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March 04, 2021

75周年を迎えたMA48

2021030201今日は「誕生75周年を迎えたMA48の話題」をお届けしましょう。

ゴミ収集や道路清掃、冬期除雪から廃棄物の各種リサイクルまで、現在では幅広い住民サービスを提供しているMA48(Magistratsabteilung 48)が、2021年3月1日、創立75周年を迎えました。今回は、誕生にまつわるエピソードも交えてご紹介しましょう。

1946年3月1日、Körner市長の下、「Magistratsabteilung 48 - Fuhrwerksbetrieb und Straßenpflege」が設立されました。

当時、ウィーンは、第2次世界大戦の戦災で「廃墟の街」と化していました。創立されたMA48、最初の仕事は爆撃で破壊された約85万平方メートルの戦災瓦礫と、約20万平方メートルの路上ゴミを一掃することでした。

2021030204日本の大都市も連合軍の空爆で破壊されましたが、木の住まいが多かったことから、焼夷弾が使われました。

余談ですが、米軍では焼夷弾攻撃に際して、アメリカ本土に日本の木族家屋の街並みを再現し、そこで効果的な焼夷弾攻撃を実行するための燃焼実験を行ったという記録も残っています。

一方、ウィーンをはじめとするヨーロッパの場合、空爆の対象となる大都市は石造りの住まい(集合住宅を含む)が多いため、爆弾が使われましたが、戦災瓦礫の処理が大きな問題になったのでしょう。

当時、使用可能な車両は11台しかなかった上に、3ヵ所あった車庫も占領軍に接収されたり、戦災を受けて使えなくなっていたようです。また、瓦礫の処理に必要な機材やゴミ箱も不足している中での、作業だったようです。

このような困難な状況下、MA48の職員は創意工夫で困難を乗り切りましたが、この精神が、今日まで引き継がれています。

2021030202当時からゴミ収集に加えて、道路清掃、冬期除雪や凍結防止、公衆トイレの運営、官用車の運行なども担当していました。

 設立、数年後には消防関係を除く車両調達、廃棄物不法投棄防止、廃棄物アドバイス、廃棄物リサイクル、廃棄物処理、レッカーサービス、遺失物サービスといった新しい業務が追加されました。

Feriは、MA48設立のきっかけが戦災瓦礫処理だったいう事実を初めて知りました。

さて、戦後復興と経済の好転により、廃棄物の量が大幅に増加しました。当時、ウィーンでは、廃棄物は穴に詰める処理する埋立式でした。

2021030206しかし、1950年代末になると、使用済み埋立地の有限性が認識され、廃棄物処理の新しい方法としてサーマルリサイクルが採用されました。さらに環境意識の高まりを受けて、ウィーンの廃棄物処理のエコロジー化が急速に進展します。

1963年、ウィーン初のごみ焼却施設がFlötzersteigに開設されます。同施設は、Spittelau 、Pfaffenauの両清掃工場とともに、現在も稼働中です。

現在、ウィーンでは、年間57万5000トンの廃棄物がリサイクルされています。また、52万6000トン以上の廃棄物(粗大ゴミを含む)は、排気ガス浄化システムを持つ焼却プラントで焼却処分されていますが、そのエネルギーは電力や地域暖房に活用されています。

2021030210なお、ウィーン市では、廃棄物処理は、可能な限り市内で実施しています。

このブログでもお伝えしているように生ゴミについては、MA48自身が肥料などに再生し、住民に提供されています。これは園芸や家庭菜園を行っているウィーン子には人気があります。

そして、現在、再活用可能なものを回収して、MA48が運営するリサイクルショップで販売するようになりました。これもゴミの削減に一役買っています。

2021030203市内を巡回して廃棄物を回収する収集車は、低排出ガス車両に置き換えられているだけでなく、環境負荷を軽減するため、廃棄物集積所まで最短のルートを選択しています。

過去75年間、MS48は使用する車両を色々と開発してきました。環境に優しいEURO VIエンジンを搭載した収集車、清掃機、冬期サービス機器、オーストリア初の完全電気式ごみ収集車まで多岐にわたっています。

一般の人には目に見えないことですが、単に廃棄物処理だけではなく、環境負荷を極力軽減する姿勢には頭が下がります。

2021030205現場で働くスタッフの仕事内容に大きな変化はありませんが、仕事をサポートするために各種機器や器具は大きく進化しています。それにより、作業スタッフの負荷軽減、業務の効率化が実現しています。

ここで注目したいのは「Saubere Stadt」(クリーンシティ)という考え方です。ウィーンを訪問した方は、お気づきになったと思いますが、市内には公共ゴミ箱が多数、設置されています。

実はウィーンでも、かつては公共ゴミ箱がなく、ゴミのポイ捨てが目立ちました。ウィーン市では「Saubere Stadt」というスローガンの元、公共ゴミ箱を多数、設置。

2021030207現在、市内には17000個以上の各種公共ゴミ箱があり、1日3回、ゴミの回収が行われています。

インフラ整備が完了した2008年以降は、取り締まりの強化に重点を移し、きれいな街を実現しています。

日本では、最近、公共ゴミ箱をほとんど見かけなくなりました。「ゴミは自宅へ持ち帰るように」という案内を耳にしますが、逆にポイ捨てをする人も増えているような気がします。

確かに公共ゴミ箱からのゴミ収集には費用がかかります。中には家庭ゴミを捨てる人もいるようです。

2021030208恐らく日本では、そのコストを削減するため、公共ゴミ箱廃止を進めているのだと思いますが、どちらが良いのかは、難しいところですね。

ただ、ウィーンの場合、ゴミ処理を含むMA48の各種業務を雇用確保も含めた「サービス産業」と位置づけているようです。

現在、MA48では、ゴミ収集員、道路清掃員、運転手、廃棄物監視員をはじめ、コンテナ物流や廃棄物処理場、レッカー運用、遺失物サービス、本社などで多くのスタッフが活動しています。

2021030209創立75周年に際し、Czernohorszkyウィーン市議は、“ウィーンの人々は、48ersを誇りに思っています。ウィーン市は、廃棄物処理の安全性、リーズナブルな価格、環境に配慮した総合的な廃棄物処理を保証しています”という祝辞を寄せています。

あえて、日本は云々とはもうしませんが、ゴミ処理という縁の下の力持ち的な仕事を高く評価し、その重要性を市民にアピールする姿勢は大切だと思います。

また、毎年、秋にMistplatzで開催されるMistFestには、多くのウィーン子が集まりますが、これからもMA48がウィーン子に親しまれ、支持されていることがよくわかります。

そして、MA48でも開発した各種車両が引退した後、保存している点も頭が下がります。これも立派な歴史的産業遺産と言えるでしょう。

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