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September 28, 2020

路面電車ネットワーク拡張による経済効果

2020092710今日、9月28日からウィーンではレストラン、カフェなどを利用する際、お客さまは用紙に名前、電話番号、メールアドレス、テーブル番号を記入し、店側は保管することが義務づけられます。また、記入を拒否したお客さまには罰金が科せられます。

新しい規制のスタートにあたってウィーン市から標準的なフォーマットが提示されました。それが左側の写真です。

ただ、お客さまは身分証明書を提示する必要がないため、偽名でも登録は可能です。そのため、スプレッダーが発生して、追跡した場合、本当に来店したお客さまにたどり着けるか不明。

なお、テイクアウトの場合は対象外です。ただし、持ち帰りの料理ができるまで、店内でドリンクなどを飲んで待つ場合は、記入が必要。この規制は2020年の年末まで継続されることになっています。

2020092701さて、今日は「ウィーンの路面電車ネットワーク拡張による経済効果」というお話です。

先日、ウィーン市、Wiener Linien、商工会議所が共同で「ウィーンの路面電車ネットワーク拡張による経済効果」に関する調査をまとめ、報告書の形で発表しました。

現在、ウィーンの路面電車ネットワークは28系統で路線延長は220km、400両を越える車両が使用され、年間305.8万人のお客さまを輸送しています。

ウィーン市、Wiener Linienでは現在、工事が進められているD系統の延長を含め、2029年までに最大8億6000万Euroを投資して路面電車路線の延長を予定しています。

今回の調査によると、この路線拡張によりウィーンで5300人、他の地域で4300人の雇用が新たに創出されます。さらに、これらのプロジェクトは10億Euro以上のGDP(国内総生産)に寄与すると指摘。

2020092706商工会議所の専門家Alexander Biach氏は、“路面電車ネットワークの拡張プロジェクトは雇用市場を確保し、国内経済をサポートし、国際的な競争力を高める方法です。同時に、公共交通機関の拡張への投資は、鉄道業界にかかわる各メーカーに対する強力なシグナルになります。ウィーンは、賢明な投資を続ければ、「路面電車界の首都」になるチャンスがあります。”と述べています。

現在、ウィーンではNordbahnhof、Nordwestbahnhof、Seestadt Aspernなどの都市開発プロジェクトでは路面電車による輸送を織り込んでいます。これは温室効果ガス削減に大きく寄与するためです。

2020092704ウィーン市とWiener Linienでは、この3年で、路面電車ネットワークの拡張に3億Euroを投資しています。

たとえば、2019年12月には、D線がHauptbahnhofから再開発が進むFavoritner Stadterweiterungsgebietまで延長されました。Helmut-Zilk-Park沿いの約800メートルの区間は軌道敷きが緑化されています。そして、Absberggasse停留所で6系統、11系統と接続するようになりました。

2020年10月には、O系統がPratersternからNordbahnhofviertelの再開発エリアまで延長されます(4停留所が新設)。この区間でも150メートルの軌道敷きが緑化されます。

2020092703今回の路線延長は、先ほどChristineNöstlingerに開設された教育キャンパスのアクセスとして期待されています。

現在、ウィーン市では、自家用車で通勤している住民を公共交通機関利用に転換するため、このブログで2020年6月にお伝えしたように周辺地域への路面電車路線延長を計画しています(詳しくはこちらから)。検討中のプロジェクトは3つ。

○71系統延伸
71系統は現在、Börse-Ring-Schwarzenbergplatz-Zentralfriedhof間の路線ですが、SimmeringからSchwechatを経由してRannersdorfへ延伸する計画です。KaiserebersdorfでS7、SimmeringでU3、S80と接続するため、シュヴェヒャートエリアの利便性が大幅に向上します。

2020092705○25系統延伸
25系統は、現在、Aspern-Floridsdorf間の路線ですが、Groß-Enzersdorfまで延伸する計画です。延伸が実現すると、Aspernを経由してU2(Donauspitalで接続)、U1(Kagranで接続)への乗り継ぎが可能です。

○Liesing-Kaltenleutgeben間の新路線
最も規模が大きく、「本格的に鉄道を敷きます」というのが、本プロジェクト。S BahnのLiesingからrchtoldsdorf、Waldmühle経由で、Kaltenleutgebenまで路線を新設するものです。Rodaunで現在の60系統との接続も計画されています。
このプロジェクトは、路線長が長いこともあり、Wiener Lokalbahnenが建設と運用を担当する予定です。

今回の調査では路面電車の路線延長に100万Euro投資されるごとに、約110万Euroの経済効果があると分析しています。また、11の新しい仕事が生まれ、結果として40万Euroを上回る税金が公共部門に還元されるとしています。 2020092702また、建設時だけではなく、路面電車の運行により長期的な経済効果が期待できます。

100万Euroの投資ごとに、路面電車の運行にかかわる直接の経済効に加えて、不動産や住宅、商業などで果新しい雇用が創出され、GDPを160万Euro押し上げる効果が期待できると分析しています。

日本では、公共交通機関の充実による経済効果というレポートは、あまり見たことがありませんが、このような分析を通じて、予算獲得の裏付けにしようというのは説得力があると思います。

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