April 04, 2020

新型コロナウイルス雑感 オーストリアの状況

20200403006ディープな地下鉄の話題が2日間続いたので、今日は新型コロナウイルスに関するオーストリアの状況をお伝えします。

外出制限が開始されて17日を経過し、感染者は1万人を越え、10967人(4月2日、15時現在)となりました。ただ、感染者の拡大率は10%を割り込み、政府の強力な対策が効果を上げつつあることがわかります。

政府の追加対策発表を受けて、色々な動きがあります。オーストリア医師会会長は、一部の薬局で行われている簡易検査キット販売の中止を訴えています。これは簡易キットによる検査は精度が低く、陰性になった人に誤解を与える恐れがあるというのが理由です。

一方、政府は人的接触が多い職業の人(スーパーマーケットの従業員、医師、看護師、介護スタッフなど)、1500名に対してPCR検査を実施しました。

これは自覚症状のない感染者の割合を調べるためのテストだそうです。テスト方法の詳細や結果については、発表されていません。

20200403002イタリアでは治療に当たっていた医師69人が死亡、救急隊員1万人が感染しているため、このような事態の発生を防ぐための対策を立案するデーターとするのでしょう。

なお、オーストリアではスーパーマーケットは営業中ですが、お客さまは入店時、入り口でマスクの着用が義務づけられました。ただ、専門機関は、マスクの着用義務づけには懐疑的なコメントを出しています。また、開店から1時間を高齢者などの買い物優先時間に設定しています。

現在、国外への移動は原則禁止されていますが、国外に滞在しているオーストリア人も多く、政府は4月8日にトルコ在住のオーストリア人の帰国を支援するためオーストリア航空の緊急臨時便をイスタンブール-ウィーン間に運行することを発表しました。定期便については、全面運休が5月3日まで延長されています。

20200403004ヨーロッパでは各国で感染者の増加にともない、医療崩壊が進んでいますが、皆さまは、その理由の一端が保険制度にあることをご存じでしょうか。

一時期、日本ではヨーロッパの保険制度を高く評価している識者がいらっしゃいました。

オーストリアだけではありませんが、ヨーロッパでは国民皆保険制度で、高額な社会保険料を強制的に徴収される代わりに、公立病院での各種治療は入院費も含めて無料です。

一見すると、理想的な制度で、受給のバランスがとれているうちは問題ありません。しかし、無料故に患者が大量に来院し、診察・慎重までに長時間、待たされるのが当たり前です。

要するに予約がなかなか取れない‥という訳です。場合によっては、急患でも長時間、待たされるケースがあるようです。

更に原資が社会保険料であるために、今回の新型コロナウイルスに限らず、高齢化や移民の増加なので、患者数が増えてくると資金不足に陥ります。

20200403005とくに低所得者の場合、保険料は低額ですから、人口は増えても原資が余り増えないという事態になっています。

その結果、医療設備やスタッフの増強が難しく、日本では信じられないほど、貧弱な設備で治療しているようです。

日本では、中規模病院でも導入しているCTやMRIなどの数が少ないというのも、このような背景があるようです。数が少ないですから、検査のための順番待ちも長くなります。検査待ちの間に手遅れになるケースも‥

これは、以前、友人から聞いた話ですが、胆石で某公立病院へ行ったところ、日本で増えている「内視鏡による除去」や「体の外から衝撃波を胆石に照射して胆石を砕く方法」(体外衝撃波胆石破砕療法)に使用する機器がないようで、開腹手術しか選択肢がなかったそうです。

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April 01, 2020

世界が変わった2020年3月に思う

20200331010今日から4月になりましたが、2020年3月は、Feriにとっても正に「激動の1ヶ月」でした。

こちらでも2月に中国での新型コロナウイルス蔓延が大きく報じられ、同時に日本でのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の隔離がニュースになりました。

正直、オーストリアを含むヨーロッパの人たちは、これらのニュースに接しても“アジアで変な病気が蔓延している。大変だねぇ”という捉え方をしていました。

実際、新型コロナウイルスがアジアで蔓延したころから、日本人を含むアジア系の人に対する蔑視傾向が強くなったようです。実際、現地の方から、暴言を受けた日本人の方もいらっしゃるようです。

イタリアでの新型コロナウイルス感染が報告されてからも、2月20日には、伝統のオペラ座舞踏会も盛大に開催され、チロルで感染者が発生した後も、各地の舞踏会は予定どおり行われていました。

202003310132月23日、ドイツ人感染者が乗車していた疑いがあるÖBBの国際列車がブレンナー峠で運行停止になった時から、オーストリアでも若干、危機感が高まりましたが、何となく、まだ「他人事」のような雰囲気が漂っていました。

実際、2月下旬から3月上旬にかけて、街中は平穏そのもの。シーズン終盤の市庁舎前スケートリンクも、冒頭の写真のように大勢のお客さまで賑わっていました。今年は暖冬傾向だったこともあり、Mariahilfer Straßeなどの繁華街は人が多く、ショッピングセンターをはじめ、レストラン、カフェ、ホイリゲも賑わっていました。

当時は、皆さん、平気で握手をしていましたね。実際、Volksoperの「ジプシー男爵」PremiereでFeriがRobert Meyerさんにお目にかかった際も、普通通り握手をしました。

20200331014ただ、2月26日から四旬節に入り、教会のミサに参列した際、通常、ミサの後半、参列者が神父の案内で握手をする場面がありますが、この時、初めて“握手を避けてもよい”といったメッセージが出ました。

それでも、神父の助言をあまり気にしない信者の方も多く、全員が握手を拒否していた訳ではありませんでした。

その後は、このブログでもお伝えしているように、イタリアに接しているチロルから感染者が広がり、3月16日には政府が非常事態を宣言する事態に陥ります。

グラフをご覧になるとわかるように3月10日時点の感染者は157名ほどでした。それが20日間で9300名を越えるほどに拡大しています。

20200331002この結果、わずか2週間で市民生活、経済活動は一変。まさしくオーストリアの皆さんも「世の中が変わったこと」を実感したようです。

これはオーストリアに限ったことではなく、ヨーロッパの各国で首相が国民に向けて、新型コロナウイルスに関連する演説を行った際、悲観して涙した人も多かったという話を耳にしました。

こちらは、日本と異なり、ストレートな表現を使いますからね‥

3月前半と3月後半では「世界が変わってしまった」というのが偽らざる気持ちです。

実際、Feriまだ外出制限が発表される前の段階から、ウィーンの友人と会っていません。メールなどで連絡をとっているものの、直接、会って話をすることは、お互いに避けています。とくに友人の中には音楽関係の人も多いのですが、仕事が全てキャンセルになってしまい、途方に暮れています。

これ、オーストリアの皆さんも同じだと思います。各種の店舗が強制的に営業停止になったため、失業者が急増しています。こちらも大きな問題。

20200331003そして、皆さん、口にはしませんが、“もう、以前のような生活は戻らないのではないか…”と思っているような気もします。

ウィーン市では、住民の不安を解消するため、相談窓口の開設や生活必需品のデリバリーに加えて、ウィーン市内で野菜を生産している農家から新鮮な野菜が供給されていることなどをアピールしています。

3月30日、Sebastian Kurz首相は、記者会見を行いましたが、その際、現在のオーストリアの状況は「嵐の前の静けさ(die Ruhe vor dem Sturm)に過ぎない」と発言しており、長期化と同時に、対策が更に強化されることを示唆しました。

20200331004現在、感染者の増加率は11%ですが、政府は1%以下にすることを目標にしています。そして、ついにマスクの着用を推奨するようになりました。

もちろん、マスクの着用により、感染を完全に防止できる訳ではないことは強調されていますが、感染リスクが若干、軽減できるためです。

現在も営業を継続しているスーパーマーケットで買い物をする場合、従業員がお客さまからの感染を防ぐため、利用客は入り口でマスク着用することが義務化されました。

ただ、一般の人がマスクをする習慣がないため、在庫が少なく、皮肉なことに中国から供給を受けているようです。

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March 30, 2020

今年の四旬節雑感

20200329005日本の東京でも新型コロナウイルスの感染者が増える傾向にあり、心配です。また、29日は関東地方で雪が降ったようですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

精神的に参ってしまっているFeri‥ 今日は「軽めの話題」でご容赦ください。街中を自由に散歩できるのが「当たり前」と思っていただけに、今回の「事実上の外出禁止令」はこたえます。厳寒期でも散歩が大好きなウィーン子は、皆、感じていることでしょう。

20200329001例年ならば、四旬節も中盤を迎え、3月27日頃から各地でOstermarkt(イースターマーケット)が始まる頃です。キリスト教では、クリスマスよりも復活祭の方が重要な行事であるため、四旬節も大切な期間。

各店舗でもイースターを前に「春の訪れ」を告げる店頭ディスプレイに切り替えて、街は華やかな雰囲気に包まれます。

しかし、今年は、生活必需品を扱うスーパーマーケットなどを除いて、全面営業禁止ですから、ディスプレイを一新する余裕もないと思います。

20200329002ウィーン旧市街では、カラフルなイースター・エッグが沢山並ぶフライウング広場の「Altwiener Ostermarkt」は人気がありますが、今年は「Ostermarkt Am Hof 2020」、「Ostermarkt Schloß Schönbrunn 2020」も含めて、早々に中止が決まりました。

観光客の皆さんはもとより、地元の皆さんも楽しみにしている「Ostermarkt」だけに、その気持ちは察するに余りあります。

20200329004ご存じのようにウィーン子にとってカフェハウスは「第二の居間」。

私たちが考えている以上に、日常生活に密着した「なくてはならない場所」。地元密着のホイリゲも同様ですが、「友人や家族との語り合いの場」が全面的に閉鎖されて利用できない事態は、想像を絶すると思います。

それ以上にキリスト教徒の方がショックなのは、ミサが中止になっていることです。

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March 27, 2020

マスク雑感

20200325103コロナウイルス感染者が5000名を突破したオーストリア。現在、食料品を販売するスーパーマーケットなどは例外的に営業が認められていますが、従業員は、正直、感染リスクをかかえて仕事をしていると思います。

そこで、大手スーパーマーケットチェーンやドラッグストアチェーンが、“Danke-Bonus”を支給するという「粋な計らい」を発表しました。

SPARをはじめ、BILLA、MERKUR、PENNY、BIPAなどが支給を表明しています。これは、困難な状況のなかで、働く従業員に対して、目に見える形で「感謝の意」を表すという趣旨です。

さて、日本のマスコミは、日本政府のコロナウイルス対策を批判する論調が多いですが、現状のオーストリアを見ると、日本は爆発的感染をよく抑えていると思います。

少なくとも「外出禁止令」や「商業活動の停止」など「人との接触を徹底的に排除する」という施策を推進せず、自粛要請(お願い)で、ここまで抑えているのは、こちらから見ると、たいしたものだと思います。

これに対して、検査数が少ない云々という意見がありますが、問題なのは感染者の数よりも、「重症化して死亡した方の数」だと思います。

20200325101人口が多く、かつ人が密集する通勤列車など感染リスクが高い環境にもかかわらず、比較的感染者の増加が緩やかな要因として、「衛生意識の高さ」を上げる専門家もいるようです。

特に平素からマスクの着用率が異常に高いのが日本。これは花粉症の方が多いことも要因ですが、顔を画す目的でマスクをしている人も多いとか‥ちなみに、こういう方は常時、マスクをしていないと不安だそうです。

実際、オーストリアから日本に戻り、“日本らしいなぁ”と実感するのは、自宅に戻るため乗車した列車のお客さまが、ほぼ全員マスクをしている光景を目にした時。

さらに、最近では通勤列車内で話をするお客さまが、極端に少なく、多くの方はスマートフォンを見入ったまま。

マスクでは感染を防止できないという専門家の指摘もありますが、少なくとも自覚症状がない感染者がウイルスをまき散らすリスクは軽減できるでしょう。

20171001_x201_00002それに対して、ヨーロッパでは、元々マスクをする習慣がありません。今冬もインフルエンザが大流行したオーストリアですが、マスクをしている人は皆無。

また、テロ対策の一環として、2017年10月から、公共の場では、顔を隠すことは法令で禁止されているため、特別な許可がないとマスクは着用できません。実際、マスクをしているのは医療関係者と粉塵が多い現場作業者くらいです。

コロナウイルス対応に当たっているスタッフも、医療関係者以外はマスクをしていません。また、この非常事態に対する公式対応でも「マスクの着用」は推奨されていません。

当然、マスクの生産、供給体制は日本とは比べものにならないくらい低いと思います。そのため、このような事態になった現在、医療関係者向けのマスクですら、不足する事態になり、医師会が政府に衛生消耗品の優先配布を要請しています。

ところで、友人から日本でも深刻なマスク不足が続いているという話を聞きました。

20200325102どうも現在、日本で主流となっている紙製のマスクは、中国から材料を調達している関係で、材料が思うように入らず、生産数が上がらないという話も‥

メーカーも増産体制をとっているようですが、需給バランスが崩れているので、極度の品薄になっているのでしょう。

これも友人から聞いた話ですが、24時間営業のコンビニエンスストアでは、従業員からマスクの入荷する時間を聞いて、その時間に合わせて来店。

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March 26, 2020

Siemensstraße

20200325002Feriがオーストリアと日本を行き来する際に愛用しているJALのフランクフルト線(成田-フランクフルト間、JL407便、JL408便)が、3月29日から4月23日まで運休となりました。

多くの方は、“羽田発着の方が便利”とおっしゃいますが、Feriの実家は成田空港から鉄道でわずか30分。圧倒的に成田が便利です。JALのヘルシンキ線が羽田に移ってしまった現在、同社では唯一の選択肢になりました。

さて、今日は「地名のお話」をお届けしましょう。

20200325003旧市街からドナウ川を越えたエリアが21区です。今は住宅が多く建ち並んでいますが、ホイリゲが点在するように、その昔は農村地帯でした。

その後、近代化が進み、このエリアは工業地帯となり、Floridsdorf駅周辺には重工業が進出しました。その中心は鉄道車両製造でした。

代表的な企業が1896年に設立されたWiener Lokomotivfabrik Floridsdorf(略称WLF)。同社は、当時、ヨーロッパでは非常に大きな鉄道車両(主に機関車)製造会社で、第2次世界大戦中も生産を続けた希有な工場でした。

戦後は、このエリアがソビエトの管轄になったことから、同社もソビエトに接収され、最終的には1958年2月、Simmering-Graz-Pauker AGと合併して、姿を消します。

一方、Simmering-Graz-Pauker(略称SGP)は、重機械、ボイラー、鉄道車両の製造などを手がける国有の重工業会社。複数の企業を吸収し、1980年代半ばまでは、オーストリアを代表する重工業会社として活躍していました。

20200325004この工場も21区にありました。しかし、1990年代後半、政府は株式をSIEMENSに売却し、最終的にSIEMENSグループの傘下に入り、同社は消滅します。

その結果、オーストリアでは、鉄道車両の製造も含めてSIEMENSが大きな力を持つようになります。

21区の郷土博物館には、鉄道関係の展示が多いのは、このような背景があるのです。ちなみに写真の銘板は、郷土博物館に展示されていたもの。上がWLF、下がSGPです。

前置きが長くなりましたが、このSIEMENSの名前を冠したSiemensstraße(229号線)という「通り」がウィーン市内にあるのをご存じでしょうか。

場所は21区で、同名のS Bahn(S-1)駅もあります。鉄道駅に隣接しているのは製品の出荷に適していたからで、付近には同社の工場が建ち並んでいました。

20200325007現在は、再開発が進み、2010年に「Siemens City in Wien Floridsdorf」が完成。Siemens Österreichの本社が設置されています。

冒頭の写真はSiemens Österreichの本社ビルディング。逆台形という地震国日本では考えられない斬新なデザインです。同社の説明によると建設費用は1億5000万Euroだったそうです。

また、本社の周囲には、同社の関連オフィスが立ちならんでおり、Siemens City Viennaというオフィスビルディングも建っています。日本流に言えば「企業城下町」の様相を呈しています。

駅に近いところには、渋い煉瓦造りの工場が建ち並んでいますが、現在は使用されておらず、事実上の廃屋。こちらも、いずれ再開発が行われることでしょう。

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March 25, 2020

これからどうなる?

20200325001東京オリンピック・パラリンピックの延期が正式に決定し、オーストリアでも報道されるようになりました。日本国内の爆発的感染は、ある程度、押さえ込まれているようですが、世界各国が大変なことになっているので、やむを得ないでしょう。

オーストリアのコロナウイルス感染者ですが、3月24日、15時現在、4876名(前日の同時刻は3924名)になりました。以前、高いペースで増加が続いています。

20200324003州別では、ブルゲンラント州84名、ケルンテン州141名、ニーダーエスターライヒ州620名、オーバーエスターライヒ州795名、ザルツブルク州429名、シュタイヤマルク州558名、チロル州1253名、フォアアールベルク州379名、ウィーン617名となっています。

また、オーストリア全土の死亡者数は28名です。

感染者発生の分布状況を見ると、やはり人の交流が多い国境に接したエリア(特にイタリア国境)が多いようです。逆に、早期に国境を閉鎖した国に接するエリアは、比較的少ないようです。

また、心配されていた医療関係者への感染ですが、ウィーンの中心的な総合病院であるAllgemeinen Krankenhaus(AKH)で、新たに医師6名、看護師9名、職員1名の感染が確認されました。

20200324005さて、3月23日、ウィーン市と関係団体は、毎年、6月に実施される「Vienna Pride」の中止を発表しました。

今年は「Regenbogenparade(レインボーパレード)25周年」という記念すべき年だったのですが、コロナウイルスの猛威が治まらないため、中止を決断したようです。ちなみに当初の計画では、「Vienna Pride」は6月1日から14日まで開催される予定でした。

すでに代替え日程が発表されており、2021年6月7日から20日に「Vienna Pride 2021」が開催されます。また、「Vienna Pride」 の中心行事であるRegenbogenparadeは2021年6月19日に実施されます。

このブログでも何回かお伝えしていますが「Vienna Pride」はオーストリア最大のLGBTIQイベントで、世界各国から多くの人が集まります。

20200324004Vienna City Marathonのように4月あたりの実施ならば、この時期に中止の決断はわかるのですが、6月上旬のイベントを「このタイミングで中止する」と言うことは、コロナウイルス感染ピークが、まだ先になるという見方をしているのでしょう。

日本でも、政府の自粛要請(こちらと違ってお願いレベルですが)により、経済活動が停滞しているようですが、こちらは、それどころではありません。

何しろ、実質的な外出禁止令が発動されている訳で、経済は完全に止まってしまったようなものです。

また、日本では一部の専門家が希望者全員の検査を提唱していますが、オーストリアでも同様の要望が出ています。しかし、厚生大臣は、この要望を全面的に拒否し、検査は症状が現れている人に限定する方針を明らかにしました。

20200324002これは「医療崩壊」を防ぐための対策で、同時に「感染の連鎖を断ち切るため、人との接触を極力少なくする対策を徹底することが重要だ」と訴えています。

ところで、日本でも報道されていますが、感染が拡大しているイタリアに中国から大量の防御服、マスクなどの医療物質が送付されましたが、これらの物資はオーストリア経由で搬入されました。

130トンの資材は、オーストリア航空の機材(2機)でウィーン国際空港まで運ばれ、警察と軍が警備する中、民間航空会社の機材でチロルまで搬送。その後、陸路、南チロルへ運ばれ、ここでイタリア当局に引き渡される手はずになっています。

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March 24, 2020

踏切に見るお国柄

20200323001今日は「鉄道の踏切にまつわる話題」をお届けしましょう。

ÖBBの場合、新しく建設された高速新線を除くと、結構、踏切があります。日本でも、時々、踏切で列車と自動車の衝突事故が発生していますが、事故防止の鍵を握るのが踏切に設置されている警報器と遮断機です。

日本では、遮断機が下り始まると、赤信号が点滅し、警報音が鳴るのが一般的ですね。光りと音で警告を与える‥という訳です。

先日、シュトラースホフ鐵道博物館を訪問した時、Silbewald駅を利用しました。この駅は、踏切を境に上下線のプラットホームが別れているのが特徴です。

20200323003ウィーン近郊のS Bahnだけが停車する駅ですが、無人駅です。ウィーン方面行きのプラットホーム上(1番線)に設置されている待合室内にチケットの自動券売機が設置されています。

この駅で面白いのは、下りのプラットホームに隣接して小さなBUFFETがありますが、先日、Feriが訪問した時は営業していませんでした。

博物館の訪問を終えて、ウィーンに戻るため1番線で待っていたところ、ウィーン発のS Bahnがやってきました。当然、踏切が閉まる訳ですが、日本ではおなじみの警報器の音が聞こえませんでした。

20200323002どうやら、赤信号と遮断機だけで踏切の通行を遮断しているようです。

この区間は、S Bahnだけでなく、快速列車や長距離列車、貨物列車も走る幹線なので、意外と列車が頻繁に通ります。

駅周辺は住宅地なので、列車が通過する旅に警報音が鳴ると、正直、かなりうるさいと思います。しかも夜間も列車は運行されていますから‥

駅付近の住民のために警報音が鳴らないようにしているのでしょう。このあたり、考え方の違いが現れているような気がします。

そう言えば、その昔、市内の歩行者用交通信号に目の不自由な方向けに音の出る装置を取り付けたところ、最初は、結構、住民からクレームが出たという話があります。やはり「音」に対しては、敏感なのかもしれません。

20200323005また、この区間は直線区間なので、通過列車は高速で走っています。そのため、踏切が意外と早く閉まります。

道路遮断の流れですが、最初に踏切に設置されている信号が赤になります。信号機で自動車に停止を促したあと、遮断機が下りるというパターンです。

そして、自動車用信号機が線路を挟んだ反対側からも見えるように複数、取り付けられています。信号機の数を増やすことで、警報音を鳴らさないことをカバーしているのかもしれません。

また、遮断機のバーは、日本と異なり、かなり大型(太い)のものです。

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March 23, 2020

ウィーンらしい支援対策

20200321001東京では例年より5日早く桜の満開宣言が出たそうですが、今年は宴会を伴う花見が禁止されるなど、例年とは様子が変わっているようですね。

皆さまは3連休をいかがお過ごしになりましたでしょうか。トップの写真は友人が送ってくれた東京周辺の桜です。

オーストリアをはじめとするヨーロッパでは、コロナウイルス蔓延がとまりません。一応、オーストリアでは、食料品や医薬品を買うための外出は許可されていますが、何人かが集まって街を歩いていると警察官から厳重注意を受けるそうです。

20200322002しかし、元々、厳寒期でも散歩の好きなウィーン子が、季節が良くなった春先、屋内に留まるのは、非常にストレスを感じると思います。

3月21日、13時現在、ウィーン市の感染者は359名ですが、5名が回復し、退院しています。オーストリア全体の感染者は、21日15時現在、2814名です。

また、イタリアではオーストリアでもファンが多いプラシド・ドミンゴさんが感染し、ご家族とともに「自主隔離」しているというニュースが入ってきました。

さて、このような状況下、ウィーン市でも独自に住民に対する支援を実施しています。

20200322001現在、ウィーン市では24時間体制のホットライン「Wiener Servicehotline 4000-4001」を3月14日に開設しましたが、1週間の着信階数は3200件にのぼりました。

このホットラインでは、コロナウイルスのリスクに晒されている高齢者や持病のある方(いずれも近くに近親者がおらず、サポートが受けられない方)に対する具体的なサポートを行っています。

具体的な活動内容ですが、買い物に出かけることがリスクになる住民に代わり、スタッフが食料品や日用品を配達するといものです。

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March 22, 2020

カーディーラーにも再開発の波

20200320003オーストリア政府は、3月20日、コロナウイルス蔓延を防止するための特別措置を、イースター明けの4月13日まで延長すると発表しました。また、関係する法令の改正や新設を行い、新しい対策を打ち出すことができるようになりました。ちなみに議会では全会一致で可決されました。

さて、今日は「ウィーン市内の再開発にまつわる話題」をお届けしましょう。

このブログでも再三、お届けしているようにウィーンでは、旺盛なアパート需要を受けて、再開発が各地で進められています。

5区のPilgramgasse駅周辺は、現在、地下鉄U2の延伸工事が進められていますが、完成するとU4と2つの路線が利用できるようになり、大幅に利便性が向上します。

現在でも、周辺は集合住宅が沢山、建っていますが、デベロッパーとしては物件を建設できれば、間違いなく高値で販売できる立地なので、色々と狙っていると思います。

20200320001Pilgramgasseと1号線の交差点に面して、自動車ディーラーがありました。

古い伝統的なビルディングの間に入り口があり、会社の施設は奥にありました。場所柄なのかJeepやAlfa Romeoといった高価格帯の自動車を扱っていました。これがトップの写真です。

ところが、昨年、閉店したようで、かつては自動車メーカーのロゴが掲げられていた入り口にデベロッパーの看板が取り付けられています(2枚目の写真)。

また、その後、訪問した際には、奥にあった建物が解体され、こちらの現場ではおなじみの大型クレーンが設置され、本格的な工事が始まっていました(3枚目の写真)。

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March 16, 2020

旧市街周辺の再開発に思う

20200315001オーストリアではコロナウイルスの感染者が増えており、15日、8時の時点で800名を越えたようです(検査は8167名に実施)。12日から15日にかけて感染者が急増しました。感染者が多い地域はチロル(245名)です。

また、本日(3月16日)からオーストリアではコロナウイルス対策が強化され、住民の生活にも大きな影響が出ます。EUは圏内の自由な移動(人や物)を前提にしていましたので、「産業の国際分業化」が急速に進みました。

そのため、EU内で輸出制限が行われると、自国に生産会社・設備を持たない国はお手上げになります。また、経済が長期間、低迷するとウィーンを中心に盛んな再開発事業にも大きな影響が出るかもしれません。

ドイツは16日からオーストリアとの国境を閉鎖したため、原則として両国の「人の流れ」が途絶えることになりました。コロナウイルス蔓延が終息し、事実上の鎖国が長く続かないことを祈るばかりです。

さて、今日は「再開発の話題」をお届けしましょう。

201907120002このブログでも何回かお伝えしていますが、最近、ウィーンでは旧市街に隣接したエリアでもスクラップアンドビルド方式の再開発が盛んになってきました。

2019年7月11日に当ブログで紹介した大手デベロッパーBUWOG Group本社ですが、工事が終盤に差し掛かり、その全容が見えてきました。

今日は再掲の写真も含めて、工事前(2枚目の写真、左側)、工事中(3枚目の写真、右側)、現在の様子をお届けします。

BUWOG Group本社は、旧市街側のJosefstädter Straße入り口付近、Auerspergstraßeに面する角地に建設が進められています。

201907120003この周辺は、Ringに近いこともあり、基本的に伝統的なデザインの建物が多いのが特徴です。

交差点に面して一画にあった建物を取り壊し、整地の上、近代的なオフィスビルディングが建設されています。階数については、制限があるため、中層ですが、写真をご覧になるとわかるようにガラスを多用した多面体の斬新なデザインです。

写真のように、すでにBUWOGのロゴも正面に取り付けられていました。

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