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June 07, 2020

街が舞台、今夏、ウィーンで「Kultursommer 2020」開催

2020060706週末のウィーンは好天に恵まれて、プラーターやドナウ島などは、多くの人で賑わいました。ただ、日曜日の夕方から、雷雨になりましたが‥

ロックダウンのためウィーンをはじめとするオーストリアでは、3月中旬からオペレッタやオペラをはじめ、演奏会、演劇など各種パフォーマンスが軒並み中止になったのは、皆さま、ご存じのとおりです。

現在、2020年9月の新シーズンからの再開(仕切り直し)に向けて、各劇場では夏休み前のリハーサルが始まっています。

なお、すでにご紹介したようにウィーン楽友協会では、先週からコンサートが再開されました。

夏の音楽祭に関しては、ザルツブルク音楽祭やグラフェネック音楽祭が規模を縮小して開催されますが、中止を決断したところが多いようです。

ところが、ここへ来て、ウィーン市が「新しい生活様式」を踏まえた文化イベント「Kultursommer 2020」を7月から8月にかけて実施すると発表しました。

これは市内の活性化と同時に、新型コロナウイルス渦のため仕事を失ったアーティストに対する支援という趣旨も含まれています。そのため、ジャンルは広範囲に及びます。

2020060701ウィーン市の発表では、プログラム数は800、延べ2000名のアーティストが参加します。
まず、会場ですが、感染拡大防止を図るため、1箇所に多くの観客に集まってもらうことは不可能なので、2つのメイン会場と5つのサテライト会場に別れて開催されますが、基本的には屋外です。

メイン会場は、Donauinsel(500名収容)とLaaer Berg(300名収容)です。メイン会場に関しては本格的なステージがあり、照明や音響設備も設置されます。音楽やダンス、演劇などのパフォーマンスに適した会場です。

一方、公共の広場や公園に設けられる以下のサテライト会場は、100名規模の収容人数となっています。
-2区:Kaiserwiese
-6区:Parkplatz Flohmarkt am Naschmarkt
-10区:Helmut-Zilk-Park
-19区:Bezirk: 12.-Februar-Platz
-22区:Hannah-Arendt-Park

2020060704さらに3名程度のアーティストが上演する小規模サテライト会場(最大収容人数30名)の開設も検討されています。現在、候補になっている小規模会場は以下のとおりです。
-12区:Meidlinger Platzl
-20区:Wallensteinplatz
-15区:Kardinal-Rauscher-Platz
-21区:Pius-Parsch-Platz
-23区:Zirkuswiese Alterlaa

この他、「Public moves」として、Arkadenhof des Rathausesに50名程度が参加できるダンス会場が設定されます。

これらは、いずれも公共の場所ですが、新型コロナウイルスの影響を受けやすい高齢者のために、「Ein Ständchen in Ehren」という名称で、老人ホームの中庭やバルコニーを活用したコンサートも企画されています。

これは出前コンサートという形になりますね。さすが、ご年配の方に対する配慮が行き届いているウィーン。

2020060703ただ、この手のイベントで忌もっと危惧されるのは、クラスターの発生です。そこで、ウィーン市では専門家を交えて、感染拡大のための十分な対策をとった上で開催することになりました。

まず、連邦政府の要件を遵守し、ウィーン市の「文化産業ガイドライン」に基づいて計画が行われています。

今回、ウィーン市から公開された会場のイラストを見ると、ソーシャルディスタンスを確保するため、観客の間を離すと同時に、立ち見席、着席ともに厳密に場所が指定されています。

大規模会場では、芝生の上に「枡席」のようなエリアが設定されるのがわかります。また、入場ゲートが1箇所に限定されるようです。

各会場では、係員がソーシャルディスタンスが確保されているかをチェックするほか、来場する場合、マスク(もしくは、それに準じる用具)の着用が義務づけられます。

本来、日の長い時期なので、夕方から夜にかけてが盛り上がるのですが、夜間はリスクが高いため、全てのイベントは夕方には終了します。

20200607056月5日の記者会見では、具体的なプログラム内容までは発表されませんでしたが、今後、以下の芸術委員会メンバー(氏名の後ろが担当するジャンル)により、プログラムがまとめられます。

しかし、内容を見ると、音楽演奏や演劇に加えて、朗読が入っているなど、本当に多種多様な内容であることがわかります。

-Tina Leisch:Freie Szene, partizipatives Theater und migrantische Kunst
-Mira Lu Kovacs:Popmusik, Singer/ Songwriter, neuer Jazz,
-Fritz Ostermayer:Literatur
-Jürgen Partaj:Klassische Musik, Weltmusik
-Stephan Rabl:Kinder- und Jugendtheater, neuer Zirkus und Straßentheater, Figuren- und Objekttheater
-Rio Rutzinger/Mani Obeya:Tanz und Performance
-Julia Sobieszek:Kabarett
-Herbert Zotti/Susanne Schedtler/Susanne Rosenlechner:Wienerlied, Wiener Musik, Volksmusik, Jazz, Worldmusic

6月中旬から国境閉鎖が緩和されるようですが、今夏、本格的に海外から観光客がウィーンに来るかどうかは、微妙なところです。

そのため、残念ながら観光客の来場は期待できないかもしれません。そのように考えると、ウィーンの住民を対象としたイベントと捉えた方が良さそうです。

2020060702ロックダウン解除後、文化関係者から休演に伴う損失補填の要望があがるようになりました。今回の大規模イベント開催決定も、そういった背景があるのかもしれません。

東京のように、感染拡大を極度のに警戒するあまり、自治体が「自粛要請」一本槍になっていることを考えると、発想の違いを感じます。

日本でも、感染拡大防止を踏まえた、このようなイベントを自治体が主体となって開催できないものでしょうか。

ウィーンの場合も、万が一、これでクラスターが発生した場合、Michael Ludwig市長は命取りになりかねませんから、ある意味、勝負に出たのかもしれません。

そう言えば、ウィーン市議選が10月11日に実施される予定です。ウィーン市長は、日本の地方自治体首長と異なり、直接選挙で選ばれる訳ではなく、市議会で選ばれます(日本の首相と同じ)。

となると、穿った見方をすると、先日の住民全世帯への「Restaurant-Besuche」配布とともに、選挙を視野に入れた施策(事実上の選挙運動)かもしれません。

まぁ、選挙に関係ないFeriとしては、「芸術の街」復興に向けたキックオフ(打ち上げ花火)と考えることにしましょう。

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