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June 01, 2020

ウィーンの路面電車、市外への延伸計画

20200601015月の当ブログですが、読まれた記事は新型コロナウイルス感染関連のものが多かったようです。また、最もアクセスが多かった日は5月31日、次が5月3日でした。皆さま、ご愛読、ありがとうございました。

さて、今日は「ウィーンの路面電車延伸計画」の話題をお届けしましょう。

先日、このブログでもお伝えしたように、かつてウィーンでは地下鉄中心の街づくりが検討されていましたが、予算などの関係から断念し、現在のような地下鉄、路面電車、路線バスを組み合わせた公共交通機関網が整備されています。

路面電車についても、U2のSeesstadt延伸に合わせて26系統が新設されたように、新しい路線や延伸も行われています。

ところで、現在、ウィーンの路面電車の路線はウィーン市内に限定されていますが、以前は260(Mauer-Perchtoldsdorf間)/360(Rodaun-Mödling間)系統が隣接エリアまで運航されていました(1967年に廃止)。

2020060103その後、市営交通という位置づけのため、路線はウィーン市内に限定されていましたが、ウィーン周辺の人口が拡大するにつれて、路面電車の路線を延伸し、隣接するニーダーエスタライヒ州へ乗り入れようという計画が検討されています。

先日、Ulli Simaウィーン市議(SPÖ)がKURIER紙のインタビューで、計画概要を説明しています。検討されているのは3つのルート。

○71系統延伸案
71系統は現在、Börse-Ring-Schwarzenbergplatz-Zentralfriedhof間の路線ですが、SimmeringからSchwechatを経由してRannersdorfへ延伸する計画です。

KaiserebersdorfでS7、SimmeringでU3、S80と接続するため、シュヴェヒャートエリアの利便性が大幅に向上します。

延伸による需要予測は6000名。2022/23年には完成する可能性があるようです。なお、72系統という仮系統番号が付与されています。

2020060102○25系統延伸案
25系統は、現在、Aspern-Floridsdorf間の路線ですが、Groß-Enzersdorfまで延伸する計画です。

延伸が実現すると、Aspernを経由してU2(Donauspitalで接続)、U1(Kagranで接続)への乗り継ぎが可能です。

延伸による需要予測は数千人。2026年には実施される可能性があります。

なお、Groß-Enzersdorfにはパークアンドライド(P+R)施設を併設することが検討されています。

○Liesing-Kaltenleutgeben間の新路線
前の2つが「ちょっとだけ路線を延ばしてニーダーエスターライヒ州に入ります」という感じなのに対して、最も規模が大きく、「本格的に鉄道を敷きます」というのが、このプラン。

2020060104S BahnのLiesingからrchtoldsdorf、Waldmühle経由で、Kaltenleutgebenまで路線を新設するものです。Rodaunで現在の60系統との接続も計画されています。

このプロジェクトは、路線長が長いこともあり、Wiener Lokalbahnenが建設と運用を担当することになる予定です。Badner Bahnと同じように専用軌道が中心になるため、同社の路面電車システムが導入される見込みです。

恐らく、現在、製造が進められているType500型に近い車両が投入されることになるでしょう。ただ、実現時期は明言されていません。

3つのプロジェクトは、いずれも「通勤交通をより環境にやさしくし、気候保護に貢献する」ための中心的な取り組みです。

実際、ニーダーエスターライヒ州の周辺地域からの通勤客は、平日26万人にものぼります。

ウィーンの住民は3分の2以上が、公共交通機関を利用していますが、周辺部からウィーンに通勤する人の場合、現状では1/3が自家用車を利用しています。

2020060105これを公共交通機関にシフトすることが、今回のプロジェクトの背景です。

また、Ulli Simaウィーン市議は路面電車の延伸に加えて、ÖBBが運営するS-Bahnの改良が必要であることも訴えています。具体的には、車両の更新や運転間隔の短縮です。

実は、ウィーンとニーダーエスターライヒ州間の公共交通機関充実は、長年の懸案でもありました。2018年頃、Klosterneuburg、Purkersdorf、Perchtoldsdorf、Mödlingへの地下鉄延伸も検討されています。

しかし、建設コストが非常にかかることから断念され、代わってS-Bahnの改良や路面電車延伸で対応することが検討されるようになりました。

要するに「資金不足」ということです。もちろん、地方自治体だけで資金を調達するのは困難であるため、連邦政府に資金援助も要請しています。また、ウィーン市とニーダーエスターライヒ州の費用分担も、当然、問題になることでしょう。

2020060106恐らく連邦政府から資金援助を得るための観測気球のようなインタビューに思えましたが、いずれにしても公共交通機関の充実は、首都ウィーンにとって大きな課題であることは間違いありません。

ところで、気になるニュースが入ってきました。ロックダウン解除後、ウィーンの公共交通機関は通常のダイヤで運行されていますが、乗客が戻ってきていないことがわかりました。

新聞報道によると、ロックダウン前の半分程度にとどまっていることがわかりました。運賃収入が激減しているため、Wiener Linienでは危機感をもっているようです。

利用者が戻ってこない理由は、公共交通機関での感染を恐れている人が多いことが要因であると分析されています。今後の動向が注目されます。

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