September 21, 2020

ウィーン版「もったいない」プロジェクト

2020091901今日は「今日から始まったウィーン市のユニークな取り組み」をご紹介しましょう。

Feriが子供頃、日本でも家電製品や家具などが故障、破損した場合、修理して使うというのが普通でした。家電製品などは、街の電気屋さんに修理をお願いしていたような気がします。

とにかく「すぐに新しいものを買う」ということは少なかったと思います。個人的な感想ですが、家電製品なども耐久性が高く、長期間、使えたような気がします。

ただ、最近、日本で販売されている家電製品などは電子部品などを多用し、高機能化が進んでいるため、部品保有期間を経過すると、修理が難しいケースが増えているようです。

また、修理を依頼すると“最近の賞品の方が省エネ特性が優れているから、買い換えた方がお得ですよ”と言われるケースも多くなっていると聞きます。そのため、物理的な耐用年数前に買い換える人も多いとか‥

2020091902さて、ウィーン市では、環境保護のため「修理支援プログラム」を9月21日から開始しました(選挙運動みたいな気がしますが‥)。

これは安易な買い換えよりも修理を推進するため、修理費用の一部をウィーン市が負担するもの。ウィーン環境保護局(MA22)が所管しています。

対象は一般家庭で使用されている家電製品、IT機器、家具、スポーツ用品、衣料品など幅広い範囲に及びます。

補助金の額は修理費用の50%ですが、1回の上限は100Euro。また、修理に必要な見積を依頼し、修理を断念した場合も、見積費用も補助金の対象となります(見積費用は100%。ただし、45Euroが上限)。

通常、この手の補助金は申請手続きが面倒ですが、ウィーン市の「修理支援プログラム」の利用は極めて簡単です。

Der Wiener Reparaturbon」というクーポン券をホームページなどから入手し、修理を依頼する際、業者に提出します。すると、修理代金から補助金分が差し引かれます。

2020091903なお、このクーポンが利用できるのは「Reparaturnetzwerk Wien」という組織に登録している業者さん(ホームページで検索できます)。

所属している業者さんの多くは修理を主に行っており、様々な基準を満たすことが義務づけられています。要するにウィーン市がお墨付きを与えた「信頼できる修理業者さん」という訳です。

また、事前に提示された見積を越えて請求されることはありません。

補助金対象の修理業者を登録制にしているのは補助金詐欺を防止するためだと思われます。

この取り組みで注目されるのは、「環境保護」を前面に打ち出している点です。

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September 20, 2020

チケット自動購入プロジェクトのテストが始まります

20200920毎年、初夏にシェーンブルン宮殿の庭園で行われる「ウィーンフィルのサマーコンサート」(Wiener Sommernachtskonzert 2020)ですが、このブログでもお伝えしたように新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、4ヵ月延期されました。

9月18日、招待者のみという事実上の無観客状態で開催。指揮はValery Gergievさん。ORFではライブストリーミング配信が行われ、多くの人が自宅で楽しみました。

ドイツがウィーンを危険地帯に指定したため、Jonas Kaufmannの参加が危ぶまれましたが、予定どおり参加し、聴衆を魅了しました。

2020091502今日は「公共交通機関の新しいチケット購入システムの話題」をお届けしましょう。

日本ではICカードを使った交通系電子マネーが広く普及し、利用時にICカードから利用区間の運賃が引き落とされますが、オーストリアの公共交通機関は、現在、改札システムが存在しません。

ご存じのように信用乗車方式が基本です。利用前にチケットを準備することが例外なく要求されます。また、チケットを車内で購入した場合、自動券売機を利用しても割高になります。

更に無賃乗車が判明した場合、理由の如何を問わず高額な反則金を支払わなければなりません。

2020091503そのため、その都度、チケットを買う手間を省く1日券、ウィークリーパス、マンスリーパス、年間パスなどが広く普及するようになりました。

そんな中、Verkehrsverbund Ost-Region(VOR)、Wiener Linien、Wiener Lokalbahnenが共同で、「全く新しいチケット購入システムの運用テスト実施」というニュースが入ってきました。

このシステムはスマートフォンにインストールしたFAIRTIQというアプリケーションを使うもので、ポイントはGPSによる位置情報を元に、自動的に利用者にとって最適なチケットを決定するものです。

個別のチケットと1日券のどちらが利用者にとってオトクかをアプリが自動判定します。

2020091504マンスリーパスなどを持っている利用者は関係ありませんが、従来、たまに公共交通機関を利用するお客さまは、自分でチケットを選ぶ必要がありました。その手間を省こうというものです。

使い方は、アプリを立ち上げ、乗車前に画面をスワイプし「乗車」(チェックイン)を指定。バスなど、乗務員にチケットを提示する必要がある場合は、画面を見せます。

そして、目的地に到着し、下車した段階で画面をスワイプし「下車」(チェックアウト)を指定。

チェックイン、チェックアウト情報とGPSによる経路情報を元に最適な運賃が選定され、当日の終わりに紐付けされたクレジットカードから料金が引き落とされます。

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September 19, 2020

技術博物館で大型蒸気機関車12.10号機の展示開始

2020091803今日はウィーン技術博物館(Technischen Museums Wien)で9月18日から一般公開が始まった「大型蒸気機関車の話題」をお伝えしましょう。

訪問した方も多いと思いますが、シェーンブルン宮殿に近いウィーン技術博物館は、工業技術に関する総合博物館です。Feriは絵画などの美術品より工業技術に興味があるので、かなり前から足を運んでいました。

交通関係の展示も多く、かつては技術博物館に隣接する機関車公園に多くの蒸気機関車が展示されていました。

2020091801しかし、1999年、技術博物館の再編により、機関車公園が閉鎖され、多くの機関車がシュトラスホーフ鉄道博物館に移りました。現在、館内に少数の鉄道車両が展示されているにとどまります。

今回、以前から技術博物館で保存されていたオーストリア最大の蒸気機関車12型(登場時は214型)が修復の上、館内(西ホール)に展示され、9月18日から一般公開が始まりました。

2020091804一般の皆さまには馴染みのない12型ですが、鉄道ファンには有名な機関車です。

1928年から1936年にかけて、ウィーンのフロリツドルフ機関車工場(Floridsdorfer Lokomotivfabrik)で13両(214.01~13)が製造された高速旅客用蒸気機関車です。

全長は22.6m、重量138t、軸配置は1D2(先輪が1軸、動輪が4軸、従輪が2軸、通称バークシャー)、動輪経は1940mm、2700PS、最高速度120km/hです。

ただ、試運転では154km/hを記録しています。動輪間を結ぶ主連棒(メインロッド)が、世界で最も長いことでも知られています。

2020091805落成後、ウィーン-ザルツブルク間(西鉄道)の急行列車に使用されました。

この機関車が誕生した背景ですが、1927年、当時のオーストリア連邦鉄道は幹線の電化を一時的に中段することを決定します。

そこで、ウィーン-ザルツブルク間を電気機関車牽引の場合と同じ所要時間で結ぶための高性能蒸気機関車の開発を決定。

2020091806114型(3気筒)と214型(2気筒)という2種類の機関車が試作されましたが、最終的に214型が採用されました。

落成後、ウィーン-ザルツブルク間、ウィーン-パッサウ間の急行列車の先頭に立ちますが、オーストリアがドイツに併合された際、214型はドイツ帝国鉄道に引き継がれ(形式は12型に変更)、レーゲンスブルクまで乗り入れるようになりました。

戦後、ウィーン-ザルツブルク間の電化が完成すると、12型は南鉄道へ移動し、ウィーン-ヴィラッハ間で使用されるようになります。

2020091807しかし、軸配置が禍し、セメリング線の急勾配と急曲線には適応できず、動輪の摩耗が頻発。1956年には休車となります。

新製からわずか20年で、まだまだ使えることから、ÖBBでは海外への売却を視野に入れて、しばらく保管していました。

当時、近隣諸国(特に西側)でも幹線の電化が進み、本線用の大型旅客用蒸気機関車は買い手が付かず、1961年と1962年に全機廃車となりました。何しろ汎用性に欠けますから‥

2020091809ただ、歴史的な技術遺産であるため、12.10号機だけは、解体されることなく、ÖBBが保管していました。

1970年代、ウィーン技術博物館に隣接する機関車公園に静態保存されます。ちなみにFeriも機関車公園に保存されている12.10号機を見ており、写真も撮影しています。

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September 16, 2020

ÖBBの燃料電池車両 営業試験運転を実施中

2020091600 最初に新型コロナウイルス関連のニュースから。連邦政府は9月14日にWien、Innsbruck、Bludenz、Dornbirn、Neunkirchen、Mödling、Kufsteinでコロナ信号(Corona-Ampel)を、オレンジに変更しました。また、図のように黄色のエリアが拡大されました。

セキュリティレベルが1ランク上がる訳です。実際、9月に学校が始まり、劇場も公演を開始するなど、人の動きが活発になってきました。その影響で、地域によっては感染者が増えているための対応です。

ただ、当初、計画されていた大幅な規制は行われない模様です。また、ザルツブルク州、ケルンテン州、ブルゲンラント州は緑のままです。

2020091411さて、今日は「ÖBBの燃料電池車両の話題」をお届けしましょう。

2020年5月の当ブログで、大容量バッテリーを搭載し、電化区間と非電化区間の両方を走ることができる車両「CityJet eco」をご紹介しましたが(詳しくはこちらから)、遂に燃料電池車両の営業試運転が始まりました。

この車両は大手鉄道車両メーカーAlstomが製造した「Coradia iLint」(コラディア・リント)の燃料電池バージョンで、世界初の量産型水素燃料電池駆動鉄道車両です。

2020091412最高速度は時速140km/h、水素タンク(90kg2本、屋上に設置)満タンでの航続距離は600~800kmです。

ドイツ語では「Wasserstoffzug」と言われますが、水素で走る訳ではなく、「水素」と空気中の「酸素」を反応させて発電し、その電力でモーターを駆動します。

「Coradia iLint」は110kWhのリチウムイオン電池も搭載しており、燃料電池で発電した電力は、この二次電池に蓄えられます。

2020091413また、電力回生ブレーキを装備しており、減速時に発電した電力は二次電池に充電されます。

ÖBBが今回、レンタルで導入した「Coradia iLint」の形式は654型(2両編成)ですが、今回の営業試運転に際して、メーカー標準塗装から、前面部分だけ独自の塗装(ステッカー仕様)に変更されました。

2020091416営業試運転区間はWiener Neustadt-Puchberg間、またはGutenstein間で、2020年9月12日から11月26日まで、実際の営業列車で乗客を乗せ、試験運転を行っています。

また、曜日によってはWien Hauptbahnhofまで顔を出します。

2020091414この区間が選ばれた理由は、線形が厳しく、将来の本格導入を見据えて、路線適合性や使い勝手を試すには最適と判断されたためです。

このプロジェクトは気候エネルギー基金の支援を受けており、VERBUND AG、Shift2Rail Joint Undertaking、AIT(Austrian Institute of Technology)、HyCentAといった組織の協力を得て行われています。

ÖBBでは、この車両を積極的にアピールするため、ダイヤを自社のWebサイトで公開しています。

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September 13, 2020

「Wiener WIESN」(オクトーバーフェスト)も様変わり

2020091301全米オープンテニス決勝で、大坂なおみ選手がは、ビクトリア・アザレンカ選手(ベラルーシ)との対決を制し、2回目の優勝を果たしましたね。

テニスは、オーストリアでも人気が高いスポーツなので、こちらの新聞でも取り上げられています。ちゃんと日本選手と書かれています。

新型コロナウイルス渦のため、欠場した選手が多かったとは言え、久しぶりの快挙と言えるでしょう。おめでとうございます。

2020091101例年、ウィーンでは9月から10月にかけて、本来、各種イベントが多数開催されます。秋は気候も安定してくるので、各種イベントを楽しみにしているウィーン子も沢山います。

さて、当ブログでも、会場の様子をご紹介したことがある、ウィーンにも定着化したプラーターの特設会場で開催される「Wiener WIESN」(オクトーバーフェスト)。

新型コロナウイルス渦のため、ドイツ・ミュンヘンのOctoberFestは、早々に中止が決定しましたが、ウィーンの方は方針が決まっていませんでした。

なお、当初の開催予定は2020年9月24日から10月11日まででした。

2020091105さすがに屋内の大規模イベントで、なおかつアルコールが入るため、「三密」を回避することは困難。開催断念と思われましたが、何とステージの模様をライブストリーミング配信し、ご家庭で「Wiener WIESN」を楽しんでもらうという企画が発表されました。

名称は「WIESN #dahaom」で、ライブストリーミングは無料で見ることができます。主催者は、ご自宅で“歌って、遊んで、踊って、笑って、楽しんで”とアピールしています。

2020091102さすがに開催日は1日だけで、10月17日に開催。こちらではインターネットテレビが普及しているので、ライブストリーミング配信を大画面テレビで見ることを想定しているようです。

さすがにパソコンの小さい画面では、盛り上がりに欠けますからねぇ。

そして、主催者側が考えた二つ目のアイデアは、「WIESN #dahoam Kistl」の通販。お値段は29.9Euroです。

内容は会場で提供されているGösser Bier(Gösser MärzenとGösser Natur Weizen各1本、いずれも1リットル)とシュナップスの小瓶をはじめ、プリッツやクラッカー、サラミなど各種のおつまみ。通販なので、おつまみは乾き物なのは致し方ありません。

2020091103また、Wiener WIESN 2021で使える20Euroのバウチャーが付いています。つまり実質9.9Euroですから、かなりオトクです。

また、抽選券も同封されており、当日のライブストリーミング中に当選番号が発表されます。賞品はWiener WIESN 2021のVIPチケットをはじめ、Gösser Bier1ヵ月分、ディアンドルセットなど。

抽選の発表がライブストリーミング配信中に行われるので、それなりに盛り上がりそうです。

この「WIESN #dahoam Kistl」は、10月10日から15日の間に宅配される予定です。でもお酒は、このキットの内容だけでは、正直、不十分ですね。もっとも「1人分」ならばOKですが‥

2020091104さらに、当日、演奏する「TOP 20 WIESN HITS」の人気投票もホームページで開催中。投票数の多かった楽曲はWIESN #dahaomのライブショーで演奏されます。

しかし、「Wiener WIESN」に行くと、オーストリア人が、この手のお祭になると、「箍が外れること」を体感できます。乗りの良いバンド演奏に合わせて、テーブルの上で踊り出すグループも多数。

また、会場内ではグループメンバー同士はもちろん、見ず知らずの人とダンスをする人も‥

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September 12, 2020

Reumannplatzのリニューアル工事完成

20200911209月11日(金曜日)、連邦政府は「コロナ信号」の更新を発表しました。図のようにWien、Graz、Innsbruck、Korneuburg(ニーダーエスターライヒ州)、Wiener Neustadt、Kufstein(チロル州)、Schwaz(チロル州)が「黄色」です。

リンツは黄から緑になっています。ウィーンについては、当初、オレンジになる可能性が示唆されていましたが、最終的には黄色で留め置かれました。

ただ、感染者が再び増加傾向にあるところから、ウィーン市ではマスク着用範囲の拡大など、規制を強化しています。

また、連邦政府も来週から、イベントへの参加者制限を強化することを発表しました。具体的には自由席の場合、屋内50名、屋外100名です。なお、座席指定の場合、屋内1500名、屋外3000名です。この結果、シーズンが開幕した歌劇場などの運営が若干、変更される可能性があります。

2020091110今日は「Reumannplatzリニューアル工事完成の話題」をお伝えしましょう。

2017年9月の地下鉄U1 Oberlaa延長開業に伴う路面電車運転系統再編成により、Favoritens(10区)の中心部にあるReumannplatzは大きく、その使命が変わりました。

U1延長開業までは、U1と路面電車67系統などの乗り換えターミナルとしての使命を終え、再開発プランが検討されていました。

日本ならば路面電車の軌道敷を道路に転用しそうですが、環境負荷の軽減を目指すウィーン市では、軌道敷により分断されていたReumannplatzの拡張を決定します。基本的なコンセプトは、以下のとおりです。

2020091116-緑を増やす
-利用者の安全を確保した通路
-ベンチの増設
-水の提供
-誰でも楽しめる運動施設と遊具設置
-清潔感を高める
-自動車の交通量を抑制する
-自転車との共存を考慮

202009111410区のホームページには、このコンセプトに基づいて、検討した報告書も掲載されていましたが、地域住民の意向も踏まえて幅広い角度で検討されたことがわかります。そのため、基本プラン(都市計画)の策定に2年近くかかったようです。

基本プランの策定後、工事は2019年9月から開始され、先日、工事が完成し、Birgit Hebein副市長ら関係者が出席してオープニングセレモニーが開催されました。

2020091113リニューアル工事のポイントは「住民のオアシス」にするため、緑地の拡張(従来より13%増)。拡張されたエリアに78300本の多年草、109本の樹木が植えられました。

今回のリニューアルでは、直射日光を遮る多くの日陰が生まれ、ミストシャワーなどの冷却設備も設けられました。

2020091115さらに17の遊具やスポーツ施設も設置されたほか、地元の皆さんがパフォーマンスを披露するためのイベントスペースも誕生。まずは「1. Mädchenbühne」が開催されます。

ウィーン市の地図を見ると、路面電車の停留所で分断されていたReumannplatzが一体化され、大きな公園に生まれ変わったことがわかります。

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September 11, 2020

“Animal Hoarding” 動物への情熱が苦しみをつくり出す悲劇

2020090901今日は「ペットにまつわる悲しいお話」です。

先週末、ウィーンでショッキングなニュースがありました。「アパートから62匹の猫が当局により救出された」というものです。

Brigittenau(20区)のアパートから救出された猫は、事実上、放置されており、病気を患っていたり、妊娠していたものも含まれていたそうです。

救出された猫はTierQuarTier Wienに収容されて、ケアを受けています。今回ご紹介した写真は、TierQuarTier Wienでケアを受けている猫たち。

なお、報道によると飼い主の女性には7500Euroの罰金に加えて、猫を治療するための医療費を支払う必要があるそうです。

飼い主の女性、動物の飼育が禁止されていたようですが、虐待目的で猫を飼っていた訳ではありません。

Feriは今回の事件まで知らなかったのですが、生きた動物を大量に集めることを「Animal Hoarding」と言うそうで、精神的に病んでいる人の行動だそうです。

そのため、“飼い主に対して適切な治療を行わないと、同じような行動を繰り返してしまう”とTierschutzombudsstelle Wien(TOW)専門家は警告しています。

2020090902飼い主は、"どんな動物も拒絶せず、皆を助けるという「救世主」のような使命感で動物を集めてしまうが、結果として十分な世話がができず動物たちを苦しめてしまうことに気づかない”のだそうです。

このような事件は、今回は初めてではなく、ウィーンでも発生しているそうです。ちなみに2019年は5件、発生しています。2020年では、今回の件が初めてでした。

集める動物は犬や猫に限らず、モルモットなどの小動物も対象になっており、ゴミや排泄物が堆積して、何匹いるのかがわからないケースもあるそうです。

なお、獣医師の調査によるとオーストリアの「Animal Hoarding患者」は、平均41匹の動物を飼っているそうです。また、大半は40歳以上の女性という調査結果も出ています。さらに2/3は一人暮らしだそうです。

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September 09, 2020

コロナ信号(Corona-Ampel)がスタート

2020090801ウィーン国立歌劇場では新総裁となった初シーズンが7日に開幕。「マダムバタフライ」のPremiereでスタートしました。ORFでも生中継があり、自宅でご覧になった方も多かったようです。なかなか斬新な演出。Feriもテレビ中継を見たので、これについては、別途、お伝えするかもしれません。

また、オーストリアでは9月から学校の新学期がスタートしていますが、連邦政府では新型コロナウイルス対策の一環として「コロナ信号(Corona-Ampel)」の運用を開始しました。

日本では、地区ごとに感染者数をマスコミが報道していますが、実際に、その地域では、どの程度、警戒すればよいのかがよくわかりません。

今回、オーストリア連邦政府が導入した「コロナ信号」は、行政区ごとにリスクを信号に例えて示すものです。

「コロナ信号」については、野党を中心に反対意見も多いようですが、連邦政府としては、国民にわかりやすい指標として導入にしたものと思われます。

各信号の基準については公式ホームページに掲載されています。例えば、緑の場合は、対象地域の人口規模に対して、7日間の累積感染者発生数が低いこと、感染ルートが明確、集中治療室の利用率が低い、感染者が海外からの入国者中心などとなっています。

現時点では毎週金曜日、更新されます。

2020090802コロナ信号は交通信号に近いですが、4段階です。緑(Grün、niedriges Risiko、低リスク)、黄(Gelb 、mittleres、中リスク)、オレンジ(Orange、hohes、高リスク)、赤(Rot、非常に高リスク)。

-緑:低リスク
ベースとなる「緑」は低リスクなので、「新しい生活様式」(手洗いの励行、ソーシャルディスタンスの確保など)のルールに則っている限り、規制はありません。

閉鎖空間でのイベント(オペラ、劇場、スポーツ)は、座席指定の場合、最大5000席まで開催可能です。なお、着席時以外はマスク着用が必要です。

2020090803屋外では、定員が10000名まで許可されますが、ソーシャルディスタンスを確保できない場合は、マスク着用が義務づけられます。

また、閉鎖空間で座席が指定されていないイベントは、最大200名まで許可されます。ただし、常時、マスクの着用が義務づけられます。

病院へ通院する場合、ソーシャルディスタンスの確保と院内でのマスク着用が義務づけられます。これは老人ホームの場合も同様です。実際に規制が強化されるのは、「黄」以降です。

-黄:中リスク
学校、レストラン、イベントのコロナ対策を強化されれます。

学校では、「衛生上の注意が強化された上で、通常どおりの運営」が行われます。具体的には校内でのマスク着用、換気と消毒の強化、スポーツ活動や合唱の屋外での実施などです。

2020090807閉鎖空間である歌劇場や劇場、スポーツ施設、展示会場などでは入場者数が最大2500名に制限されます。同時に施設内ではマスク着用が義務づけられます。

なお、座席のない屋内イベントの場合、100名に制限されます。一方、屋外イベントは指定席制の場合、5000名が上限です。自由席の場合は100名が上限です。屋外イベントでも指定席着席時以外はマスク着用が義務づけられます。

現在、ウィーンは「黄」に指定されているため、Volksoperなどの劇場でも、この基準が適用されています。

9月から始まったウィーンのVolksschule(小学校)では、写真のように玄関には「コロナ信号」が啓示され、新入生と親御さんもマスク着用で登校しました。まさかオーストリアで、このような光景を見るとは想像もできませんでした。

2020090808ソーシャルディスタンスの確保はもちろん、公共交通機関、店舗、ガソリンスタンド、金融機関を利用する際にはマスク着用が義務づけられます。また、オフィスを訪問する場合もマスク着用が義務づけられます。

さらにスタッフと長時間接触する美容室、マッサージサロン、ネイルサロンでも従業員はマスク着用が義務づけられます。

病院の場合、事前の予約および院内に入る前のスクリーニング、来院者の記録が行われます。

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September 08, 2020

Koralmbahn のMittlern新駅が9月7日、開業

2020090702日本では大型台風10号が九州付近を通過しましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。Feriも九州にはお取引先も含めて知人が多いので、心配です。

さて、今日は「ÖBBの新線部分開通の話題」をお届けしましょう。

現在、ÖBBが進めている大規模プロジェクトがGraz -Klagenfurt間を最短45分でダイレクトに結ぶKoralmbahn(コラムル線、127km)という新線です。

このプロジェクトの中核となるKoralmtunnelは、このブログでもお伝えしたように2020年6月17日、北トンネルが貫通し、大きな山を越えました。

2020090701もちろんトンネル建設だけでなく路線全体の建設工事も平行して進められていますが、9月7日、クラーゲンフルト側の新線でPribelsdorf-Mittlern間(4km)が開通し、新しいMittlern駅が営業を開始しました。

なお、Pribelsdorfに駅はなく、この街にある新線と在来線の平面交差区間で新線へ乗り入れる形になりました。

航空写真は平面交差区間ですが、上から下に伸びているのが新線、横に伸びているのが旧線です。

Koralmbahn の新線区間で駅が開業するのは初めてなので、ÖBBでは「Koralmbahnのマイルストーン」と位置づけています。

2020090705同区間が先行開業した理由は、在来線とルートが重なるためです。つまり、今後、工事を円滑に進めるため、部分的に新線への切替を早期に行ったという訳です。

現在、Mittlern駅はKärnten S3(Klagenfurt-Weizelsdorf間)のルートにある駅で、同線は月曜日から金曜日まで1時間間隔で運転されています。

新しいMittlern駅はKoralmbahnに設けられる23駅の一つで、完全バリアフリー仕様で建設されました。

最近のÖBBのスタイルに則り「Park&Ride」方式が採用され、約40台分の駐車場が併設されています。また、自転車やバイク用の屋根付駐輪場も設けられています。

2020090704Googleの航空写真を見ると、街に近い場所にある旧駅と森を貫く新線の途中にある新駅(下側)はかなり離れていますが、今回の新駅開業に伴って新たに連絡道路(地下道を含む)が建設されました。

新駅では路線バスと鉄道のシームレスな接続も考慮されており、専用ロータリーが建設されました。

なお、Koralmbahnの建設に当たって、ÖBBでは環境保護、生態系保護にも力を入れており、今回の新駅建設に際しても様々な対策がとられています。

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September 07, 2020

9月4日は「ウィーン集合住宅の日」

2020090501ウィーン市では、人口増加に淡さ得て集合住宅の整備を進めていますが、市営住宅などの都市住宅政策の成果をアピールすることを目的に、今年から9月4日が「Tag des Wiener Wohnbaus(ウィーン集合住宅の日)」になりました。

9月4日が選ばれた理由は、1923年から1934年にかけて世界的にも高い評価を得ている集合住宅建設計画が遂行したKarl Seitz市長の誕生日に由来します。

2枚目の写真で中央の像がKarl Seitz氏です。

9月4日には、フロリッズドルフにあるKarl Seitz公園でMichael Ludwig市長と住宅評議員のKathrin Gaal氏が記者会見を行いました。

2020090502ウィーンでは、現在、民間主導の再開発事業が各地で行われていますが、その多くは、富裕層向けの高級アパートです。また、需要の増加によりウィーンではアパートの家賃が高騰しています。

ウィーン市では、賃料の高騰を抑制するため、市営住宅の建設や民間アパートへの家賃補助などを進めています。ちなみに現在、ウィーン市の公営住宅は約22万戸、補助金付き住宅が20万戸以上あります。

しかし、まだまだ不足気味。そこで、現在、公営住宅約24000戸を建設する計画を進めています。さら投機目的の民間アパート建設を抑制するため、2019年以降、新しく住宅用に転用された土地では、約2/3を公共目的で使用することを義務づけています。

2020090503また補助金交付の対象となっている民間の集合住宅は定期借家契約ではなく、入居者は無期限で使用できる制度になっています。

記者会見当日、Michael Ludwig市長は、現在、建設が進められており、今後、数年間で入居が可能になる4353戸の公営住宅の概要を発表しました。

この中には、昨年末から入居が始まった10区のFontanastraße にある「Barbara-Prammer-Hof」も含まれています。また、マイドリンクに建設が進められている「Emil-Behring-Weg 123」も今年中には入居が開始されることになっています。

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