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August 03, 2020

Josefstädter Straßeのミーティングゾーン(Begegnungszone)計画

2020080207今日はウィーンで「緑の党」が発表した「JosefstädterStraßeのミーティングゾーン化計画」をお伝えしましょう。

今秋のウィーン市議会議員選挙を前に、各政党とも住民が注目する政策を発表しています。先日はMichael Ludwig市長(SPÖ、オーストリア社会民主党所属)が突如、CityBikeのステーション運営をWiener Linienに委託するという決定を下しました。

一方、「緑の党」に所属するBirgit Hebein副市長は、旧市街の自動車乗り入れ禁止を実施する計画を進めています。

この「緑の党」が新しい政策を発表しました。それは8区のメインストリートJosefstädterStraßeから自動車を締め出し、歩行者専用道路(ミーティングゾーン)にしようというものです。

2020080201「緑の党」ではGumpendorfer StraßeやLandstraßer Hauptstraßeにミーティングゾーンを開設する運動を進めていますが、今回、8区のメインストリートであるJosefstädterStraßeが加わりました。

作戦名は「Leuchtturmprojekt」。もちろん、今秋、行われる市議会議員選挙に向けてのプロジェクトです。

このブログでも進捗状況を逐次お伝えしたウィーンを代表するMariahilfer Straßeも段階的に自動車の乗り入れが禁止され、現在では事実上、歩行者優先道路になりました。

2020080208正直、Feriは、Mariahilfer Straßeの歩行者優先化計画が発表された際、実施はかなり困難だろうと思っていましたが、「緑の党」が主体となって、実現してしまいました。

環境保護政党を榜する「緑の党」は、連邦政府の政権与党になってから、ウィーンでも自転車専用レーン拡充をはじめ、自動車を目の敵にした政策を次々と発表し、実行に移しています。

今回の計画では、地図のようにLange Gasse( Josefstädter Straße-Hugo- Bettauer- Platz間の120メートルが2018年にミーティングゾーン化、右図の点線区間がミーティングゾーン、右の写真)の交差点から、Palais Strozzi付近までが対象です。

2020080210現在、JosefstädterStraßeには1日1万台の自動車が通行していますが、その90%は8区の住民以外だと言われています。

「緑の党」のMartin Fabisch氏によると、“商店が多いJosefstädterStraßeを歩行者専用道路にすることで、散策する人が増え、売上増に貢献する”と述べています。

Feriは、以前、先輩が8区にお住まいだったこともあり、JosefstädterStraßeは馴染みの通り。確かに色々な商店が軒を連ねています。

2020080203また、比較的、富裕層が多いエリアなので、伝統的なお店が多いのも特徴です。最も最近は、ご多分に漏れず店が変わったところも増えていますが‥

この計画に否定的なのがWiener Linien。というのはJosefstädterStraßeには路面電車2系統が通っているからです。

ヨーロッパでは、歩行者専用道路に路面電車が走るトランジットモールを採用している国が沢山あります。

2020080211 オーストリアでは、グラーツの旧市街のトランジットモール(左の写真)が有名ですが、何故かウィーンでは実績がありません。

トランジットモールを設置するためには、歩行者の安全を確保するため、ある程度、道路の幅が必要です。

2020080205ところがウィーンの場合、トランジットモールに適した道路がないことが要因だと思います。

JosefstädterStraßeは道幅が狭いため、現状でも自動車の軌道敷内通行禁止ができません。つまりトランジットモール化した場合、歩行者の安全を確保するのが難しいというのがWiener Linienの意向です。

実際、毎年、秋に開催されるJosefstädterFestの際には、右の写真のように路面電車を運行を取りやめています。

2020080202これに対して、「緑の党」は、大胆な計画を打ち出しました。それは、最も道幅の狭い区間(約100メートル)は、路面電車を単線相互通行にすれば、歩行者用スペースと安全性を確保できるというものです。

ヨーロッパでは道路の狭い都市の場合、一部区間を単線相互通行(ガントレット方式)にしているケースがあります。「緑の党」は、良く調べていますね。

2020080206「緑の党」が公表した完成予想イラストによると、道路の段差をなくし、現在の駐車スペースに花壇や樹木、スプレーシャワーなどを設置するようです。

また、JosefstädterStraßeに平行するPfeilgasseも、Sackgasseに隣接するエリア(現在、中央に緑地帯があるエリア)にある駐車スペースを広場に変更し、花壇や樹木を整備することを発表しています。この結果、Pfeilgasseは行き止まりとなり、Zeltgasseとは分断されます。

この他、JosefstädterStraßeとPfeilgasseの間にあるPalais Strozziには庭園がありますが、研究機関が入っているため、一般の立ち入りは禁止されています。

2020080204「緑の党」では、同時に、この庭園を解放することで、今回の施策と合わせて住民にとって魅力的な街になると訴えています。

なお、計画を発表した「緑の党」によるとミーティングゾーン整備だけでも300万Euroの費用がかかるため、区の予算だけでは実行不可能。ウィーン市からの補助金が必要です。

現在、8区の区長はÖVP(オーストリア国民党)に所属するVeronicaMickel-Göttfertさん(女性)です。いずれも市議会議員選挙の結果次第ということですが、住民の支持を集めることができるか、注目されるところです。

Feri個人としては、JosefstädterStraßeにウィーン初のトランジットモールが実現したら、大きな先例となり、今後の都市交通政策の大きな転機になるような気がします。

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Comments

興味深いプロジェクトですが、若干のコメントを。
1)Sackgasseはグラーツのトランジットモールとなっている通り(画像はHerrengaseで、画像の反対側、北側)のSackstrasseとの混同でしょうか?
2)「Gumpendorfer StraßeとLandstraßer Hauptstraßeは自動車の通行が禁止され」->どちらも相応に長い通りで、前者は57A、後者は74Aのバスも通っていますがどの部分のことでしょうか?
3)トラムの擬似単線相互通行(ガントレット方式)はアムステルダムの随所(運河を跨ぐ橋梁部分)にあることは有名ですね。

Posted by: Piaristengasse | August 03, 2020 07:27

Piaristengasse様

コメントと補足説明、ありがとうございました。
>画像の反対側、北側)のSackstrasse
たまたま該当する写真が見つからなかったので代用しました。申し訳ございません。先ほど、写真が出てきたので、差し替えました。

ところで、「緑の党」の計画に対して、各党から色々な意見が出ています。現在、区長を擁するÖVPは、計画に懐疑的で、ミーティングゾーンに適した場所は他にあるという意見です。
最も辛辣なのはFPÖ(オーストリア自由党)。同党の某議員は、“幹線道路を部分的なミーティングゾーンに変えたいのは、「緑の党」の空想の集大成だ”。

Posted by: Feri | August 03, 2020 11:28

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