オーストリア人は豚肉がお好きですが‥
皆さまは、今日、昼食は何を召し上がりましたか? ウィーンでは、週末のお昼、ご自宅でWiener Schnitzelを召し上がる方が多く、昼頃になると“トン、トン、トン”という豚肉を叩く音が聞こえてくることがあります。
今日は久しぶりに「お食事にまつわる話題」をお届けしましょう。
先日、オーストリアでの「肉の消費」に関するデーターを見かけました。オーストリア人は1人当たり年間約63キログラムの肉を消費するそうです。
最も人気があるのは、豚肉で、平均消費量は約36キログラム。鶏肉は12.4キログラム、。牛肉は11.9キログラム。
ちなみに日本人1人当たりの肉消費量は年間、30キログラム。Feriが子供の頃は、年間3.5キログラムだったらしいので、10倍近い消費量です。それでも、オーストリアの半分ですね。
なお、日本では豚肉と鶏肉の消費量が拮抗していますが、最近では鶏肉の方が上回っているようです。
さて、話をオーストリアに戻しましょう。オーストリアの年間豚肉消費量は323542トン。500万頭以上の豚が食肉用に供されている計算になります。
オーストリアではSchweinebraten、Wiener Schnitzel、Kotelettなど豚肉を使った料理が多いのは皆さまもご存じのとおり。
Wiener Schnitzelは、日本では「仔牛のカツレツ ウィーン風」と紹介されることがありますが、現在、オーストリアで広く親しまれているのは豚肉を使ったもの。
最近、先進国で注目されているのがアニマルウェルフェア(家畜福祉)畜産という考え方です。
従来の工業的畜産から、家畜をストレスから解消し、健康的で福祉レベルの高い生活がおくれるように飼育するというもの。
ウィーン動物愛護オンブズマン(Tierschutzombudsstelle Wien)では、動物愛護基準に沿って生産された食料品のパンフレットを発行していますが、最近、ガイドブック「AUGEN AUF BEIM SCHWINE-FLEISCHKAUF!」(豚肉を買う前に気をつけること)改訂版を発行しました。
このガイドブックには、遺伝子組み換えでない飼料を使用しているか、ケージに閉じ込められていないかなどアニマルウェルフェアの考え方に沿って12項目の評価基準が示されています。
同団体の調査によると、オーストリアの豚肉の90%は、12項目の基準を満たしていないという衝撃的な結果が出ました。
そこで、連邦政府に対してアニマルウェルフェアの考え方を採り入れた畜産関連法令を作ることを提案しています。
ウィーンでは、時々、アニマルウェルフェアの考え方に沿って畜産を行うことを訴える団体の活動を目にすることがあります。今回、お目にかける写真も、そのような活動です。
現在、アニマルウェルフェアに沿って生産されており、広く流通しているのはJa! Natürlichのブランドで知られるNaturprodukteGesellschaft mbHの製品。
同社では食肉はもちろん、ベーコンやハム、ソーセージなどの加工品もBIO仕様になっています。ちょっと高いので、Feriは懐に余裕がある時、買い求めています。
一方、すでにオーストリアで、アニマルウェルフェアの考え方が最も浸透しているのが鶏卵の生産。
日本のように鶏がケージに入れられているケースはなく、自由に動き回ることができるような環境で生育されています。
Feriが愛用しているTONI'S FREELANDERの鶏卵は、放し飼いの環境で育成されている鶏からとれたもの。
ヨーロッパでは、何でも地球温暖化に結びつける傾向がありますが、アニマルウェルフェアに沿った畜産も同様。同団体では、地球温暖化抑制にも貢献すると言われています。
なお、ウィーン市は公共調達の際、アニマルウェルフェアを踏まえて生産された食肉を導入しています。
ところで食が細くなってしまったFeriは、フルスペックのWiener Schnitzelを完食することが難しくなっているので、半分でも大丈夫ですが‥
最後にJa! Natürlichのテレビコマーシャルをお目にかけましょう。
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