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December 31, 2020

今年のオペレッタを振り返って

20200112001当ブログ、恒例の「今年のオペレッタを振り返って」ですが、2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、このブログを開設して以来、最も少ない観賞回数となりました。

観たのは、いずれもVolksoperで「KÖNIG KAROTTE」(にんじん王)、「GRÄFIN MARIZA」(伯爵令嬢マリッツァ)、「DER ZIGEUNERBARON」(ジプシー男爵)のわずか3作品。「DER ZIGEUNERBARON」については、ゲネプロも観賞していますが、回数は4回‥

Feriがオペレッタにはまるきっかけになった1999年は12月の1回だけでしたが、それ以来の最低記録です。

もちろん、計画では4月に「DIE LUSTIGE WITWE」の再演をはじめ、観賞を計画していた作品は複数ありました。更に夏のフェスティバル観賞も計画に入れていましたが、いずれも公演キャンセル。

20191123006そして12月の「DER TEUFEL AUF ERDEN」Premiereもチケットを確保していましたが、予想もしなかったロックダウンによる劇場閉鎖・公演中止になり、見事にお流れ‥憎きCovid-19。

2020年に観賞した3作品ですが、「KÖNIG KAROTTE」は2019/20シーズンのPremiereと同じ演出だったので、楽しめました。

Premiereを観る前は「特殊メイクのキワモノ」のような印象でしたが、時代背景を知ることで、風刺を効かせた作品であることがわかり、Feriにとってオッフェンバックの再評価にもつながりました。

この時代の作品にスポットライトを当てたのはRobert MeyerさんをはじめとするVolksoperの功績と言えるでしょう。

Zigeunerbaron_ohp_126そして、2020年のPremiereで期待していたのが、「DER ZIGEUNERBARON」。

前演出で、フィナーレをオリジナルの脚本から大幅に改変し、大ひんしゅくを買ったことを考えると、原点回帰を果たして、まずは一安心といったところでした。ただ、演出は正直、Feriの感性には合いませんでした。

このような「定番もの」の改訂は、本当にむずかしいことを再実感した作品でもあります。

20200113002 そしてレパートリーの「GRÄFIN MARIZA」。タイトルロールのGRÄFIN MARIZAがCaroline Melzerさんが期待通りの仕上がりで、大満足。

お相手のGraf TassiloがCarsten Süssさんも、役がこなれてきてFeriの期待に応える出来映えでした。

もちろん、Zsupánの Jakob Semotan さん、LisaのJuliette Khalilさんといったブッフォ、スプレッドコンビも素晴らしく、今振り返っていても、今年、Feriが観た中でベストと言える内容。もちろん演奏もカールマンの味を生かした見事なものでした。

20200112002本ブログはリードオンリーの読者様が多いのですが、この記事に関しては多くの方からコメントを頂きましたことをお礼申し上げます。それだけ本作品の高感度が高かったのだと思います。

という訳で2020年のベストは「GRÄFIN MARIZA」で決まり。

しかし、半年以上、「生のオペレッタ」を観賞する機会がなくなると、フラストレーションがたまってしまいます。これは劇場関係者も同じだと思いますが‥

特にオペレッタは、時事ネタやアドリブを盛り込んだ軽妙な台詞やお芝居に客席が反応することで、舞台と客席が一体となって創り上げる舞台芸術だとFeriは思っています。それだけに、無観客での開催は、オペレッタらしさを損ねるので断固反対。

20200112007早く舞台と客席が一体となったオペレッタを楽しめる日が来ることを祈って止みません。

さて、2020年、FeriがショックだったのはVolksoperのDirectorであるRobert Meyerさんの再任が叶わなかったことです。

コンペに出場して、プレゼンテーションの結果、選出されないのであれば、これはやむを得ませんが、今回は所轄する連邦政府のAndrea Mayer芸術文化担当大臣から、Robert Meyerさんに対してコンペへの出場を辞退するように指示がでことから、Feriは事実上の解任だと思っています。

2020123101もちろんRobert Meyerさんの劇場運営に全く問題がなかった訳ではありませんし、キャスティングなどについて批判があるのも承知しています。

新DirectorのLotte de Beer氏、Musikdirektorの Omer Meir Wellber氏といった劇場幹部も決まり、新しい体制で動き出しています。

Andrea Mayer芸術文化担当大臣はマンネリからの打破を望んでいるようなので、今までとは違った劇場運営が行われることになるでしょう。

それが、古き良きオペレッタをこよなく愛するFeriにとって、凶と出るか吉と出るかは、2022/23シーズンを迎えてみないと何とも言えません。

Img_2018_09_0611以前も本ブログでご紹介しましたが、FeriのVolksoper通いとRobert Meyerさんのキャリアがほぼ一致するところに、ご縁を感じています。

ともかくRobert Meyerさん率いる現在のスタッフにとって、2021/22シーズンがファイナルシーズン。Covid-19を蹴散らし、オペレッタファンを唸らせる作品を生みだし、「有終の美」を飾っていただきたいと切に願っています。

それでは、皆さま、よいお年をお迎えください。

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Comments

Feri さん、ご無沙汰しています。Steppke です。
お変わりありませんか?

昨年(2020年)は、1月にヴィーンに行きましたが、それ以降は出掛けることができず、私もオペレッタの回数は4回でした。
4月・5月・7月と計画していましたがキャンセルで、今年(2021年)4月の Komische Oper も既に払戻しを受けています。

Volksoper での Gräfin Mariza 再演は、以前コメントしたように、Caroline Melzer さんのタイトルロール と Jakob Semotan さんの Zsupán が特に良かったですね。
Baden の Die Rose von Stambul も、Baden らしいキビキビした舞台で、曲も美しく、とても楽しめました。

あとは11月に国内で行った2演目で、一つは東京二期会の Die lustige Witwe です。
日本語歌唱で気持ち悪かったし、なんで日本人が演技するといつも不自然になるのか分からないですね。
ただ、オケ(東響)がすごく良く、指揮の沖澤のどかさんが素晴らしかった。オペレッタ特有の軽みというか不真面目さみたいなものが加われば万全ですが、若いし、さすがにそこまでは無理でしょう。ただ、ヴィーンでも十分に通用するような水準だと思われました。

最後は、新国立劇場での Die Fledermaus でした。
演出は以前からの定番ですが、出来るだけ接触を避けるように変えられていて、そこは観ていてちょっと辛かったですね。
歌手は、Volksoper で活躍している/いた Daniel Schmutzhard さんや Astrid Kessler さんを初めとして、なかなかでした。
特に Schmutzhard さんが素晴らしかったです。現行 Die lustige Witwe のマザコン Danilo の印象が強いのですが、Eisenstein は粋なヴィーンの伊達男の感じが良く出ていて、演技もノリノリでした。
Kessler さんは、好きな歌手ですが、期待が大きかったせいか、初日ということもあってか、今一つの印象です。
指揮者のテンポがちょっと違うなぁとは感じましたが、オケ(東フィル)も良く、とても楽しめる公演でした。

Wiener Staatsoper 無観客ライブの Die Fledermaus を観ながら書いていますが、仰る通り、オペレッタは観客が居なければ、魅力は半減ですね。
客席からの反応が全く無いと寂しい限りで、歌手もノリません。そもそも今日の歌手は、(今のところは)あまり魅力的ではありません。Camilla Nylund も、ちょっと期待外れです。
2週間前には、ミュンヒェンの Gärtnerplatztheater から、Der Vetter aus Dingsda の新演出が無観客ライブで配信されましたが、とても面白かったです。
新演出がボツになることを避ける為の無観客ライブは良いのですが、従来からの舞台ならば、よほど歌手や指揮者に魅力が無い限り、あまり必要性はありませんね。

今年後半くらいになれば、従来のように行けるようになり、ナマで接することが出来ると良いのですが..

Posted by: Steppke | December 31, 2020 18:28

Steppke様

お返事が年明けになってしまい、申し訳ございません。

昨年は、オペレッタ界も本当に散々でしたね。もしかすると3月位まで、劇場が閉鎖になるのでは‥という予測もありますが、早く「生のオペレッタ」を観ることができる日が戻ってくることを期待しています。

本年もよろしくお願いいたします。

Posted by: Feri | January 03, 2021 00:17

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