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June 06, 2020

Wiener Linienで燃料電池バスの実用化テスト実施中

2020060401今日は「Wiener Linienが導入に向けてテストを進めている燃料電池バスの話題」をお届けしましょう。

Wiener Linienでは、燃料電池バス(Wasserstoff-Bus)の実用化テストをWiener Netze、Wien Energieと共同で、行うことを発表しました。

実用化テストは、6月4日から12日まで、39A系統(Heiligenstadt-Sievering間)に投入され、実際に営業運転に供されます。

2020060405Wiener Linienでは、今回の実用化テストを踏まえて、2023年から39A系統に10台の燃料電池バスを投入する予定です。恐らく今回が量産を前提としたファイナルテストだと思われます。

今回の実用化テストは、路線適合性はもちろんのこと、燃料の充填など運用面のテストも重要な要素です。

実用化テストにあたって、Garage Leopoldau(レオポルダウ車庫)にはWiener Netzeの強力で、水素充填スタンドが設置されました(左の写真が水素充填スタンド)。
2020060403試運転ではバスの水素タンクに、12分以内で35キログラムの水素を充填することができました。実際の運転では、8分で充填が可能だそうです。

ちなみにバスのタンクに水素をフルに充填した場合、最大400km走行できる性能を誇っています。今回の実用化試験では、1日に1回、水素の充填を行う計画です。

実用化テストで使用される水素の調達はWien Energieが行います。水素を製造する方法は色々ありますが、Wien Energieの担当者は、燃料電池バスの実用化に向けて、再生可能エネルギーにより水素を製造するプラント(電気分解の電力を再生可能エネルギーで賄う)を検討していると述べています。

2020060402Wiener Linienが実用化試験を行う燃料電池バスは、ポーランドのSolaris Bus & Coach S.A.製のUrbino 12 hydrogenというタイプですが、2023年に投入される燃料電池バスも同社に発注されています。

同社はバスや路面電車、トロリーバスを製造するポーランドの新興メーカーですが、ヨーロッパで成長が著しい企業の一つです。

実用化テストに供される燃料電池バスには70kWの燃料電池と高出力バッテリーが搭載されています。主電動機は125kWのものが2基装備されており、通常は燃料電池で発電し、バッテリーに充電された電力で走行します。

もちろん、ブレーキを掛けた際には主電動機を発電機として利用する電力回生ブレーキにより、バッテリーに充電します。ちなみに水素タンクは安全性を考慮し、屋根上に搭載されています。

2020060404今回、実用化テストに投入される燃料電池バスは、メーカーから借り受けた車両なので、車体や車内の仕様はWiener Linienのバスとはかなり異なっています。

また、Wiener Linien提供の写真を見るとナンバープレートがメーカーのお膝元、ポーランドになっていました。

2027年までには、この燃料電池バス10両に加えて、電気バス82両が営業路線で活躍する予定です。以前も、このブログでご紹介しましたが、現在、旧市内の2A、3A系統で使用されている電気バス(ミニバス)についても2024年に、置き換え用バスの入札が行われます。

気になるのはWiener Linienが、将来、電気バスと燃料電池バスを併用していくのか、どちらかに統一するのかとう点です。

恐らく、当面は併用しながら、今後の方向性を探るような気がします。

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Comments

燃料電池バスにしても、電気バスにしても、まだまだ実用化試行段階だと思われますが、一層の磨き上げによって技術的、経済的に相応の優位性が確認できれば、トロリーバスからの置換も視野に入ってくるかもしれません。現在、相応の路線延長を持っているザルツブルク、チューリヒ、ローザンヌ、ブルノなどがどのような関心を持っているか興味が持たれます。
そういえば、ウィーンやグラーツにもかつてはトロリーバスが用いられていましたね。

Posted by: Agnesgasse | June 06, 2020 07:31

Agnesgasse様

ウィーンの場合、街自体が小さいので、電気バスの場合、終点での充電が可能というメリットがあるようです。ただ、日本で考えている以上に、CO2排出削減に前のめりになっているのは間違いありません。

技術革新も含めて、今後の動向に注目したい分野だと思います。

Posted by: Feri | June 18, 2020 10:53

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