December 13, 2019

2020年に開館20周年を迎える「Haus der Musik」

201912130004今日は音楽ファンにはおなじみの「Haus der Musikの話題」をお届けしましょう。

Feriも何回か訪問したことがありますが、たまたまお客さまが少なかった時、例の「指揮者シミュレーター」に挑戦したことがあります。結果は、惨憺たるもの‥楽団員からブーイングの嵐‥しかし、面白い企画(というかアトラクション)を考えたものです。

さて、「Haus der Musik」は2020年6月で開館20周年を迎えることになり、このほど、記念企画が発表されました。

2020年は、先日も当ブログでご紹介したように「ベートーヴェン・イヤー」に当たるため、関連する企画展示も行われることになっています。

2000年に開館した「「Haus der Musik」は目に見えないクラシック音楽をテーマにしたユニークな博物館ですが、様々な工夫により、体感型の魅力的な博物館になっているのは、皆さまもご存じのとおりです。

201912130003開館以来、延べ400万人のお客さまが訪問していますが、開館時の2倍以上になっていることからも、博物館の企画が優れていることが立証されています(とは、当局側の弁)。

なお、2005年、「Haus der Musik」を継続的に維持するため、ウィーンホールディング(Wien Holding)が買収して、今日に至っています。

2019年は、1月から10月の間に同館を訪問したお客さまは204000人。これは前年比14%増でした。2005年以降、博物館の展示内容もリニューアルされており、これが人気を集めている要因になっているようです。

また、開館20周年を踏まえて、展示のリニューアルも行われており、より魅力的な博物館になっています。

201912130002さて、開館20年周年を記念して、2020年3月から6月21日まで、記念プログラムが展開されることが発表されました。
現在、発表されている記念プログラムは、以下のとおりです。
-Freitag, 20. März 2020, ab 18.00 Uhr: Sinnesrauschen Festival
-Samstag, 21. März 2020, ab 18.00 Uhr: Sinnesrauschen Festival
-Montag, 15. Juni 2020: „20 Jahre Haus der Musik“ - Geburtstag
-Sonntag, 21. Juni 2020, ab 11.00 Uhr: „Haus der Musik Kindertag“ mit Marko Simsa, Bernhard Fibich und Gernot Kranner
-Sonntag, 14. Juni 2020: Publikumstag (KURIER-Museumstag)
-GKonzerte für Schulklassen mit Marko Simsa: Freitag, 14. Februar 2020 / Freitag, 17. April 2020 / Freitag, 2. Oktober 2020 / Freitag, 27. November 2020 (jeweils 9.00 und 10.30 Uhr)

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November 22, 2019

Soiree Anlässlich der Premiere “König Karotte”von Jacques Offenbach

20191121001今日は11月20日にVolksoperで行われた「興味深い催し様子」をお届けしましょう。

今シーズン、Jacques Offenbachの生誕200年を記念して、Volksoperでは2つの作品が上演されます。一つは前シーズンからの再演である「Orpheus in der Unterwelt」(地獄のオルフェウス)そして、2019/20シーズンでPremiereを迎える「König Karotte」(にんじん王)です。11月20日に行われた催しは、「König Karotte」の作品解説とピアノ伴奏により、一部の楽曲を披露するものでした。

当たり前ですが、ご来場しているのは熱心なファンの皆さま方です。

Magdalena HoisbauerさんがMCを務め、オッフェンバッハのスペシャリストFrank Harders-Wuthenowさん、指揮者Guido Mancusiさん、演出家Matthias Davidsさんらが参加し、オッフェンバックと「König Karotte」に関する考察を展開しました。

また、Premiereに出演予定のJohanna Arrouasさん、Julia Kociさん、Amira Elmadfaさん、Sung-Keun Parkさん、Mirko Roschkowskiさん、Marco Di Sapiaさん、Yasushi Hiranoさんが加わり、「König Karotte」の楽曲を披露。ピアノ伴奏はFelix Lemkeが務めました。

実は「König Karotte」は、日本でもほとんど知られていない作品で、資料が極めて乏しい作品です。Feriは、シーズンプログラムが公開されたタイミングで、各種資料を探したところ、非常に興味深い日本語の論文にたどり着きました。

「オッフェンバックの“にんじん王”初演における“風刺”」-第二帝政と第三共和政の狭間でーという論文で、著者は森 佳子氏(音楽学者)。オッフェンバックに関する著書も多数、出版されています。

この論文は「西洋比較演劇研究」(日本演劇学会分科会西洋比較演劇研究会発行)に掲載されたものですが、オリジナルの入手は困難。ところが、国立国会図書館に所蔵されていることがわかり、コピーを依頼しました。

20191121002森氏はフランスに留学され、音楽修士号を獲得されている方だけに、作品誕生の背景や初演当時の反応など、一次資料を精査された見事な論文。Feriは、滝に打たれたような衝撃を受けました。

そこで、今回は、この論文の一部をご紹介する形で、この催しでも紹介された「König Karotte」誕生の背景をご紹介したいと思います。

オッフェンバックの代表作である「地獄のオルフェウス」(1858年)をはじめ、「美しきエレーヌ」(1864年)、「パリの生活」(1866年)、「ジエロルステイン大公妃殿下」(1867年)など比較的多く上演される作品に対して、「König Karotte」は、1870年の普仏戦争以降に発表された作品です。オペラ「ホフマン物語」以外は、ほとんど上演されることがありません。

「König Karotte」は、オペレット・フェリー(あるいはオペラ・フェリー)と呼ばれる作品で、19世紀中頃に大流行した「フェリー」(夢幻劇)とオペレッタを融合した作品。

とくに「König Karotte」は、フェリーの伝統を最大限に生かした作品なのですが、あまり上演されない背景には、1870年代のオッフェンバックに対する一般的な評価が背景にあるようです。

オッフェンバックは王権に基礎を置く第二帝政期の寵児で、第三共和政の元では、力を発揮できなかったというもの。つまり、「König Karotte」初演時には、オッフェンバックは創作のピークを過ぎていたという見方があったようです。

1870年代に入るとオッフェンバックの評価にも大きな変化が生じ、オペレッタ作品に対する批判も厳しいものが出てきました。

オッフェンバックのオペレッタは、社会批判の機能をもっており、「ブルジョワジーの快楽」と言われた政治的革命が停滞した時代には、観客を煽動する役割を果たしていました。

しかし、第二帝政が崩壊に近づくと、煽動する必要性が低くなってしまい、オッフェンバックの「オペレッタの毒」は、敬遠される傾向にあったようです。

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November 18, 2019

番外編 日墺洪国交樹立150周年記念コンサート&レクチャー

201911160017今日は11月16日に東京で行われた「日墺洪国交樹立150周年記念コンサート&レクチャー」の模様をお伝えしましょう。

今回、Feriの友人が、この行事に参加する機会を得ました。当日の模様を連絡してくれたので、その内容からの抜粋です。

会場は明治神宮・参集殿。実は明治天皇とは少なからずご縁があるため、この会場が選ばれたようです。1869年、オーストリア=ハンガリー二重帝国訪問団から昭憲皇太后にベーゼンドルファーのピアノが贈られました。 20191116011その十数年後、1886年には,ハンガリーのヴァイオリニスト、レメーニ・エドゥアルト氏が日本を訪れ、明治天皇、昭憲皇太后の前でヴァイオリンの演奏をしているのです。その後、音楽はオーストリアおよびハンガリーと日本とを緊密に結びつける要素になったのは、皆さまご存じのとおりです。

この催しのポイントは、「駐日ハンガリー大使館とオーストリア大使館の共催である」という点です。

今回は駐日ハンガリー大使館が、主導的な立場を果たしていたようです。実際、会の進行は駐日ハンガリー大使館職員が務めました。

参加したのは、ハンガリーからピアニスト ボガーニ・ゲルゲイさん、オーストリアからハーピスト ソフィー・シュタイナーさん。両氏による演奏が行われました。

201911160012さらに、学習院高等科教諭 島田昌幸さんがオーストリア・日本・ハンガリーの交流史を講演しました。

ボガーニ・ゲルゲイさんは、ハンガリー・ヴァーツ生まれ。4歳よりピアノをはじめ、ブダペストのリスト・アカデミー他で研鑽を積み、国内外の数々のコンクールで成功を収めています。

ソフィー・シュタイナーさんは、オーストリア・ウィーン生まれ。5歳よりハープをはじめ、数々の国際コンクールで優勝。グザビエ・ドゥ・メストレ他に師事。日本への留学経験もあります。

島田昌幸さんは、現職の学習院高等科教諭(政治経済)。専攻はヨーロッパ国際政治史、オーストリア=ハンガリー外交史、日墺洪関係史という在野の専門家です。

冒頭、パラノビチ・ノルバート駐日ハンガリー大使のご挨拶(日本語)が行われて、イベントがスタートしました。

201911160016 当日、演奏された曲目は、以下のとおりです。
-ソフィー・シュタイナー:L.シュポーア「幻想曲」
-ボガーニ・ゲルゲイ:F.リスト「ハンガリー狂詩曲第15番」

第一部終了後、島田昌幸氏による「日本とオーストリア=ハンガリー帝国、半世紀の歩み(1869-1918):両国の政治・経済的関係」という標題で、講演が行われました。


休憩を挟んで、第二部の曲目は以下のとおり。
-ボガーニ・ゲルゲイ:F.リスト「三つの演奏会用練習曲より第三番ため息、二つの演奏会用練習曲より 第二番小人の踊り」
-ソフィー・シュタイナー:G.フォーレ「即興曲」

201911160015第三部の曲目は以下のとおりです。
-ボガーニ・ゲルゲイ:F.リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」
-ソフィー・シュタイナー:黛 敏郎「ROKUDAN」

Feriと同じく音楽だけでなく、多様なことに興味がある友人。演奏も素晴らしかったそうですが、それ以上に興味を引いたのは島田昌幸さんの講演。

日本とオーストリア・ハンガリーが国交を樹立したのは、ハプスブルク家末期のオーストリア=ハンガリー二重帝国の時代でした。日本とオーストリア=ハンガリー二重帝国との国交は50年だった訳ですが、その間の政治的・経済的交流を研究した内容の一部を紹介されました。

いわゆるトリビア的な話も多数、盛り込まれていました。例えば、紀尾井町にあったオーストリア・ハンガリー帝国の大使館(関東大震災で倒壊)の改修工事を実施したのが、実は広島・広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)を設計した設計はチェコ人建築家ヤン・レッツェル氏であったこと。

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November 11, 2019

番外編 カボチャドキヤ国立美術館と館長さん

20191110011

昨日、日本では台風の影響で延期になっていた天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」が晴天の下、行われたようですね。

さて、今日は番外編として、日本の北九州市内にある「カボチャドキヤ国立美術館」と、その館長さんをご紹介しましょう。

「日本の中に別の国がある」‥もちろん、一流のユーモアです。北九州市門司という街は、昔、港町として大変賑わいました。その頃の貴重な建物が市内に残っています。しかし、時代の変化により、風情のある古い建物は次々と姿を消していきました。

そんな中、「門司レトロ基金の会」が設立され、古い建物の保存活動を始めました。

20191110018さて、門司区谷町というところに三角屋根の洋館がありました。大正7年に建築されたもので、三菱倉庫が社員の保養所として使っていたそうです。しかし、痛みがひどく、解体されることに‥ 

ここで「門司レトロ基金の会」が、保存に向けて活動を開始。この建物を引き取ってくれるご夫婦が現れました。

ご夫婦は、「街の人々が喜んでくれるのなら、私たちが買いましょう。子供たちが喜ぶような、小さな美術館にしてください」というメッセージを託しました。

20191110013三菱倉庫と地域住民の前位が集まって美術館は誕生しました。

多くの方の善意が集まって生まれた美術館なので、運営も地元の皆さんの力をお借りしながら地域に根付いた、ささやかな、しかし、世界のどこにもない美術館にしたい‥という館長さんの想いで、現在、運営されています。

館長さんのお名前はトーナス・カボチャラダムスさん(ペンネーム、もちろん日本の方)。

トーナス・カボチャラダムスさんは、絵画やエッチングなどを制作する芸術家です。作品はお名前からも推察できるようにカボチャをモチーフにしたものが中心です。

20191110015館内を彩るステキなオブジェはもちろん、徹底的に描き込まれた作品の細密かつ大胆なタッチは、独自の世界観を生み出しています。

ちなみに 1階は油絵、2階では銅版画が中心に展示されています。

また、完全オリジナルの作品も多数ありますが、興味深いのはヨーロッパの名作をモチーフに、独自の解釈を加えた作品があることです。

20191110016例えば、ウィーン美術史美術館に所蔵されているブリューゲルの作品。これをモチーフにしたのが、「かぼちゃのブリューゲル」。

よく見ると北九州在住の皆さまなら、ご存じの商店街や市場、お店の名前が‥地元を知っている方なら、思わず、色々と探してしまいます。

この他の作品も、地元・北九州に対する強い想いが感じられる作品が多数、展示されています。

と、ここまでは普通の美術館ガイドですが、実は、トーナス・カボチャラダムスさんは、大のオペレッタファン。当然、現地、Volksoperでもオペレッタを色々とご覧になっています。

20191110014ただ、最近はウィーン遠征がままならず、ご自宅でDVDを観賞することが多くなっているようです。

先日、森野由みさんが、ここでミニコンサートを開くため、お伺いした際、たまたまFeriのことが話題に上ったそうです。

すると、オペレッタ仲間の方から、Feriの話を耳にしていたようで、“オペレッタにはまっている方で、「チャールダーシュの女王」に出演する粋なおじさまからハンドルネームをつけたのですよね。素晴らしい。是非、お目にかかりたい”とおっしゃっていたとか。

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October 06, 2019

祝 修復が完了しました

201910060003秋が深まったオーストリアですが、山間部からは、すでに雪の便りが届くようになりました。昨日は、このブログでも予告した「ORF-Lange Nacht der Museen2019」が開催されました。ウィーンは、曇り時々雨といったお天気だったので、ちょっと残念でしたね。マリアテレジアプラッツの案内所には、前日からチケットを買い求める人の列ができていました。

さて、今日は「史跡の話題」をお届けしましょう。

20191006000119区、S45のOberdöbling駅向かいにあるStrauß-Lanner-Park。かつてはJohann Strauß (Vater) とJoseph Lanner.のお墓があった場所ですが、遺骨は1927年にウィーン中央墓地へ移り、翌年、公園としてオープンしました。そのシンボルが、古い墓石です。

201910060002ところが、この歴史的な墓石にスプレーでいたずら書きをしたバカモノがいたのです。

さすがに墓石本体に落書きをするのは気が引けたのか、後ろの壁でしたが、それでも景観が損なわれるのは言うまでもありません。ちなみに、この公園の向かいには警察署がありますから、犯人はいい根性をしています。

予算の都合なのか、なかなか修復が行われず、Feriもイライラしていたのですが、このほど、きれいに修復されました。ちなみに、左の写真が修復前のものです。

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October 01, 2019

週末開催「博物館の長い夜」

201910010004オーストリアで29日、国民議会の早期総選挙の投開票が行われました。暫定投票結果によると、クルツ前首相が率いる中道保守派「国民党」(ÖVP)が約37.2%の得票率を獲得し、第一党を堅持して、政権カムバックを確実としました。

しかし、過半数に達していないため、連立政権を組むことになります。問題は、どの党派と連立を組むかという点。色々な問題もあり、クルツ前首相の連立交渉は難航が予想されています。 

20191001000210月最初は「今週末にオーストリア全土で行われるイベントの話題」です。10月5日(土曜日)恒例となっている「ORF-Lange Nacht der Museen2019」が開催されます。

オーストリア全土の博物館・美術館が参加する催しで、通常の開館時間を延長。概ね深夜1時くらいまで開館します。秋の夜長を博物館・美術館で過ごしませんか‥という「大人向けのイベント」(保護者同伴で、子供さんの参加も可、子供さん向けのプログラムを展開している施設もあります)です。

単純に開館時間を延長するだけでなく、各博物館・美術館で、様々な企画を実施します。ホームページでガイドブックをダウンロードすることができるので、事前に色々と調べて、興味のある博物館・美術館を訪問するのも楽しいでしょうね。

201910010001_20191001075401とにかく区が運営する博物館や企業博物館も一斉に開館するので、見物は沢山。Ottakringer Brauereiも公開されます。当然、Verkehrsmuseum Remise(ウィーン交通博物館)も、この行事に参加します。

同館へのアクセスのため、ビンテージバスによるOldtimer-Shuttleが17時30分から午前1時まで、20分間隔でSchwedenplatz-Remise間で運行されます。

18時30分から23時30分まで、子供向けのプログラムが行われますが、安全監視要員が対応することになっています。

多種多様な博物館や美術館があるウィーンでは、この催しに合わせて、博物館・美術館を効率的に回るための輸送手段も提供されます。

2019100100003その一つが「Lange-Nacht-Bim」。何とWiener LinienがVerkehrsmuseum Remiseに動態保存されているオールドタイマーを、リンク通り(時計回り)に運転させるというものです。

運転時間は18時から深夜1時までで、15分間隔。Oper、Burgring、Bellaria、Börse、Schwedenplatz、Stubentor、Schwarzenbergplatzの各停留所に停車します。夜のオールドタイマーは風情がありますから、これは見物です。まぁ、これも単純な輸送手段というよりも、「動く博物館」(動態展示)といった赴きがあります。

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September 23, 2019

Club760 50周年(後編)

201909210012日本は「秋分の日」。最近、日本は移動休日が増えてしまって、どうもピンときませんが、「秋分の日」は固定されていますね。さて、今日は創立50周年を迎えた「Club 760の話題 後編」をお伝えしましょう。

TaurachbahnのあるLungauは、冬はスキーリゾートになる降雪地帯。そのため、作業ができるのは夏期に限定されます。しかも、費用とマンパワーの関係で、集中的に修復工事を行うことはできません。

そのため、路線を借り受けてから、実際に営業を開始するまでに7年間を要しています。

1988年7月9日、修復が完了した鉄道はTaurachbahnとして営業を開始します。ただ、観光鉄道の運転区間はMauterndorf-St.Andrä間となりました。もちろん、線路はTamswegまでつながっているため、その後、臨時列車のMurtalbahnへの乗り入れも実現しています。

201909210001実は、Feriが最初にTaurachbahnを訪問したのは、同鉄道が営業を開始して、数年後でした。当時、Murtalbahnの蒸気機関車保存運転は、日本でも有名でした。

撮影を終えて、Salzburg方面へ戻るため、99号線をレンタカーで走っていた時のことです。Mauterndorfの町を抜けたところで、突然、煙を上げている狭軌鉄道の蒸気機関車を発見。

直ちにUターンして、Mauterndorfの駅に車を寄せました。全く情報を持っていなかっただけに、正直、びっくり仰天したのをよく覚えています。

201909210006それ以来、夏にLungauを訪問した際には、必ずTaurachbahnを訪ね、日本でも色々な機会に紹介してきました。

さて、Club 760の活動に話を戻すと、自前の観光鉄道を運営するようになったことから、「歴史的な価値のある狭軌車両を後世に残す」という活動に力を入れるようになります。何しろ、それを運転できる鉄道を所有している訳ですから。

201909210009その後、オーストリアのみならず、他国からも狭軌鉄道の車両(主に機関車)を集め、時間をかけて動態復帰させています。

当初は、客車などもÖBBの狭軌線から譲渡されたものを、そのまま使っていましたが、機関車とのバランスがよくありません。

それはClub 760のメンバーも重々承知していること。客車の整備も時間をかけて行い、現在では、バランスのとれた編成になっています。

201909210003現在、Taurachbahnで動態保存されている蒸気機関車は6両。また3両の保有蒸気機関車が他の狭軌鉄道に貸し出されています。そして、FROJACHの博物館には4両の蒸気機関車が静態保存さえています。

もちろん、「高い理想を求めるメンバーのボランティア活動が中心」と言っても、鉄道の維持や車両の修復には莫大な資金は必要です。現在、Taurachbahnの運行時、Mauterndorf駅売店や車内で販売されている各種グッズの売り上げも、資金源の一つになっています。

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September 22, 2019

Club760 50周年(前編)

201909210015日本は、明日、23日が「秋分の日」でお休みなので、9月2回目の連休。ただ、台風16号が来ていますので、心配されている方も多いと思います。さて、今日はオーストリアの鉄道愛好家団体「Club760が50周年を迎えた」という話題です。

この団体が設立されたのは、シュタイヤマルク州を走る狭軌鉄道Murtalbahnが開業75周年を迎えた1969年のことです。

狭軌鉄道を愛する愛好家有志が「Club 760 - Verein der Freunde der Murtalbahn」(これが正式名称です)を設立しました。実際には短縮して「Club 760」と呼ばれるケースが多くなっています。

この760という数字ですが、オーストリアで広く使われている狭軌鉄道の線路幅(ゲージ)が760mmであるところから命名されたものです。ちなみに、ÖBBの本線は新幹線と同じ1435mmですから、約半分‥という訳です。

201909210010「Club 760」の目的は、会の正式名称からも明らかなようにMurtalbahnの広報活動を支援し、同鉄道が運行する蒸気機関車や列車の魅力を広く一般に広めること。そして、乗客を増やし、Murtalbahnの運行継続に貢献することです。

創立時は「地方鉄道のサポーター」という位置づけだった訳です。この活動が功を奏し、Murtalbahnが運行する蒸気機関車は人気が高まり、観光客が集まるようになりました。

ちなみに、左の写真が、現在も夏期の期間運転されているMurtalbahnの蒸気列車です。

この頃、「Club 760」は路線転換を図ります。お客さまが増えたため、車両が不足するという事態に陥ったのです。

201909210007そこで、従来のサポーター的な活動から、クラブ自らが車両を所有する方向に舵を切ったのです。

とは言っても、最初から蒸気機関車を所有するのはむずかしいため、まずは小型客車2両を購入しました。ちなみに両車はZillertalbahnとSalzkammergut-Lokalbahnで使用されていたものです。

Bi37、Bi38と名付けられた客車は、当初、Murtalbahnの蒸気列車に使用されていましたが、現在はClub 760が運営する観光鉄道Taurachbahnで使用されています。

右の写真がClub760が最初に購入した客車です。美しく整備され、現在もTaurachbahnで活躍しています。

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September 19, 2019

9月のウィーンはイベントが花盛り

201909180102ウィーンは9月に入って過ごしやすい、快適な季節になりました。この時期、色々なイベントが目白押し。14日・15日にはBabenbergerstraßeで「Streetlife Festival Wien 2019」が開催されました。今日は、Feriが独断と偏見で選んだイベントをいくつかご紹介しましょう。

もし、この期間、ウィーンを訪れる機会があったら、ご参加になるのも良い思い出になると思います。日本流ならば「秋祭りの季節」と言えるでしょう。

○9月21日・22/P日 Mistfest der MA 48
清掃工場のオープンハウスです。会場は17区(Hernals)のMistPlaz。各種清掃車両が展示される他、地元の皆さんに人気があるのが「蚤の市」。結構、掘り出し物があるようで、早くからお客さまが来場しています。

201909180100また、FanShopではミニゴミ箱などMA48特製のグッズも販売されます。もちろん入場は無料。最寄り駅はS45、路面電車43系統のHernalsです。

ステージのショーやバンドの演奏なども行われます。Feliも何回か行っていますが、のんびりとした楽しいイベントです。

また、基本的に清掃当局主催の行事ですが、ウィーン市の現業機関がブースを出しており、様々な取り組みを垣間見ることができます。

なお、ゴミを中心とした環境問題への取り組みなども紹介されており、楽しむだけでなく、色々と勉強になるイベントです。

201909180105○9月28日・29日 Wiener Weinwandertag 2019
ウィーン子が好きなハイキングとWineを組み合わせたイベントです。ワイン用ブドウ畑の中を歩きながら、途中にあるホイリゲや畑の中に設けられた臨時ブースで、Wineを試飲するというWine好きにはたまらないイベントです。

最近は人気が高まり、天気が良いと多くの人が集まるようになりました。今年も以下の3コースが設定されます。

-Route 1: Neustift bis Nussdorf
-Route 2: Strebersdorf bis Stammersdorf
-Route 3: Ottakring bis Neuwaldegg

201909180106私見ですが、最も人が集まるのはRoute 1。ここはコースからドナウ川を見ることができますし、ホイリゲの数も多いことから人気が高いようです。

Route 3は、平素からFeriの散歩コース。ホームグラウンドと言っても良いでしょう。Route 2だけは行ったことがありません。

Route 2については、ホイリゲの数はありますが、平坦な場所なので、景色はあまり楽しめないと思います。

最近は紙の地図に加えて、スマートフォンアプリなどで、様々な情報が提供されるようになり、便利になりました。Feriとしては、一押しのイベントです。ただし、ハイキングなので、天気が良くないと楽しめません。

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August 03, 2019

花火大会雑感

2019080300017月の当ブログですが、最もページビューが多かったのが、7月28日でした。ただ、実際にご覧頂いた記事は、当月の記事というより、夏休みのご旅行を控えているためか、航空便の搭乗記などの閲覧が多かったようです。

さて、トップの写真は、すでに後半にさしかかったSeefestspiele Mörbisch「DAS LAND DES LÄCHELNS」の公式舞台写真です。プログラムに折り込みで掲載されている舞台全景を撮影した写真。これで雰囲気を感じ取って頂くことができると思います。

今日は夏の風物詩「花火大会の話題」です。

日本では、この時期、各地で大小の花火大会が開催されていると思います。7月の最終土曜日は、東京を代表する隅田川花火大会が開催されましたね。もちろん、夏以外の季節に花火大会が開催されるケースもあるようですが、圧倒的に多いのは夏だと思います。

また、首都圏などで、同一日程で花火大会が開かれる時もあり、お客さまも、どちらへ出かけるか迷うというケースもあると思います。

201908030005余談になりますが、Feriの実家では、毎年、8月第一土曜日に市民花火大会が開催されます。今年は、今晩。天気も良さそうなので、きっと浴衣をお召しになった多くのお客さまで賑わうことでしょう。

昔は、自分の住まいから花火を見ることができたのですが、その後、近くに中層集合住宅ができて、見えなくなってしまいました。ちなみに左の写真は、数年前に撮影した写真です。 

さて、オーストリアでも花火は盛んですが、何故か「単独の花火大会」というのは、余り聞きません。

屋外で開催されるSeefestspiele Mörbischでは、毎年、カーテンコール終了後に花火が上がります。時間は短いですが、大量の花火が上がるため、結構、見ていて楽しいものがあります。

201908030002昨年は噴水とのコラボレーションも実現して、時間は短いものの、印象に残るショーに仕上がっていました。しかも、該当作品のメドレーが流れる中で、花火が打ち上げられるため、いっそう印象に強く残りますね。

しかし、日本のように、純粋に「花火だけを楽しむ」というイベントは、余り耳にしたことがありません。

Feriが見過ごしている可能性もありますが、Sylvesterの花火も、新年を祝う行事の一環として行われているので、「花火大会」と位置づけるのには無理があるような気がします。

201908030003日本で、夏に花火大会が多い理由ですが、一説によるとお盆の迎え火、送り火と関係が深いという話を聞いたことがあります。

お盆の時には、火を使ってご先祖様の霊を慰める風習がありますが、この一つとして花火を打ち上げる風習が生まれたというものです。

言わば「鎮魂花火」と言えるかも知れません。それが、時代の変化と共に、霊を慰める行事から、花火を楽しむ行事に変化したようです。

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