June 20, 2017

番外編 駅が劇場に大変身

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今日は、番外編ですが、「劇場の話題」をお届けしましょう。

ウィーンでは、歌劇場や音楽ホールは、当初から目的を明確にして建設されているところが、大多数だと思います。

ウィーン国立歌劇場のように戦災で大きな被害を受けた建物も、復行に際して、オリジナルを尊重した形で復行されたため、細かい説明を見ないと、昔からの建物が、そのまま残っているような錯覚に陥ります。

それに対して、ドイツではバイエルン国立歌劇場やドレスデン・ゼンパーオーパーのように、昔の姿を見事に止めている劇場もありますが、全く新しく作った劇場も多いようです。

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最もFeriは、ドイツの歌劇場やコンサートホールをくまなく回ったわけではありませんから、明確なことは言えませんが‥

そんな中で、非常に印象に残っている劇場が、バーデン=ヴュルテンベルク州Baden-Baden(バーデン=バーデン)にあるFestspielhaus Baden-Baden(祝祭劇場)です。

ご存じの方も多いと思いますが、ドイツのバーデン=バーデンは、17世紀から続く有名な温泉保養地です。Feriなどはウィーン近郊のBadenの方が親しみがありますが、一般の人にとっては、ドイツの方が知られているかもしれません。

人口5万人ほどの小さな街なのですが、温泉保養地としてクアハウスやホテルが充実している他、競馬場、美術館(州立美術館を含む)などが設置されています。

そして音楽ファンにとって有名なのが、Festspielhaus Baden-Baden(祝祭劇場)です。同劇場は収容人数2500名という巨大な劇場です。

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実は、この劇場は、規模が大きいだけではなく、その構造に特長があるのです。というのは、劇場のファザードがかつての鉄道の駅舎を、そのまま転用しているのです。

この駅は1904年、Baden-Badenの中央駅として建設されたものです。ただ、本線から分岐している支線の駅として使われていました。その後、支線が廃止されたため、駅も1977年に廃止されました。

その後、Festspielhaus Baden-Badenを建設する際、伝統的な駅舎の再活用プランが浮上し、劇場のエントランスとして使用されることになったものです。

ちなみに設計を担当したのは、Salzburg生まれの建築家Wilhelm Holzbauer氏だそうですから、オーストリアとも縁があるわけです。

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June 13, 2017

Seefestspielen Mörbisch2018は「Gräfin Mariza」に決定ですが‥

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日本では6月の第3日曜日が「父の日」ですが、オーストリアでは6月の第2日曜日です。という訳で、今年は6月11日が「父の日」でした。

この時期は、季候も良いことから、お父さんを中心に庭でバーベキューというご家庭も多いという話を耳にしました。きっとお父さんが自慢の腕を振るうのでしょう。

さて、そろそろレギュラーシーズンのオペレッタやオペラがお開きになりますが、代わって夏のフェスティバルが各地で始まりますね。

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内容の善し悪しは別にして、夏の風物詩として定着しているSeefestspielen Mörbischですが、60周年記念ロゴが発表になりました。

そして、例年のことですが、2017シーズンが始まる前に、2018年の演目が発表されました。

2018年は、Feriお気に入りの一つであるカールマンの「Gräfin Mariza」に決定。これは、楽しみです。

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プレミアは2018年7月12日、千秋楽は8月25日で、都合、22公演が上演されます。

ちなみに前回、Gräfin Mariza」が上演されたのは2004年。すでに10年以上が経過しているのですね。前回は屋外の舞台を生かした楽しい演出でした。

ただ、まだ、ブログを開設していませんでしたので、紹介記事はありません。という訳で、1枚だけ、当時の写真をご紹介しましょう。

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ところで、2018年プログラムの公表に合わせて、主催者から、びっくりするような発表がありました。

それは、昨年10月に、2018年からのインダント就任が発表されたGerald Pichowetzさんが、何とスタート前に辞任を発表。同時に、新しいインダントとして、歌手のPeter Elelmannさんが就任することが発表されました。

Gerald Pichowetzさんは、2016年10月の記事でもお伝えしたように、ウィーンのフロリツドルフにあるバラエティ劇場Gloria theater総支配人ですが、個性的な俳優さん(キャバレスト)です。

2007/08シーズンにフォルクスオーパーで上演された「Orpheus in der Unterwelt(地獄のオルフェ」で、印象的なキューピット(Cupido)を演じていたので、強く印象に残っています。

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May 29, 2017

ウィーンで見かけるVHSとは?

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今日は「ウィーンで見かける施設の話題」です。

ウィーン市内を歩いていると「VHS」と書かれた看板を見かけることがあります。

Feriなどは、VHSと言えば、家庭用ビデオの規格「VHS」をすぐに思い出してしまいます。今ではビデオテープを使う人は激減してしまっていると思いますが、かつてはSONYが開発したβ方式と、VICTORが開発したVHSが家庭用ビデオのシェアを競い合っていましたね。

最終的にはVHSが主流になった訳ですが、今ではVHSのビデオデッキすら販売中止になっているという話を耳にしました。時代は変わるものです。

さて、話が横道に逸れましたが、ウィーンで見かけるVHSは、もちろん家庭用ビデオではありません。

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正確には「VHS Bildungstelefon - Die Wiener Volkshochschulen」という組織が運営している施設です。

この組織は、主に社会人を対象に、生涯学習を行うコミュニティカレッジを運営するNGOで、一般的な職業訓練ではなく、幅広い知識やスキルなどを修得することを目的にしている点が特長です。掲載した地図に用にウィーン市内にはかなり多くの施設があります。

また、企業内人材育成なども行っている他、各種の語学教育、サマースクールなど幅広い活動を有料で行っています。

多数のプログラムを提供していることもあり、プログラムについてのカウンセリングなども行っています。ウィーンには色々な国の人が生活しているため、カウンセリングについてもドイツ語の他、英語、ボスニア語、クロアチア語、セルビア語、スペイン語といった言語で対応しています。

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October 19, 2016

壁画が増えました

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日本の皆さまにも人気があるクリムトの名画「接吻」は、ベルヴェデーレ宮殿のオーストリア・ギャラリーに展示されていますが、10月12日、同美術館から「3D印刷技術を駆使して、レリーフ化し、目の不自由な方でも、名画が観賞できるようになった」という発表がありました。

技術の革新は、こういった分野にも及んでいるのですね。

さて、今日は「建物に描かれている壁画の話題」です。

2015年11月に、このブログで「不思議な壁画のある建物」という話題をお伝えしました(詳しくはこちらから)。

ご紹介した壁画は、建物の側面全面に大きく描かれているもので、6区にある「Eltern-Kind-Zentrum Mollardgasse」という施設に描かれているものです。

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「Eltern-Kind-Zentrum Mollardgasse」ですが、ウィーン市が運営する「子育て支援センター」のような施設です。

最近、13Aに乗って車窓から、この建物を見たときに、壁画が増えているような気がしました。

ただ、記憶が確かでは無いので、改めて以前に撮影した写真(2015年11月にブログでご紹介した写真)をチェックしたところ、案の定、壁画が追加されていることが判明。

後日、散歩の途中に「Eltern-Kind-Zentrum Mollardgasse」へ立ち寄って見ました。

従来は向かって左側の壁に抽象的な作品が描かれていましたが、それに加えて右側の窓が無い壁にも新しい絵が登場。

こちらは、男性が子供さんを肩車しているという、美術に疎いFeriでも比較的わかりやすい構図です。ただ、色使いやデザインは、ちょっと変わっていますが‥

日本で行政が流行らせようとしている「イクメン」なのでしょうかね。

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January 27, 2016

オペレッタと歌舞伎

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今日は「オペレッタにまつわる話題」をお届けしましょう。

先日、ウィーンで友人と雑談をしたとき、話題に上ったのが“最近、フォルクスオーパーのオペレッタはお客さまが入らないねぇ”という内容です。

2015年9月からのシーズンでは、「白馬亭にて」が3ヵ月間で24回も上演されましたが、案の定、10月は極端にお客さまの入りが悪かったそうです。幸い、11月後半からは若干、持ち直しましたが、来シーズンが思いやられます。

また、Feriは好きなのですが、「メリーウィドウ」も、お客さまの入りが思わしくなく、それが上演回数に反映されているようだという話でした。

オペレッタの場合、平土間や2階の前部は、そこそこ埋まっていても、最上階のギャラリーはほとんど人が入っていないことが多いような気がします。

ところで、フォルクスオーパーにお出かけになった方はお感じになったと思いますが、オペレッタ公演では、客層がご年配の方に偏っているのも、実は大きな問題。

というのは、若い方が少ないということは、今は良いですが、将来は尻すぼみになることが明白だからです。最も冗談で、Feri達が元気な内だけ、オペレッタを続けてくれればいいや‥と友人と話していますが‥

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October 27, 2015

写真特集 "Wien leuchtet 2015"がありました

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しばらく秋雨模様だったウィーンですが、建国記念日を前にした週末は天気が回復して、絶好の行楽日和になりました。

国連が2015年を“Internationales Jahr des Lichts und der lichtbasierten Technologien”に決定したことを受けて、ウィーン市では、10月24日から26日までマリア・テレジア広場で“Wien leuchtet 2015”を開催しました。

美術史博物館と自然史博物館の建物をキャンバスに、国際的な照明デザイナーによる映像を投影するものです。

Feriは、この方面には詳しくありませんが、かなり独創的なデザインの映像が映し出されました。

なお、このイベントは日没から24時まで開催されており、天候が良かったこともあり、多くのお客さまで賑わいました。
ちなみにFeriはフォルクスオーパーからアパートに戻る途中に立ち寄って、ちょうど良いタイミングでした。

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August 21, 2015

開園35周年を迎えたBonsai Museum

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私事で恐縮ですが、今日、8月21日はFeriの○回目の誕生日。子供の頃は、夏休み期間中だったため、友達は旅行や帰省で不在。そのため、誕生日当日に友達を招いてお祝いをすることができませんでした。夏休み中に生まれたFeriの宿命だったのかもしれません。

今では、オーストリアで誕生日を迎えることが多くなったFeri。最近ではオーストリア在住の友人が、ホイリゲで誕生会を開いてくれることもあります。嬉しい限りです。

さて、今日は「オーストリアで活躍する同胞の話題」をお伝えしましょう。

このブログでも2回ほどご紹介したケルンテン州SeebodenにあるBonsai Museum「里風菴」ですが、運営するご夫婦のご尽力もあって開設35周年を迎えました。

今回、久しぶりに訪問してみましたが、駐車場も満杯で、資材置き場になっている第3駐車場を利用しているお客さまもいるくらいです。

車のナンバーを見ると、遠くオランダをはじめ、スイス、ドイツ、イタリア、オーストリア各地から、お客さまが来場しているようです。

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June 09, 2015

懐かしのポスターから

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今日は「ポスターの話題」をお届けしましょう。

今では様々な媒体で広告ができるため、ポスターの位置づけは相対的に低下していますが、その昔はポスターが数少ない宣伝媒体であったため、その制作に力を入れていた会社が多かったようです。

鉄道会社や航空会社などは、お客さまを旅行に行きたくなるようなポスターを多数制作していますが、当然、昔の作品の方が、センスが良かったような気がします。

Feriがフォルクスオーパーでのオペレッタ鑑賞の後、立ち寄るCafé Weimarの店内にも魅力的な古いポスターが飾ってありますね。

冒頭のポスターは1937年に制作されたウィーンの観光ポスター(Fremdenverkehrsplakat)です。国立歌劇場前を描いたものですが、イラストの雰囲気、そして両側の木々が奥行きを感じさせる見事なデザインだと思います。

ウィーンの表記が英語になっているところから、外国向けの観光ポスターのようですが、1937年と言えば、オーストリアはドイツに併合される前年。オーストリア国内も騒々しくなっている時代です。

戦争の影が感じられない平和なウィーンをアピールしているところが、皮肉でもありますが‥ おそらく平和なウィーンをアピールしたかったのかもしれません。なお、解説によると1933年頃を描いたイラストのようです。

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February 02, 2015

産業遺産保存に対する考え方の違い

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横浜に住んでいる友人から「氷川丸と日本丸 老朽化進み保存に課題をかかえている」というメールが来ました。

氷川丸(左写真の船です)は日本郵船、日本丸は横浜市が、それぞれ所有して維持管理にあたっていますが、氷川丸は1961年、日本丸は1998年を最後に、大規模修繕を行っていないそうです。要するに自治体、企業とも修繕に必要な資金を調達できないというのが実態でしょう。

この話を聞いて思い出したのが、ヨーロッパではファンドを立ち上げて産業遺産などを保存する方法です。これは、国や自治体、企業に依存することなく、自分たちで保存や維持に必要な資金を、賛同者から集めるというものです。

最も盛んなのはイギリスで、蒸気機関車や航空機などの保存に当たってファンドを立ち上げて、広く支援者や愛好家から資金を集めて、運営費用に充てているようです。

オーストリアでも、イギリスほどではありませんが、ファンドを立ち上げて狭軌鉄道の蒸気機関車を保存している例があります。

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September 27, 2014

ウィーンで「Kosaku Yamada und ich」が開催されました

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9月22日から26日まで在ウィーン日本大使館に付属する文化広報センター(Japanisches Informations)で「Kosaku Yamada und ich」(山田耕筰と私)という展示会が、月刊ウィーン主催で開催されました。

皆さまもご存じのように山田耕筰は日本を代表する作曲家で、日本語の抑揚を活かしたメロディーが特徴的な作品を数多く残しています。童謡「赤とんぼ」や「ペチカ」、歌曲「からたちの花」や「この道」などは、皆さまもご存じでしょう。

私事で恐縮ですが、Feriが卒業した某大学の校歌も山田耕筰の作曲です。ですから、結構、思い入れがあります。校歌や社歌、自治体歌をはじめ、交響楽、オペラなども作曲しており、日本において西洋音楽の普及に努めた第一人者と言えるでしょう。

今回、オーストリアで初となる山田耕筰展が、こちらにお住まいの皆さまのご尽力で実現した訳です。資料は。山田耕筰氏の秘書として17年間、公私を共にして尽くした三辻美耶子様が所属する貴重な写真、思い出の品が提供され、会場に展示されました。

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