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June 15, 2020

化石燃料を使った暖房装置が使用禁止に‥

2020061401これから夏を迎えるのに「暖房装置の話題」というのは、記事を書くだけで暑くなりそうです。

オーストリアは寒冷地なので、基本的にスチーム暖房や暖炉などが一般的です。戸建て住宅の場合、暖炉や薪ストーブを使うケースもありますが、集合住宅の場合、バスルームへの給湯を兼ねた温水器を設置し、これを使ったスチーム暖房が一般的です。

最近の集合住宅では、棟内に大型の給湯器を設置し、そこから各戸に温水を配る方式が採用されていますが、古い集合住宅の場合、各戸で温水器を準備しています。

2020061402Feriが、今までお世話になったアパートも17区では新しい物件だったので、集中式。

5区は古いアパートだったので、分散式でした。ウィーンの場合、ガス爆発のリスクを回避するため、キッチンはオール電化というケースが多いですが、給湯器だけは都市ガスを使ってリウことが多いようです。

ところが、最近、温室効果ガス削減の動きが活発になり、化石燃料し、CO2を排出する暖房装置やボイラーを使用禁止にする動きが活発になってきました。

2020061404ウィーンでは、現在、ウィーンのヨーゼフシュタット(8区)、アルザーグルント(9区)、ヴェーリング(18区)、デーブリング(19区)の新築物件では、石油やガスの暖房は法令で禁止されており、再生可能なエネルギーを使った装置のみ使用可能です。

再生可能エネルギーとは、具体的には電力が中心。日本では、現在、稼働していない原子力発電所が多いため、火力発電が主力で、暖房に電気を使うのは温室効果ガス削減に反するような気がします。

2020061403が、オーストリアの場合、火力発電所も存在しますが、水力発電が大きなシェアを占めており、風力発電や太陽光発電を加えると、電化することでCO2排出が削減されるという訳です。

ちなみに2014年のデーターですが、オーストリアでは総発電電力の中で、量水力発電が68.5%を占め、天然ガス火力8.3%、石炭火力7.5%、石油火力0.9%、その他14.8%でした。

その後、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの比率が上がっていると思います。

2020061405ウィーン市では、気候保全地域として、新築物件のCO2排出量削減を計画しており、2005年と比較して、2030年までに50%、2050年までに85%、それぞれ削減することを目標に掲げています。

そのため、レオポルトシュタット(2区)、ラントシュトラーセ(3区)、ノイバウ(7区)、オッタクリング(16区)の各地区にも適用されることになりました。

ところで、最近はスクラップアンドビルド方式の再開発が盛んになっているウィーンですが、それでも伝統的な建物も多数、残っており、これは市の景観を形作っているだけに、今後も残して欲しいところです。

2020061406そうなると、既存の建物に対する化石燃料暖房禁止がポイントになります。ウィーン市の科学諮問委員会は、既存の建物に対しても規制することが重要であると訴えています。

確かに新築物件に比べると様々な困難が伴いますが、持続か可能な建物を実現するためには、法的要件が不可欠なようです。

このような動きを受けて、ウィーン市ではフンデルトヴァッサーがデザインしたことで有名なスピッテラウ清掃工場(Müllverbrennungsanlage Spittelau)の焼却炉を電気式に転換することを決定しました。

2020061407「Power 2 Heat System」と呼ばれるもので、余剰電力は熱に変換し、10000世帯に温水が供給されます。また、電力については5つの風力発電プラントから供給されます。

現在、新しい施設を建設するため、使用されなくなったオイルタンクの撤去が進められており、6月末までに完了する予定です。

ただ、このオイルタンクはフンデルトヴァッサーによるデザインの一部になっているため、「Power 2 Heat Plant」の新しい建物にデザインが反映される予定です。

最後の写真は、ウィーン市内で現在も営業している暖炉屋さん。化石燃料を遣う暖房装置を扱っているだけに、規制には複雑な心境だと思います。

しかし、電力の供給方法が異なるとは言え、日本と随分、違いますね。

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