ウィーンの暑さ対策“日陰をつくろう”
新型コロナウイルスのために日常生活が大きく変化しているウィーンですが、5月も中旬に入り、気温が上昇中。近年は、気候変動の影響なのか、ウィーンも夏は非常に暑くなっています。
気になるのは、屋外での熱中症。水道当局が行っている仮設水飲み場も、対策の一つですが、ウィーン市では「Wiener Schatten」というプロジェクトを進めています。今日は、この話題です。
これは公共のスペースに人工的な日陰を創り出す住民や企業を支援しようというもの。
ウィーン市が発行している「Wiener Schatten」というリーフレットには、公共スペースに日陰をつくるためのアイデアが沢山、紹介されています。
基本的には、シャニガルテンでおなじみのテントや植物の活用(グリーンカーテン)が基本です。
最近では、レストランのシャニガルテンでも、従来のビーチパラソルから、デザイン的にも優れたテントが使用されるようになってきました。
ウィーン市では、本来は樹木によって日陰をつくりたいらしいのですが、実際には広場や通りの場合、地下に地域暖房や通信用光ファイバー、送電線などの共同溝をはじめ、上下水道が通っているため、簡単に緑化が難しいところも存在します。
そこで、専門家が監修して、日差しを遮るためのアイデアをまとめたようです。
日よけテントについても、色々なデザインや張り方が紹介されていますが、ユニークなアイデアも多数。
例えば、広場の上空に「日差しを遮るために傘を並べる」というユニークな取り組みも紹介されています。
日本でも、最近は増えている大型プランターからグリーンカーテンをつくるアイデアも図解入りで紹介されていました(右の写真がリーフレットの図解入り解説ページ)。
路地の場合、その上にワイヤーを渡して、布で日よけを作るというアイデアも‥広場などで、巨大なビーチパラソルを使う場合、角度を調整することで、日陰の面積が変わるという図も紹介されています。
また、ベンチと一体になったソーラーパネル付きの日よけの例も‥(左の写真)
このリーフレットに紹介されているアイデアは、今夏、実際に導入されることになっています。
私有地の場合は、自由に日よけをつくることができますが、公共スペースの場合は、当局の許可が必要になります。このリーフレットには、許可申請の窓口や申請方法も紹介されていました。
一方、ウィーン市でもクールスポットの設置を積極的に進めていますが、今回、フロリッズドルフにあるSchlingermarktに「Tröpferlbad 2:0」 という名前のユニークなクールスポットが新設されることになりました。
樹木を使った100平方メートルの「クールスポット」で、ベンチなども設置される予定です。ミストシャワーも設置されるため、周囲の気温低下にも貢献すると期待されています。
官民挙げて、色々なアイデアで都市温暖化の抑制に努めていこうという姿勢が感じられます。
という訳で、今夏、ウィーン市内では、楽しそうな日よけやクールスポットが沢山、見られることを期待しましょう。
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