ウィーン1区の自動車使用制限プラン発表
CO2排出量削減に力を入れているウィーンですが、かねてから検討が進められていた1区の自動車使用制限プランがまとまり、その概要が発表されました。
何しろ首都の中心部で自動車使用を制限する訳なので、ウィーン市は「ドイツ語圏で最初の持続可能な交通安全都市として、気候にやさしい交通手段の転換に向けた歴史的な一歩である」と宣言しています。
Birgit Hebein副市長(緑の党所属、写真左の女性)とMarkus Figl区長( Sebastian Kurz首相と同じÖVP所属、47歳、写真右の男性)が中心となり、大規模な住民参加の協議が行われ、今回の自動車仕様制限プランが決定されました。
今回の自動車使用制限は、環境保護に対して熱心な連立与党の緑の党(Die Grüne Alternative)がイニシアティブをとって進めたことは明白です。
ウィーンの場合、中心部にも住民が多いため、当たり前ですが、完全に自動車使用を禁止することはできません。
そのため、1区の住民、1区内に専用駐車スペースを持っている人、1区のホテルに宿泊する客、外交官、公共交通機関、タクシー、障害者、1区で公共交通機関の営業時間外に働く警察官や医師などの人々は、自動車使用禁止から除外されます。
また、警察や消防・救急などの緊急車両、ゴミ収集車、郵便車、建設工事車両といった公共性の高い車両も除外されます。
そのため、旧市内(1区)から自動車が完全に姿を消す訳ではありませんが。しかし、ウィーン市では、旧市街を通過する自動車が激減することで、旧市街の自動車通行量は最大30%削減されると見込んでいます。
現在、ウィーンのCO2排出量の40%以上を交通機関が占めていることから、自動車使用制限は、CO2削減に大きな効果が期待されています。
なお、除外規定については、実際には細かいルールが発表されています。
また、将来的には、公共スペースに駐車できる自動車は、住民、障害者、荷物搬入用自動車のみに制限することになっています。
規制は今秋(10月11日に予定)実施されるウィーン市議会議員選挙前に実施されますが、現時点では施行日は発表されていません。新聞報道では、早ければ8月にも施行されるという情報もあります。
つまり市議会議員選挙が実質的に本施策の賛否を問う形になります。ただ、このプランについて、Michael Ludwig市長は懐疑的な見方を示しているという話もあります。
なお、3枚目の写真は、プランのプレゼンテーションに参加した政治家の皆さまです。
東京に例えれば、千代田区から住民以外の自動車を締め出してしまう訳ですから、かなり大胆な計画と言えるでしょう。
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