日本では10月14日は「鉄道の日」。という訳で、今日は「鉄道ファンの話題」をお届けしましょう。
最近、日本では鉄道ファンの暴走行為が批判されていますね。まぁ、昔から暴走行為はゼロだった訳ではありません。ただ、最近はファンの数が増えたことに加えてSNSなどの発達で、あっという間に世間に流布するため、問題が顕在化したという背景があると思います。
ところで、鉄道ファンのことをドイツ語で「Eisenbahn Freunde」と呼びます。Feriも、その昔、ドイツやオーストリアに来て、鉄道の現場で、この言葉に接して感慨深い思い出があります。「よき友人」は、相手が嫌がることはしないものです。
日本でも鉄道ファンは写真撮影派、模型派、鉄道旅行派、グッズ派、文献派など色々なジャンルがあります。もちろん複数関与している方も多数、いらっしゃいます。
Feriは、子供の頃、鉄道のおもちゃから模型に入っていった経緯から、鉄道模型からスタートしました。鉄道模型ファンの多くが夢見るのは自宅にジオラマ(この世界ではレイアウトと言います)を作ること。
Feriが子供の頃は、狭い場所で楽しめるNゲージが存在しなかったことに加えて、ジオラマ製作を簡単に製作できるキットや材料が少なかったことから、「ジオラマ製作」は夢のまま終わってしまいました。
当時、鉄道模型雑誌を見ると、ジオラマを発展させて、自宅の庭に線路を引く庭園鉄道が紹介されていました。これも憧れでした。
欧米では戸建て住宅の場合、庭があるところが多いためか、庭園鉄道に適した大型模型Gゲージ(縮尺1/22、線路幅45mm)というのも存在します。
実際、アメリカ駐在が長かったFeriの友人は、アメリカ駐在時代Gゲージの模型で楽しんでいました。右の写真はMultalbahnのMurau駅にあるGゲージの庭園鉄道です。
ところで、こちらの鉄道ファンが夢見るのは「自分の鉄道を持つこと」だと言われています。
自動車の場合、オールドタイマーを所有することは決して不可能ではありませんが、鉄道の場合、ものが大きいこと、走らせるためには専用の線路が必要なことから、個人は極めて難易度が高いのが現実です。
そこで鉄道ファンが集まってクラブを作り、そこが保存鉄道を所有するケースが多いようです。オーストリアではClub760という組織がTaurachbahn(Mauterndorf-St.Andrä間)という保存鉄道を運営しています(右の写真がTaurachbahn)。
最も英国の大富豪の中には、広大な領地にプライベートの鉄道を敷いて、列車を走らせているケースもあるようですが、これは例外中の例外でしょう。
さて、ÖBBの公式ホームページには「Gleisgeschichten」(鉄道ものがたり)という興味深いコンテンツがあります。これは鉄道ファンだけではなく、鉄道に愛情を注ぐ人たちのエピソードを紹介したものです。
先日、それを見ていたところ、「Vom Eisenbahntraum zur Traumeisenbahn - Die Pfalzberger Feldbahn der Familie Stotz」という記事。日本語だと「鉄道の夢から夢の鉄道へ、ストッツファミリーのファルツベルク軽便鉄道」。
お話の舞台はシュタイヤマルク州の小さな町Tobelbad。現在、ストッツ家の住まいには600mmゲージ(線路の幅)の鉄道(路線長270メートル)が走っています。模型ではありせん。走っているのは、4.7tの産業用ディーゼル機関車です。
この鉄道が生まれた背景が、心温まるエピソードなのです。今から30年ほど前、ハロルドさん(Harald Stotz)が8歳の時、父親のヘルムート・ストッツ(Helmut Stotz)さんがドイツ・レーマン製のGゲージ鉄道模型(縮尺は1/22分、レール幅45mm。LGB:LEHMANN GROSS BAHN)のスターターキットを買ってきました。
父親が鉄道ファンの場合、息子が影響を受けることは多々あります。余談になりますが、40年来のFeriの親友(鉄道ファン)のご子息は、お父様の影響を受けて鉄道に興味を持ち、ご一緒に写真撮影に出かけていました。
父親冥利に尽きますね。しかも、ご子息は学校を卒業後、鉄道会社に就職されています。
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