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January 12, 2021

ブラックアウト回避にむけて

2021011102日本では日本海側を中心とした大寒波で電量不足が懸念されていますが、今日は「ウィーンの電力事情」です。

先週の金曜日(1月8日)、オーストリアを含むヨーロッパでは大規模停電(ブラックアウト)発生直前の状態だったそうです。

ヨーロッパでは陸続きなので、国同士で電力を融通するシステムになっています。ドイツのように、原子力発電所廃止を掲げながら、原子力発電所で発電されたフランスの電量を購入している例もあります。

先週末、停電の危険性があったのは、電力需要が急増したことが原因ではなく、周波数の変動により、電力網が機能しなくなったためだとか‥

2021011101当然、各国とも、ブラックアウト回避にむけて対策をとっています。ウィーンの場合、電力はWien Energieが供給していますが、今回の事態では、セーフティネットが発効し、オーストリア全土の多数の発電所が、直ちに電量供給(増産)を開始。電力供給の安定化を実現しました。

オーストリアでは、基本的に水力や風力、太陽光など自然エネルギーを活用した発電が中心ですが、このような非常事態発生時に役立つのはガス火力発電所です。

実は風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの場合、発電が自然条件によって左右されるため、大規模な周波数変動が発生しやすく、送電網に大きな負担がかかることがあります。

2021011104その場合、送電網を守るため、風力発電所や太陽光発電所からの電力供給を一時停止し、バックアップ発電所からの電力供給に切り替えます。今回、発生した事案も、このようなケースでした。

そのため、こちらではバックアップ用発電所を、常に緊急事態に備える「消防隊」に例えられる場合があります。

Wien Energieでは気候保護ソリューションに12億Euroを投資し、太陽光発電所の充実などに努めていますが、電力の安定供給が最優先事項。

天候などの外部の影響要因なしに迅速に電力を供給できるガス火力発電所が不可欠。

2021011103ウィーンにはSimmeringやDonaustadtなどに、効率の良い火力発電所が設置されています。これらの発電所は、発電に加えて、地域へ暖房用熱源も供給しています。なお、Wien Energieは、中期的にグリーンガスへの切り替えを目指しています。

現在、ヨーロッパでは温室効果ガス排出削減のため、内燃機関を搭載した自動車からEVへの切替を推し進めている国が多いのは、皆さま、ご存じのとおりです。しかし、実際には安定した電力の供給が危機に瀕しているという事実を忘れてはなりません。

2021011105WienEnergieでは、2020年も、社会的要請を受けて太陽光発電施設を大幅に増強しています(26メガワット)。また、今後も増強する計画を進めています。

しかし、ベースロード電源に気象条件など外部要因の影響を受けやすい発電システムを採用した場合、このようなバックアップ発電設備の充実が不可欠になるという皮肉なお話です。

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