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September 21, 2020

ウィーン版「もったいない」プロジェクト

2020091901今日は「今日から始まったウィーン市のユニークな取り組み」をご紹介しましょう。

Feriが子供頃、日本でも家電製品や家具などが故障、破損した場合、修理して使うというのが普通でした。家電製品などは、街の電気屋さんに修理をお願いしていたような気がします。

とにかく「すぐに新しいものを買う」ということは少なかったと思います。個人的な感想ですが、家電製品なども耐久性が高く、長期間、使えたような気がします。

ただ、最近、日本で販売されている家電製品などは電子部品などを多用し、高機能化が進んでいるため、部品保有期間を経過すると、修理が難しいケースが増えているようです。

また、修理を依頼すると“最近の賞品の方が省エネ特性が優れているから、買い換えた方がお得ですよ”と言われるケースも多くなっていると聞きます。そのため、物理的な耐用年数前に買い換える人も多いとか‥

2020091902さて、ウィーン市では、環境保護のため「修理支援プログラム」を9月21日から開始しました(選挙運動みたいな気がしますが‥)。

これは安易な買い換えよりも修理を推進するため、修理費用の一部をウィーン市が負担するもの。ウィーン環境保護局(MA22)が所管しています。

対象は一般家庭で使用されている家電製品、IT機器、家具、スポーツ用品、衣料品など幅広い範囲に及びます。

補助金の額は修理費用の50%ですが、1回の上限は100Euro。また、修理に必要な見積を依頼し、修理を断念した場合も、見積費用も補助金の対象となります(見積費用は100%。ただし、45Euroが上限)。

通常、この手の補助金は申請手続きが面倒ですが、ウィーン市の「修理支援プログラム」の利用は極めて簡単です。

Der Wiener Reparaturbon」というクーポン券をホームページなどから入手し、修理を依頼する際、業者に提出します。すると、修理代金から補助金分が差し引かれます。

2020091903なお、このクーポンが利用できるのは「Reparaturnetzwerk Wien」という組織に登録している業者さん(ホームページで検索できます)。

所属している業者さんの多くは修理を主に行っており、様々な基準を満たすことが義務づけられています。要するにウィーン市がお墨付きを与えた「信頼できる修理業者さん」という訳です。

また、事前に提示された見積を越えて請求されることはありません。

補助金対象の修理業者を登録制にしているのは補助金詐欺を防止するためだと思われます。

この取り組みで注目されるのは、「環境保護」を前面に打ち出している点です。

2020091904ウィーン市の発表によると、1回の修理で平均24kg相当の温室効果ガスを抑制できます。

約70kgの洗濯機は、製造から廃棄までに約1400kg温室効果ガスを排出します。それは本体重量の20倍、中型自動車と同じくらいの重さ。

また、新しい家電製品の方が消費エネルギーが低いことを考慮しても、エコロジーの観点からは、古い洗濯機の買い替えは、早くても17年から23年後に効果が出ると試算されています。

なお、17年は最低限の物理的寿命なので、ここまでは使い続けることが推奨される訳です。しかし、現実には平均的な買い換え年数は11.4年だそうです。

ちなみにEU圏内のすべての洗濯機、ノートパソコン、掃除機、スマートフォンの耐用年数を1年だけ延長することで、約400万トンの温室効果ガスを削減できます。これは、自動車が200万台削減されたと同じ効果があるそうです。

2020091905日本では、ゴミ削減という観点で廃棄された家電製品のリサイクルが奨励されていますが、環境保護の観点から「修理して耐用年数まで使う」という発想はないかもしれません。

ウィーン市では、このプログラムを推進するため、議会の承認を得て、今後3年間(2023年まで)に160万Euroの資金を用意しています。

こちらでは、モデルチェンジの期間が日本よりも長く、長く愛用するという習慣があるので、喜ばれるかもしれません。

2020091906なお、ウィーン市内を散策していると個人経営の家具製造業者を沢山見かけますが、ほとんどは「古い家具の修理」が中心のようです。右の写真も、そのような会社。いわゆる「職人さん」の世界ですね。

Feri個人としては、日本でも、ぜひやってもらいたいプログラムです。ただ、日本の場合、家電製品の場合、部品保有期間は製造打ち切り後、最大9年(電気冷蔵庫やエアコン)。

しかも毎年のようにモデルチェンジを繰り返すため、必然的に製造打ち切りも早くなります。そのため、ウィーン市が推奨するように家電製品を20年近く使い続けるのは困難かもしれません。

余談ですが、Feriの実家では、某社の電子レンジ(1987年製)と冷蔵庫が20年以上、一度も故障することなく使うことができました。当時は、まだ耐久性に優れた製品を作っている日本のメーカーさんも多かったのでしょう。

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