたZweierlinieのトンネルを南北に延長する形で工事が進められました。

ただ、路下電車と地下鉄では、駅間距離が異なります。路下電車の場合、基本的には地上を走る路面電車の一部区間を地下化するという発想なので、停留所は地上に準じて設置されます。

それに対して、地下鉄は大量輸送を前提としているため、駅間は長くなる傾向にあります。

新しい地下鉄トンネルの建設が完了したタイミングで、E2、G2、H2のトンネル使用を中止し、わずか2ヵ月間でトンネルと駅(プラットホーム)をU2仕様に改修します。

U2はU1に比べると駅が浅い場所に建設されているのは、路下電車の名残と言って良いでしょう。

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April 20, 2020

動物病院にて

20200419001今日は新型コロナウイルスの話題は一休みして、「動物病院の話題」をお届けしましょう。ウィーンは犬や猫をペットとして飼っている方が多いため、動物病院を数多く見かけます。

余談になりますが、日本に住むFeriの友人に愛犬家がいますが、皆さまもご存じのように動物には公的健康保険がありませんから、基本的に自由診療。そのため、診療を受けるとかなり費用がかかるようですね。

友人の奥さまはパートで働いていますが、友人、曰く“愛犬のために働いているようなものだよ”と冗談交じりに話していました。

20200419003最近では、人間の生活習慣病のような症状の愛犬、愛猫も多いとか‥ こちらでも愛犬家や愛猫家は治療費も含めて、色々とお金がかかることでしょう。

以前、Ottakringの駅近くを歩いているとき、Vierbeiner-Tierarztpraxisという動物病院を見つけました。

主に犬と猫に加えてウサギやモルモットなど「四つ足の動物」が診療の対象らしいですが、病院での診療(入院を含む)に加えて、往診も行っているようです。また、飼料などを販売するショップやペットの一時預かりなどのサービスも実施中。

Feriが気になったのは、入り口脇に張り出されたポスターです。犬や猫の写真と共に、説明がぎっしり。どうも行方不明になった愛犬や愛猫を探してもらうためのポスターのようです。

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April 19, 2020

報道雑感

20200418001オーストリア国内の新型コロナウイルス感染が第2ステージに入ったためか、日本に関する報道が見られるようになりました。

横浜に寄港した「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大した際は、連日、大きく取り上げられましたが、その後、自国内の感染拡大にともなって、遠い日本の話題はオリンピック・パラリンピック延期決定以降、少なくなりました。

4月16日、オーストリア通信(APA、Austria Presse Agentur)が「日本政府の新型コロナ対策は遅すぎる」と批判する記事を大きく報じました。

実は、日本の方が学校休校要請や各種行事の自粛要請は、オーストリアよりも早かったのは、皆さまもご存じのとおりです。

20200418002ORFは、東京オリンピック・パラリンピック開催の延期が決まった後、東京で感染者が急増したことについて、「安倍政権がオリンピック開催を実現するため、厳格なロックダウンや外出禁止などの手が打てなかったが、オリンピック開催が延期されたので緊急事態宣言の発令となったのだろう」と報道しています。

また、ヨーロッパのメディアの中には、「中国の習近平国家主席の国賓訪問の実現に拘ったのではないか」といった憶測に基づく報道をしているところもあります。

20200418003ORFの報道では、医療体制不足が指摘されており、大阪市が防護服不足のため、簡易レインコートを要望してること、消毒用アルコール不足を補うため度数の高い酒の利用が認められたことなども取り上げられました。

興味深いのは、彼らのニュースソース。日本に特派員を派遣しているメディアもありますが、基本的には日本のメディア記事を参考にしているケースが多いのです。

ちなみにAPAは、朝日新聞英字版とNHK英語放送を引用しています。不思議なことですが、オーストリアに限らず欧米の欧米メディアが日本の政治を論評する際、安倍政権に批判的な左派の朝日新聞などを引用します。

どちらかと言うと、自民党政権に好意的な産経新聞を引用することは、ほとんどありません。

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April 18, 2020

1. Wiener Gemeindebau-Chor(第一ウィーン・コミュニティ合唱団)

202004170014月14日から小規模店舗の営業が再開されましたが、人との接触を最小限にとどめるように指示が出ているため、Feriも友人とは会っていません。

ウィーン郊外に住む友人からメールが来ましたが、スーパーマーケットでは、従業員から買い物カートのハンドルを自分で消毒するように指示されたそうです。また、入り口で配布するマスクがなくなっていたため、持参したマスクを利用したようです。完全に押さえ込んだ訳ではないので、どうしても外出は自粛傾向になります。

このブログをご覧になっている方も利用されているかもしれませんが、ウィーン国立歌劇場が過去の作品映像を配信しています。友人も時間があるため、それを見て楽しんでいるといっていました。

20200417002今日は、「引き籠もりを余儀なくされたウィーン子に対するプロジェクトの話題」をお伝えしましょう。

高齢者は重症化のリスクが高いため、人との接触を極力抑えるように指示が出ていますが、そうなるとストレスも貯まります。

特に集合住宅に住む皆さまは、庭がないところも多く、気分転換が難しいところ。公園も開放され、一人での散歩などはできるようになりましたが、やはりリスクを考えて、住まいに留まる方も多いと思います。

音楽関係者の皆さまも、集まった稽古はできません。主に10区、15区、22区のウィーン市営アパートに住む住民が参加する1.Wiener Gemeindebau-Chor(第一ウィーン・コミュニティ合唱団)という団体があります。

このグループは2008年に設立されたアマチュア合唱団で、現在、約80名のメンバーが加わっています。

20200417003年間25回の公演を行い、平素は週3回のリハーサルをするのですが、時節柄、自宅待機。

ただ、4月15日から自宅で毎週ビデオリハーサルを始めました。楽譜などはインターネット経由で提供されているようです(右は誰でもダウンロードできる楽譜です)。

今回、1.Wiener Gemeindebau-Chorは、「メンバーではないウィーン子も、ビデオリハーサルに参加しませんか?」という呼びかけを行いました。

つまり、“一緒に歌って不安を解消しましょう”という訳です。ウィーンらしい取り組みですね。

4月15日から毎週15分間のビデオレクチャーと楽譜などが、インターネット経由で提供されています。参加者は、レクチャーを聴いて、楽譜を見て、自宅で一緒に歌うという訳です。

第1回のレッスンプログラムはベートーヴェン・イヤーにちなんで、「Freude schöner Götterfunken」(歓喜の歌)です。

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April 17, 2020

ペンギンは、いつ来るの

202004160034月14日の規制緩和を前にMichael Ludwigウィーン市長は記者会見で、新型コロナウイルス対策で冷え込んだ景気を回復させるため、“地域の特産品を購入して、ウィーンの地元サプライヤーとウィーン経済を支えよう”と訴えました。

ウィーンは首都でありながら農業も盛んです。市内では約40種類の野菜を栽培されており、年間7万トン以上が収穫されています。トマト、きゅうりなどがウィーンで最も人気のある新鮮な野菜。市内の緑地ではジャガイモも栽培されています。

さて、今日は「動物園の話題」をお届けしましょう。

オーストリアの動物園と言えば、パンダを飼育しているウィーンのシェーンブルン動物園(Tiergarten Schönbrunn)が有名ですね。1752年、帝国の宮廷メナジェリー(小動物園)として設立され、世界で最も古い動物園としても知られています。

Feriも、その昔、パンダを見に言ったこともあります。印象深かったのは、日本よりも空いていて、パンダをじっくりと見ることができたことです。

20200416001さて、ザルツブルクにも動物園(Zoo Salzburg)があります。場所は仕掛け噴水の庭園で有名なヘルブルン宮殿(Schloss Hellbrunn)の近く。そのため、Tiergarten Hellbrunnと呼ばれる場合もあります。

Feriは毎夏、近くを通るのですが、残念ながら立ち寄ったことはありません。ザルツブルク動物園は、敷地面積14ヘクタールで、岩山の麓に展開しているのが特徴です。

同動物園のホームページによると、1424年、鳥と魚を飼育する大司教の私的な動物公園(Erzbischöflicher Wildpark)として誕生したそうです。

その後、1619年、ヘルブルン宮殿の関連施設として設備を拡充させ、鹿、カメ、クマ、オオカミ、オオヤマネコなどを飼育していたようです。

ただ、一般に広く公開されるようになったのは、1961年のこと。以来、各種施設の拡充に務めてきました。また、2005年には民間会社が管理を引き継いでいます。

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April 16, 2020

4月14日からのオーストリア

20200415011オーストリアでは4月14日から新型コロナウイルス対策は第2フェーズに入りました。約1ヵ月に及ぶ規制が一部緩和され、経済活動が徐々にではありますが、再開されています。

このブログでもお伝えしたように、小規模店舗(売り場面積400平方メートル以下)は業態を問わず営業が再開されました。

ただし、大きく変わったのは全ての店舗での「マスク着用の義務づけ」です(罰金25Euroで、警察が取り締まりを実施)。これは、販売・接客に当たる従業員はもちろん、利用客もマスク(または、これに代わるもの)を付けなければなりません。公共交通機関でもマスク着用が義務づけられたので、ウィーン市内は日本のような光景になっています。

20200415006Feriが、ウィーンから日本に戻り、「一番日本らしい」と感じるのは、空港から乗った電車にマスクをしている人が多いことでした。もちろん、今回の一件が起こる前の話ですが‥

それが、今では、立場が逆転。何しろ、こちらでは「義務づけ」ですから‥しかし、元々、マスクをする習慣がなかった(そもそも、顔を隠すことが法令で禁止されていた)国だけに、マスクの供給が気になります。

そのため、スカーフなどで代用することも許可されています。元々、今回のマスク着用は、「自分が感染しないため」ではなく、「発症していない感染者が知らずに他人にうつすことを防止するため」。つまり飛沫の飛散防止が目的なので、代用品も許可されているのでしょう。

20200415003ところで、中国から輸入したマスクに粗悪品が多く、返品したという例もあるようです。

さて、店舗再開の話に戻ると、大型ショッピングセンターは、5月まで営業休止中ですが、ショッピングセンター内に入っている食料品店、ドラッグストア、薬局、タバコ屋、携帯電話ショップなどは例外的に営業が許可されています。

また、新しいルールとして、売場面積20平方メートルごとにお客さま1人というものがあります。これは密集を避けるためのルールで、入場制限を行うことで対処しています。

従って、売り場面積が20平方メートルより狭い狭小店の場合、一度に利用できるお客さまは1人になります。この規定を違反してお客さまを入れてしまった店舗には3600Euro以下の罰金が科せられ場合があります。

そのため、入店コントロールが重要になってきます。

20200415010また、店内ではお客さま同士が、最低でも1メートルの距離(ソーシャルディスタンス)をとらなければなりません。

このような新しいルールが課せられたため、商工会議所が統一した案内表示を作成して、店舗に配布しています。例によってピクトグラムを多用したでものです。

日本も、外国人の方が増えていることを考えると、文字だけの案内ではなく、こういった案内を工夫した方が良いような気がします。

営業開始をした店舗についても、ドアノブやカートのハンドルなどを定期的に消毒することを奨励しています。

20200415007次に営業時間ですが、他の法律により営業時間の規制がある場合を除き、7時40分から19時00分までに制限されています。

公共交通機関を利用する際も、乗客同士が1メートルの距離をとることが要請されています。

20200415013ところで、地下鉄や路面電車は運転室が客室と壁で区切られていますが、バスはオープンになっています。

そこで、乗客が運転手に近づかないように前方の出入り口を閉鎖しています。もちろん、乗務員もマスク着用です。

一方、ÖBBでも「車内でのマスク着用義務化」をはじめとする新型コロナウイルス感染防止策を駅や車内で啓蒙するための活動を始めました。

ソーシャルディスタンス確保はもちろん、手すりやテーブルを利用した場合の注意や手洗いの励行などが、イラスト入りで紹介されています。なお、ルールの遵守は「個人の責任」であることが強調されています。

20200415014駅中の店舗については、一般の店舗同様、400平方メートル以下の店舗は営業を再開しました。ただ、Wiener HauptbahnhofなどにはBahnhof Cityというショッピングセンターが併設されていますが、こちらは食料品店、ベッカライ、タバコ屋などに限定して営業が行われています。

鉄道に関しては、運転本数が削減されていますが、運転が継続されているため、設備の保守が不可欠です。

そこで、作業員が感染し、作業中止に追い込まれないように、産業医と連携して、現場への移動を分散する、作業プロセスの見直しなど様々な対策をとっています。

20200415009ORFをはじめとするニュース番組では住民にインタビューをしますが、ソーシャルディスタンスを配慮して、マイクを長い棒について使用していました。危機感が違います。

そう言えば、日本のテレビ局などは、街頭インタビューの際、こういった感染拡大対策をとっているのでしょうか。

また、政府関係者へのインタビューでも、記者自身が感染者である可能性を考慮した対応をしているのでしょうか。まさか、1メートル以内に接近してインタビューなどはしていないでしょうね。

次に交通に関する話題です。今まで、市内の短時間駐車スペース(路上に設定されているもの)は利用禁止になっていましたが、4月14日から、ウィーンなどでも利用が再開されました。

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April 15, 2020

高架下のお店が‥

20200414004日本では、趣味関係の雑誌が一部、休刊になったという話を耳にしました。どうも、読者に外出を奨励することにつながると出版社側が判断したようです。さて、今日は「高架下に入居しているお店の話題」をお届けしましょう。

ウィーンのS Bahnをはじめ一部の地下鉄には高架区間がありますが、その高架下は色々な使われ方をしています。工房や倉庫も多いですが、駅周辺では飲食店などが入っていることが多いようです。

Ottakring駅はS45とU3の複合駅ですが、S45の煉瓦造りの高架下は店舗になっており、小さなショッピングモールを形成しています。

駅舎に近い方から、ベッカライ(ANKER)、Lucky Noodles、花屋、Daddy’s(ピザとハンバーガー)、Wettpunkt、King Doner(ケバブ)などが並んでいました。 20200414001この中でユニークだったのが、Wettpunktというお店。こちらではSportwettenと呼ばれる業種です。いわゆる「スポーツ賭博」(ブックメーカー)です。

もちろん、政府公認のチェーン店で、経営はロシア人がやっているようです。ウィーン市内にも何店か営業しており、その一つが、Ottakringの高架下にありました。

20200414003Feriは、利用したことはありませんが、スポーツ賭博なので、試合に賭けた後はお酒を傾けながらテレビで観戦するというパターンなのでしょう。

スポーツバーに賭けができる施設が併設されているようなイメージです。ただ、お店の性格上、外から店内は見ることができないようになっています。

また、未成年の利用も禁止されています。

オーストリアのスポーツ賭博としては、ADMIRAL Sportwettenも有名で、ウィーン市内でも数多く見かけます。

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April 14, 2020

Kegelbahn(ケーグルバーン)

20200408001今日、4月14日からオーストリアでは、店舗面積400平方メートル以下の小規模店舗の営業が再開されます。また、シェーンブルン宮殿やアウガルテンなどの大規模公園の閉鎖が解除されました(ただし、入場制限があります)。そして、5月4日には全ての商店、ショッピングモール、美容院の営業も再開されます。

ホテルやレストランの営業再開は5月中旬以降の予定。ただし、オーストリア連邦政府は、公的なイベントの開催は、少なくとも6月下旬以降まで認めない方針です。

ただし、感染拡大を防止するため、マスク着用が義務づけられている他、買い物時にも人との距離を適切に保つように注意喚起がなされています。

さて、今日は「インドアスポーツの話題」をお届けしましょう。

Feriが子供の頃、日本ではボウリングが大流行しました。各地にボウリング場ができて、たいへんな賑わいだったようです。Feriが利用できる年齢になった頃には、ブームも下火になり、ボウリング場も、かなり整理されてしまいました。

20200408004ただ、日本では、今でもボウリングファンは一定数、いらっしゃるようで、他のアミューズメント施設と併合したボウリング場は健在だとか。

ところで、ヨーロッパではボウリングの親戚「ケーゲル」(kegel)というスポーツがあります。この競技施設をKegelbahn(ケーゲルバーン)と呼びます。

実際にはケーゲルの方が、「ボウリングのご先祖」で、ドイツを中心にヨーロッパで普及しています。基本的にはボウリングと同じく、玉でレーン上のピンを倒すのですが、一番の違いはピンの数。

ボウリングは10本ですが、ケーゲルは9本。そのためピンの配置も異なります。ボウリングは正三角形に並べますが、ケーグルは菱形です(コントロールパネルのピン配置をご覧になると違いが一目瞭然)。当然、ボウルが当たった場合の「ピンの動き」も違ってきます。

20200408005また、ケーグルバーンではピンの上部に紐がついており、倒れたピンを戻す際には、この紐を引き上げます。

ボウリングでもプレイヤーがレーンに入ることは禁止されていますが、ケーグルの場合、バーン手前にヒモが張ってあります。

ドイツをはじめとするヨーロッパでは、スポーツ・ケーグルも盛んで毎年、ヨーロッパ選手権も開催されているほどです。最も娯楽として行うケーグルも人気があり、オーストリアでも小さな街にケーグルバーンがあります。Feriも意外な街にあるので、ビックリしたことがあります。

スポーツ・ケーグルは、50球(25球×2回)を約80分で投球するというルールがあり、集中力が要求されるそうです。

20200408003 さて、このブログでも再三、お伝えしているVolksoper前のCaféにも、以前は地下にケーグルバーンがありました。

残念ながらFeriは、ここのケーグルバーンを実際に見たことはありませんが、店内から地下へ続く階段があり、その先にバーン(レーン)があったようです。

たまたま、メニューを撮影した写真が出てきたのですが、そこに同店のケーグルバーンが写っていました。2つのバーンが設置されていたようです。

また、向かって右側にはサロンが併設されているので、ここでくつろぎながら、仲間の試合を楽しむことができるようになっていたようです。営業時間は16時から23時となっていました。

また、予約の電話番号が記載されていたことからわかるように、最盛期は予約をした上での利用が原則だてたのでしょう。しかし、残念ながら、日本のボウリングと同じくブームが去ったようで、ここのケーグルバーンも閉鎖されてしまいました。

20200408002余談ですが、Feriが夏に訪れるLungauの定宿にもケーグルバーンがあったようです。ただ、Feriが訪れるようになってからは、遣っていなかったようです。入り口の扉にケーグルのピンが取り付けられており、それがバーンの存在を物語っています。

以前、このブログでもお伝えしたことがありますが、その昔、友人とザルツカンマーグートを訪問した時、小さな街にケーグルバーンがあり、楽しんだことがありました。

その後、しばらくケーグルバーンを利用することはなかったのですが、ウィーン・ノイシュタット近くに住む友人ご夫婦を訪問した際、ご夫婦を乗せてドライブ中、小さな街でケーグルバーンを発見。友人ご夫婦の提案で、プレイを楽しんだこともあります。

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April 13, 2020

シュテファンドーム大火災から75年(Vor 75 Jahren brannte der Stephansdom)

20200412001今日は「シュテファンドームの話題」をお届けしましょう。第2次世界大戦末期、1945年4月12日、シュテファンドームが火災に見舞われ、聖堂の屋根と鐘楼が全焼しました。

火災原因については、色々な説がありますが、シュテファンドーム周辺の家屋に略奪者(どこの人かはわかりません)が放火し、その火が燃え移ったという見方が有力です。

何世紀にもわたり、ウィーンで最も高い建物(南塔は136.7メートル)だったシュテファンドームは、かつてはウィーン市の消防署(望楼としての機能)も兼ねていました。

実際、ウィーン旧市街を上空から見ると、今でも高いシュテファンドームの存在感が抜群ですね。

20200412004そして、意外と建物が密集しており、周囲がゴチャゴチャしており、延焼しやすそうな場所であることもわかります。

1945年4月、侵攻してきたロシア軍と戦闘状態にあったナチスは、戦局が劣勢になったことから、西側へ撤退を開始。同時に消防隊に対しても、ウィーンから隊員と装備の退去する命令が出ていたそうです。

しかし、そんな中でも、命令に反抗し、住民を守るため、ウィーン市内に残った消防隊員もいました。

20200412005Leopold Meister(レオポルド・マイスター)という消防士も、その1人で、当時の模様を回想録に記述しています。

周囲の火災から発生した火の粉などが大聖堂に燃え移り、内部のオルガンも延焼。外壁から屋根に燃え移り、12日の午後、22トンの鐘(Pummerin、プムメリン)が鐘楼と共に地上に落下しました。

13日の夜には、屋根が全焼し、礼拝堂内に崩落したとされています。

皆さまもご存じのようにプムメリンは、1683年、にオスマン帝国軍が敗退した際、残していった大砲などの武器を溶かし鋳造したものです。

20200412006シュテファンドームの火災発生、数日前から連合軍の空爆により周辺の建物で火災が発生していました。

しかし、一部の消防士や聖職者、若い教師などが、限られた消防機材を使って協力して消火に当たり、シュテファンドームへの延焼を食い止めていました。

Feriは、以前はてっきり連合軍の空爆でシュテファンドームが焼失したと思っていたのですが、連合軍もシュテファンドームを攻撃目標から外していたようです。

先ほどもご紹介したように略奪者が、誰もいない近隣の建物に火を放ち、火の粉が折からの強風に煽られ、過去の攻撃で穴が開いていた屋根から礼拝堂内に侵入し、大火災に至ったとされています。

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April 12, 2020

新型コロナウイルス禍のイースターに思う

20200411007今日、4月12日はキリスト教社会では「最大の祝日」、イースター( Ostern)です。

普通でしたら、若い家族が祖父母宅を訪問して一緒にイースターを祝います。祖父母も孫たちを迎えご機嫌。しかし、新型コロナウイルス蔓延中のオーストリアでは、今年は「家族の集い」は厳禁。

Sebastian Kurz首相は、先日の演説で“高齢者は新型コロナ感染の危険性が高い。祖父母を感染から守るためにも、今年は家族でのイースターの集いは諦めてほしい”とアピールしました。当然、教会のミサも中止です。

正直、Feriの人生を通じて、このようなイースターは初めての経験です。Feriの両親はプロテスタントのキリスト教徒でしたが、イースターの礼拝では、「色の付いたたまご」が配られていました。子供の頃、Feriは、それを両親からもらうのが楽しみでした。

20200411001さて、オーストリア連邦政府は、4月14日から小規模店舗の再開を許可しました。そして、5月1日から、大規模店舗および美容室の営業再開が許可される予定です。また、学校に関しては、筆記のみですが、卒業試験が再開される予定です。

一方、ウィーン市も政府の基本方針を受けて、独自に規制緩和を行いました。11日から車の通行が禁止されている市内の一部道路(右図の20箇所)を歩行者用に解放すると発表。

これは、ベランダや庭のない集合住宅に住む人が、屋内待機で気が滅入ってしまうため、散歩をしてもらうための対策です。ただ、ソーシャルディスタンス(1メートル以上離れること)の確保が前提ですが‥

20200411006また、ドナウ島も散歩のために解放されました。ただし、ピクニックやバーベキューなどのレジャーは厳禁。あくまでも散歩どまりです。それでも、お散歩好きのウィーン子には朗報だと思います。

このようなオーストリアの動きに対して、欧州疾病予防管理センター(ECDC)やWHOヨーロッパは、感染者の増加率は下がっているもののパンデミックのピークを過ぎていないため、規制解除は早すぎると指摘しています。

EU委員会では、EU内域内への入国禁止は、5月15日まで延長する意向のようです。そして、EU委員会としては、新型コロナウイルス感染に伴う規制は、数ヶ月かけて徐々に緩和するのが妥当であるという見解を示しています。

今後、オーストリア連邦政府が、どのような動きを見せるかが注目されています。

20200411004ところで、オーストリアはインバウンド需要が高い国ですが、今年は「EUの鎖国」の影響で、海外(EUを含む)からの旅行者が激減すると予想されています。

夏のバカンスシーズン、ザルツカンマーグートなどにはドイツ人が大挙押し寄せることで有名ですが、今夏は80%のドイツ人が自宅で過ごすのではないかという予想もあります。

オーストリア内のみならず、EU内でも夏に開催される音楽関係のイベントは、中止が発表されており、寂しい限りです。

一方、オーストリア人もバカンスが大好きな国民ですが、今年はリゾート地への海外旅行は難しく、国内で過ごすことになりそうです。

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April 11, 2020

ウィーン市職員がコロナウイルス対策マスクを製造中

20200410001今日は、またまた「マスクの話題」です。今まで、こちらではマスクの着用は医療関係者などに限られていました。特に「顔を隠す」という行為は、不気味に思われることが多く、インフルエンザが蔓延していても、マスクをする人は皆無。最もマスクは通常、販売されていませんでした。

それが、この1ヵ月間にオーストリアを含めて、世界各国でマスク着用が奨励されるようになりました。ただ、マスク着用の理由が、「自分自身の感染防止」ではなく、「相手を保護」になっている点でしょうか。

Sebastian Kurz首相もマスク着用義務化について、“マスクは新型コロナウイルスの侵入を防げないが、相手を感染から防ぐという意味で価値がある。同じように、マスクをする人が増えれば、それだけ自身の感染の危険性は減少する”と説明していました。

しかし、業務用も含めてマスクが不足している現在、日本では政府が全世帯に配布することになった「布マスク」は批判的な意見が多いようですが、他の国では、「他人への感染防止」という観点で布マスクを活用する動きも活発になっています。

20200410002いよいよイースター明けから小規模商業施設の営業再開が許可される予定のオーストリアですが、これに伴って、人の交流も盛んになります。

これを受けて4月14日から公共交通機関利用者にはマスク着用が義務づけられます。そこで、Wiener Linienでは、トップ写真のような「新しいピクトグラム」を制作し、利用者に規制の周知徹底を図ることになりました。このようなピクトグラムが登場する時代がくるとは‥

そんな中、不足しているマスクを自給自足しようという動きが出てきました。

ウィーン市のMA34(学校、消防署、オフィスなどウィーン市が管轄する建築・建物管理を行う部門)の勇姿が、住民と接触する部門の職員のためにマスクの製作に乗り出したというニュースが入ってきました。

20200410003再利用可能な布マスクで、ガーゼ(77メートル、マスク1500枚分)をはじめとする材料が調達できたことから、試作品を製造。洗濯試験(60度のお湯で洗浄)を行い、問題がないことが確認されたため、製造マニュアルを整備した上で、量産に踏み切りました。

ガーゼを断裁した上で、現在、在宅勤務中の女性スタッフの中で、50名の志願者が縫製を担当しています。完成したマスクはイースター明けにMA34スタッフの手で、人的接触が多い職場(保健所、役所の窓口など)のスタッフに配布される予定です。

今回、製造されるマスクは1500枚なので、750名のスタッフに1人当たり2枚、配布されることになりました。

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April 10, 2020

懐かしのオーストリア航空B737

20200409004新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受けて、各国で入国制限(事実上の鎖国)が実施され、一番、打撃を受けているのは航空会社だと思います。何しろお客さまがいない状態で運行すれば、赤字になるだけ。

最も地上に留め置いていても、駐機費用がかかるので、費用がかからない訳ではありませんが、赤字の幅を少なくするためにはやむを得ない措置でしょう。

ルフトハンザ・グループのオーストリア航空では、運休期間を5月3日まで延長しました。何しろヨーロッパの航空会社は、ほとんどか国際線なので、EU各国の入国制限が解除されないと、運行は不可能です。また、日本線の再開もどうなることやら‥

ちなみにオーストリア航空は、5億Euroの国家援助を望んでいるというニュースが入ってきました。実際に需要が回復するのは1年以上かかるという見方もあるようです。

20200409006更に航空需要が大幅に落ち込んでいることから、ルフトハンザ・グループでは、機材の早期退役(A380:6機、A340-600:7機、747-400:5機、A320:11機)を含む大規模な事業縮小を計画中です。

まず、ジャーマンウィングスを廃止し、ユーロウィングスと統合する計画を予定よりも早く進めるようです。

ルフトハンザ・グループは、オーストリア航空に対して、機材の整理などを要求しているというニュースも入ってきました。

さて、今日はオーストリア航空の「機材の話題」をお届けしましょう。

20200409005現在、オーストリア航空の機材は、長距離はボーイング(B777とB767)、中距離・短距離はエアバス(A321、A320、A319)とボンバルディアDHC-8、エンブラエルE175になっています。

しかし、一時期、中距離・短距離用にボーイング737シリーズを使っていたことがあります。実際、Feriもウィーン-フランクフルト線で搭乗したことがあります。

実はB737シリーズはオーストリア航空が導入したものではなく、ボーイング系の機材に統一していたラウダ航空が導入した機材です。

20200409001同社はB737-800(7機)、B737-700(2機)、B737-600(2機)を、1998年から2006年に導入しました。

ラウダ航空は経営難により、経営権をオーストリア航空に譲渡しました。さらに2005年、定期航空路線がオーストリア航空に合併された際、機材の一部がオーストリア航空に移管されました。

そして、A320シリーズと共に近距離国際線に使用されるようになりました。その際、2枚目の写真のようにオーストリア航空塗装に改められています。

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April 09, 2020

ウィーン市が衛生用品を緊急輸入

20200408011世論調査の結果、オーストリア国民の3/4は、現在、オーストリア連邦政府が実施している新型コロナウイルス対策を評価しています。これは、ヨーロッパの他国よりも感染者の増加が抑えられていることが利用のようです。

ただ、半数以上の国民が、友人と会うことができない事にストレスを感じているようです。なお、こちらでは馴染みのなかった「マスク着用の義務づけ」に対する反対意見は24%に留まっているそうです。

さて、今日は「ウィーン市が衛生用品を緊急輸入した話題」です。日本を含め、世界各国でマスクをはじめとする衛生用品が不足しているのは、皆さまご存じのとおりです。

オーストリアでは、新型コロナウイルス対策に当たる医療関係者が使用する衛生用品の不足が深刻になっており、先週末、12tの物資が緊急輸入されました。

今回の緊急輸入は、ウィーン市がウィーン病院協会、救急隊と合同で実施したものです。ウィーン市の発表によると、今回輸入されたのは、手術用マスク40万枚、防護服2万枚、フェイスシールド1万枚、防護ゴーグル2万枚です。

輸入された物資は、製品に問題がないかをチェックした上で、ウィーン市内の病院、老人ホーム、開業医、救急隊などに配布されることになっています。

20200408012オーストリアでは、連邦政府も、このような衛生用品の調達を進めていますが、今回はウィーン市が独自に調達したものです。ウィーン市によると、今回は第一段で、今後も輸入による調達を継続することになっています。

もちろん連邦政府が調達した物資も配布される予定なので、新型コロナウイルス対応に当たるスタッフの衛生用品不足は解消されるもようです。

ところで、この物資ですが、オーストリア航空の特別便で上海から運ばれてきました。

オーストリア航空は貨物専用機を持たないため、現在、運行停止中で使っていないB767-300ER(OE-LAE)を使い、客室に物資を搭載して運んだようです。さらに空港から拠点までは救急・消防当局のトラックが使われています。

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April 08, 2020

2019/20シーズン終了の衝撃

20200407011日本でも、政府から東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡に対して非常事態宣言が出されたようですが、オーストリアから見ると、良くも悪くも「緩い」規制だと思います。

感染拡大を防ぐための対応ですが、日本の感染者数が少ないのを疑問に思っている向きもあるようです。ただ、現在、新型コロナウイルスによる死亡者数が日本は少ないので、ここまでの対策が、それなりに効果を上げたと考えるのだ妥当でしょう。

日本は「同調化圧力」が強いため、政府からの要請(お願い)であっても、各企業が自主的に営業自粛などを行うことでしょう。

さて、オーストリアでも感染者の増加率がかなり低下し、オーストリア政府も次のステージに移りつつあるという見方をしているようです。

ただ、Feriが衝撃を受けたのは4月6日、政府の指示で各歌劇場の公演中止が6月30日まで延長されたことです。つまり、事実上、2019/20シーズンは3月15日をもって終了してしまったことになります。約3ヵ月分の公演が宙に浮いた形になりました。

20200407012Feriも、この期間に何公演か観る予定があり、チケットを手配していましたが、残念な結果になりました。この結果、Feriが2019/20シーズンで見た最後のオペレッタはVolksoperの「ジプシー男爵」になりました。

3ヵ月間の休演でVolksoperの場合、チケット販売の損失は350万Euroに及ぶと報道されています。

さて、休演となった3ヵ月間には、Premiereや再演など、様々なプログラムが組まれていました。

これらの処遇について、劇場関係者は頭を悩ましていると思います。しかし、4月中旬に公演が再開されたとしても、人の移動が大幅に制限されているため、アンサンブル(専属歌手)だけで上演できる作品はさることながら、主役に客演を設定している公演は、代役にしないかぎり公演は難しかったと思います。

ちなみにレパートリーに関しては、総稽古無しで本番ができるようなので、出演者を集めることができれば上演できたと思います。

今回の3ヵ月間におよぶ公演中止は、間違いなく9月から始まる2020/21シーズンにも影響を及ぼすと思います。

202004070139月にPremiereを行う公演に関しては、6月には稽古が始まります。また、閉講して舞台装置や衣装の製作が始まりますが、外出規制が大幅に緩和されない限り、スタッフが集まって作業をすることは困難だと思います。また、海外から客演を迎える場合、入稿制限が引っかかる可能性も‥

そのように考えると、2020/19シーズン当初は、Premiereを実施するのは困難を伴うような気がします。

そして、2019/20シーズンで積み残しになったPremiereを、どのタイミングで実施するかも劇場関係者にとって頭の痛い問題だと思います。

20200407014現時点でCulturallから発表されている情報では、4月24日に予定されていたVolksoperのシーズン記者会見は中止となりました。新しい日程は未定です。

一方、Wiener Staatsoperのシーズン記者会見は、4月26日ORFⅢで行われる模様です(20時15分~)。同時に、この模様はインターネットでも中継されるようです。

Culturallによる来シーズンのチケット発売は、この発表を受けて行われる予定ですが、まだ流動的な要素も多いようです。なお、現在、ボックスオフィスは閉鎖中です。

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April 07, 2020

ウィーンのパブリックWi-Fi事情

20200407001オーストリア政府の指示により、各劇場の休演期間が6月末まで延長されました。この結果、2019/20シーズンの公演は、終了したことになります。恐らく2020/21シーズンのプログラムにも影響が出ると予想されます。

20200406004さて、今日は「パブリックWi-Fiの話題」をお届けしましょう。最近は通信量が多いスマートフォンの普及で、Wi-Fiの需要が高まっていると思います。

ちなみに、昨年の夏、Feriが日本滞在中、台風15号の影響で停電になった際、活躍したのが「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)と言う「大規模災害時に無料で提供される公衆無線LAN」。実際、Feriも台風による停電時、「00000JAPAN」を使って情報収集や各種連絡を行い、そのありがたみを実感しました。

20200406002日本でも最近は無料Wi-Fiが増えていますが、セキュリティ確保の観点からユーザー登録が必要なケースが多く、かつ使える場所も施設内や駅構内、空港内などに限定されていると思います。

その点、「00000JAPAN」は災害時用なので、そのような手続きを経ずに使うことができて、便利でした。

さて、ウィーンでも最近はWi-Fiを設置してある店舗や施設が大幅に増えています。ÖBBでは、RailJetを始め、近距離を走るCityJetなどにも無料Wi-Fiが搭載されています。

20200406003そんな中で、ウィーン市(担当はWien Leuchtet)が中心になって展開しているのが「wien.at」という「Public WLAN」です。

このシステムがユニークなのは、施設内だけでなく、公園などの屋外にもアクセスポイントが設置されていることです。

ウィーン市が提供している地図で、アクセスポイントがわかりますが、周辺部は少ないものの、中心部は濃密なネットワークが展開されているのがわかります。

20200406001写真は、某公園に設置されているアクセスポイントです。また、ユーザー登録は必要なく、利用条件に同意するだけで、即、利用が可能です。

ウィーン市が中心になって運営しているため通常のインターネットアクセスに加えて、地域情報(天気予報や各種イベント、救急ステーションの場所なアクセスしている地域周辺の各種情報)も閲覧することが可能です。

なお、パブリックWi-Fiなので、大量のデーターを送受信すると、速度制限を受けることがあります。これは多くの方に利用してもらうことを前提にしているので、やむを得ないと思います。アクセスポイントから、概ね100メートルが利用範囲となっています。

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April 06, 2020

謎のピクトグラムシリーズ シャワー禁止

20200405001_20200405192801今までマスクをする習慣がなかった欧米ですが、新型コロナウイルスの蔓延にともなって、感染拡大を防ぐため、マスク着用に方針転換した国が増えています。

これは、マスクをする習慣がある日本をはじめとするアジア諸国で感染爆発が、比較的、抑えられていることが背景にあるようです。

オーストリアでもSebastian Kurz首相、自らマスク姿で登場しています。しかし、3月上旬、日本の首相ならまだしも、オーストリアの首相がマスク姿で登場するとは、想像もできませんでした。

また、Sebastian Kurz首相は、新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまで、オーストリア人の「旅行の自由」は制限される旨の発言をしています。

ワクチンの開発には1年近くかかると言われていますから、バカンスの制限など、日常生活にも大きな影響を与えそうです。

20200405002さて、今日は「謎のピクトグラムシリーズ」をお届けしましょう。ピクトグラムの多くは、利用者に「禁止」や「注意」を促すものが多いのが特徴です。

元々、文字を読むことができない方をそうしているものですから、当然かもしれません。

今日、お目にかけるピクトグラムは、多くの方がご覧になればすぐに解ると思いますが、「シャワー禁止」です。ちなみに右側は「本」のようなピクトグラムですが、これは「使用説明書を読むこと」というピクトグラム。

さて、これはどこで見かけたものだと思いますか? 20200405001勘の良い方はお気づきかもしれません。バスルームで使用する器具に取り付けられていたもの。実は、家主さんが持っていたヘアドライヤー(Haartrockner)についていたものです。

通常、バスルームが単独の場合、電源はありませんが、洗面所が併設されている場合、電源がありますので、ヘアドライヤーの使用は可能です。

さすがにシャワーを浴びた直後にシャワーブースで使う人はいないと思いますが、濡れた状態で使ったら感電に危険性がありますからね。

最近では、メーカーが想定外の使い方をするユーザーが増えているらしいので、一見、当たり前思える注意が必須なのでしょう。

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April 05, 2020

Starbucks(スターバックス)

20200404006今日は「カフェハウスの話題」です。皆さま、ご存じのように現在、オーストリアでは「第2の居間」と呼ばれるカフェハウスは営業休止中です。


Feriが40年前に初めてウィーンに行った頃は、ほとんどが伝統的なカフェハウスでした。McDonald’sなどのファストフード店は進出し始めた頃だったと思います。当時は、地元の人も利用していましたが、主に外国人観光客の利用が多かったと思います。


20200404001その後、北米大陸で新しい業態のコーヒーショップが誕生し、ヨーロッパにも進出するようになったのは、皆さまもご存じのとおりです。


その代表は日本でもおなじみのStarbucksでしょう。アメリカ合衆国・シアトルに本社を置く、同社は、現在、世界90の国と地域に展開しており、店舗数は2万店を超えているようです。


ウィーンでも現在、20店舗以上、展開しています。冒頭の写真はウィーン国際空港到着ロビーの店舗。こちらはオープンスペースです。


20200404004ウィーンにお越しになった方は、ご存じかと思いますが、旧市街で展開している店舗に関しては、伝統的な建物に入居しているケースも多く、ファザードには、それなりの配慮が見られます。


3枚目の写真はウィーン子で賑わうNeubaugasseのお店。ファザードはガラスを多用したスターバックスらしいデザインです。


20200404003 最近はスーパーマーケットでもコーヒーの「To Go」(テイクアウト)が増えてきことからも、ペーパーカップでコーヒーを飲むという習慣も、定着しつつあるのでしょう。


Operのはす向かいKärntner Straßeの入り口にもスターバックスがありましたが、最近、場所が移転しました。新しい場所は、以前、別のコーヒーショップが入っていたところで、Hotel Bristolの入っている建物の1階です。


20200404002なぜ、移転したのかはわかりませんが、以前の場所は、インテリア用品を扱うZara Homeになっています。


4枚目と5枚目の写真は、以前の場所にあった頃のスターバックスです。伝統的な建物に入っているため、ファザードは控え目でした。


そう言えば、場所柄なのか、外国からお越しになった観光客の皆さまがよく利用していた気がします。

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April 04, 2020

新型コロナウイルス雑感 オーストリアの状況

20200403006ディープな地下鉄の話題が2日間続いたので、今日は新型コロナウイルスに関するオーストリアの状況をお伝えします。

外出制限が開始されて17日を経過し、感染者は1万人を越え、10967人(4月2日、15時現在)となりました。ただ、感染者の拡大率は10%を割り込み、政府の強力な対策が効果を上げつつあることがわかります。

政府の追加対策発表を受けて、色々な動きがあります。オーストリア医師会会長は、一部の薬局で行われている簡易検査キット販売の中止を訴えています。これは簡易キットによる検査は精度が低く、陰性になった人に誤解を与える恐れがあるというのが理由です。

一方、政府は人的接触が多い職業の人(スーパーマーケットの従業員、医師、看護師、介護スタッフなど)、1500名に対してPCR検査を実施しました。

これは自覚症状のない感染者の割合を調べるためのテストだそうです。テスト方法の詳細や結果については、発表されていません。

20200403002イタリアでは治療に当たっていた医師69人が死亡、救急隊員1万人が感染しているため、このような事態の発生を防ぐための対策を立案するデーターとするのでしょう。

なお、オーストリアではスーパーマーケットは営業中ですが、お客さまは入店時、入り口でマスクの着用が義務づけられました。ただ、専門機関は、マスクの着用義務づけには懐疑的なコメントを出しています。また、開店から1時間を高齢者などの買い物優先時間に設定しています。

現在、国外への移動は原則禁止されていますが、国外に滞在しているオーストリア人も多く、政府は4月8日にトルコ在住のオーストリア人の帰国を支援するためオーストリア航空の緊急臨時便をイスタンブール-ウィーン間に運行することを発表しました。定期便については、全面運休が5月3日まで延長されています。

20200403004ヨーロッパでは各国で感染者の増加にともない、医療崩壊が進んでいますが、皆さまは、その理由の一端が保険制度にあることをご存じでしょうか。

一時期、日本ではヨーロッパの保険制度を高く評価している識者がいらっしゃいました。

オーストリアだけではありませんが、ヨーロッパでは国民皆保険制度で、高額な社会保険料を強制的に徴収される代わりに、公立病院での各種治療は入院費も含めて無料です。

一見すると、理想的な制度で、受給のバランスがとれているうちは問題ありません。しかし、無料故に患者が大量に来院し、診察・慎重までに長時間、待たされるのが当たり前です。

要するに予約がなかなか取れない‥という訳です。場合によっては、急患でも長時間、待たされるケースがあるようです。

更に原資が社会保険料であるために、今回の新型コロナウイルスに限らず、高齢化や移民の増加なので、患者数が増えてくると資金不足に陥ります。

20200403005とくに低所得者の場合、保険料は低額ですから、人口は増えても原資が余り増えないという事態になっています。

その結果、医療設備やスタッフの増強が難しく、日本では信じられないほど、貧弱な設備で治療しているようです。

日本では、中規模病院でも導入しているCTやMRIなどの数が少ないというのも、このような背景があるようです。数が少ないですから、検査のための順番待ちも長くなります。検査待ちの間に手遅れになるケースも‥

これは、以前、友人から聞いた話ですが、胆石で某公立病院へ行ったところ、日本で増えている「内視鏡による除去」や「体の外から衝撃波を胆石に照射して胆石を砕く方法」(体外衝撃波胆石破砕療法)に使用する機器がないようで、開腹手術しか選択肢がなかったそうです。

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April 03, 2020

幻のU2/U4乗り入れプロジェクト(後編)

20200401001今日は昨日に引き続き「幻のU2/U4乗り入れプロジェクト」をお伝えします。

1981年8月31日、U4の路線がMeidling-HauptstraßeからHietzingまで延伸され、Heiligenstadt-Hietzing間になりました。それに合わせる形で、1981年9月7日から、U2のU4乗り入れが始まります。

乗り入れに伴いU2の運転区間は、右の図のようにKarlsplatz-Schottenring-Hietzing間となりました。つまり事実上の環状運転になったのです。

雰囲気としては、東京の大江戸線のような感じです。

20200401011Feriは、この事実をウィーン交通博物館(Verkehrsmuseum Remise)HALLE1で開催中の「地下鉄建設50年、運用開始40年」(50 Jahre U-Bahn-Bau, 40 Jahre U-Bahn-Betrieb)で、初めて知りました。

トップの写真は、展示されていた乗り入れ時の路線図(イメージ図)です。ただし、単純化するためにHeiligenstadt-Schottenring間は省略されています。

Wiener Linienが当初、難色を示した理由ですが、U2とU4を結ぶ短絡線の分岐器(ポイント)は、営業運転を考慮していないため、最高速度が25km/hに抑えられていました。

当初から環状運転を考えていれば、短絡線の構造も違っていたのでしょうが、このあたり「詰めの甘さ」がオーストリアらしいところかもしれません。 20200401005また、U4はすでにHeiligenstadtまで開業していたため、U2の列車が、U4の途中駅であるSchottenring で割り込む形になります。

U2とU4を結ぶ分岐器の位置がプラットホームに近いところに設置されていたため、分岐器がU2側に切り替えられている時、保安上の関係でU4の列車はプラットホームに進入できず、構外で一時停車せざるを得ませんでした。

当然、ラッシュ時を中心にダイヤの乱れが多発し、逆に利用者には不便を強いる結果になりました。

20200401009当時、U2は路線が短く、お客さまが少ないため2ユニット(4両編成)の列車を使用していましたが、U4はすでにラッシュ時は3ユニット(6両編成)が中心でした。

困ったことにU4の列車がU2に乗り入れることは、当時はU2の設備上の関係で不可能でした(当時のU2は6両編成に対応していませんでした)。

そのため、U2の列車がU4へ乗り入れる「片乗り入れ」という形でした。

20200401006アイデアとしては面白かったのですが、短絡線が営業運転を前提に建設されていなかったことが災いし、テストプロジェクトは失敗。

何とわずか3週間で「U2/U4プロジェクト」は中止。乗り入れ期間は1981年9月7日から9月25日という短い期間でした。

現在もU2とU4を結ぶ短絡線はありますが、U2の延伸に合わせて、変更され、配線図のようにU2からU1には直接乗り入れることは可能ですが、U4へ乗り入れるにはHeiligenstadt方面に向かう必要があります。当時のように、Hietzing方面へ直接乗り入れることはできません。

202004020012008年、EURO2008(サッカー欧州選手権)がオーストリアとスイスの共催で開催されましたが、Stadionへの観客輸送のため、同年5月10日、U2はStadionまで延長開業します。

20200401030Feriは延長開業直前(5月3日)にSchottenring駅を訪問したことがありますが、まだ、U4と同レベルのプラットホームを使っていました(左の写真)。

これは、U2のSchottenring新駅では、折り返しができないため、延長開業と同時に新駅に切り替えたようです。

そのため、U2の延長開業後、中央にあったU2の路線を塞いだようです。現地に行ってみると変わった構造になっています。

現在U4のSchottenring駅は事実上、大きな島式ホームなのですが、Heiligenstadt方面(Glies1)とHütteldorf方面(Glies2)がつながっているのは、U2への乗り換え口があるHeiligenstadt方面だけ。

20200401017左の写真はGlies1とGlies2がつながっているHeiligenstadt側の様子です。奥にはU2への乗り換え口が見えます。

Hütteldorf方面やプラットホーム途中にはGlies1とGlies2を結ぶ通路はありません。Salztorbrücke側の地上へ出ないとプラットホーム間の移動ができません。

右の写真はプラットホームからSalztorbrücke側へ出るための階段。左側が壁になっているのがわかると思います。

ただ、この駅でGlies1、Glies2間を移動するお客さまはいないので、不便はありませんが‥

20200401020このような構造になっているのは、現在の広いプラットホームの間にU2の線路が敷かれていたためなのです。今は壁になっているので、U2の線路は見ることはできません。

なお、U2の乗り換え口になっているHeiligenstadt方面には、現在、大手ベッカライチェーンStröckの売店がU2の元プラットホーム上に設けられています。

しかし、U2の線路がないのであれば、壁を取り払ってGlies1とGlies2を結ぶ通路を作る、もしくはプラットホームを拡幅しても良さそうなのですが、実は、それができない理由があります。

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April 02, 2020

幻のU2/U4乗り入れプロジェクト(前編)

202004010023月の当ブログですが、最もアクセス数が多かったのは3月3日でした。読まれた記事の上位は新型コロナウイルス関連でした。当ブログもしばらくは、かつて仕入れた話題で対応することになるので、アクセス数が伸び悩む可能性があります。

こんな時期なので、恐らく、ウィーン子でもご存じない人が多いディープな話題をお届けしましょう。今日のテーマは「ウィーン地下鉄秘話」。

ウィーンの地下鉄はU1、U2、U3、U4の4系統は全て同じ車両を使用しており、各線区で運用することが可能です。また、車両の検査などで、通常、走らない路線を使って工場まで回送させるケースがあり、営業列車が通らない短絡線も設けられています。

現在、U1、U2、U3、U4はいずれも単独で営業運転されており、相互乗り入れは行われていないのは、皆さまもご存じのとおり。

20200401023ウィーン地下鉄で「異色の存在」はU2。現在、Karlsplatzと郊外のSeestadtを結ぶ17km弱の路線に成長しましたが、1980年8月末の開業から2008年5月8日までは、Ringの半分にあたるKarlsplatz-Schottenring間を結ぶ3.5kmの短い路線でした。トップの写真は開業当初のU2(Wiener Linienの公式写真)。

ご存じのように、この区間にはRingを走る路面電車の路線も多数あり、地下鉄の方が所要時間が短いとは言え、わざわざ地下鉄を利用するメリットは少ないと思います。

なぜ、このような「短い路線」が建設されたのでしょうか。

実は、当時、ウィーンではドイツのミュンヘンなどに対抗して、近代都市をアピールするため、積極的に地下鉄建設を進めていました。その結果、誕生したのがU2‥という訳です。

20200401031U1、U3、U4が、開業後、順調に路線を延伸してきたのとは対照的に「取り残された路線」というイメージがありました。

さて、そんなU2ですが、2000年代に入ると状況が一変します。2008年5月にStadion、2010年10月にAspernstraße、2013年10月にSeestadtまで、それぞれ路線が延伸され、新興住宅地とウィーン旧市街を結ぶ重要な路線に成長しました。

かつてはウィーン地下鉄最短路線だったU2も、現在ではU1に次ぐ路線長を誇っています。ただ、当初から郊外延伸を視野に入れて建設された路線ではなかったようです。

20200401022それが、今日、ご紹介するエピソード。

U2開業から1年後の1981年8月、U4への乗り入れが実施されたのです。

U2とU4は、KarlsplatzとSchottenringの両駅で乗り換えが可能ですが、線路がつながっていたのはSchottenring。

現在、U2のSchottenring駅は、同線のStadion延伸に合わせて2008年5月に完成したもので、ドナウ運河の下にシールド工法で建設されています。

左の写真は、現在のU2 Schottenring駅です。ドナウ川をトンネルでくぐり抜けるため、地下深い場所にシールド工法で建設されています。

20200401021しかし当時は、U4と同じレベルにプラットホームがありました。具体的にはU4のプラットホームの間にU2が入る形になっていたのです。なお、U2のSchottenring駅は折り返しを考慮して単線でした。

そのため、乗り入れ前から、同一プラットホームでU2とU4は乗り換えができました。当時の写真を見るとプラットホーム上の仕切りがラインカラーに塗り分けられています。

乗り換えを伴いますが、U2とU4を合わせるとRingに沿って走る環状線になります。実際、当時の写真を見ると、Schottenring駅に到着したU2は両側の扉を開けて、U4に簡単に乗り換えができるようになっていました。

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April 01, 2020

世界が変わった2020年3月に思う

20200331010今日から4月になりましたが、2020年3月は、Feriにとっても正に「激動の1ヶ月」でした。

こちらでも2月に中国での新型コロナウイルス蔓延が大きく報じられ、同時に日本でのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の隔離がニュースになりました。

正直、オーストリアを含むヨーロッパの人たちは、これらのニュースに接しても“アジアで変な病気が蔓延している。大変だねぇ”という捉え方をしていました。

実際、新型コロナウイルスがアジアで蔓延したころから、日本人を含むアジア系の人に対する蔑視傾向が強くなったようです。実際、現地の方から、暴言を受けた日本人の方もいらっしゃるようです。

イタリアでの新型コロナウイルス感染が報告されてからも、2月20日には、伝統のオペラ座舞踏会も盛大に開催され、チロルで感染者が発生した後も、各地の舞踏会は予定どおり行われていました。

202003310132月23日、ドイツ人感染者が乗車していた疑いがあるÖBBの国際列車がブレンナー峠で運行停止になった時から、オーストリアでも若干、危機感が高まりましたが、何となく、まだ「他人事」のような雰囲気が漂っていました。

実際、2月下旬から3月上旬にかけて、街中は平穏そのもの。シーズン終盤の市庁舎前スケートリンクも、冒頭の写真のように大勢のお客さまで賑わっていました。今年は暖冬傾向だったこともあり、Mariahilfer Straßeなどの繁華街は人が多く、ショッピングセンターをはじめ、レストラン、カフェ、ホイリゲも賑わっていました。

当時は、皆さん、平気で握手をしていましたね。実際、Volksoperの「ジプシー男爵」PremiereでFeriがRobert Meyerさんにお目にかかった際も、普通通り握手をしました。

20200331014ただ、2月26日から四旬節に入り、教会のミサに参列した際、通常、ミサの後半、参列者が神父の案内で握手をする場面がありますが、この時、初めて“握手を避けてもよい”といったメッセージが出ました。

それでも、神父の助言をあまり気にしない信者の方も多く、全員が握手を拒否していた訳ではありませんでした。

その後は、このブログでもお伝えしているように、イタリアに接しているチロルから感染者が広がり、3月16日には政府が非常事態を宣言する事態に陥ります。

グラフをご覧になるとわかるように3月10日時点の感染者は157名ほどでした。それが20日間で9300名を越えるほどに拡大しています。

20200331002この結果、わずか2週間で市民生活、経済活動は一変。まさしくオーストリアの皆さんも「世の中が変わったこと」を実感したようです。

これはオーストリアに限ったことではなく、ヨーロッパの各国で首相が国民に向けて、新型コロナウイルスに関連する演説を行った際、悲観して涙した人も多かったという話を耳にしました。

こちらは、日本と異なり、ストレートな表現を使いますからね‥

3月前半と3月後半では「世界が変わってしまった」というのが偽らざる気持ちです。

実際、Feriまだ外出制限が発表される前の段階から、ウィーンの友人と会っていません。メールなどで連絡をとっているものの、直接、会って話をすることは、お互いに避けています。とくに友人の中には音楽関係の人も多いのですが、仕事が全てキャンセルになってしまい、途方に暮れています。

これ、オーストリアの皆さんも同じだと思います。各種の店舗が強制的に営業停止になったため、失業者が急増しています。こちらも大きな問題。

20200331003そして、皆さん、口にはしませんが、“もう、以前のような生活は戻らないのではないか…”と思っているような気もします。

ウィーン市では、住民の不安を解消するため、相談窓口の開設や生活必需品のデリバリーに加えて、ウィーン市内で野菜を生産している農家から新鮮な野菜が供給されていることなどをアピールしています。

3月30日、Sebastian Kurz首相は、記者会見を行いましたが、その際、現在のオーストリアの状況は「嵐の前の静けさ(die Ruhe vor dem Sturm)に過ぎない」と発言しており、長期化と同時に、対策が更に強化されることを示唆しました。

20200331004現在、感染者の増加率は11%ですが、政府は1%以下にすることを目標にしています。そして、ついにマスクの着用を推奨するようになりました。

もちろん、マスクの着用により、感染を完全に防止できる訳ではないことは強調されていますが、感染リスクが若干、軽減できるためです。

現在も営業を継続しているスーパーマーケットで買い物をする場合、従業員がお客さまからの感染を防ぐため、利用客は入り口でマスク着用することが義務化されました。

ただ、一般の人がマスクをする習慣がないため、在庫が少なく、皮肉なことに中国から供給を受けているようです。

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