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April 11, 2020

新型コロナウイルス禍のイースターに思う

20200411007今日、4月12日はキリスト教社会では「最大の祝日」、イースター( Ostern)です。

普通でしたら、若い家族が祖父母宅を訪問して一緒にイースターを祝います。祖父母も孫たちを迎えご機嫌。しかし、新型コロナウイルス蔓延中のオーストリアでは、今年は「家族の集い」は厳禁。

Sebastian Kurz首相は、先日の演説で“高齢者は新型コロナ感染の危険性が高い。祖父母を感染から守るためにも、今年は家族でのイースターの集いは諦めてほしい”とアピールしました。当然、教会のミサも中止です。

正直、Feriの人生を通じて、このようなイースターは初めての経験です。Feriの両親はプロテスタントのキリスト教徒でしたが、イースターの礼拝では、「色の付いたたまご」が配られていました。子供の頃、Feriは、それを両親からもらうのが楽しみでした。

20200411001さて、オーストリア連邦政府は、4月14日から小規模店舗の再開を許可しました。そして、5月1日から、大規模店舗および美容室の営業再開が許可される予定です。また、学校に関しては、筆記のみですが、卒業試験が再開される予定です。

一方、ウィーン市も政府の基本方針を受けて、独自に規制緩和を行いました。11日から車の通行が禁止されている市内の一部道路(右図の20箇所)を歩行者用に解放すると発表。

これは、ベランダや庭のない集合住宅に住む人が、屋内待機で気が滅入ってしまうため、散歩をしてもらうための対策です。ただ、ソーシャルディスタンス(1メートル以上離れること)の確保が前提ですが‥

20200411006また、ドナウ島も散歩のために解放されました。ただし、ピクニックやバーベキューなどのレジャーは厳禁。あくまでも散歩どまりです。それでも、お散歩好きのウィーン子には朗報だと思います。

このようなオーストリアの動きに対して、欧州疾病予防管理センター(ECDC)やWHOヨーロッパは、感染者の増加率は下がっているもののパンデミックのピークを過ぎていないため、規制解除は早すぎると指摘しています。

EU委員会では、EU内域内への入国禁止は、5月15日まで延長する意向のようです。そして、EU委員会としては、新型コロナウイルス感染に伴う規制は、数ヶ月かけて徐々に緩和するのが妥当であるという見解を示しています。

今後、オーストリア連邦政府が、どのような動きを見せるかが注目されています。

20200411004ところで、オーストリアはインバウンド需要が高い国ですが、今年は「EUの鎖国」の影響で、海外(EUを含む)からの旅行者が激減すると予想されています。

夏のバカンスシーズン、ザルツカンマーグートなどにはドイツ人が大挙押し寄せることで有名ですが、今夏は80%のドイツ人が自宅で過ごすのではないかという予想もあります。

オーストリア内のみならず、EU内でも夏に開催される音楽関係のイベントは、中止が発表されており、寂しい限りです。

一方、オーストリア人もバカンスが大好きな国民ですが、今年はリゾート地への海外旅行は難しく、国内で過ごすことになりそうです。

20200411005また、EU内でも移動制限が行われているため、今後、季節労働者不足が発生することが危惧されています。従来、苺やアスパラガスの収穫期には、東欧から季節労働者がやっていましたが、今年は不可能。そこで、連邦政府は、国内の失業者の活用を検討しているようです。

いずれにしても、14日からオーストリアでは、他のEU諸国に先駆けて、新型コロナウイルス対策については新しいステージに入ることになりました。

ところで、新型コロナウイルスに関連して、マスメディアの報道姿勢について思ったことがあります。

こちらの新聞などを見ていると、新型コロナウイルス対策など、国民が感心の高い話題については、ニュースソースを明確にした記事が基本です(いわゆる裏取りがしっかりとできている)。

また、戦時中のような状況だからなのか、基本的に連邦政府の対策を真っ向から批判するメディアは余り見かけません。

20200410011そして、感染防止対策についても、連邦政府が奨励している方法を、ピクトグラムなどを遣い、シンプルに示しています。

オーストリアに限らず、政府が最も危惧しているのは、フェイクニュース。マスメディアがフェイクニュースに加担することがないように、日本のような記者クラブ主催の記者会見ではなく、直接、国民の語りかける(テレビ演説)が中心になっているように感じます。

オーストリア連邦政府のSebastian Kurz首相は、ORFのニュース番組に出演し、番組を通じて、連邦政府の考え方を直接、国民に伝えています。

さらに番組中、国民の質問に直接答えるという手法も採用しています。これはマスメディアの「情報加工」(日本でお得意の「切り取り」)を防ぎ、政府の真意を伝えようという意図があるのでしょう。

20200411003もちろん政府の方針に反対する人がまったくいないわけではありませんが、それらは事実として報道しているように感じます。

それに対して、日本のマスメディアが発信する情報を見ていると「感染者がもっと増えて、日本国内がパニックになってほしい」とでも考えているように感じることがあります。

特にテレビのワイドショーなどでは、感染症の専門医ではない識者らしくコメンテーターが出てきて、政府の方針を批判するため、国民は何を信じて良いのかわからなくなっているような気がします。

非常事態宣言が出された日、「東京脱出」と称して、長距離バスターミナルなどが大混雑しているというフェイクニュースを流したマスメディアもあったと聞いています。しかし、実際には、長距離バスターミナルは閑散としていましたし、鉄道や航空機で地方へ疎開する人も、ほとんどいなかったようです。

この他、大型店などの空っぽの棚ばかりを強調する、外出を我慢している子供たちが多いにお関わらずごく少数の繁華街で遊ぶ子供たちを取材する、マスクを買い占める高齢者を報道しないなどなどの問題点を指摘する視聴者もいるようです。

20200411008また、日本で非常事態宣言が出された翌日、都心の通勤ラッシュの写真を掲載した社もありましたが、記事の内容と写真の場所が別で、なおかつ、望遠レンズで、いかにも通勤客であふれかえっているような構図だったという話も耳にしました。マスメディアがパニックを煽ってどうするのでしょか。

もちろん、インターネット上には個人が色々な意見を流しており、「非常事態宣言や自粛の必要はない」という見解を持つ有名人も多数存在します。個人の言論を統制するのは問題だと思うので、これは致し方ないと思います。

ただ、公共性が高いマスメディアが、国民をパニックに陥れるような記事やニュースを連発して、何をしたいのでしょうね。

こちらでも、無料で配布されているタブロイド紙などには過激な見出しが躍りますが、ちゃんとしたマスメディアはデーターに基づく冷静な報道を行っており、日本とは対照的です。

まさか、新型コロナウイルスを利用して政府を転覆させたいとは思っていないでしょうね。

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