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August 14, 2020

壮大な試み 宗教キャンパス建設プロジェクト

2020081302日本では、ご先祖様の霊を祀る「お盆」になりましたね。「日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事」とも言われていますが、地方によって、様々な風習があると思います。

Feriも、子供の頃、毎年、お盆の時期、本家で迎え火、送り火の行事があり、家族と共に隣接する本家は足を運んだ記憶があります。

日本でも宗教の熱心な信者はいらっしゃると思いますが、多くの方は、正直、強いこだわりがないというのが、実態ではないでしょうか。

大晦日はお寺、初詣や七五三は神社、結婚式はキリスト教風教会式など、人生の様々なシーンで宗教関連の施設が登場しますが、色々な宗教が顔を出していますよね。

善し悪しは別にして、宗教による対立が2000年以上、続いている国の人からは「不思議な国」に見えることでしょう。

さて、基本的にカトリック教国オーストリアの首都ウィーンで「Campus der Religionen」(宗教キャンパス)という壮大なプロジェクトが進められています。

2020081301日本でも宗教系の大学はありますが、基本的に宗教・宗派により別の学校になっており、仏教系の学校とキリスト教系の学校が同居することはないと思います。

「Campus der Religionen」は、8つの宗教団体が同じ敷地内にキャンパスを作り、教員、学生、信者が相互に訪問することで、理解を深めようという画期的なプロジェクト。

ウィーン市が主導しているもので、Aspern Seestadtが建設予定地です。このプロジェクトに、当初から参加している宗教団体は、以下のとおりです。

-ÖBR(Österreichische Buddhistische Religionsgemeinschaft、仏教)
-Römisch-Katholische Kirche(ローマカトリック)
-Erzdiözese Wien Evangelische Kirche A.B(福音教会、プロテスタント系)
-IGGÖ(Islamische Glaubensgemeinschaft in Österreich、イスラム教)
-NAK(Neuapostolische Kirche Österreich、新使徒教会、キリスト教系)
-Sikh(Religionsgemeinschaft Österreich、シク教)
-Griechisch-orientalische Metropolis von Austria(ギリシャ正教会)
-Israelitische Kultusgemeinde Wien(ユダヤ教)

2020081303この他、プロジェクトのパートナーとして、Kirchlichen Pädagogischen Hochschule Wien/Kremsが加わりました。同校は、「Campus der Religionen」完成後は、ここへ移ることが決まっています。

3枚目の写真は、8月11日、市庁舎で行われた記者会見に集まった関係者の皆さま。上記の団体代表が参加しています。

U2のSeestadt駅近くに建設されている「Campus der Religionen」は、敷地面積約10000平方メートルを誇り、同じ敷地内に8つの宗教施設と共用施設が設けられます。完成後は約2500名の学生が、ここで学ぶ予定です。

2020081307ある意味、複雑な背景を抱えたプロジェクトなので、建物の設計はEU加盟国を対象とした国際コンペが行われ、44案が提出されました。

この中から、審査員が都市計画との関連、経済性、コンセプトなどを審査し、42案が残りました。

22案はウィーンの建築事務所でしたが、オーストリアの他州、ドイツ、スイス、スペイン、スェーデン、ポーランド、フランスなどからも応募もありました。

先日、最終選考会が開かれ、ウィーンの建築事務所Burtscher-Durig ZT GmbHの案が第一位となったことが発表されました。

2020081304同社の案は、ファザードに関しては宗教色を廃したニュートラルなデザインが特徴。確かに最近、オープンしたウィーン経済大学キャンパスよりは、おとなしいデザインです。

教育棟、食堂やロビーなどの共用施設に関しては、共同性や多様性を考慮して、機能的にデザインされています。

一方、礼拝堂、モスクなどの宗教施設については、各宗派の伝統的な考え方が強く反映されたオーソドックスなデザインです。

全体レイアウトは、広場に周囲に建物を建設するもので、オープンスペースの広場が宗教観の「交流の場」として機能するようになっています。

2020081306また、宗教施設の入っている建物には屋上庭園があり、こちらは各宗派毎に利用することを想定しているようです。

2019年3月、本プロジェクトのための土地が購入されましたが、ウィーン市議会の中ではFPÖ(オーストリア自由党)だけが反対だったそうです。

全体計画が決まり、いよいよ建設開始と言いたいところなのですが、ウィーン市のプレスリリースを見ても、完成時期(開校時期)については明言されています。

というのは、全体コストが明確になっていない上に、資金調達の目処がついていないのです。

コストに関しては、デザインが決まったところなので、これから正確な積算が行われ、建設コストが明確になることでしょう。

2020081305一応、建設コストの予備審査を経ていますが、日本の新国立劇場のように、当初予算から大きく足を出さなければよいのですが‥

その上で、資金を提供してくれる支援者を、どれだけ集めることができるかが、プロジェクト完遂の鍵を握る‥という訳です。

宗教系のキャンパスなので、宗教団体からの資金提供が期待されますが、同じ敷地内に同居することに信者の賛意が得られるかどうかが、ポイントのような気もします。

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