今日からマスク規制が強化されます
Covid-19感染拡大以来、元々、マスクをするのが好きだった日本では、外出時、常時、マスクを着用するのが一般的になったようです。
実際、1人しか乗車していない乗用車のドライバーさん、周囲に誰もいない公園で散歩中の方がマスクを着用している姿を見かけるとか‥
ただ、「何のためにマスクをするのか」という理由が明確に伝わっていないためか、隙間が多い、鼻を出しているなど着用方法に問題のある方も多いとか‥
一方、一年前までは、マスクをする習慣すらなかったオーストリアですが、現在では法令でマスク着用が義務づけられるようになってしまいました。
そもそも、それまではテロ対策の一環として、マスクなどで顔を隠すことは法令で禁止されていたのですから、この変化には、大きな戸惑いがあります。
日本以上に厳しい規制を強いるロックダウンを実施しているにもかかわらず、Covid-19感染拡大が終息しないオーストリア。さらにオーストリアでも亜種が見つかっています。
このような状況を受けて、連邦政府は1月21日、第3次緊急対策条例を施行し、1月25日から食料品店、商業施設、公共交通機関、各種サービス利用時にFFP2マスク着用が義務づけられました(14歳以上)。また、ソーシャルディスタンスの距離が従来の倍と定められました。
ポイントは、「マスクならば何でも良い」ではなく、明確な基準が決められたことです。
日本ではサージカルマスク(内側から外側という呼気の方向でテスト済みのマスク)が一般的ですが、今回の規制強化では、防護マスク着用が義務づけられました。
防護マスクは、吸引時(外側から内側へ)のフィルターの有効性と顔への漏れをテスト済みの「使い捨ての呼吸器防護マスク」で、従来は主に医療機関従事者が使っていました。
つまり、従来は自分が周囲にCovid-19ウイルスを飛沫で拡散しないためにマスクを着用するという発想でしたが、今回は「Covid-19ウイルスから自分を守る」という大きな方針転換を図ったことになります。
「使い捨ての呼吸器防護マスク」は、地域によって規格が異なりますが、欧州規格ではFFP1からFFP3まであります。
-FFP1:ろ過率は3つの中で最小で、80%のエアロゾルろ過率と22%の内部漏れ率。 主に防じんマスクとして使用されます。
-FFP2:94%のろ過率と8%の内部漏れ率。主に建物、農業、製薬産業で使用されています。また鳥インフルエンザ、SARS、肺ペスト、結核、新型コロナウイルスに携わる医療従事者が使用します。
-FFP3:99%のろ過率と2%の内部漏れ率。 アスベストなどの微粒子から保護する、最もろ過率が高いマスクです。
つまり、従来は感染リスクが極めて高い場所で働く人が着用していたマスクを、一般の人にも着用を義務づけることになったものです。
日本で流行っているデザイン性が高いウレタンマスクや、自作の布マスクなどは全て不可。
連邦政府の決定を受けて、連邦軍ではオーストリア全土の公共機関で働く職員用に、軍で備蓄していたFFP2マスク約50000枚の提供を開始しました。
FFP2マスク着用義務は、本日、1月25日から発効。ウィーン市でも、市の施設を利用する場合、FFP2マスク着用を義務づけました。
しかし、FFP2マスクを準備している人は少ないのが現実。そこで、規制強化を受けて、スーパーマーケットチェーンのReweグループ(Billa、Merkur、Penny)、Spar、Hoferは、FFP2マスクを59centという低価格での販売を始めました。
さらに一部のチェーンでは、1月25日から店頭でFFP2マスク無料配布を行うと発表し、マスク提供競争が激化しています。何しろFFP2マスクを持っていないと買い物ができないわけですから‥
この他、低所得者に対しては政府がFFP2マスクの無料配布を行います。
日本では、「マスク警察」と呼ばれる民間人が暗躍しているようですが、こちらは本物の警察が取り締まりますから、注意が必要です。
ちなみにFFP2マスク着用指示に従わなかった場合、25Euroの罰金が科せられます。
この他、オーストリアでもコロナ規制に反対するデモが行われていますが、参加者はマスクを着用していません。内務省は、感染拡大を防ぐため、デモに対する規制強化を検討しています。
当たり前ですが、民主主義国家なので、デモ規制に対する反対も根強く、各種規制強化も含めて連邦政府も難しい舵取りを強いられそうです。
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