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February 26, 2021

佳境を迎えたリンツのNeue Donaubrücke建設

20210222linz10今日はウィーンを離れて、リンツで行われている「大規模土木工事の話題」をお届けしましょう。

土木工事は、その方法にお国柄が出ることがあります。今回の工事も、そのような例かもしれません。

現在、リンツではドナウ川にかかる橋(Neue Donaubrücke)の付け替え工事(実際は新規架橋に近い大工事)が行われています。

20210222linz04この橋は、1897年から1900年にかけて鉄道橋として建設され、1900年11月14日に開通しました。その後、鉄道と公共交通機関が使用してきましたが、21世紀に入り、鉄骨の腐食がひどくなり、倒壊の危険性が増してきました。

2015年9月、新しい橋の建設(橋梁の掛け替え)可否を問う住民投票が実施され、賛成68%で新しい橋の建設が決まり、プロジェクトがスタートしました。

EUを対象としたコンペの結果、フランス・パリの建築事務所Marc Mimram案が採用され、MCE GmbH、Porr Bau GmbH、Strabag AGコンソーシアムが建設を行っています。

20210222linz05Neue Donaubrückeは全長400メートル、最大幅33.7メートル、片側1車線、路面電車の戦況軌道(複線)、自転車専用レーン(2.5メートル)と歩道(2メートル)が別途、設けられます。

なお、路面電車の専用軌道は工事が完成するまで、路線バスが使用する予定です。

Neue Donaubrückeの建設費用は9020万Euroで、リンツ市とオーバーエスターライヒ州が負担しています。

工事ですが、2016年2月から8月に掛けて、古い橋の解体(2枚目の写真が解体された橋)が行われ、2018年7月に起工式が執り行われました。

20210222linz06まず、護岸の取付部工事から始まり、川の中にあった古い橋脚の撤去と新しい橋脚の建設といった土木工事が進められました。

護岸からの取付部は陸上から鉄骨を組み上げる方式で建設されましたが、中央部については、予めできあがった橋桁を設置する方式が採用されました。

なお、Covid-19感染拡大に伴う入国制限で、作業員がオーストリアに来ることができず、5週間、工事が中断しました。

20210222linz08今回の工事でハイライトとなるのは、組み上がった橋桁を川に掛ける工事。工事は、2月23日・24日、3月3日・3月4日の2回に分けて実施されます。

この橋桁ですが、何とビックリ、ロッテルダムで製造されたもので、総重量は2800トン。台船に乗せられ、2隻のタグボートに牽引され、Rhein-Main-Donau運河を経由し、リンツの組立ステーションまでやって来ました。さすが川で国がつながっているヨーロッパ。

20210222linz03ただ、橋桁側面のアーチについては、高さが15メートルあるため、取り付けた状態での架線輸送は困難。

そこで、リンツの架橋場所に隣接する組立ステーション到着後、最終組立を行う方式が採用されました。

最終組立が終わった中央橋桁は、30個の車輪を持つジャッキ付き特殊車両に積載されて、作業用台船に移動。これが初日の作業。

続いて、2日目は、作業用台船でドナウ川中央の現場へ運ばれた後、4メートルほどジャッキアップされ、コンクリート製の橋脚に架設します。

20210222linz02微調整は特殊車両を動かして行います。なお、この間、ドナウ川は航行禁止。興味深いのは、一基の橋脚中央部に橋桁を乗せるという点です。天秤のような感じで、バランスをとるのが大変そうです。

3月も同じ工事が、行われ、最終的に橋桁が連列されて、一つの橋となります。

架橋後、部品の溶接、防蝕処理、車道のコンクリート打ち、路面電車用軌道と架線整備、照明装置や手すりなどの設置が行われます。

そして、Linke BrückenstraßeとHafenstraßeへの接続工事が行われて、初めて開通となります。

橋のリニューアルを住民投票まで実施して決定したため、リンツ市ではNeue Donaubrücke建設に関する情報公開を徹底しており、進捗状況を写真入りの日記で公開しています。今回の写真については、リンツ市の公式記録をお借りしました。

20210222linz07

実は、この記事は最初の山場を迎える2月23日に予定していましたが、前半の工事が動画で公開されるまで、待った方が吉と考えて、しばらく様子をみた次第です。

Feriは、イギリスの特撮テレビ「サンダーバード」世代なので、こういった巨大メカを駆使した工事には、昔から興味がありました。

組立ステーションから作業用台船への移動、台船からの架橋の様子を動画で見ると、やはりワクワクしますね。

なお、古くなった橋が撤去されたため、市内交通は、長い間迂回を余儀なくされました。現時点では、2021年10月に開通する予定です。

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