クリスマスツリー、最後の旅
今日は「役目を終えたクリスマスツリーの話題」をお届けしましょう。
実はクリスマスは2月2日の「Mariä Lichtmess」(聖燭祭)で正式に終了します。2月2日は法定祝日ではありませんが、カトリック教会の祝日。
イエス・キリストが聖母マリアとナザレのヨセフにより、神殿に連れて来られた際の出来事を記憶して祝うものです。
そのため、2月2日まではツリーを置いておいても良いのですが、実際には1月6日の「Heilige Drei Könige」の祝日後、「最後の旅」を始めるケースが多いようです。
このブログでもお伝えしているようにクリスマスツリーは「ゴミ」ではなく、大切な資源。
今シーズン、ウィーン市内には、546ヵ所の回収ステーションが臨時に開設されます。
このステーションで回収されたクリスマスツリーはMA48のスタッフがSimmeringあるPfaffenau廃棄物焼却プラントに搬入し、Wien Energieが電力と地域暖房用スチームに変換されます。
Pfaffenau廃棄物焼却プラントは、ヨーロッパで最も近代的なプラントの1つで、32トンの廃棄物を850度の温度で、1時間で焼却できる能力を持っています。
この他、一部のツリーはRautenwegの埋め立て地に搬入され、そこで買われている山羊のお食事になります。
ところで興味深いことに回収ステーションを見ていると、周辺部の住宅が多い地区では小振りのツリーが多いのに対し、旧市街などでは、ホテルやオフィスに設置されていたと思われる大きなツリーが廃棄されていることです。
このあたり、地域事情が如実に表れますね。ちなみに左側は旧市街の回収ステーションですが、大きなツリーが置いてあります。
さらに街中に設置されているツリーも、1月6日以降、順次、撤去されます。
ウィーン市の発表によると、昨シーズンは、17万本以上(750トン以上)のツリーが回収され、リサイクルされています。
ちなみに、このクリスマスツリーによって1900メガワット/時のエネルギーが生み出されます。これは、約1000世帯に電力を、約2500世帯に地区暖房を1か月間供給できるエネルギーです。
2021年、クリスマスツリー回収ステーションは1月17日まで開設されています。
なお、回収ステーションに廃棄する場合の注意点は、オーナメントなどの装飾は全て撤去することです。これは、オーナメントなどはリサイクルに不向きなためです。
ところでウィーン市のプレスリリースで、クリスマスツリーの回収について「Die letzte Reise der Wiener Christbäume」という粋なタイトルを付けています。
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