January 27, 2020

ウィーン市がクリーンエネルギー推進キャンペーンを展開

20200126001今日は「クリーンエネルギー導入推進プロジェクトの話題」をお届けしましょう。

ヨーロッパでは、人工的に排出されるCO2が地球温暖化の主要因であると「目の敵」にされているのは、皆さまもご存じのとおりです。

そのため、化石燃料を使う交通機関に対しても厳しい目が向けられています。

ただ、一部には「人工的に排出されるCO2は、地球の気候を変動させるほどの量ではない」という説を訴えている専門家もいますが、事実上、無視されているとか‥まぁ、色々と「大人の事情」が絡んでいるのでしょう。

さて、ウィーンでは、市内を歩いていると宅配便の業者さんが貨物自転車で配達している光景をよく目にします。

20200126002日本でも都心部ではリアカーを使って宅配便の配達をしているようですが、日本の場合は、配達用車両を止める駐車場問題が理由のようなので、背景が違いますね。

さて、ウィーン市では、2020年、エネルギー効率の高い輸送手段を充実させるための資金援助キャンペーンを開始します。

企業やNPOを対象とした支援策としては、物流事業で電動貨物自転車の導入と運用を推進するため、資金を援助します。

ご存じのように物流は化石燃料最大の消費者。そのため、都市部では化石燃料を使う自動車から、クリーン電力で運用可能な電動貨物自転車へのシフトを推進しようという政策です。

ウィーンはコンパクトシティなので、市内の小規模輸送に関しては、電動貨物自転車を活用することで、交通混雑緩和も期待できます。

20200126004資金調達キャンペーンは、2020年2月1日から開始され、2021年末まで行われますが援助する資金総額は280万Euro。

ちなみに荷物搭載量40 kg~100 kgの電動貨物自転車を導入する場合、取得費用の最大50%が補助金対象となります(最大2000Euro)。

さらに貨物搭載量100kg以上の大型電動貨物自転車または電動貨物トレーラーの場合、取得費用の最大30%が補助金対象となります(最大4000Euro)。

一方、地域住民を対象としたプロジェクトでは、住宅から最寄りの公共交通機関までの電動シェアバイク導入が補助金対象となります。

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January 25, 2020

銀行社屋の再利用方法は?

20200124024今日は「建物再利用の話題」をお届けしましょう。

ウィーンの旧市街は世界遺産に指定されていることもあり、再開発もある程度、制約を受けています。そのため、田野エリアのように派手に「スクラップアンドビルド方式」で再開発ができないようです。まぁ、それでも随分、雰囲気は変わりましたが‥

そのため、旧市街では、古い建物のファザードを活用し、内部を一新するというプロジェクトが一般的です。

20200124022代表例は、このブログでもご紹介したことがAmHofに面した場所にあるホテル「Park Hyatt Vienna」でしょう。ここは、ご存じの方も多いと思いますが、かつてはBank Austriaでした。いかにも銀行らしい重厚な建物は存在感がありましたね。

その後、合理化に伴い、銀行は廃止され、ホテルに衣替えしました。Feriは敷居が高くて、利用したことはありませんが、大金庫跡を活用した施設があったような気がします。

さて、Am Hofからほど近いSchottentorにもBank Austriaの社屋(旧本店)がありました。1912年(大正元年)に建設された歴史ある建物で、テナントは何回か変わっていますが、金融機関が入っていました。

過去形になっているのは、2017年に銀行は撤退し、屋上の看板もかなり前に外されています。実際には2014年、前の所有者から投資グループに売却されたそうです。

20200124025Am Hofの社屋と同じく、旧市街にある伝統的な「重厚な石造りの建物」なので、スクラップアンドビルド方式での再開発は困難。どうなるかと気になっていたのですが、先日、前を通りかかったところ、養生シートに「HAUS AM SCHOTTENTOR」というロゴが描かれていました。

PEMA HOLDINGというデベロッパーの名前も出ていました。ちょっと調べたところ、建物の所有者からPEMA HOLDINGが新しいコンセプトに基づく再開発を依頼されたようです。

20200124023プロジェクトは建築家Heinz Neumann氏が中心になって薦められており、1階にはスーパーマーケットのSPARがテナントとして入る予定です。

地下にはフィットネスセンターが設けられますが、2階以上はビジネスセンターに生まれ変わることがわかりました。Feriは、当初、名称からアパートになるのでは‥と思ったのですが、ビジネスユースに特化するようです。

フロアー全体を企業に貸し出すのではなく、小規模な企業や個人事業主向けのレンタルオフィスやバーチャルオフィス、共有会議室といったサービスが提供されます。もちろん通信環境が整備されているのは言うまでもありません。

Feriは、以前、BankAustriaに口座を持っていた時、ここを利用したことがありますが、荘厳な1階ロビーに度肝を抜かれたことがあります。

 

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January 23, 2020

いずこも同じ? 数字のマジック

20200123004昨日、1月22日から「Wiener Eistraum 2020」が始まりました。オープニングから最初の週末は、きっと賑わうことでしょう。

さて、今日は「政策決定に重要な役割を果たす「調査結果にまつわる話題」です。

日本も含めて、様々な政策を決定する際、「国民や住民の支持を得ている」というバックグラウンドがあると、政治家は政策を決定しやすくなると思います。

20200123002その一つが選挙ですが、スイスのように重要な政策は国民投票で決める国以外では、様々な調査やアンケート結果を背景に政策決定をするケースが多いと思います。

さて、2018年4月からウィーンのプラーター周辺はアルコール禁止になったのは、このブログでもお伝えしたとおりです。

ただ、これは試験的に行われているもので、治安の維持などに寄与しているかどうかを踏まえて、規制を続行するかどうかを決めることになっています。

p<市当局は報道発表で、「アルコール禁止により治安が向上している」という質問に対して、「知らない(わからない)」と答えた割合の高さと、この値を考慮した場合の全体的な結果は表示せず、「67.8%が賛成と解答した」と発表したようです。

20200123003もし「知らない(わからない)」と答えた層を含めると、実際の「賛成」は約1/4に下がることが判明したというものです。

市当局は「知らない(わからない)」と答えた人は、「ポジティブまたはネガティブな声をより明確にするために除外した」と表明しているようです。

しかし、賛成したパーセンテージを上げるために、あえて「知らない(わからない)」と答えた層を除外したのではないかという疑問をもっているマスコミもいるようです。

これを受けて、Michael Ludwig市長は記者会見で、「率直に言って、調査結果が過半数に達しなかったとしても、この措置を継続することに賛成していただろう。政治的な決断をしなければならないのは、攻撃的なアルコール依存症の側ではなく、嫌がらせを感じている女性や少女の側に立つことである」と述べています。

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January 11, 2020

オーストリア新政権発足

20200110004「三聖王の日」が終わり、こちらはクリスマス・新年モードから、通常モードに切り替わりました。

クリスマスツリーの回収は1月12日が最終日。街角にあるクリスマスツリー回収臨時ステーションには、役目を終えたツリーがうずたかく積まれています。もちろん、これらは資源として再利用されるので、ご心配なく。

20200110001さて、今日は、このブログではほとんど取り上げない「政治の話題」です。

日本では取り上げられていないかもしれませんが、オーストリアでは「国民党」(Österreichische Volkspartei、ÖVP)と「緑の党」(Die Grünen - Die Grüne Alternative)の連立政権が発足し、現在、国民議会が開催されています。

新政権では、「国民党」のクルツ党首(Sebastian Kurz)が、従来どおり首相となり、財務相、外相、内相、経済相、国防相など主要閣僚ポストを「国民党」が占めています。

20200110002一方、「緑の党」は副首相、環境インフラ相、司法相、社会相のポストが割り当てられました。

昨年、行われた国民議会選挙では、国民党が得票率約37.5%を獲得し、第一党となりました。また、ヨーロッパで盛り上がっている地球温暖化問題が追い風となり、「緑の党」が得票率13.9%と大躍進しましたが、国民議会では第4勢力。

第二党は社会民主党(SPÖ)なのですが、国民党との政策が大きくことなるため、連立は断念。その結果、「緑の党」との連立になったものです。消去法のような選択ですね。

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January 02, 2020

オーストリアEU加盟25周年

202001011032019年のシルヴェスターですが、例によって旧市街は大いに盛り上がったようです。80万人の人出だそうですから、すごいですね。

ただ、今回は、強風のため、恒例の「Rathausplatzでの花火」は急きょ、中止になりました。旧市内の屋外パーティーですが、午前2時頃には人が少なくなり、そのタイミングを見計らって、予めスタンバイしていたMA48の職員が一斉清掃に乗り出しています。

恒例の「Neujahrskonzert der Wiener Philharmoniker 2020」(今回で80回目)については、多くの方が取り上げると思うので、このブログでのコメントは控えます。今回はコンサートが行われる楽友協会の建物が完成して150周年を迎えました。

さて、日本は、今年9連休という方も多いと聞いていますが、こちらは2日から2020年の仕事始めです。

そして、市内には役目を終えたクリスマスツリーを回収・リサイクルするための「Christbaumsammelstelle」が1月12日まで設置されています。

ただ、実際には1月6日が「Heilige Drei Könige」(三聖王の日、祝日)なので、それまでは、何となくクリスマスから続く休暇モードの人もいます。実際、Feriが贔屓にしている某ホイリゲは、2020年の営業開始は1月9日からです。

20200101102今日は、視点を変えて「政治・経済の話題」をお届けしましょう。

今年はオーストリアがEUに加盟して25周年を迎えます。1994年6月12日、国民投票で過半数の有権者がEU加盟を支持しました。それを受けて、1995年1月1日、EU加盟が実現しました。

ご存じのようにオーストリアは第2次世界大戦後、永世中立国としてスタートしましたので、本来ならばスイスのようにEUに加盟しないのが筋なのですが、この当たりは「お家の事情」が合ったのでしょう。

専門家は、オーストリアのEU加盟は成功であったと分析しているようです。ただ、オーストリアはロシアとのつながりも強く、その点、他のEU加盟国の中には、不満を頂いている国もあるようです。

なお、オーストリアは軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)には加盟していませんが、EUの共通外交・安全保障政策に加わっており、NATOの「平和のためのパートナーシップ」のメンバーです。

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December 23, 2019

完全禁煙化の顛末と涙ぐましいホイリゲの喫煙対策

2019122100712月21日は、Feriの「父の命日」でした。
このブログを長くご覧になっている方はご存じかもしれませんが、平成に入ってから亡くなったため、平成の「天皇誕生日」だった12月23日は火葬場が休業しており、父の葬儀は12月24日になりました。
キリスト教徒(プロテスタントですが)だった父の葬儀が、通っていた教会の礼拝堂でクリスマスイブに執り行われたことに、参列者の多くが、驚いたものです。

さて、今日は「屋内禁煙の話題」をお届けしましょう。先日、コメント欄で2019年11月からオーストリアでは飲食店が室内全面禁煙になった理由についておたずねがありました。

Feriは、政治の専門家ではありませんし、常時、政治関連のニュースをチェックしている訳でもないので、若干、違っているところがあるかもしれません。

20191221001まず、国民党(ÖVP)と自由党(FPÖ)連立政権が、前政権時代の2015年に成立した全面禁煙法案を撤回しました。これには自由党の意向が強く働いたと言われています。
ところが、2019年5月、自由党Heinz-Christian Strache(ハインツ=クリスティアン・シュトラッヘ)党首のスキャンダル(ドイツのテレビ局が放送したイビツァ島でロシア新興財閥の関係者と名乗る女性の密会盗撮ビデオ)が元で、連立政権が終焉を迎えました。

そして、2019年7月、国会で自由党を除く全会一致で、禁煙法案の施行が再可決されました。なお、禁煙法の法案成立時に2019年11月1日から施行と定められていたようです。

201912210044ヵ月間は、全面禁煙準備猶予期間という意味でしょう。しかし、以前は、完全分煙での営業が認められており、そのために多額の費用を使って分煙に踏み切ったCaféも多数あります。

さらに、完全分煙化の費用を捻出できず、営業権を他社に売り渡したCaféも存在します。そのように考えると、釈然としないオーナーさんが多いかもしれません。

実際、今までは喫煙が許可されていた小規模なCaféでも全面禁煙化されたため、玄関脇に灰皿を置いて、寒い中、そこでたばこを吸いながら歓談している愛煙家を多数見かけるようになりました。

20191221002ホイリゲに関しては、ビュフェを境に喫煙室と禁煙室に分けているところが多かったのですが、11月から喫煙室は禁煙室に衣替え。

今はタバコを吸わないFeriにとっては、席が選びやすくなってご機嫌です。暖かい時期でしたら、店外でタバコを吸うことは余り苦にならないかもしれませんが、寒さが厳しい今日この頃。ホイリゲ側も色々な対策をとるようになりました。

20191221003一つは、冬は営業していないシャニガルテンに「小屋」を設置して、そこを禁煙室にするというパターン。ただ、ドアを付ける訳にはいかないため、実質、吹きさらしですが‥

一部のホイリゲでは、喫煙コーナーに暖房装置(遠赤外線電気暖房装置やガスストーブなど)を設置しているようです。Adventの時期は、写真のように電飾をしている喫煙コーナーもあり、ホイリゲの涙ぐましい努力が感じられます。

また、鉄道駅構内もプラットホームも含めて全面禁煙になりました。

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December 03, 2019

深刻化するリゾートアパート問題

20191202000611月、当ブログで最もページビューが多かったのは、11月18日でした。また、11月のエントリーでご覧になった方が多かったのは「日本オーストリア修好150周年記念切手」、「“ベルリンの壁”崩壊、30年に思う」などでした。

さて、今日はオーストリアのリゾートエリアで、最近、問題化している「リゾートアパートの話題」をご紹介しましょう。

バブル全盛期、日本でもリゾートエリアにマンションが大量に建設されたことがありましたね。当初は強気の価格設定だったようですが、バブル崩壊後、分譲価格が下落。信じられないような低価格で販売されていたという話を耳にしたことがあります。

ちなみに、以前、Feriが務めていた会社でも、社員の福利厚生施設として越後湯沢近くの高層マンションの一室を購入したことがありました。

ちなみに社長に購入価格を聞いて、その安さにビックリした経験があります。

201912020003さて、先日、昼間にORFを見ていたら、興味深い番組を放送していました。途中から見たので、特集のタイトルは失念しましたが、「リゾートエリアで続々とリゾートアパート(日本のマンション)が建設されており、これが地域住民とのあつれきを生んでいる」といった内容でした。

リゾートエリアですから、観光客が来ることは基本的に歓迎なのですが、一時滞在を前提としたホテルやペンションではなく、問題は「インバウンド需要を狙った分譲アパートの建設」という点です。

建設されているのは、ザルツブルク州やチロル州などにあるスキーリゾートや国立公園エリアが中心。

201912020005建設しているデベロッパーとしては、海外の富裕層に販売することを念頭にしており、「景色が良い」というのが最大のウリです。

何が大きな問題になっているかというと、景観を損ねるという要素もあるのですが、それ以上に問題なのは、地域住民と新住民との間に発生する軋轢。

ウィーンでも、旺盛な需要を踏まえてスクラップアンドビルド方式でアパート建設が進められており、高級アパートの入居者は、海外の富裕層が多いと聴いています。

しかし、ご存じのようにウィーンは、元々、他民族都市。実際、ウィーン市内を歩いていると、ドイツ語がほとんど聞こえてこないエリアも沢山あります。

そのため、「外国人に対する抵抗がない」とは言いませんが、比較的低いと思います。

201912020002それに対して、リゾートエリアの場合、元々、住んでいる住人はオーストリア人で、多くは農業・酪農業を営んでいる皆さま。

最近では、繁忙期にはホテルで外国人従業員が働いているケースもあるようですが、定住者の多くは古くから住んでいるオーストリア人です。

そこへ、大量の外国人が流入してくる訳ですから、生活習慣の違いなども相まって、新住民に対して、ある種の嫌悪感を抱く方々が増えてくるのは、やむを得ないかもしれません。

番組では、地域住民だけでなく、自治体やデベロッパーの責任者にもインタビューをするという多角的な構成になっていました。

201912020004デベロッパーとしては、法令に違反することなく建設を進めており、景観にも十分配慮しているという主張です。確かに新しくできたアパートも、高層アパートではなく低層で、周囲に配慮したデザインになっています。

また、自治体としては、通常の観光客ではなく、新しい定住者が増えることは、税収の増加につながりますから、法令違反がない限り、表立って規制を打ち出すことには抵抗があるようです。

201912020007番組では新しい住民の様子も映し出されていましたが、ベールをかぶった女性など、中東系住民の姿も‥当然、生活習慣も大きく違うので、古くから住んでいる地域住民の皆さまから見ると、違和感を強く感じるのでしょう。

これが、ペンションなどであれば、長くても滞在期間は限られていますが、分譲アパートになると、維持コストを考慮すれば、そのに一年中、住むとは言わないまでも、滞在期間は長くなるのは当然です。

実際、将来的にイスラーム系の住人が増えてくれば、モスクの建設などという話に発展することも考えられます。

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November 06, 2019

地下鉄の保線用重機

20191105001今日は「地下鉄の話題」をお届けしましょう。

このブログでも、度々、お伝えしているようにウィーン地下鉄U4は、現在、大規模改修工事を実施しています。9月には夏休みを利用し、路線を一部運休にして行われた工事も終了し、全線での運転が再開されました。最もPilgramgasse駅については、U2駅新設工事が同時に行われているため、現在も休業中ですが‥

運休中は、大型重機を入れて路盤の改修工事が行われていたことが、Wiener Linien提供の写真でもわかりました。

20191105004さて、先日、出先から馴染みのホイリゲに行くため、U4でHeiligenstadtまで出ました。Heiligenstadt駅は、既に大規模改修工事も完了し、きれいな姿になっています。また、併設する車両基地も運用を開始しています。

FeriがHeiligenstadt駅に到着した列車からプラットホームに降りて、びっくり仰天。

何と反対側の保線用重機が留置されているではありませんか。奥に留置されていたのは、日本でもおなじみの保線重機Plasser & Thurer社製のマルチプルタイタンパー。マルチプルタイタンパーとは、日々、列車の走行によって生じたレールの沈下や歪みを矯正する保線重機です。

20191105003レールを持ち上げて、タンピングツールという爪をバラストに落とし込み、枕木の下を締め固めていきます。マルチプルタイタンパーを製造しているメーカーは世界でも3社で、Plasser & Thurer社はオーストリアの会社です。

同社は1953年に設立された会社で、本社はウィーン、工場はリンツにあります。ヨーロッパ各国の鉄道はもちろん、ロシア、アフリカ、中南米、アジア、日本にも輸出している世界規模のマルチプルタイタンパーメーカーです。

日本のJRや民鉄でも、同社製のマルチプルタイタンパーを採用しているところが多数あります。まぁ、地元ですから、当然なのですが、興味深いのは所属がWiener Linienではなく、工事会社になっている点でしょうか。

20191105002ただ、車体に貼られていた銘板を見ると、機械そのものはWiener Lokalbhnen Cargo GmbHが所有しているようです。さらに興味深いのはWiener Linienの車検証が貼られている点です。

恐らく同社の車検証がないと、Wiener Linienの路盤で作業することができないのかもしれません。

この他、Feriが気になる目新しいピクトグラムも‥「架線接触注意」と「走行中、車外添乗禁止」のようです。最もU4は第三軌条方式なので、マルチプルタイタンパーの上に登っても架線はありませんが‥

 

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November 04, 2019

経営が厳しいオーストリア航空

20191103016日本では、昨日、日曜日が「文化の日」で祝日だったため、今日は振替休日。お天気も良く、秋の行楽にお出かけの方もいらっしゃるのではないでしょうか。最も台風や水害で被害に遭われた皆さまは、それどころではないとは思いますが・・

さて、今日は「オーストリア航空の話題」をお届けしましょう。

20191103012現在、ルフトハンザの傘下に入っているオーストリア航空ですが、経営的には、かなり厳しい状況に置かれているようです。オーストリア航空は、LCCとの価格競争に巻き込まれており、ルフトハンザからは、今後、1億Euroの経費削減を要求されています。

先に実施された経営合理化プログラムは、今ひとつ、効果を上げなかったようです。その結果、更に厳しい要求を突きつけられた形です。

20191102013具体的には「人件費と設備費の削減」が俎上に上がっており、パイロット、客室乗務員、地上職員など500名の削減が予定されています。現在、オーストリア航空には7000名近い従業員が在籍していますので、1割弱の人員削減ということになります。

この他、運航費削減のため、ターボプロップ機DHC-8(10機)を、A320(8機)に置き換える計画も進められています。

20191103011しかし、DHC-8とA320では機体規模が異なりますので、路線の再編成を意味することは明白です。具体的な計画は発表されていませんが、場合によるとDHC-8で運航されている路線の廃止や減便といった可能性も考えられると思います。

確かに機材の統一は、コスト削減に大きく寄与するので、そういう意味では期待できる思索ではありますが‥

9月末にはルフトハンザ・グループのLCCユーロウィングスとオーストリア航空が、役割分担を変更することが発表されました。オーストリア航空は、同社のハブ空港であるウィーン線に資源を集中し、それ以外のオーストリア各地の空港に関してはユーロウィングスが担当する方向で協議が進められています。

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October 24, 2019

「同一賃金の日」

昨日、10月23日は中越地震発生から15年目でした。この地震でFeriの友人家族が被災しています。当時、友人一家は震源地に近い山古志村に住んでおり、地震の晩は、テレビなどでも全く情報が入ってきませんでした。当時、出張中だったFeriは、出先で情報が途絶していた山古志村の状況が心配でなりませんでした。

その後、震災で山古志村が大きな被害を受けたことがわかり、不安が募りましたが、しばらくして友人から家族全員無事というメールが入りました。

その後、山古志村は村民全員が避難したのは、皆さま、ご存じのとおり。地震発生から5日ほど経過してから、Feriは長岡市内の避難所に友人を訪ねました。Feriが、災害の避難所を訪ねたのは、この時が初めて。友人は、当時、公務員だったので、自分も被災しながら住民への対応にあたっていました。今は、長岡市内で平穏な生活を送っているようです。

20191023011さて、このブログでは、基本的に政治に関連する話題は取り上げないのですが、興味深いデーターが出ていたので、今日は「労働の話題」をお届けしましょう。日本でも近年、非正規雇用の増加にともない、雇用形態の違いによる賃金格差が大きな問題になっています。

その中で、よく耳にするのが「同一労働同一賃金」という言葉‥「性別や雇用形態を問わず、同じ仕事をしている場合は、同じ賃金を支給すべきである」という考え方です。

ただ、現実問題には、同じ労働をしていても、「その質」が全く同じであるかどうかという問題がついて回ります。また、体力を使う仕事の場合、当たり前ですが、年齢が上がれば身体能力の低下による生産性低下は避けられません。そうなると、同じ仕事をしている若い人から、“なんで、私は同じ時間で3/4しか仕事ができないおじさんと賃金がいっしょなの?”という声がでることも‥

非正規雇用の場合、評価が処遇に反映されない(もしくは評価制度がない)ため、どうしても、このような問題はついてまわります。そこで、業態によっては、非正規の場合、年齢によって基本給を調整しているケースもあるという話を耳にしたこともあります。前置きが長くなりましたが、実は、この領域はFeriが若干、関わっている部分なので‥

さて、オーストリアの話題に戻りましょう。10月21日は「同一賃金の日」(Equal Pay Day)でした。実は、こちらで大きな問題になっているのは、女性と男性の間の「賃金格差」です。

20191023012当局の発表によると、オーストリアの女性は、フルタイムの場合、平均年間10000Euro、または男性より19.7%収入が少ないというデーターが出ています。興味深いのは、この賃金格差を休みに置き換えて比較している点。つまり、オーストリアの女性は男性と比べると72日間無料で働いている計算になるそうです。日本流だと72日間のサービス残業ですね。

そこで、この格差是正を促進するため2018年10月20日に「同一賃金の日」が制定されたそうです。ちなみに、前年に比べて「女性が無休で働く日」は、1日少なくなった(つまり、女性の賃金が上がった)そうです。

また、どこの国でも同じですが、賃金が低いと、労働者は労働時間でカバーする方向に走ります。しかし、日本でも同じですが、家事分担では、どうしても女性の担当する部分が多く、結果としてワークタイムバランスが崩れてしまう点を、こちらでも懸念しています。

ちなみに写真の女性が持っているパネルは、曜日別の家事分担表です。2枚目は、実際に記入してありますが、圧倒的に女性の方が多いようです‥

つまり、同一賃金の推進は、女性のワークタイムバランスを向上させることにもつながると当局は指摘しています。

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