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October 2020

October 27, 2020

新しいコロナ規制が始まりました

2020102701正直、新型コロナウイルス関連の話題は取り上げたくないのですがご容赦ください。トップの写真は、新聞が報じたナショナルデーのヘルデンプラッツ。関係者以外、立ち入り禁止になっているので、ご覧のような状況です。

2020102601日本では、新型コロナウイルス感染拡大に関連して、感染者数の情報はマスコミなどで報じられていますが、それに伴う新たな規制や対策については、国、自治体も含めて、ほとんど発表されなくなったような気がします。「夏頃の大騒ぎ」は何だったのでしょうか?

さて、秋になってヨーロッパ各国では感染者が再び増えています。国によって規制の内容は様々ですが、オーストリアでもコロナ信号の変更に合わせて、先週末から、新しい規制が始まりました。よりによってナショナルデーの週末から規制強化とは‥

2020102604ところでナショナルデーの連邦軍関連番組では、国防大臣がマスク姿で閲兵している様子が流れていましたが、連邦軍のロゴが入った特製マスク。また、随伴の軍人さんは迷彩柄のマスク。

この時期、オーストリアいらっしゃる方はいないと思いますが、オーストリアの情報は日本のマスコミも余り取り上げないと思うので、ご参考までに主要な情報をお伝えします。ある意味、日本の対策と比較してみるのも良いかもしれません。

2020102605レストラン・カフェなどの飲食店
座席が指定されていない場合、一つのテーブルに座ることができる人数は屋内は6名、屋外は12名です。なお、18歳未満の未成年は、この人数に加えて6名まで同席可能です。

屋外での飲酒禁止
営業規制時間以降、敷地内から半径50メートル以内は禁酒です。これはブルストスタンドなどの屋外飲食店の場合にも適用されます。そう言えば、大統領が引っかかったのは、これでしたね。

フェイスシールドの使用禁止
感染がある程度、おさまった時期はマスクに変わってフェイスシールドの使用も許可されていましたが、11月7日から口と鼻を完全に保護するマスク以外の使用は禁止されます。2週間は猶予期間との位置づけです。

2020102602ソーシャルディスタンスの確保
ソーシャルディスタンス(Babyelefanten、1メートル)を法令で義務づけることは憲法裁判所の判断で、廃止されました。しかし、感染の再拡大に伴い、同一世帯の人、大人6名と子供6名のグループ以外はソーシャルディスタンスの確保が求められます。
なお、障害者や同伴者(介護者)が公共交通機関を利用する場合もルールは除外されます。

マスク着用範囲の拡大
閉空間の公共スペース(地下通路、駅、停留所、公共交通機関、劇場など)ではマスクの着用が義務づけられます。なお、健康上の理由でマスク着用が困難な方は、医師の証明書提示が求められます。

イベント
6人または12人を超えるイベントは、座席指定の場合のみ開催可能です。また、事前に保健当局に対して、具体的な感染拡大対策を報告することで、開催が許可されます。
すべての屋内および屋外のイベントにはマスクが義務づけられます。公式に承認されたイベントの場合、屋内は1000人、屋外は1500人が上限です。また、3時間以上続くイベントには、通常の飲食ルールが適用されます
座席が割り当てられていないイベントの場合、屋内は大人6人、屋外は12人が上限です。だけです(大人の監督下の子供さんは、プラス6名まで参加可能)。

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October 26, 2020

ウィーンの路面電車トリビア6選

2020102402今日はオーストリアのナショナルデー(建国記念日)。例年ですと、首都ウィーンでは記念行事が行われるヘルデンプラッツや市庁舎前広場には家族連れを含む多くの人が集まり、賑やかな一日になります。

しかし、今年は、このブログでもご紹介したように行事は大幅に縮小または中止となり、会場周辺は閑散としていることでしょう。

さて、今日はWiener Linienが自身のブログで公開している「ウィーンの路面電車トリビア6選」をご紹介します。要するに「知らなくてもよい雑学」‥というやつです。

2020102401-その1:停留所間が最も短い区間
2つの停留所間の最短距離は、Urban-Loritz-Platz-Burggasse, Stadthalle間です。6系統と18系統は交差点を挟んで88メートルしかありません。これは大規模な交差点があるためですね。

-その2:停留所間が最も長い区間
逆に2つの停留所間が最も離れているのは、26系統のRußbergstraße-Autokaderstraße間で、1225メートルもあります。路面電車の停留所で1キロ以上離れているというのは珍しいですね。ちなみにウィーンの路面電車の停留所間平均距離は395メートルだそうです。 2020102405

-その3:最も長い系統
現在、ウィーンの路面電車で最も運行距離が長い系統は11系統です。ちなみに路線距離は約12.3km。ウィーンの路面電車は、線路そのものは変わらなくても、運行系統が頻繁に変わります。 現在の11系統は2019年9月に運行を開始したもので、Favoriten-Simmering間というターミナルを結んでおり、運行開始後、最初の1ヵ月間で200万人以上の利用者がありました。ちなみに全区間の所要時間は約50分です。2020年半ばからは、最新のFlexityが投入されています。

2020102406-その4:最も低い場所
基本的に路上を走っている路面電車の標高は地形に左右されます。ウィーンでは22区が標高の低いエリア。路面電車で最も低い場所は、25系統のErzherzog-Karl-Straßeで、標高125メートルです。
この停留所はÖBBをアンダーパスするため、通常の路面よりも下がっています。そのため、このような標高になりました。

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October 25, 2020

旧市街の変化、雑感

2020102501先週末にオーストリア連邦政府が、新しいコロナ信号情報を発表しました。感染再拡大を受けて、残念ですが21地区が新たに赤に指定されています。

現在、赤エリアは25で、赤の地域がないのはケルンテン州だけです(ウィーンは州扱いですが、オレンジなので除外)。その結果、オーストリア人が住む1/4のエリアが赤に指定されてことになります。この他、黄色からオレンジに移行したエリアもあります。

今週末(10月24日から25日)、オーストリアでは夏時間が終了し、冬時間になりました。市庁舎では、2時59分に大時計が停止し、1時間後、3時から再始動。

という訳で、週末は1時間、余計に休むことができました。なお、冬時間は2021年3月28日まで適用されます。

そして、昨日、お伝えしたようにクリスマスマーケットについても、開催要領が発表され、経済の復興に向けて第一歩を踏み出した感があります。

2020102101今日は、変わらないようで、変わりつつあるウィーンの旧市街についての雑感です。

ウィーンの旧市街は、ユネスコの世界遺産に指定されている関係で再開発には、色々な制約があります。ただ、リンクの外側では、このブログでもお伝えしているようにスクラップアンドビルド方式で大規模な再開発が行われるようになりました。

さすがに旧市街内部では、スクラップアンドビルド方式での大規模開発は難しいですが、それでも建物のファザードを活用した再開発は盛んです。

Feriが、30年以上前にウィーンにはじめて行って以来、2000年に入るまでは昔の面影を残していたような気がします。

最近、気になるのは建物は残っているものの入居しているお店や企業が変わっている点です。

2020102102Vermählungsbrunnen(結婚式の噴水)で有名なHohermarkt(ホーアーマルクト)周辺でも色々な変化があります。

TuchlaubenとHoherMarktの交差点に面した石造りの建物に以前は金物屋さんが入っていました。立派なショーウィンドウもあって各種の金属製品を取り扱っていました。

恐らく昔から店を構えていた店舗なのだろうと思います。Feriも何回か店内に入ったこともありますが、興味深い商品が販売されていたことを覚えています。

現在、建物は以前のままですが、金物屋さんが入っていたスペースはHerbarium Officinaleというお店になっています。

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October 24, 2020

ウィーンのクリスマスマーケット2020続報

2020102301今日は「ウィーンのクリスマスマーケット開催に関する続報」です。

10月22日、ウィーン市(担当はWiener Marktamt)は、厳格な新型コロナウイルス感染防止策を講じた18のクリスマスマーケットを承認しました。

出店するブース(露店)の合計は852店です。ウィーン商工会議所からの委託を受けた専門家が包括的な感染拡大策を立案し、クリスマスマーケットの運営会社は、これを遵守する運営要領を決定したものです。

まず、全てのクリスマスマーケットに共通するルールは以下の三点です。
-すべてのクリスマスマーケットで、来場者と運営者はマスクを着用し、ソーシャルディスタンス確保が義務づけられます
-飲食関係のブースは「密」を回避する178店に削減されます
-安全基準が守られているかを確認する保安要員が配置されます
-各クリスマスマーケとには十分な消毒剤を設置します

2020102302ウィーン市では、クリスマスマーケットを単なるイベントではなく、「何世紀にもわたる伝統的文化である」と位置づけています。そのため、現時点で可能な限りの感染防止策を講じた上で、開催に踏み切りました。

また、例年どおり市当局は、会場で提供されるすべての食品とスタンドが食品衛生基準に準拠しているかどうかをチェックします。厳格な管理により、昨年のクリスマスマーケットでは、食品に関する苦情はほとんどありませんでした。

今年のクリスマスマーケットは、主催者側はもちろん、来場者の責任ある行動が求められます。

10月20日時点で、ウィーン市当局が許可した民間企業が主催するクリスマスマーケットは、以下のとおりです。また、正式な営業許可を受けて、多くのクリスマスマーケットがホームページの公開を始めています。

2020102308Christkindlmarkt am Rathausplatz
-ブース数:125(飲食店ブース:18)
-開催期間:11月13日~12月26日
-営業時間:日曜日~木曜日は11時00分~21時30分、金曜日~土曜日は11時00分~22時00分(12月24日:11時00分~19時00分、12月25日・26日:11時00分~21時30分)

Altwiener Christkindlmarkt(1区Freyung)
-ブース数:41(飲食店ブース:9)
-開催期間:11月21日~12月23日
-営業時間:毎日10時00分~21時00分

2020102305Weihnachtsmarkt Am Hof
-ブース数:76(飲食店ブース:25)
-開催期間:11月13日~12月23日
-営業時間:月曜日~木曜日は11時~22時00分、金曜日~日曜日は10時00分~22時00分

Weihnachtsdorf auf dem Maria-Theresien-Platz
-ブース数:72(飲食店ブース:12)
-開催期間:11月18日~12月26日
-営業時間:日曜日~木曜日は11時00分~21時00分、金曜日・土曜日は11時00分~22時00分(12月24日:11時00分~16時00分、12月25日・26日:11時00分~19時00分)

2020102304Adventgenussmarkt bei der Oper(1区Mahlerstraße 6)
-ブース数:11(飲食店ブース:1)
-開催期間:11月13日~12月23日
-営業時間:毎日11時00分~21時00分

Weihnachtsmarkt am Stephansplatz
-ブース数:43(飲食店ブース:5)
-開催期間:11月13日~12月26日
-営業時間:毎日11時00分~21時00分(12月24日:11時00分~16時00分、12月25日・26日:11時00分~19時00分)

K. u. k. Weihnachtsmarkt Michaelerplatz
-ブース数:15(飲食店ブース:5)
-開催期間:11月13日~12月26日
-営業時間:毎日11時00分~20時00分(12月24日:11時00分~17時00分)

2020102306Adventmarkt der Bio-Bauern auf der Freyung(1区auf d. Freyung vor dem Palais Harrach)
-ブース数:18(飲食店ブース:4)
-開催期間:11月20日~12月23日
-営業時間:毎日10時00分~19時30分

Weihnachtsdorf Schoss Belvedere(3区Oberes Belvedere)
-ブース数:42(飲食店ブース:6)
-開催期間:11月22日~12月26日
-営業時間:月曜日~金曜日は11時00分~21時00分、土曜日・日曜日は10時00分~21時00分(12月24日:11時00分~16時00分、12月25日・26日:10時00分~19時00分)

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October 23, 2020

市庁舎前のクリスマスマーケット開催要領決まる

2020102202今日は「ウィーンのクリスマスマーケット開催に関する続報」です。

先日、開催の方向で検討が進められているウィーンのクリスマスマーケットの話題をお伝えしましたが、Rathausplatzで開催されるWiener Christkindlmärktの実施要領が決まりました。

まず、開催期間は11月13日から12月26日までと決まりました。例年と同じ開催期間です。ただ、例年とは大きく開催要領が変更になります。以下がKURIER紙に掲載された大きな変更点です。

-入場制限の実施
「密」を避けるため、入場制限が実施されます。3箇所の入口に信号機が設置され、信号が緑の場合にのみ入場が可能。

Ring、Lichtenfelsstrasse、Felderstrasseに設けられる入口で、来場者が1メートルのソーシャルディスタンスを確保できるスペースがある場合のみ、信号は緑になります。キャパシティを越えた場合は、信号が赤に変わり、入場はできなくなります(一時的な入場規制)。

これは今夏、野外プールで採用された方式で、オンラインでも表示されます。そのため、来場前にある程度、入場の可否が判断できると思われます。なお、入場制限は、他のクリスマスマーケットでも適用される可能性がありますが、方式は明言されていません。

2020102203-ビデオ監視
過去数年間、RathausplatzのWiener Christkindlmärktではホームページに会場の模様がリアルタイムで配信されていました。今年は、これらのビデオ画像が広場に特別に設置されたセキュリティセンターに送信されます。これらの画像に基づいて、セキュリティスタッフは、3箇所の入口にある信号を赤に切り替えるか、緑のままにするかを判断します。

-出店ブースの縮小
従来、150の各種ブース(ヒュッテ)が設置されていましたが、今年は115に減ります。これは来場者のスペースを確保することが目的ですが、実際には開催の可否がはっきりしなかったため、今年の参加を取りやめた業者が出たことも背景にあるようです。

業者さんとしては、準備して中止になったら大損ですから、参加中止を早々に決断したのでしょう。なお、ブースの賃料ですが2500~14000Euroで、最も高いのがPunschständeだそうです。

-セキュリティの強化
来場者がルールを遵守しているかを間知るセキュリティスタッフが配備されます。

2020102204-フロアマーキングの設置
各ブース前のアスファルトにマーキングが施され、ソーシャルディスタンスの確保を促します。

-飲食スペースの設置
飲食ブース脇が飲食スペースに設定され、飲食は、この場所だけに限定されます。これは、他の来場者との接触を少なくすることが目的です。従来のようにGlühweinを飲みながら、そぞろ歩きはできないことになります。

-コロナ検査ブースの設置
会場近くにコンテナ式のコロナ検査のための仮設ラボが設置されます。運営は「AustrianCoronaBusters」社が担当します。

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October 22, 2020

Wiener Sicherheitsfest 2020もオンライン開催へ

2020102110今日は10月26日の「ナショナルデー記念行事の話題」です。

先日、お伝えしたようにナショナルデーの記念行事のうち、連邦軍の行事はハイブリッド方式になりましたが、もう一つの大きな行事、セキュリティフェスティバル(Wiener Sicherheitsfest 2020)の開催要領が発表されました。

この行事は2006年からRathausplatzで10月25日、26日に開催されるようになったもので、ウィーンに住む皆さんの安全を確保する組織が一堂に会して、活動の一端を紹介するというイベントです。

2020102112元々は、民間防衛組織がベースにあったのですが、近年では、住民生活に密着した組織も多数参加するようになりました。

例年、「Der K-Kreis」に所属する41の組織から約500名のスタッフが参加します。警察、消防、救急(こちらの救急組織は複数存在します)、救助犬部隊などの組織に加えて、ウィーン市に所属する水道、下水、ゴミ処理、電気、ガス、Wiener Linienなどの組織も展示ブースを出して、活動をアピールします。こちらでは日常生活に不可欠な煙突掃除組合も参加しています。

警察車両や消防、救急車両、ドクターヘリなども参加し、各種デモンストレーションも行われるため、非常に人気の高いイベントです。

また、各ブースでは、各分野の専門家が住民の質問に直接、答えてくれます。ヘルデンプラッツの連邦軍のイベントと掛け持ちが可能です。

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October 21, 2020

ÖBBの中期投資計画

2020102003今日は、先日、発表された「ÖBBの中期投資計画」をご紹介しましょう。

現在、ヨーロッパでは環境保護の観点から鉄道利用促進が叫ばれており、それを受けて、各国の鉄道事業者(特に昔の国鉄系)は積極的な投資を行うようになりました。

今回、発表された中期計画は2021年~2026年までのものです。

ÖBBでは「気候変動との戦いにおける真のマイルストーン」と位置づけ、近代的で効率的な鉄道インフラの整備に今後、6年間で30億Euroを投資する予定です。なお、ÖBBでは総予算を175億Euroと見込んでいます。

2020102001今回の中期計画のポイントは、3つです。
1.出発時間がわかりやすく、乗り換え時間を短縮し、移動時間が短くする
2.1-2-3チケットの導入により需要喚起する
3.貨物輸送をさらに鉄道にシフトする

ÖBBは民営化されたとは言え、株式を連邦政府が保有する特殊会社。ÖBBを所管するLeonoreGewessler運輸大臣は、“連邦政府がこれまで実施した中で、最大の投資を行う。全国のプロジェクトに170億Euro以上投資するが、これは気候変動との他高いで、極めて重要である”と述べています。

2020102006具体的には、次の4つが実施されます。
1.大都市と周辺のS Bahn増発
2.鉄道の魅力を高めるため、地方での電化推進
3.貨物輸送拡充に向けた輸送力増強と経済的なルート開発
4.デジタル化の推進による効率向上

以前、S Bahnは誕生の経緯から「ウィーンの都市鉄道」というイメージが強かったですが、近年、グラーツやザルツブルク、インスブルックなど地方都市でもS Bahnネットワークの整備により、利用者は急速に増えています。

2020102004「自動車から鉄道へ」という流れを加速するため、更に列車の増発が図られることになりました。そこで、列車の編成を長くするためプラットホームの延長を実施します。

更に線路容量を拡大するため、衛星を使った制御技術を活用したシステムを導入する予定です。このシステムを使うことで、Meidling-Floridsdorf間の線路容量は1日700本から900本に増えると発表されています。

この制御システムは、貨物列車と同一の線路を使っている地方でも効果的なので、全ての州都に導入される予定です。

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October 20, 2020

「Nationalfeiertag 2020」の連邦軍記念行事は「ハイブリッドイベント」に変更

2020101901今日は「オーストリアのナショナルデーに開催される連邦軍記念行事の話題」です。

例年、10月26日のNationalfeiertag(ナショナルデー)には「オーストリアを守る」をモットーに、旧市街のヘルデンプラッツに連邦軍の各種装備が展示され、デモンストレーションには多くの国民が集まります。

日本では、最近、駐屯地や基地以外で自衛隊の先頭車両が動態展示されるケースはないようですが、永世中立国のオーストリアは、現在でも徴兵制が施行されており、国民の多くは、連邦軍に対して敬意を払っています。また、当日は、ヘルデンプラッツでは大統領参列の下、新兵の閲兵式などが開催されます。

2020101902さて、今年は25回目となるため、本来であれば大々的に実施されるはずですが、新型コロナウイルス渦の影響を受けて、行事内容が大きく変更されることが10月14日に発表されました。

まず、ヘルデンプラッツでの大規模イベントは中止となり、ハイブリッドイベントになります。

一つは、ORFテレビとインターネットで、10月25日に特別番組「nationalfeiertag2020.jetzt」が放送されます。記念行事の生中継に加えて、特別番組も放送されますが、ORFではオスカー受賞監督のStefan Ruzowitzky氏を起用して、特別番組を制作中です。

2枚目の写真は、特別番組を撮影中のStefan Ruzowitzky監督、Klaudia Tanner国防大臣、 ウィーン方面軍司令Kurt Wagner准将。

2020101904もう一つは、最新の3D技術を活用した仮想展示会。オーストリア国防省では「バーチャルヒーロー」と呼んでいます。

これは、パーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレットなどでヘルデンプラッツにアクセスすると、展示会やデモンストレーションを仮想現実として体験できるというものです。

行事の執行官であるウィーン方面軍司令官Kurt Wagner准将によると、今回は今回のテーマは4つ。1つは主任務である「オーストリアの国防」、2つ目は「国民の保護」、3つ目は「警察と協力して行われている新型コロナウイルス対策」、4つ目は「海外派遣60周年」です。

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October 19, 2020

Wiener Lokalbahnenが新サービスの実証実験をスタート

202010170510月16日の午後、ドナウシュタットにある倉庫で大規模な火災が発生。消防本部は「警戒レベル2」を発令し、消防車30両、消防隊員100名を現場に投入し、消火活動にあたりました。

倉庫の場合、ストックしてある荷物によっては、有毒ガスが発生する可能性があるため、消火活動は困難です。幸い、この火災による死傷者は発生していないようです。

さて、今日は「ウィーンの公共交通機関で始まった実証実験の話題」をお届けしましょう。

2020101702ウィーンでは、公共交通機関の利用を促進するために、様々な施策を導入していますが、ネックになっているのは自宅から公共交通機関の駅(停留所)までの移動です。

そのため、レンタルバイクやカーシェアリングなども運用されていますが、このたびWiener Lokalbahnenが、Badner Bahnへの移動を容易にするため、MariaEnzersdorf地区南部でパイロットプロジェクトを9月21日から開始しました。

今回、パイロットプロジェクトが開始されることになった背景は、MariaEnzersdorf駅の大規模改修工事により、同駅が閉鎖されていることがあります。

2020101701同駅が利用できなくなったため、付近の利用者を対象に近くの駅までシャトルバスを運行することになったものです。現時点では、工事が終了する12月24日までサービスが提供されます。

ウィーン市内では地下鉄駅の工事閉鎖にともなって代替えバスが運行されますが、こちらは臨時の路線バス。

今回、Wiener Lokalbahnenが始めたのは、利用者の自宅までミニバスが迎えに来てくれるというサービスです。

2020101703該当エリア(3枚目の写真がサービス提供エリアです)の利用者は、スマートフォン(WienerLokalbahnenが提供するeasymobilアプリ)で希望の場所と時間を指定すると、そこへミニバスがやってくるというものです。

ミニバスは最寄りの駅(Vösendorf SCSとWiener Neudorf)まで乗客を無料で運んでくれます。もちろん、その逆も可能。アプリでミニバスを予約しておくと、列車で駅に到着後、ピックアップして自宅へ。

サービス提供時間は月曜日から土曜日までの8時から18時まで。ミニバスには最大3台の車いすを含む7名の乗客が利用できます。なお、時節柄、乗客にはマスクの着用が義務づけられています。

なお、スマートフォンを持っていない利用者向けに電話での予約も可能です。

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October 18, 2020

人とミツバチが一緒に暮らせる街ウィーン

2020101511ウィーン市議会議員選挙も終わり、ウィーン市の新政権は11月頃には成立するようです。

オーストリア社会民主党(Sozialdemokratische Partei Österreichs、SPÖ)が圧勝したので、当然、Michael Ludwig市長は続投。SPÖを中心とした連立政権になるようです。

ところで、ウィーンとブラチスラヴァを結んでいるTwinCity Liner( CentralDanube社運行)ですが、ブラチスラヴァ市内での新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、再び運航を停止しました。

現時点では運行再開の目処はたっておらず、このまま今シーズンの運航が終了される可能性も出てきました。

 2020101510さて、今日は「ウィーンの養蜂産業の話題」をお届けしましょう。このブログでもウィーン市庁舎で開催されたミツバチ関連のイベント「Bienentag」(ミツバチの日)の様子をお伝えしたことがありますが、ウィーンは養蜂が盛んな首都です(詳しくはこちらから)。

実はウィーンには「Wiener Bezierksimkerei(ヴィーナーベツィルクスイムケライ)」という組織があります。

「人とミツバチが一緒に暮らせる街」をモットーに2013年に設立された市内養蜂場で、驚くべきことに「ウィーンの23区すべての蜂蜜を作る」という特別なプロジェクトに取り組んでいます。ちなみにトップの写真が23区ごとの蜂蜜です。

2020101513確かにウィーンは緑が豊かな首都ですし、公園も多いですから、ビルディングの屋上などを活用した養蜂も不可能ではありません。

事実、ウィーン環境保護局の屋上にはミツバチのコロニーが設けられています。

現在、5区にはWiener Bezierksimkereiの直営店があり、プロジェクトの成果である23区ごとの蜂蜜を販売しています。

2020101512自分が住んでいる区でとれた蜂蜜‥何となく親しみが持てますね。皆さまもウィーンを訪れる機会があったら、のぞいてみてはいかがでしょうか。きっと友人への気のきいたお土産になると思います。

ところで、ウィーンとバーデンを結んでいるWiener Lokalbahnenも養蜂を行っています。

現在、Stadtimker協会とともに、4つのコロニーを所有しており、Inzersdorfにある建物の屋根に合計40万匹のミツバチが生息しています。

約1年前から「ウィーンのミツバチ」は花粉を集め出して、蜂蜜を作っています。

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October 17, 2020

ウィーンのクリスマスマーケットは開催の方向で検討中

2020101605ヨーロッパでは、再び新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、オーストリアのコロナ信号も変化が生じました。ウィーンはオレンジのままですが、3箇所が赤に変更されました。

10月15日、委員会が赤に指定したのはインスブルック州、Wels(オーバーエスターライヒ州)、Hallein地区、(ザルツブルク州)などです。なお、委員会では9の地区が審議の対象となったようですが、最終的には上記のような結果になりました。

なお、ウィーンについても警戒レベル引き上げが検討されたというニュースがありましたが、結果は変わりませんでした。「大人の事情」が働いた可能性も‥

2020101602さて、先日、2021年のオペラ座舞踏会中止をお伝えしましたが、冬、最大の行事は、ご存じ「クリスマーケット」と「シルベスターの行事」です。いずれも冬の風物詩という以上に、ウィーンなどでは大きな経済効果をもたらすイベントです。

このうち、ウィーンではシルベスターに開催されるWiener Silvesterpfadは中止が決まりました。まぁ、お酒を飲んで盛り上がっている人々が密になり、平時でも群集のコントロールが難しい行事なので、やむを得ないでしょう。

2020101603残った最後の大イベントが毎年、市庁舎前で開催されるヨーロッパ最大と言われる「クリスマスマーケット」(Wiener Christkindlmärkt)です。

今年は中止になるのではないか‥という憶測が流れていましたが、特別な世簿措置を導入した上で、開催する方向で検討が進められていることを複数のメディアが報道しています。

現在、ウィーン商工会議所が共通した運営要領をまとめており、現時点ではパンチスタンドは営業される予定です。来場者はマスクの着用が義務づけられます。もちろん、飲食をする時に限り、一時的にマスクを外すことは可能です。

スタンド間の距離や並ぶ場合のソーシャルディスタンス確保なども実施される予定です。また、クリスマスマーケットの規模や場所により、細かい規制は異なりますが、一方通行と入場制限が検討されています。

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October 16, 2020

Volksoperの新ディレクターはLotte de Beerさんに決まる

2020101501今日は「Volksoperの新ディレクター決定」の話題です。

今回、選考委員会でのプレゼンテーションを経て、Robert Meyerさんの後任に選ばれたのはオランダOperafrontで芸術監督を務めているLotte de Beerさん(女性)でした。

今後、連邦劇場組織法の規定に則り、Andrea Mayer芸術文化担当大臣の任命を受けて、2022/23シーズン(2022年9月1日から)からVolksoperを率いることになりました。任期は5年間です。恐らくVolksoper、初の女性ディレクターだと思います。

Lotte de Beerさんは1981年生まれという若い方。アムステルダム芸術大学で演出を学び、Peter Konwitschny氏に師事し、ライプツィヒ歌劇場で「Clara S」(Chatzopoulo)でデビューを果たします。

その後、オランダ、ミュンヘンのフェスティバルで経験を積み、オランダ国立歌劇場で「Hänsel und Gretel」、コペンハーゲンのデット・コンゲリーゲ劇場で「Boulevard Solitude」、ブラウンシュヴァイク国立歌劇場で「Così fan tutte」などの演出を担当。

2020101502また、ウィーン・カンマーオーパーで2013年に「La Bohème」、2016年に「La Traviata」を手がけています。さらに、アン・ディア・ウィーン劇場で2014年に「Les pêcheurs de perles」、2019年に「Die Jungfrau von Orléans」を、それぞれ手がけています。

さらに2017年にはブレゲンツ音楽祭で「Moses in Ägypten」の演出も担当するなど、若手ですが、高い実力を備えていることがわかります。

このように経歴を見るとオペラ畑の演出家であることがわかります。反面、オペレッタやミュージカルの演出は経験していないようです。
Feriが気になっているのはオペレッタについて、どの程度、造形が深いか、どのような捉え方をしているのか、思い入れがあるのか‥という点です。

なお、今回の公募では女性7名を含む33名の応募があり、そのうち16名はオーストリア出身、17名は海外出身でした。

選考委員長はJürgen Meindl氏で、ブレゲンツ音楽祭のディレクターElisabeth Sobotka氏、ブルグ劇場の元ディレクターKarin Bergmann氏、Bundestheater-HoldingのマネジャーChristian Kircher氏らが選考委員でした。

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October 15, 2020

「鉄道の夢」から「夢の鉄道」へ、鉄道ファンの夢を実現した男(下)

今日は「Vom Eisenbahntraum zur Traumeisenbahn - Die Pfalzberger Feldbahn der Familie Stotz」の後半、完成に至るまでに道のりをお伝えしましょう。

2020101404まず、ハロルドさんは、軌間600mmという手頃な産業用ディーゼル機関車(ドイツを代表する産業用機関車メーカーGmeinder GmbH製)を見つけ、所有者と交渉の末、入手します。

この機関車は重量4.7tの2軸タイプ。主に大規模な土木工事などで資材の運搬に使用されるポピュラーな機関車。ある意味、個人で所有することが可能なサイズかもしれません。

ちなみに2枚目の写真は、この機関車が現役で活躍していたことのものです。また、3枚目の写真は、この機関車に製造銘板です。

2020101423機関車の入手に目処がついたところで、ハロルドさんは、次にレールや枕木(カラマツ製400本)など鉄道建設に必要な資材を調達。何と家族総出で、自宅周囲に鉄道建設を始めたのです。

オーストリア人は時間をかけて自宅を自分で建設してしまう方もいらっしゃるので、「日曜大工の延長」という感じで、このような工事も決して不可能ではありませんが‥

線路敷設に不可欠なバラスト(砂利)は170t。トラックで自宅にバラストが搬入された際、ハロルドさんは、大変な仕事になると、改めて実感したそうです。ちなみにハロルドさんが算出した工数は約11000人工だったそうです。

2020101414本人がYouTubeに静止画で構成された建設記録をアップしていますが、それを見ると中途半端な工事ではなく、ユンボで庭を掘り下げて地盤を固め、そこにバラストを敷き、枕木を設置するという本格的な工法が採用されています。

2020101408模型ではないのでレールは直線で納品されますので、それを曲線に合わせて変形させる作業も家族総出で行いました。

また、レールを敷設するため、従来からあった花壇や生け垣の移設も必要。住まいを取り巻く鉄道には橋が2つかけられたほか、車両を保管する車庫も新たに作りました。

2020101409とにかく建設中の写真を見ると、車両の整備以上に土木工事が本当に大がかりなことがわかります。それを家族だけでやり遂げてしまう「情熱」には頭が下がります。

入手した機関車は、屋内に保管されていたため、状態はかなり良かったようです。しかし、残念なことに動態ではなかったようで、足回りや動力装置などの基本的な修復は鉄道会社に依頼しています。

2020101413ただ、運転室まわりなどの修復は自分たちで行っています。左の写真は修復工事を終えて鉄道会社の工場から搬出される機関車です。

また、現在、人車となっている車両は、通称「ナベトロ」と呼ばれる砂利などを運搬する貨車(トロッコ)。この足回りを活用して、自分たちで人車に改造しています。

2020101424それにしても、外部の職人さんや技術者を起用せず、自分たちだけで鉄道を建設してしまうのですから、それなりに技術力(土木、木工、機械、電気など)をお持ちになっているのでしょう。

2020101412 ハロルドさんは、どのようなご職業に就いているのかわかりせんが、たいしたものです。

一家の努力が実り、着工から1年半でファルツベルク軽便鉄道は完成しました。

ハロルドさんは、“父のために作った”とは一切、言わなかったそうですが、ヘルムートさんは自宅のまわりを走る列車に乗って大変、喜んでくれたそうです。親子ですから、以心伝心です。

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October 14, 2020

「鉄道の夢」から「夢の鉄道」へ、鉄道ファンの夢を実現した男(上)

2020101402日本では10月14日は「鉄道の日」。という訳で、今日は「鉄道ファンの話題」をお届けしましょう。

最近、日本では鉄道ファンの暴走行為が批判されていますね。まぁ、昔から暴走行為はゼロだった訳ではありません。ただ、最近はファンの数が増えたことに加えてSNSなどの発達で、あっという間に世間に流布するため、問題が顕在化したという背景があると思います。

ところで、鉄道ファンのことをドイツ語で「Eisenbahn Freunde」と呼びます。Feriも、その昔、ドイツやオーストリアに来て、鉄道の現場で、この言葉に接して感慨深い思い出があります。「よき友人」は、相手が嫌がることはしないものです。

2020101421日本でも鉄道ファンは写真撮影派、模型派、鉄道旅行派、グッズ派、文献派など色々なジャンルがあります。もちろん複数関与している方も多数、いらっしゃいます。

Feriは、子供の頃、鉄道のおもちゃから模型に入っていった経緯から、鉄道模型からスタートしました。鉄道模型ファンの多くが夢見るのは自宅にジオラマ(この世界ではレイアウトと言います)を作ること。

Feriが子供の頃は、狭い場所で楽しめるNゲージが存在しなかったことに加えて、ジオラマ製作を簡単に製作できるキットや材料が少なかったことから、「ジオラマ製作」は夢のまま終わってしまいました。

2020101418当時、鉄道模型雑誌を見ると、ジオラマを発展させて、自宅の庭に線路を引く庭園鉄道が紹介されていました。これも憧れでした。

欧米では戸建て住宅の場合、庭があるところが多いためか、庭園鉄道に適した大型模型Gゲージ(縮尺1/22、線路幅45mm)というのも存在します。

実際、アメリカ駐在が長かったFeriの友人は、アメリカ駐在時代Gゲージの模型で楽しんでいました。右の写真はMultalbahnのMurau駅にあるGゲージの庭園鉄道です。

ところで、こちらの鉄道ファンが夢見るのは「自分の鉄道を持つこと」だと言われています。

2020101419自動車の場合、オールドタイマーを所有することは決して不可能ではありませんが、鉄道の場合、ものが大きいこと、走らせるためには専用の線路が必要なことから、個人は極めて難易度が高いのが現実です。

そこで鉄道ファンが集まってクラブを作り、そこが保存鉄道を所有するケースが多いようです。オーストリアではClub760という組織がTaurachbahn(Mauterndorf-St.Andrä間)という保存鉄道を運営しています(右の写真がTaurachbahn)。

2020101422最も英国の大富豪の中には、広大な領地にプライベートの鉄道を敷いて、列車を走らせているケースもあるようですが、これは例外中の例外でしょう。

さて、ÖBBの公式ホームページには「Gleisgeschichten」(鉄道ものがたり)という興味深いコンテンツがあります。これは鉄道ファンだけではなく、鉄道に愛情を注ぐ人たちのエピソードを紹介したものです。

2020101405先日、それを見ていたところ、「Vom Eisenbahntraum zur Traumeisenbahn - Die Pfalzberger Feldbahn der Familie Stotz」という記事。日本語だと「鉄道の夢から夢の鉄道へ、ストッツファミリーのファルツベルク軽便鉄道」。

お話の舞台はシュタイヤマルク州の小さな町Tobelbad。現在、ストッツ家の住まいには600mmゲージ(線路の幅)の鉄道(路線長270メートル)が走っています。模型ではありせん。走っているのは、4.7tの産業用ディーゼル機関車です。

2020101406この鉄道が生まれた背景が、心温まるエピソードなのです。今から30年ほど前、ハロルドさん(Harald Stotz)が8歳の時、父親のヘルムート・ストッツ(Helmut Stotz)さんがドイツ・レーマン製のGゲージ鉄道模型(縮尺は1/22分、レール幅45mm。LGB:LEHMANN GROSS BAHN)のスターターキットを買ってきました。

父親が鉄道ファンの場合、息子が影響を受けることは多々あります。余談になりますが、40年来のFeriの親友(鉄道ファン)のご子息は、お父様の影響を受けて鉄道に興味を持ち、ご一緒に写真撮影に出かけていました。

父親冥利に尽きますね。しかも、ご子息は学校を卒業後、鉄道会社に就職されています。

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October 13, 2020

変わったお店シリーズ172 謎の自動販売機 SWITCH Tauschautomaten

202010130110月11日に投票が行われたウィーン市議会議員選挙ですが、12日に開票が行われ、結果が、ほぼ判明しました。郵便投票の結果が判明するまでに、若干、時間がかかるため、暫定結果ですが、大きな変化はないと思われます。

グラフをご覧になるとわかるように、現在の市長を擁するオーストリア社会民主党(SPÖ)が強さを発揮。また、連邦政府与党のオーストリア国民党(ÖVP)が復活しました。

緑の党、NEOSも議席を伸ばしましたが、逆に大幅に議席を減らしたのが、全開選挙で大躍進したオーストリア自由党(FPÖ)でした。区によって各政党の得票率は異なりますが、全体的な傾向は変わらないようです。

2020101204さて、スマートフォンを使う方が増えてくると大きな問題になるのが充電。最近では、バーコード決済の普及につれてスマートフォンの使用頻度が高まっている人も多いと思いますが、電源が落ちていれば、○○Payも使用できず、話になりません。そこで、予備の外付けバッテリーを持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。

今日はスマートフォンのバッテリーに関連してウィーンで見つけた不思議な自動販売機をご紹介しましょう。

このブログでも度々、お伝えしていますが、オーストリアには「自動販売機大国の日本」では見かけないユニークな自動販売機が設置されています。

その一つが携帯電話のアクセサリーなどを販売する自動販売機だと思います。日本ではコンビニエンスストアなどでも変換アダプターやイヤホンなどを購入できますから、そのような販売形態の違いが影響しているのかもしれません。

先日、所用があって川向こうのFloridsdorfに出かけた時、帰りに駅構内で写真のような自動販売機を見かけました。向かって右側に関しては、市内で比較的良く見かける携帯電話アクセサリーの自動販売機です。

気になったのは、向かって左側。一体になっているところから、自動販売機の一部であることは間違いないようです。

後日、自動販売機に描かれている「SWITCH Powerbank」というブランド名から検索してみました。

2020101202するとユニークなサービスを提供している会社がヒットしました。現在はNeckhaim Automaten GmbHという会社ですが、元々は2018年にGründung der NAGとして誕生。ÖBB構内で携帯電話のアクセサリーを自動販売機で販売していました。

その後、ÖBBの社内調査で、多くのÖBB利用客が、公共の場でスマートフォンや携帯電話の充電を緊急に必要としていることが判明。

そこで、同社ではスマートフォン用外部バッテリーを自動販売機で提供するアイデアを考案します。ただ、このアイデアは、単に外部バッテリーを販売するのではなく、件の自動販売機の左側で使い切った外部バッテリーを満充電した新しいバッテリーと交換できるシステムにしたこと。

20201012012019年初頭、「SWITCH Tauschautomaten」(スイッチ自動交換機)の試作機が完成し、Wiener LokalbahnのGriesfeld駅で実用化試験が始まりました。

実用化試験の結果が両行で会ったことから、既存の携帯電話アクセサリーの自動販売機に併設する形で、SWITCH Tauschautomatenの運用が始まりました。

さて、使い方ですが、まず、自動販売機またはオンラインショップで、専用の外部バッテリーSWITCH Powerbank (容量4000 mAh、出力5.1V 2100 mA、USB接続ケーブル付き)を購入します。お値段は12Euro。

これは通常市販されている外部バッテリーと同様に使用できますし、自分が持っているUSB充電器で充電も可能です。

ただ、SWITCH Powerbankのウリは、街中でSWITCH Powerbankのバッテリーが消耗し、スマートフォンに電力を供給できなくなった場合、SWITCH Tausch-Automatenで満充電のSWITCH Powerbankと交換できる点です。

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October 12, 2020

公共交通機関と宅配便の連携テスト継続中

2020101001昨日はウィーン市議会選挙でしたが、この原稿をまとめているのは11日なので、結果は、まだ出ていません。また、日本と異なり、翌日(12日)の開票なので、結果がある程度判明するのは12日になるようです。さて、今日は「公共交通機関と宅配便連携テストの話題」をお届けしましょう。

オーストリアでも宅配便は存在しますが、きめ細かいサービス内容は日本の足元にも及びません。日本の場合、きめ細かいサービスを支えるのは、各地に設置されているサービスセンター(営業所、ハブ)の存在を欠かすことはできないと思います。

都心部でも、ビルディングの1階などに小規模なサービスセンター(ハブ)が入っているケースがありますが、ここを拠点に配達・集荷を行うことができるため、時間帯指定を含む、きめ細かいサービスが実現できるのでしょう。

2020101002ウィーンでもAmazonを初めとする通信販売の普及で、日本と同じく宅配便の需要は高まっています。ただ、日本と一番異なるのは、市内各所にハブとなるサービスセンターが設置されていないという点です。そのため、宅配ポストを設置するなどして、カバーしているようです。

日本では、都心部でサービスセンターから配達する場所までが近い場合、自動車以外の方法で配達するケースが増えているようですが、こちらでも都市部の環境保全のため、貨物用自転車の利用が進んでいます。ただ、ネックは配送センターが郊外にあるため、カーゴバイクでは配達に時間がかかりすぎるという点。

そのため、コンパクトシティでありながら、ウィーンでは配達に自動車に依存せざるを得ないケースもあります。

2020101003そこで、ウィーン市が中心になってテストをしているのが、公共交通機関と宅配便の連携です。具体的には、公共交通機関の停留所や車庫に宅配便の簡易集積ステーション(仮設倉庫)を設置し、そこからカーゴバイクで配達を行うというものです。

2019年秋にStraßenbahn-Remiseからは周辺の幼稚園や学校にKagran Essenが配達されました。そして、2020年春にはOttakringのバス車庫に集積ステーションを設置して、テストが行われました(この話題は当ブログでもお伝えしました。詳しくはこちら)。

連携する相手はDPDという会社。今回、集積ステーションが設置されたのはHans-Mayr-Platzにある地下鉄U2のStadlau駅。この区間は地上なので、高架下に特別なコンテナが設置され、ヘビーペダル社のドライバーが、計画されたルートに沿ってカーゴバイクで近隣へ配達します。

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October 11, 2020

今日はウィーン市議会議員選挙の投票日

202010090210月11日はウィーン市議会議員選挙(任期5年、定数100名)の投票日です。マスコミによる各種調査に基づく情勢分析では、現状から大きく変わることはなさそうです。

ご存じのようにオーストリアは、現在、Sebastian Kurz首相率いるオーストリア国民党(ÖVP)が政権与党ですが、ウィーン市に関しては、Michael Ludwig市長が所属する中道左派のオーストリア社会民主党(SPÖ)が政権を握っています。そのためウィーンは「赤の砦」と揶揄されることもあります。

郵便による投票も10月9日まで行われていますが、日本と同じく、メインは投票日当日の投票所での投票。ウィーン市が、10月8日、投票所準備の様子を公表しています。ちょっと珍しい内容なので、ご紹介しましょう。

2020100903投票所設営に必要な資材はウィーン市ロジスティクスセンターに保管されており、投票日を前に1494箇所の投票所に投票箱、投票ブース(車いす用を含む)や関係者用の椅子、パーティション、ライティングディスクなどがパッケージにまとめられて配送されています。資材の搬送には、最大32台のトラックが使用されました。

なお、一部の資材は投票所に前回の選挙から保管されており、全てがロジスティクスセンターから配送される訳ではありません。

ウィーン市から提供された写真を見ると、投票ブースは組立式である点は、日本と同じですが、日本では一般的な金属製ではなく、木製のようですね。

2020100904今回は新型コロナウイルス渦の中で行われる選挙であるため、感染拡大策がとられています。

こちらの場合、自分が投票する投票所や各種情報をまとめた公式選挙情報が選挙人に郵送されますが、日本のように選挙人全員に投票券が事前に配布されません。指定された投票所で投票する際には、パスポートや身分証明書で本人確認を行います。

具体的には、投票所で選挙人の本人確認をするためのマスクを外す必要がありますが、この際の感染拡大を防ぐため、透明なスクリーン1520個が準備されました。日本でもスーパーマーケットなどのレジでおなじみのスクリーンです。

2020100905この他、市当局から選挙を安全に実施するための保護資材(消毒液、マスク、フェイスシールド、ペーパータオルなど)が投票所へ送付されています。

日本では、一般的に投票用紙への記入は鉛筆で行われますが、こちらはボールペンを使用します。通常は、日本と同じく投票所に備え付けのボールペンを使用しますが、今回は、感染拡大を防ぐため、投票人本人がボールペンを持参して、記入するようになりました。

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October 10, 2020

ウィーン市発行ミールバウチャーの結果と新しい利用者登録

2020100810最初に最新の「コロナ信号」です。赤となったエリアは出ていませんが、オレンジのエリアが10地区に増えています。6地区が緑から黄色に変更されています。

現時点では、ロックダウンなどの対策は打ち出されていませんが、注意が必要な状況です。

2020100805今日、10月10日は、かつて1964年、東京オリンピックの開会式が行われた日です。それを記念して、「体育の日」となったのは皆さま、ご存じのとおり。

「体育の日」は結果として移動祝日となり、さらに2020年、TOKYO2020開催に合わせて「スポーツの日」と名称も変わり、日にちも7月24日に。そのため、今年(来年も)10月は祝日ゼロとなりました。

日本では、新型コロナウイルス渦による景気刺激策として「Go To Eatキャンペーン」が始まりましたね。何でも10000円で12500円分のミールクーポンが買えるとか‥2500円分は国の援助だそうですね。

このブログでもお伝えした「ウィーン市がウィーンに住む全ての世帯に配布したミールバウチャー」(Wiener Gastro-Gutschein)ですが、9月30日に使用期間が終了しました。

2020100803これを受けて、ウィーン市では、最終的な結果を発表しています。

Gastro-Gutschein-Aktionの目的は、ロックダウンによって不便を強いられたウィーンの人々の生活向上を図ることと、6万人が働くウィーンの外食産業(ガストロノミー・ビジネス)を支援すること。

ウィーン市の発表によると、95万枚発行されたバウチャーの83%が使われ、3000万Euroが各企業(店舗)に支払われました。

9月中旬の時点では2/3が使用されたと発表されているので、駆け込み需要があったことがわかります。ウィーン市では、バウチャーを使ってくれたウィーンの皆さまに謝意を表しています。いくら市当局がバウチャーを配布しても、死蔵されてしまったら完全に無駄ですあらね‥

2020100804一方、ヨーロッパでは都市部を中心に感染者が再拡大しており、一部の国や都市では、飲食店の営業制限を再度、実施するところも出てきました。

ウィーン市では、営業については従来どおりですが、このブログでもお伝えしたように万が一感染者が発生した婆、追跡を容易にするため、飲食店に利用者の個人情報登録を義務づけています。

ただ、今までは紙ベースで行っていたこともあり、その管理や個人情報保護などが問題になっていました。

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October 09, 2020

変わったお店シリーズ171 オーストリア航空が市内にポップアップストアを開設

2020100701今日は久しぶりに変わったお店シリーズをお届けしましょう。今回、ご紹介するのは「オーストリア航空がウィーン市内にオープンしたグッズショップ」です。

以前、ホテルインペリアルの近くにオーストリア国空の市内営業所があった頃、ここでオーストリア航空のグッズを販売していました。

主にオーストリア航空のロゴ入りグッズやモデルプレーンなどが並んでおり、航空ファンのFeriも利用したことがあります。

その後、市内支店の閉鎖にともなって、市内でオーストリア航空のグッズを直接、販売する場所はなくなってしまいました。

2020100702最もリアル店舗での販売はコストがかかるため、オーストリア航空に限らず、航空会社の多くは基幹空港のターミナル店舗以外はインターネット通販に切り替えています。

オーストリア航空でも、インターネット上でAustrian Jetshopを開設しています。

さて、9月末、同社は市内にポップアップストア(Pop Up Store)を開設しました。同社のブランドマネジャーAmir Aghamiri氏は、新型コロナウイルス感染拡大により航空需要が低迷しているため、リアル店舗開設に踏み切ったと、開設の経緯を語っています。

2020100703ただ、ポップアップストアという名称のとおり、臨時の店舗で「StrictlyHerrmann」(Taborstraße 5, 1020 Wien)という洋品店と提携し、同店の店頭を借りて営業しているものです。

現時点では、開設期間は明言されていませんが、同社ではクリスマ商戦まで営業を継続したい意向です。確かにエアライングッズはプレゼントに最適ですから、アドベントの時期は需要が高まると思います。

販売されている商品は、同社のJetshopで販売されているバッグ、スーツケース、モデルプレーン、シューズ、キャップなど各種グッズです。

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October 08, 2020

ÖBBが安全キャンペーン「Takecareyourself」を実施中

2020100601今日は「ÖBBの安全キャンペーンの話題」をお届けしましょう。鉄道は他の交通機関に比べて安全性が高いという特性がありますが、それでもお客さまや利用者が関連した事故は皆無ではありません。

残念ながら、昨年、オーストリアでは12名が鉄道事故に遭っており、10名が命を落としています。また、踏切事故は63件、発生し、1名が亡くなり、2名が重症、2名が軽症を負っています。

事故の要因は様々ですが、残念ながら、お客さまや利用者の不注意によるものもあります。このブログでも、利用者を啓蒙するため、ÖBBが制作したポスターをご紹介したことがあります。

ところで、青少年が「鉄道での安全」に関する十分な知識持たないために事故に遭うケースも‥

このような背景を踏まえて、ÖBBでは毎年、事故撲滅を目的とした安全キャンペーンを実施しています。対象はもちろん利用者すべてですが、ÖBBが特に力を入れているのが、青少年に対する啓蒙活動。

2020100602キャンペーンのコンセプトは「個人の責任」です。オーストリアでは、青少年は、自分の考えに基づいて人生を切り開いていくことが推奨されています。そのためにも、ÖBBでは「鉄道での安全」についての基本知識を備えることが重要であると訴えています。

例えば、列車が非常停止するまでの距離です。100km/ hで走行する貨物列車は、停車するのに約700〜1000メートルの距離が必要です。

それに対して、道路との摩擦係数が高い自動車の場合、同じ速度で走行していても90メートルほどで停止できます(もちろん列車は重量が重いという背景もありますが‥)。

2020100605ÖBBは電化区間が多いですが、架線電圧を知っている方は少ないでしょう。こちらの家庭では230Vが一般的ですが、鉄道の河川に流れている電気は15000V。家庭用電源の65倍。

当然、接触した場合は命はありません。また、接触しなくても、接近することでフラッシュオーバーが発生して、電気ショックを受けることがあります。

さすがに架線に触れる人は少ないですが、接近して電気ショックを受けるというケースは、間々あります。

日本でも、地方の交流電化区間の踏切で、釣り人が持っていたカーボンファイバー製の釣り竿が架線に近づき、感電したというケースもあります。

ÖBBでは、こういった基本的な知識を供えていれば、事故につながる危険な行動を抑止できると考えている訳です。

2020100603従来は学校などを巡回してÖBBの担当者がセミナーなどを実施していましたが、今年は新型コロナウイルス渦のため、キャンペーンの展開が変わりました。

まずは対面式のセミナーに代わって登場した「バーチャル安全セミナー」の実施。起こりうる危険な状況を映像化したビデオを提供しています。

今回の重点ポイントは、「線路横断禁止」、「プラットホーム上での注意」、「架線に注意」、「踏切横断に注意」。

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October 07, 2020

電力の「地産地消」を推進するウィーン

2020100510今週末はウィーン市議会議員選挙ですが、体制は既に決しているようです。結論から言うと、現体制の維持。ウィーン市の政治状況については専門家の分析にお任せすることにしましょう。さて、今日は、またまた「太陽光発電の話題」です。

再生可能エネルギーの採用に積極的なオーストリアですが、ウィーンでは、場所柄、大規模な風力発電所の建設は困難です。そこで、目を付けたのが太陽光発電。

ただ、郊外は別にすると広い土地が少ないため、建物の屋上に太陽光発電装置を取り付けるというパターンが増えています。

最近、二つの大きな太陽光発電プロジェクトが完成しました。

2020100511一つは、ウィーン港の太陽光発電システムです。ウィーン港は、Wien Holdingが管理していますが、今回、構内にあるMQ7という商業ビルディングにWien Energieに委託して設置した太陽光発電システムが稼働を始めました。

約5500平方メートルの敷地に合計1066枚の太陽電池モジュールが設置され、ピーク時の出力は約300kw/h。敷地内で使用される全電力の5分の1を賄うことができます。

ウィーン港は、2017年に企業誘致のため、HQ7と呼ばれ施設を建設するための敷地を購入。サッカー場8面分の広さのスペースに、オフィスやワークスペース、倉庫、ガレージなどが立ち並んでいます。

今回、このHQ7のガレージエリア屋上に太陽光発電システムを設置しました。いわゆる「電気の地産地消」です。

2020100514もう一つはOttakringの市庁舎屋上太陽光発電システム。これは市庁舎屋上に住民参加の太陽光発電システムを設置したものです。このシステムで、Ameisbachzeile 119~123にある160戸以上の住民は、太陽光発電システムで発電された電力を利用できるようになります。

Ottakringは、現在、気候変動抑止のモデル地区になっており、様々な組織と連携して、クーリングスポットを初めとするトライアルを実施。今回の試みも、その一環です。

このプロジェクトで興味深いのは住民参加型であるという点です。太陽光発電システムの設置費用150000EuroはWien Energieが負担していますが、太陽光発電で発電した電力を利用したい住民は、別途、契約を行うことで利用可能です。そのため、賃貸住宅などで自分が住んでいるアパートの屋上に太陽光発電システムが設置されていなくても利用できます。

応募は9月末に締め切られましたが、応募者の数に合わせてシステムの詳細(太陽光発電モジュールの数など)を設計し、施工に入ることになっています。

2020100512基本計画では、ピーク時に183kw/hの発電能力を持ちます。完成後には、年間65000kgのCO2削減が期待できると当局は発表しています。なお、稼働開始は2021年夏を予定しています。こちらも「電力の地産地消」です。

Wien Energieは、すでに6つの共同太陽光発電所を設置しています。さらに15の工場がすでに実施済み、または来年には建設予定です。

さらにウィーンの500以上のアパートの住民は、自分たちの屋根に設置された太陽光発電システムで発電された電力を選択しています。アパート1棟あたりの参加率は、新築では平均60%ですが、既存の建物ではやや低くなっているそうです。

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October 06, 2020

旧市街の自動車乗り入れ禁止計画を市長は拒否

2020100501いよいよウィーン市議会議員選挙の投票日が近づいて来ましたが、今日は、このブログでもお伝えしてきた「ウィーン旧市街自動車乗り入れ禁止計画」の「その後」をご紹介しましょう。

緑の党所属のBirgit Hebein副市長が音頭をとって計画を推進していた「旧市街の自動車乗り入れ禁止政策」(ウィーン市議会議員選挙対策の目玉)ですが、その後、具体的な規制案が発表されました。

除外対象としては、緊急自動車を初め、旧市街に住む住民、ガレージを持つ人、オフィスを構える企業、ホテルの宿泊客、公共交通機関(タクシーを含む)、公共サービス車両(ゴミ収集車、郵便配達など)、商業施設への荷物搬入などの車両は除外されることになっていました。

つまり旧市街を通過するだけの自動車や他地区から旧市街にやってくる自動車(二輪車も含む)を禁止することになりそうでした。

2020100502Birgit Hebein副市長は、この規制で交通量を30%削減できると発表しています。

また、この案については、1区のMarkus Figl区長(オーストリア国民党、Österreichische Volkspartei、ÖVP)も基本的に賛成の意を示しており、Michael Ludwig市長の判断に注目が集まっていました。

9月30日、Michael Ludwig市長は記者会見で、「旧市街の自動車乗り入れ禁止は、現時点では法令上の問題をクリアしていないため、今後も継続して協議を進めるべきである」と、事実上、「自動車乗り入れ禁止政策」を拒否しました。

Birgit Hebein副市長の案は、温暖化防止を目的に自動車の乗り入れを禁止を道路交通法で行うというもの。これについて市政局法務部は「道路交通法の目的外使用ではないか」という懸念を示し、それが市長の判断につながったようです。

2020072412Michael Ludwig市長は、会見で“ウィーン市は、他の大都市の中心部と異なり、1区には約16000人が住み、10000以上の企業で14万人以上が働いています。また、市内企業の他にも、医療機関も多数あります。そして、2100人以上の子供や若者が通う教育・保育施設も多数あります。私は、すべての関係者、利害関係者、特に近隣地区との合意の下で、賢明な交通政策立案を支持しています。”と述べています。

更に“温室効果ガス削減にむけた交通政策の推進は重要ですが、急いで旧市街の規制実施を行う必要があるとは思いません。混乱を防ぐためにも、関係法令の問題も含めて、関係機関が協議を続け、政策の精度を高めることが必要です。”とも述べています。

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October 05, 2020

新しい公園が誕生しました

2020100401今日は、このブログで建設計画をご紹介した「ウィーンに新しい公園がオープンした話題」をお届けしましょう。

一つ目は一つ目は7月に当ブログで建設開始をお知らせした「ドナウ運河の水上公園」です。

ウィーン市がパリの水上公園にヒントを得て、ドナウ運河にウィーン市が建設を進めていた公園が完成し、10月1日にオープンし、同時に一般公開が始まりました。愛称は「Chill-Area」です(正式名称はSchwimmende Gärten)。

2020100404場所はAugartenbrückeとSalztorbrücke間(敷地面積1500平方メートル)です。建設期間は、わずか3ヵ月間でした。

水上公園建設にあたっては、資材を運河から搬入したほか、転用する古い構造物については、安全性向上のため補強する必要がありました

2020100402転用された古い構造物は可動堰のために建設されたものですが、計画の見直しにより、水門の場所が変更され、本来の機能を果たすことはありませんでした。

写真を見ると、完成予想イラストのように水門の構造物と護岸を結ぶコンクリート製のデッキを設置し、その上を公園にしてていることがわかります。

2020100403ご存じの方も多いと思いますが、ドナウ運河はコンクリートによる護岸が多く、緑が少ないのが難点。水上公園には特殊なプランターなどを使い樹木を設置しているので、緑豊かなゾーンが誕生したことになります。

2020100405また、当局は、今回の公園設置に合わせて、ドナウ運河の水の流れをコントロールすることで、風の流れが変わり、都市の温暖化抑制も期待できると発表しています。

この公園の向かいには、現在、レストランとして営業しているOtto-Wagner-Schützenhausesがあります。今までとは違った風景を楽しむことができそうです。

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October 04, 2020

臨時更新 日本からオーストリアへの入国制限解除

2020100400新型コロナウイルス感染が再拡大しているオーストリアですが、9月28日、日本からオーストリアへの入国規制が撤廃されました。

9月28日、新型コロナウイルスに関連しオーストリアへの入国について連邦政府の福利・健康・介護・消費者保護省の連邦大臣による「BGBl. II Nr. 336/2020」 の新規規定が施行されました。

この規定は2020年12月31日まで有効です。なお、規定がそれ以降も延長される可能性があります。

現在、オーストリアへ制限無し(PCR検査や自主隔離不要)で入稿できるのは、出国前の10日間、以下の国に滞在していることが条件です。

オーストリア、オーストラリア、ベルギー、カナダ、キプロス、チェコ(プラハを除く)、デンマーク、ドイツ、エストニア、フィンランド、フランス(Île-de-France とProvence-Alpes-Cote d’Azurを除く)、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、日本、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、モナコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウエー、ポーランド、ポルトガル(Lisbon とNorteを除く)、韓国、サン・マリノ、スロバキア、スロベニア、スウエーデン、スイス、スペイン(カナリア諸島のみ)、バチカン、イギリス、ウルグアイ

2020100420ただ、他のEU諸国の中には、日本からの入国を制限している国もあるので、トランジットでの移動には注意が必要です。

入国制限を課している国でもトランジットは例外扱いにしているようですが、トラブルが皆無ではないようです。

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ウィーン路面電車O系統が延長開業

2020100320本来ならば、昨日、今日と「ワインハイキング」が開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、急きょ、中止になりました。

ところで、10月3日、ウィーン近郊のSchneebergで風速50メートル近い突風(こちらでは風速を時速で表現するため、190km/hと報道されています)が突然、吹き荒れ、山麓と山頂を結ぶ登山鉄道が安全上の理由から運休。山頂に250名が取り残されました。

2020100301山岳救助隊が現場に駆けつけ、山頂に取り残された人たちをMittelstation Baumgartenまで搬送。そこからシャトルサービスで山麓へ輸送されました。

救出ミッションは18時に完了。怪我人などはいなかったようです。写真は緊急出動した山岳救助隊です。

さて、今日は「路面電車O系統の路線延長開業の話題」をお届けしましょう。

10月3日、Wiener Linienの路面電車路線O系統がPratersternからNordbahnhofviertelまで延長開業しました。なお、新しい終点の停留所名はBruno-Marek-Alleeで、巨大なループ線になっています。

延長距離は1.4kmで、途中にNordbahnstraßeKrakauer Straßeという2つの停留所が設けられています。

2020100302延長されたNordbahnhofviertelは、このブログで8月にお伝えした「Nordwestbahnhof再開発プロジェクトエリア」の近くで、再開発エリアになっています。

また、ChristineNöstlinger教育キャンパスがあるため、通学の利便性が大幅に向上します。

今回の延長路線の特長は、冒頭の写真のように150メートルに渡って緑化軌道が採用されたことでしょう。専用軌道の部分を緑化することで、温暖化を抑制することが目的です。

なお、現在、ウィーンの路面電車では6区間、8kmの緑化軌道区間があります。路面電車の路線長に比べて少ないような気がしますが、自動車の乗り入れを全面的に禁止した専用軌道区間しか軌道の緑化はできないので、やむを得ないところでしょう。

2020100304延長区間の停留所は、残念ながら緑化仕様ではありませんが、電子情報システムを装備した次世代の停留所です。

EPapersと呼ばれる電子デバイスが取り付けられていますが、これはタッチセンサー式ではなく、大きなボタンで操作します。

これは目の不自由な方の操作を想定したもです。 画面には、周辺地図、系統図、時刻表、役立つ情報などがドイツ語と英語で表示されます。

2020100303ボタンを3秒以上押すと、ディスプレイのリアルタイム情報が反転表示(黒い背景に白い文字)されます。また、音声による案内も行われます。これらは障害を持ったお客さまに対応するための機能です。

今回のO系統延長で、Wiener Linienが計画している2020年の路線整備は完了しました。

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October 03, 2020

ウィーンに誕生「Cluster Busters」

2020100201新型コロナウイルス感染関連のニュースは、気が滅入るのですが、オーストリアがどのような対策を行っているかをお伝えすることも大切だと思うので、新しいニュースをご紹介します。

まず、オーストリアの状況ですが、連邦政府が発表しているコロナ信号では、オレンジのエリアが若干増えた状態で、赤の指定地域はありません。

2020100202日本と同じく、これからインフルエンザが流行する時期なので、連邦政府も警戒感を強めています。なお、ウィーンのインフルエンザワクチン接種に関しては、本稿の最後にご紹介します。

さて、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ一つのポイントが迅速な検査であることは、各国で認知されていると思います。

最近では、様々な検査システムが開発されており、迅速な検査ができるようになっているようですが、精度の問題も残っています。実際、迅速に検査ができても、精度が低ければ、逆効果になってしまいます。

2020100206今回、ウィーンのKlinik Donaustadt(ドナウシュタットクリニック)のArmin Robubi氏をリーダーとするプロジェクトチームが、開発した検査システムは「安全、安価、迅速」がキーワード。

従来、メインで使用されていたPCR検査は手間がかかる上に、コストと時間もかかります。また、Feriは知らなかったのですが、必要な試薬が不足すると検査が滞るそうです。

2020100205Feriは専門家ではないので、どのような仕掛けなのかは、詳しく知りませんが、今回ドナウシュタットクリニックのプロジェクトチームが開発した検査システムは30分以内に新型コロナウイルス感染の有無を判定できるそうです。発表によると1時間当たり48のサンプルを検査できます。

ウィーン市・ウィーン保健協会では、今回、開発された他らしい検査システムをミニバンに搭載し、市内の学校から要請があった場合、派遣することを決定しました。

2020100204スタッフは医師と看護師で構成されており、チームの相性は「Cluster Busters(クラスターバスターズ)」。

要請があると、専用のミニバン(Cluster Buster Bus)で直接、学校へ急行し、その場で車載機器を使い検査を行う予定になっています。

なお、現時点では新検査システムの検証過程であるため、この検査で陽性と判断された場合、PCR検査を追加で実施し、検査の確実性を高めることになっているそうです。

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October 02, 2020

「Die kleine Bucht am großen Strom」、ドナウ島の新しい自然遊歩道

20201001019月ですが、最もアクセスが多かったのが9月30日でした。これは、ココログのログイン画面に「オーストリアこぼれ話」が掲載されたため、「試しにお寄りになった方」が増えたのではないか…と考えています。

9月の記事では、日本でも報道された「コロナ信号がスタート」、「闇餃子工場の摘発が相次ぐウィーン」、「新型コロナウイルス渦でオーストリアの不動産事情も様変わり」などの記事のアクセスが多かったようです。

さて、秋が深まったウィーンですが、今日は「ドナウ島の新しい自然遊歩道の話題」をお伝えしましょう。

2020100102ウィーン子のリラクゼーションエリアは色々ありますが、その一つがドナウ川本流と新ドナウの中州「ドナウ島」(Donauinsel)です。島には、畑などが点在しており、のどかな風景を楽しむことができます。U1のドナウインゼル(Donauinsel)駅から徒歩10分ほどでアクセスできます。

今回、整備された遊歩道はライヒスブリュッケ付近の水辺と森を周回するコースで、自然の多様性を体験することができます。

2020100103名称はちょっと長いのですが、「Die kleine Bucht am großen Strom」(大きな川の小さな入り江)。ウィーン市では、8歳から12歳の生徒さんの課外活動や子供さんのいる家庭に最適なコースと明言しています。

また、単に自然を観察するだけでなく、ドナウ島がウィーンを洪水から守るために整備されたという歴史を学ぶこともできます。

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October 01, 2020

オーストリアの皆さまは病気で何日休むか?

2020093001このブログはniftyが運営するココログを利用していますが、最近、ココログのトップ画面で、定期的にココログ利用ユーザーのブログを紹介しています。

先日、ご連絡があり、「オーストリアこぼれ話」をご紹介いただけることになりました。

多くの読者の皆さまは「オーストリアこぼれ話」をブックマークに登録されていると思うので、ココログのトップ画面をご覧になるケースは少ないと思いますので、画像をご紹介しましょう。

2020092501今日から10月ですが、新型コロナウイルス感染拡大が続く中、2020年の残り3ヵ月、どのような展開になるのでしょうか。

さて、今日は「病欠の話題」をお届けしましょう。

Feriは、学校を卒業してから一般の企業に就職し、独立するまで25年ほどサラリーマン(古い言い方ですね)をしていました。

今、振り返ってみると、その間、いわゆる病気で欠勤したのは2回ほどだったと思います。1回は、風邪で咽を痛めて声が出なくなったとき、そしてもう一回は出張の帰りに某駅の階段で躓いて、怪我をした時です(この時はたいした怪我ではなかったのですが、駅員さんが気をきかせて救急車を手配してくれました)。

ただ、当時、働いていた会社は裁量労働制をとっていたため、先輩や仲間に仕事を代わってもらっただけで、病欠にはなりませんでした。

さて、先日、こちらのニュースサイトで興味深い記事を見かけました。「2019年、オーストリア人の平均病欠日数が13.3日だった」と言うものです。

2020092502これは連邦政府統計局が発表したもので、社会保険代理店協会から提供されたデーターを集計したものだそうです。

2019年、オーストリアでは延べ47億3500万人の労働者(公務員を除く)が病気による休暇を取得したそうです。病気による休暇は平均S塗ると13.3日で、女性は13.8日、男性は12.9日です。

病欠の日数は年齢とともに増加する傾向にあり、20歳から24歳までが平均10.9日、35歳から49歳は平均11.6日と平均を下回っています。

2020092911一方、50歳から64歳までは平均18.7日と大幅に増えています。ただ、長期的にみると病欠の日数は減少する傾向にあります。1990年は平均15.2日、2000年には平均14.4日と、現在よりも多くなっています。

過去10年間のデーターを見ると、病欠日数は12.3日から13.3日の間で変動していることがわかります。
気になるのは病欠の理由。2019年の場合、呼吸器系疾患が最も多く、従業員1000人当たり約499件、次が特定の感染症(従業員1000名当たり約220件)、骨および筋肉系悉皆(従業員1000名当たり約183件)が続いています。

今年は新型コロナウイルス感染の影響があるので、どのように変化するか、興味深いところです。

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