22区に新しい学校ができます
今日は「学校の話題」をお届けしましょう。ご存じの方も多いように、こちらでは9月から新学期が始まります。そのため、それに合わせて、今の時期、学校関連施設の整備などが行われています。
先日、ウィーン市から22区にできる新しい学校の様子が公開されました。22区(Wien-Donaustadt)は人口急増地帯であるため、公立学校の増設が行われたようです。
新しい学校の名称は「Bildungscampus Berresgasse」ですが、興味深いのは、その構成です。
この学校ですが、幼稚園(Kindergarten)、小学校(Ganztagsvolksschule)、中学校(Neue Mittelschule)が併設された複合施設になっています。そのため、0歳から14歳までの子供さんが、一つの施設で学ぶことになります。
また、障がいを持った子供さんにも対応するための特別クラスも開設されます。
また、単に施設を併合しただけでなく、教育プログラムの中に、学校のカテゴリーを越えた交流を行うことも予定されているようです。今回の学校建設に当たっては、このような運用を視野に入れた設計がなされています。
オーストリアの初等教育は、幼稚園への1年の通年を経て、日本の小学校に当たる4年制のVolksschule(フォルクスシューレ、6歳~10歳)へ通うことになります。そして、小学校卒業後は、4年制の中学校もしくは一般教育中学校に進学します。
一般教育中学校の場合は、4年間の教育を受けた後、職業教育か、一般教育(後期、日本の高等学校に当たります)のいずれかを選択します。
一方、中学校に進んだ場合、4年間の教育を受けた後、総合技術教育課程(1年間)へ進学します。それ以降は、専門的な技術教育へ進みます。
そのため、今までは、フォルクスシューレ卒業時点で、自分の人生をある程度、決定する必要がありました。
今回の学校は、未来の教育モデルとしてウィーン市が企画したもので、中学校と一般中学校を併合し、フォルクスシューレ卒業時点で、進路選択をしない方式が採用されています。
日本でも、最近は小中一貫教育が注目されていますが、それに近い考え方だと思います。
この学校は、2019年秋の開校に向けて、現在、躯体は完成し、内装工事が急ピッチで進められています。当局が公表した写真を見るとユニークなデザインもさることながら、外壁に木材を使っているようで、温かみのある設計になっていますね。
一見すると大学など高等教育機関のキャンパスを思わせます。開講後は0歳から14歳までの子供、1000人が学ぶことになります。
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