September 18, 2020

新型コロナ渦でオーストリアの不動産事情も様変わり

2020091601今日は「オーストリア人の生活志向が変化したという話題」をお届けしましょう。

日本でも新型コロナウイルス渦のため、人の生活パターンが大きく変化していると思います。例えば、通勤に使う鉄道で時差通勤が増えた、夜の呑み会が減り「家呑み」が増えたなどなど‥

オーストリアでも新型コロナウイルス渦により生活志向が大きく変わりました。特にロックダウン以降、オープンスペースや緑地での生活に対するニーズが急増しています。

ウィーンの不動産ポータルFindMyHome.atによると、郊外や農村部に対する問い合わせが前年比35%も増えているそうです。

2020091603また、不動産専門家は、“新型コロナウイルス渦は、生活の条件を変えてしまいました。人々は田舎に住みながらも、都心から近い場所に住みたいと考えています”と分析しています。

要するに“「三密」を避けてゆったりと生活したい”と考えている人が多いということでしょう。

注目を集めているエリアは、ウィーンに接しているニーダーエスターライヒ州の地域です。

具体的にはMödling、Gänserndorf、Mistelbach、St. Pöltenなどの人気が高いとか。

この他、Schwarzenbach an der Pielach、Vösendorf、 Groß-Engersdorf in Mistelbach、Velm-Götzendorf im Bezirk、Zwölfaxingなども注目されています。

2020091602現在、ウィーン周辺では多くの新築住宅が建設されていますが、その中には補助金が出るものもあります。

人工湖、独自の地産地消とレジャー施設を備えた街、目の前に自然があるというコンセプトは、家族連れにとって魅力的な存在になっているそうです。いわゆる「田園都市」ですね。

郊外の都市に加えて人気を集めているのが、湖に面したウォーターフロント。

人気が高い湖はSteinbach am Attersee、St. Kanzian am Klopeiner See、Mattsee in Salzburg、Podersdorf am See、Neusiedlerseeなどだそうです。

2020091604ウォーターフロントが人気を集めている背景は、ロックダウンによる移動制限の影響ではないかと不動産専門家は分析しています。何となく気持ちはわかりますね。

続いて気になるのは価格。需要と供給で賃貸料や購入価格が変動するのは、こちらの不動産も同じです。

特にウィーン郊外では価格が高騰しています。

Mödling、Baden、Klosterneuburg、Korneuburgなどの家賃は1平方メートル当たり15~19Euroになっているそうです。購入価格については1平方メートル当たり平均7300Euroだとか。

2020091605また、Mondseeのウォーターフロントでは、家賃が1平方メートル当たり22Euro、購入価格が1平方メートル当たり8610Euroに高騰しているそうです。

確かにFeriお気に入りの良い場所ではありますが‥ため息しか出ませんねぇ‥

逆に人気のエリアながら手頃な価格なのがニーダーエスターライヒ州。購入価格は平均700~1200Euro(1平方メートル当たり)。

Hornでは1平方メートル当たり668Euroで戸建てを購入することが可能です。

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September 17, 2020

Wiener LinienがParklet-Tourを実施

20200916101連邦政府がコロナ信号のレベルを大きく変更しましたが、これは恐らく9月に入り、学校や経済活動が活発化して、感染者が増えてきたことを踏まえ、ロックダウンを防ぐため、国民に注意喚起を促す目的のようです。

そのため、当初計画されていたオレンジで実施予定だった規制は見送られています。ただ、EU以外の国との往来自由化は微妙な情勢になったような気がします。

さて、温室効果ガス削減に力を入れているヨーロッパでは「ヨーロッパ・モビリティ・ウィーク」を行っていますが、Wiener Linienでは、このキックオフを目的に5つの地区を巡回するParklet-Tourを行っています。

キャッチフレーズは「Parkbank statt Parkplat」。このツァーの目的はウィーンの住民にParkletの魅力を知ってもらうことにあります。

 Parklet(パークレット)とは、駐車スペースを人のために活用するという考え方。一般的には歩道とフラットにつながるプラットホームを土台とし、車道との間のベンチや花壇、駐輪スペースを設置するものです。

20200916103

ウィーンの場合、ご存じのように道路に公共駐車スペースが多数、設置されていますが、ここを住民のためのスペースに転用しようというもの。

実際、ウィーンでは歩道の狭い路地では、シャニガルテンを設置する際、駐車スペースを一時的につぶすケースがあります。

駐車スペースですから、車道がなくなる訳ではありませんが、ウィーン市が進めている歩行者中心の街づくりの一環です。

ウィーンは世界で最も緑(緑地面積)の多い都市として知られていますが、公共交通機関の充実も大きく後押ししています。

20200916104また、現在、852000名がWiener Linienの年間パスを所有していますが、この数は、何と市内の登録されている自動車より143000以上も多い数字です。それだけ公共交通機関の利用者が多いということです。

Wiener Linienでは、現状に満足することなく、気候変動抑制のため「U2×U5」に代表されるように様々な投資を計画していますが、今回のツァーは、市内にある路上駐車スペースをParklet化するため、その魅力を知ってもらおうという訳です。

新型コロナウイルス感染拡大により、感染に対する警戒心から公共交通機関の利用者が減っている現状を鑑み、このような企画を実施することになったような気もします。

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September 14, 2020

Wiener Linien、最近の話題から

2020091201今日は9月上旬の「Wiener Linienに関連する話題」をまとめてお伝えしましょう。

○42系統にJohann-Nepomuk-Vogl-Platz停留所がオープン
9月4日、Schottentor-Antonigasse間を結ぶ路面電車42系統にJohann-Nepomuk-Vogl-Platz停留所(18区)が開業しました。

これはJohann-Nepomuk-Vogl-Platzのリニューアル工事が完成したため、それに合わせて停留所を新設したものです。

2020091203この停留所はJohann-Nepomuk-Vogl-Platz内にはJohann-Nepomuk-Vogl-Marktがあるため、市場を利用する人にとって便利な停留所。Wiener Linienの発表では、毎日、約3000名の利用者を見込んでいるそうです。

2020091202なお、ギュルテル方面の停留所間の距離を調整するため、Hildebrandgasse停留所が移動し、合わせてEduardgasse停留所に名称が変更されました。

今回の新設で42系統の停留所は10箇所となりました。

○新コンセプトの停留所が完成
次は、このブログでも8月1日付けの記事で計画をお伝えした「Wiener Linienが新しい停留所のコンセプトモデル」(Großstadtdschungel)ですが、9月11日に完成し、お披露目がありました。

2020091207今回、完成したのはDr. Karl-Renner-Ring 沿いにあるParlament(国会議事堂)の向かいにある停留所です。この停留所には路面電車1系統、2系統、71系統、D系統が停車します。

8月1日の記事でもお伝えしたように、従来の緑化停留所は側面だけでしたが、今回は停留所の屋根も緑化されている点が特徴。屋根には16種類の植物が植えられています。

2020091208また、計画段階では紹介されていませんでしたが、停留所全体の大型化も図られました。

これはバリアフリー化を進めるためで、オーストリア障害者協会の協力を得て、デザインが検討されました。大型化したこととで、車いすやベビーカーを利用するお客さまも雨から避けることができるようになりました。

従来以上に自然の植物を植えているため、停留所に設けられた貯水槽に雨水を溜めて、この水を供給するシステムになっています。

都市緑化の新しいモデルとして、今後、注目を集めることになりそうです。それにしても「Großstadtdschungel」とは、すごいニックネームですね。

2020091211○地下鉄駅の表示器にスロープ付き車両を表示
現在、Wiener Linienでは地下鉄駅は全駅バリアフリー仕様(エレベーターまたはスロープの設置)になっています。

また、車両についてはType Vは先頭車の運転台後部の扉に傾斜スロープが取り付けられています。このスロープは停車時、プラットホームとの隙間を埋めるため、車いすを利用している人も自力で乗車、下車が可能です。

ところが、現時点ではType VとType Uは共通運用されているため、駅ではどちらが来るかがわかりません。

そこで、Wiener LinienではU1とU4のプラットホームにある案内表示器にスロープ付き車両がくるかどうかを表示するようになりました。

路面電車の停留所にある電光式の案内表示器に車いすマークが表示されますが、この地下鉄版という訳です。

なお、今後、投入されるType Xは全ての扉にスロープが設置されます。

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September 09, 2020

コロナ信号(Corona-Ampel)がスタート

2020090801ウィーン国立歌劇場では新総裁となった初シーズンが7日に開幕。「マダムバタフライ」のPremiereでスタートしました。ORFでも生中継があり、自宅でご覧になった方も多かったようです。なかなか斬新な演出。Feriもテレビ中継を見たので、これについては、別途、お伝えするかもしれません。

また、オーストリアでは9月から学校の新学期がスタートしていますが、連邦政府では新型コロナウイルス対策の一環として「コロナ信号(Corona-Ampel)」の運用を開始しました。

日本では、地区ごとに感染者数をマスコミが報道していますが、実際に、その地域では、どの程度、警戒すればよいのかがよくわかりません。

今回、オーストリア連邦政府が導入した「コロナ信号」は、行政区ごとにリスクを信号に例えて示すものです。

「コロナ信号」については、野党を中心に反対意見も多いようですが、連邦政府としては、国民にわかりやすい指標として導入にしたものと思われます。

各信号の基準については公式ホームページに掲載されています。例えば、緑の場合は、対象地域の人口規模に対して、7日間の累積感染者発生数が低いこと、感染ルートが明確、集中治療室の利用率が低い、感染者が海外からの入国者中心などとなっています。

現時点では毎週金曜日、更新されます。

2020090802コロナ信号は交通信号に近いですが、4段階です。緑(Grün、niedriges Risiko、低リスク)、黄(Gelb 、mittleres、中リスク)、オレンジ(Orange、hohes、高リスク)、赤(Rot、非常に高リスク)。

-緑:低リスク
ベースとなる「緑」は低リスクなので、「新しい生活様式」(手洗いの励行、ソーシャルディスタンスの確保など)のルールに則っている限り、規制はありません。

閉鎖空間でのイベント(オペラ、劇場、スポーツ)は、座席指定の場合、最大5000席まで開催可能です。なお、着席時以外はマスク着用が必要です。

2020090803屋外では、定員が10000名まで許可されますが、ソーシャルディスタンスを確保できない場合は、マスク着用が義務づけられます。

また、閉鎖空間で座席が指定されていないイベントは、最大200名まで許可されます。ただし、常時、マスクの着用が義務づけられます。

病院へ通院する場合、ソーシャルディスタンスの確保と院内でのマスク着用が義務づけられます。これは老人ホームの場合も同様です。実際に規制が強化されるのは、「黄」以降です。

-黄:中リスク
学校、レストラン、イベントのコロナ対策を強化されれます。

学校では、「衛生上の注意が強化された上で、通常どおりの運営」が行われます。具体的には校内でのマスク着用、換気と消毒の強化、スポーツ活動や合唱の屋外での実施などです。

2020090807閉鎖空間である歌劇場や劇場、スポーツ施設、展示会場などでは入場者数が最大2500名に制限されます。同時に施設内ではマスク着用が義務づけられます。

なお、座席のない屋内イベントの場合、100名に制限されます。一方、屋外イベントは指定席制の場合、5000名が上限です。自由席の場合は100名が上限です。屋外イベントでも指定席着席時以外はマスク着用が義務づけられます。

現在、ウィーンは「黄」に指定されているため、Volksoperなどの劇場でも、この基準が適用されています。

9月から始まったウィーンのVolksschule(小学校)では、写真のように玄関には「コロナ信号」が啓示され、新入生と親御さんもマスク着用で登校しました。まさかオーストリアで、このような光景を見るとは想像もできませんでした。

2020090808ソーシャルディスタンスの確保はもちろん、公共交通機関、店舗、ガソリンスタンド、金融機関を利用する際にはマスク着用が義務づけられます。また、オフィスを訪問する場合もマスク着用が義務づけられます。

さらにスタッフと長時間接触する美容室、マッサージサロン、ネイルサロンでも従業員はマスク着用が義務づけられます。

病院の場合、事前の予約および院内に入る前のスクリーニング、来院者の記録が行われます。

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September 06, 2020

Neubaugasseのリニューアル工事完成

2020090404今日は「Neubaugasseの話題」をお届けしましょう。

日本の皆さまには馴染みが薄いかもしれませんが、Neubaugasseは、約450の企業が集まるウィーンで最も有数なショッピングストリートの1つです。

Mariahilfer Straßeと交差しているため、いつもお客さまで賑わっています。

このブログでもお伝えしましたが、路線バス13Aを一部運休にしてリニューアル工事を進めていたNeubaugasseですが、9月3日「Kühle Begegnungszone Neubaugasse」として生まれ変わり、オープンしました。

2020090406まだ、細かい仕上げは残っていますが、9月7日の新学期から13Aは元のルートで運行が再開されます。

今回のリニューアル工事では、Neubaugasseが、Mariahilfer Straßeでもおなじみのミーティングゾーン仕様に改められたのが大きなポイント。

ミーティングゾーンはMariahilfer Straße-Burggasse間(800メートル)で、道路は新しく舗装され、歩道と車道の段差がなくなりました。いわゆる完全バリアフリー仕様です。

2020090407今回の道路改修では、雨水を地中に浸透させるため、花崗岩の石畳が使用されています。

さらにミーティンゾーンには新しく樹木29本が植えられた他、大型プランターには多年草が植えられています。

2020090403ちなみに左の写真はリニューアル工事前の様子です。歩道と車道に段差があるのがわかると思います。また、右の写真は改修前ですが、道路幅が狭かったこともあり、樹木の姿はありません。

完全バリアフリー仕様になったことで、シャニガルテンのスペースも拡大されました。

今回の改修では、同時にクールゾーン化も図られ、ミストシャワーや水飲み場などが設置されました。

20200900410ミーティングゾーンは歩行者専用ではありませんが、自動車の最高速度は20km/hに制限されています。

自転車は、一方通行から除外されており、今回、新しく駐輪場も開設されました。

リニューアル工事は、2020年1月から開始されましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で約4週間、工事が中断されました。

2020090408道路のリニューアルに合わせて、送電線や水道管などの地下設備も一新されています。

合わせてSiebensterngasse /Westbahnstraßeエリアの路面電車49系統の交差点レールも更新されました。これは、地下鉄U2建設に伴う準備工事です。

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September 02, 2020

Bambiのふるさとアッターゼー

2020090104こちらでは9月から新学期が始まりますが、新型コロナウイルス渦のため、例年とは違ったスタートになるようです。

さて、日本はもとより、オーストリアでも人気が高い「ディズニーのアニメーションにまつわるお話」をお届けしましょう。

最近でも定期的にアニメーションの新作を発表するディズニーですが、Feriが子供、すでに多くの作品が世に出ていました。すごい歴史ですね。

物語の内容については、正直、よく覚えていないのですが、「バンビ」が印象に残っています。というのは、何故か、子供の頃、自宅に「バンビ」の陶器製フィギュアがあったもので‥

2020090101このフィギュアも、どのような経緯で自宅に来たのか、こちらも記憶が定かではありません。恐らく親が買ってくれたのだろうと思いますが、Feriが親におねだりしたのかどうか‥

さて、先日、ウィーン郊外に住む声楽家の友人と久しぶりに話をしていた時、ひょうんなこと~ディズニー・アニメーションの話題になり、彼女もバンビが好きだったということで、ちょっと盛り上がりました。

その際、“ところで、Feriさん、バンビの原作者はオーストリア人だったことをご存じですか?”と言われて、びっくり仰天。

 何しろディズニー・アニメのバンビは北米の森が舞台ですから、オーストリア人が原作者とは考えてもみませんでした。原作者はフェリックス・サルテン(Felix Salten、1869年9月6日~1945年10月8日)氏で、1923年に発表しました。

2020090105原作は「Bambi. Eine Lebensgeschichte aus dem Walde」。「森の中の物語」というニュアンスの作品ですが、残念ながら発表された時は、全く見向きもされなかったそうです。

その後、別の出版社から世に送り出されて、世に知られ、最終的にディズニーが「バンビ」というタイトルでアニメーション化。これで大ブレイクしたものです。

アニメーションのキャラクターは、ディズニーらしい可愛いデザインで、こちらの方が印象に残ってしまいますが、「生きていくこと」をテーマにした奥の深い文学作品。

それまでの動物文学と異なり、「動物の視点」から周囲の動物や環境、人間を見るという視点が画期的だったと言われています。

可愛らしいキャラクターとはうって変わって、作品の中に登場する「人間」への眼が、時には重く描かれています。

2020090107さて、サルテンは、オーストリアでも有数の避暑地アッターゼーの湖畔で、ある夏、この構想を考えたと言われています。

アッターゼーと言えば、グスタフ・クリムトが晩年、夏季に滞在していたことで知られていますね。今では湖畔にクリムトの博物館も開設されています。

アッターゼーはザルツカンマーグートの一画にある大きな湖で、周囲には森や山が連なっています。

実はFeriの先輩がアッターゼーからほど近い小さな街に住んでいるため、お宅を訪問した際、ご一緒にアッターゼーまで出かけたことがあります。

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August 31, 2020

Mariahilfer Straßeリニューアルから5周年

2020083002先日、このブログでお伝えした「Gürtelfrische WEST」プロジェクトの目玉施設であるGürtelpoolの移転計画ですが、資金の目処がつかず、Auer-Welsbach-Parkへの移転は断念される模様です。

という訳で、30日でお終いになる公算が高くなりました。

このように色々なことがあった8月も今日でおしまい。最後は「Mariahilfer Straßeの話題」をお届けしましょう。

このブログでもMariahilfer Straßeの改修状況をお伝えしてきましたが、早いものでリニューアル工事が完成して5年を迎えました。

計画実施前、Mariahilfer Straßeのビルディング内で、リニューアルプロジェクト構想の展示が行われていたことがあります。

2020083003当時は、普通の道路のように、両側に歩道があり、中央が車道という構造でした。

完成予想イラストを見ると、ほぼ全面的に歩道化され、なおかつ住民が休むことができる大型ベンチなどが設置されていました。

正直、ウィーンでも有数の繁華街で、周辺に商店も多く、荷物の搬入も含めて自動車の通行量も結構、多かったと記憶しています。

そんなMariahilfer Straßeから部分的とは言え、自動車を締め出すというプランを見たとき、Feriは、机上の空論のように感じました。

が、その後、2014年頃から、歩道と車道の段差を無くすための大規模改修工事が区間を区切って始まりました。

2020083008そして、完成した区間から歩行者優先の道路に変身。

歩行者ゾーンでは、多くの人々が散策を楽しんでおり、自転車やベビーカー、子供さんも自動車を気にすることなく、Mariahilfer Straßeの散歩を満喫しています。

現在、Kirchengasse-Andreasgasse間、432メートルが歩行者ゾーン、Getreidemarkt-Kirchengasse間(739メートル)とAndreasgasse-Kaiserstraße間( 459メートル)がミーティングゾーンになりました。

それ以外の区間で歩行者は、どこでも車道を横断することができます。

2020083001結果的にウィーン子に好意的に受けとめられたMariahilfer Straßeのリニューアル。

Mariahilfer Straßeはオーストリアでも有数のショッピングエリアで、年間170万人、平日、50000人以上の人が訪れます。

計画を主導した緑の党のBirgit Hebein副市長は、5周年を迎えて、“当初、住民の利便性が損なわれるのではないかという懸念があったが、それは杞憂に終わりました。生活する人、働く人、学ぶ人など、すべての人にメリットがあったことが、証明されました”と言っています。

そして、今後も住みやすい街づくりを推進すると明言しています。

2020083004そして、注目されるのは商工会議所の見解です。Hans Arsenovic副会頭は、“利用者はMariahilfer Straßeを快適に感じています。地元の起業家にとって重要な要因です。今後、利用者を安定的に増やすためには、政治家、企業、住民、お客さまが一体となって、成功したMariahilfer Straßeのコンセプトを未来に繋げる必要がある”と言っています。

つまり、経済界からも好意的に受けとめられているということです。

Mariahilfer Straßeは沿線の住民や商店にとっても重要な生活道路ですが、以前は、ここを通過するだけの自動車が多かったのも事実です。

リニューアルにより「自動車(ドライバー)に不便な道路」になったことで、通過する自動車は、他の道路に迂回したようです。

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August 14, 2020

壮大な試み 宗教キャンパス建設プロジェクト

2020081302日本では、ご先祖様の霊を祀る「お盆」になりましたね。「日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事」とも言われていますが、地方によって、様々な風習があると思います。

Feriも、子供の頃、毎年、お盆の時期、本家で迎え火、送り火の行事があり、家族と共に隣接する本家は足を運んだ記憶があります。

日本でも宗教の熱心な信者はいらっしゃると思いますが、多くの方は、正直、強いこだわりがないというのが、実態ではないでしょうか。

大晦日はお寺、初詣や七五三は神社、結婚式はキリスト教風教会式など、人生の様々なシーンで宗教関連の施設が登場しますが、色々な宗教が顔を出していますよね。

善し悪しは別にして、宗教による対立が2000年以上、続いている国の人からは「不思議な国」に見えることでしょう。

さて、基本的にカトリック教国オーストリアの首都ウィーンで「Campus der Religionen」(宗教キャンパス)という壮大なプロジェクトが進められています。

2020081301日本でも宗教系の大学はありますが、基本的に宗教・宗派により別の学校になっており、仏教系の学校とキリスト教系の学校が同居することはないと思います。

「Campus der Religionen」は、8つの宗教団体が同じ敷地内にキャンパスを作り、教員、学生、信者が相互に訪問することで、理解を深めようという画期的なプロジェクト。

ウィーン市が主導しているもので、Aspern Seestadtが建設予定地です。このプロジェクトに、当初から参加している宗教団体は、以下のとおりです。

-ÖBR(Österreichische Buddhistische Religionsgemeinschaft、仏教)
-Römisch-Katholische Kirche(ローマカトリック)
-Erzdiözese Wien Evangelische Kirche A.B(福音教会、プロテスタント系)
-IGGÖ(Islamische Glaubensgemeinschaft in Österreich、イスラム教)
-NAK(Neuapostolische Kirche Österreich、新使徒教会、キリスト教系)
-Sikh(Religionsgemeinschaft Österreich、シク教)
-Griechisch-orientalische Metropolis von Austria(ギリシャ正教会)
-Israelitische Kultusgemeinde Wien(ユダヤ教)

2020081303この他、プロジェクトのパートナーとして、Kirchlichen Pädagogischen Hochschule Wien/Kremsが加わりました。同校は、「Campus der Religionen」完成後は、ここへ移ることが決まっています。

3枚目の写真は、8月11日、市庁舎で行われた記者会見に集まった関係者の皆さま。上記の団体代表が参加しています。

U2のSeestadt駅近くに建設されている「Campus der Religionen」は、敷地面積約10000平方メートルを誇り、同じ敷地内に8つの宗教施設と共用施設が設けられます。完成後は約2500名の学生が、ここで学ぶ予定です。

2020081307ある意味、複雑な背景を抱えたプロジェクトなので、建物の設計はEU加盟国を対象とした国際コンペが行われ、44案が提出されました。

この中から、審査員が都市計画との関連、経済性、コンセプトなどを審査し、42案が残りました。

22案はウィーンの建築事務所でしたが、オーストリアの他州、ドイツ、スイス、スペイン、スェーデン、ポーランド、フランスなどからも応募もありました。

先日、最終選考会が開かれ、ウィーンの建築事務所Burtscher-Durig ZT GmbHの案が第一位となったことが発表されました。

2020081304同社の案は、ファザードに関しては宗教色を廃したニュートラルなデザインが特徴。確かに最近、オープンしたウィーン経済大学キャンパスよりは、おとなしいデザインです。

教育棟、食堂やロビーなどの共用施設に関しては、共同性や多様性を考慮して、機能的にデザインされています。

一方、礼拝堂、モスクなどの宗教施設については、各宗派の伝統的な考え方が強く反映されたオーソドックスなデザインです。

全体レイアウトは、広場に周囲に建物を建設するもので、オープンスペースの広場が宗教観の「交流の場」として機能するようになっています。

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August 12, 2020

ÖBB Bahnhof Sillian近代化にみる考え方

2020081101今日は「ÖBBの駅近代化にまつわる話題」をお届けしましょう。

昨今の環境保護に対する意識の高まりを受けて、ÖBBではエネルギー効率の良い公共交通機関の積極利用をアピールしています。

お客さまが利用しやすくする一つのポイントは、駅の整備です。先日、東チロルLienz地区にあるSillian駅のリニューアルが完成しました。

Sillianは海抜1103メートル、人口2000名強の街で、地区の商業中心地(Marktgemeinde)。冬のスキーをはじめとする観光や手工芸、サービス業などが主な産業で、ÖBB Drautalbahnの駅があります。

2020081108余談ですが、オーストリアで日照時間が最も長い街だそうです。

ÖBBでは、東チロルの鉄道インフラ整備の一環として、チロル州を始めとする地元自治体と協力してSillian駅のリニューアルを進めていました。

リニューアルの一つのポイントは、駅前広場への「パーク&ライド」と「バイク&ライド」併設です。今回、駐車場・駐輪場が拡大され、各々35台分が準備されました。

2020081104

もう一つは、プラットホームへの地下通路設置です。Feriは、Sillian駅を訪ねたことはありませんがリニューアル前の写真を見ると、線路は4線(中央に本線、両側に副本線)あり、プラットホームは駅舎側に一面、上下線の間に狭い島式が二面設置されていました。 2020081106駅舎からプラットホームへの移動は、当然、踏切。プラットホームも伝統的な低いタイプでした。

今回のリニューアルでは、線路を1線(本線)つぶして、そこに新しいプラットホームを建設したようです。そして、駅舎側の副本線を本線に格上げし、同時に駅舎側プラットホームは廃止しています。

2020081105駅舎側および反対側から新しいプラットホームには地下通路を通って、行くことができるようになりました。地下通路化により踏切をわたる必要がなくなり、事故防止が図られました。

大きな駅では、リフト(エレベーター)を設置するのが一般的ですが、さすがに地方の小さい駅なので、リフトの設置は見送られています。

2020081103そこで、駅舎側の駐車場から踏切を使ってプラットホームへ行けるスロープが設置されました。

駐車場側(駅舎側)にしか踏切がない理由は、車いすなどを利用するお客さまは、駅まで自動車で来ることを想定しているのだと思われます。

また、反対側には主要道路がないので、それも考慮しているのかもしれません。

2020081109日本では、この手のリニューアル工事の場合、駅舎を改築するのが一般的ですが、写真をご覧になるとわかるように、Sillian駅の場合、石造りの伝統的な駅舎は健在です。ただ、現在は無人駅になっている可能性が高いと思います。

また、日本の場合、ローカル駅では地下道よりも跨線橋(もしくは橋上駅)を建設するケースが多いと思いますが、このあたりは考え方の違いが出ていて興味深いところです。

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August 11, 2020

Christian-Broda-Platzにユニークな日よけが誕生

2020081050日本は「お盆休み」に入っている方が多いと思いますが、ウィーンでは、この時期、市内で道路工事が目白押し。

これは夏休み期間で、人の動きが少なくなるため、この時期に工事を集中実施するという「風物詩」みたいなものです。

さて、賛否両論があった「Gürtelfrische WEST」が予定どおり8月8日にオープン。好天に恵まれ、施設のメインであるGürtel-Poolは、週末、たいへんな賑わいになりました。

2020081055この他、上流の増水による水質悪化で遊泳禁止となっていたNeuen Donauの水浴場ですが、8月10日、MA 39の衛生研究所による水質調査を完了し、水質が回復したことが確認されました。

検査結果を受けて、即日、Neuen Donauでの遊泳禁止は解除され、再び賑わいを取り戻しています。

という訳で、冒頭は暑中見舞いを兼ねて、涼しげな写真をご紹介しました。水着のお姉さまの写真はFeriが撮ったら「セクハラ」になってしまうので、ウィーン市提供の「公式写真」です。

今日は「WestBahnhof付近の話題」です。このブログでもお伝えしたように、今夏、ウィーン市では暑さ対策の一環として、日陰を積極的に作る政策を行っています。

行政はもちろん、民間にも日陰を作ることを奨励しています(「Wiener Schatten」というプロジェクト)。

2020081051そんな中、Christian-Broda-Platzにユニークな日陰が完成しました。Christian-Broda-Platzは、皆さま、ご存じのようにMariahilfer StraßeとWestBahnhofの間にあります。

ここから地下通路でWestBahnhofは行くことができます。

ウィーン市では、基本的には樹木による日陰づくりを推奨していますが、物理的に樹木の植栽が困難な場所があります。

Christian-Broda-Platzも、その一つ。というのは、この場所の地下にはU3の駅や地下ガレージ、地下送電線などがあり、プランターによる植栽は可能ですが、地面に直接、樹木を植えることは困難です。

2020081052しかも広場はコンクリートで、非常に暑くなります。そこで、人工的な日よけを広場の上空に設置することで、日陰を作ることになったものです。

Christian-Broda-Platzには、照明を兼ねたポールが立っています。これを活用して、日よけテント5張り取り付けました。

街並みとの調和を考慮して、MA19がデザインし、Donaustadtで製造。この日よけテントですが、実は固定式ではなく、日中、太陽が照りつけて気温が20度を超えると自動的に展開し、夕方には、照明が自動点灯すると、それに合わせて折り畳まれます。

 2020081053また、この手の日よけテントは風の影響を受けやすいのが難点。そこで、風速が毎時50メートルを超えると、自動的に畳まれます。これは、風速計と連動しているのでしょう。

この日よけテントですが、常設ではなく、夏季限定。秋には解体されて、整備の上、保管され、来夏に備えます。

なお、Christian-Broda-PlatzはCoole Straßeにもなっており、スプレーミストシステムなども仮設されています。

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