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April 02, 2020

幻のU2/U4乗り入れプロジェクト(前編)

202004010023月の当ブログですが、最もアクセス数が多かったのは3月3日でした。読まれた記事の上位は新型コロナウイルス関連でした。当ブログもしばらくは、かつて仕入れた話題で対応することになるので、アクセス数が伸び悩む可能性があります。

こんな時期なので、恐らく、ウィーン子でもご存じない人が多いディープな話題をお届けしましょう。今日のテーマは「ウィーン地下鉄秘話」。

ウィーンの地下鉄はU1、U2、U3、U4の4系統は全て同じ車両を使用しており、各線区で運用することが可能です。また、車両の検査などで、通常、走らない路線を使って工場まで回送させるケースがあり、営業列車が通らない短絡線も設けられています。

現在、U1、U2、U3、U4はいずれも単独で営業運転されており、相互乗り入れは行われていないのは、皆さまもご存じのとおり。

20200401023ウィーン地下鉄で「異色の存在」はU2。現在、Karlsplatzと郊外のSeestadtを結ぶ17km弱の路線に成長しましたが、1980年8月末の開業から2008年5月8日までは、Ringの半分にあたるKarlsplatz-Schottenring間を結ぶ3.5kmの短い路線でした。トップの写真は開業当初のU2(Wiener Linienの公式写真)。

ご存じのように、この区間にはRingを走る路面電車の路線も多数あり、地下鉄の方が所要時間が短いとは言え、わざわざ地下鉄を利用するメリットは少ないと思います。

なぜ、このような「短い路線」が建設されたのでしょうか。

実は、当時、ウィーンではドイツのミュンヘンなどに対抗して、近代都市をアピールするため、積極的に地下鉄建設を進めていました。その結果、誕生したのがU2‥という訳です。

20200401031U1、U3、U4が、開業後、順調に路線を延伸してきたのとは対照的に「取り残された路線」というイメージがありました。

さて、そんなU2ですが、2000年代に入ると状況が一変します。2008年5月にStadion、2010年10月にAspernstraße、2013年10月にSeestadtまで、それぞれ路線が延伸され、新興住宅地とウィーン旧市街を結ぶ重要な路線に成長しました。

かつてはウィーン地下鉄最短路線だったU2も、現在ではU1に次ぐ路線長を誇っています。ただ、当初から郊外延伸を視野に入れて建設された路線ではなかったようです。

20200401022それが、今日、ご紹介するエピソード。

U2開業から1年後の1981年8月、U4への乗り入れが実施されたのです。

U2とU4は、KarlsplatzとSchottenringの両駅で乗り換えが可能ですが、線路がつながっていたのはSchottenring。

現在、U2のSchottenring駅は、同線のStadion延伸に合わせて2008年5月に完成したもので、ドナウ運河の下にシールド工法で建設されています。

左の写真は、現在のU2 Schottenring駅です。ドナウ川をトンネルでくぐり抜けるため、地下深い場所にシールド工法で建設されています。

20200401021しかし当時は、U4と同じレベルにプラットホームがありました。具体的にはU4のプラットホームの間にU2が入る形になっていたのです。なお、U2のSchottenring駅は折り返しを考慮して単線でした。

そのため、乗り入れ前から、同一プラットホームでU2とU4は乗り換えができました。当時の写真を見るとプラットホーム上の仕切りがラインカラーに塗り分けられています。

乗り換えを伴いますが、U2とU4を合わせるとRingに沿って走る環状線になります。実際、当時の写真を見ると、Schottenring駅に到着したU2は両側の扉を開けて、U4に簡単に乗り換えができるようになっていました。

20200401003どうもウィーン市・Wiener Linienが当初、考えていたU2の位置づけは、U4と合わせて「Ringを囲む地下鉄網の構築」だったようです。

実は直通運転のアイデアは、当時の都市交通評議会が提案したもので、Wiener Linienは、明日お伝えする技術的な面から難色を示していました。

しかし、政治的な決定で、試験的にU2のU4への乗り入れが実施されたようです。

20200401010Karlsplatz-Schottenring間は全線地下で、車両を留置する設備はありますが、本格的な修繕などは行う大規模施設はありません。

そこで、U4と駅を共用し、短絡線が建設されました。この短絡線を使い、営業列車を運転しようと考える人が出てきても不思議ではありません。

ちょっと長くなったので、後半は、明日、お届けします。

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