April 03, 2020

幻のU2/U4乗り入れプロジェクト(後編)

20200401001今日は昨日に引き続き「幻のU2/U4乗り入れプロジェクト」をお伝えします。

1981年8月31日、U4の路線がMeidling-HauptstraßeからHietzingまで延伸され、Heiligenstadt-Hietzing間になりました。それに合わせる形で、1981年9月7日から、U2のU4乗り入れが始まります。

乗り入れに伴いU2の運転区間は、右の図のようにKarlsplatz-Schottenring-Hietzing間となりました。つまり事実上の環状運転になったのです。

雰囲気としては、東京の大江戸線のような感じです。

20200401011Feriは、この事実をウィーン交通博物館(Verkehrsmuseum Remise)HALLE1で開催中の「地下鉄建設50年、運用開始40年」(50 Jahre U-Bahn-Bau, 40 Jahre U-Bahn-Betrieb)で、初めて知りました。

トップの写真は、展示されていた乗り入れ時の路線図(イメージ図)です。ただし、単純化するためにHeiligenstadt-Schottenring間は省略されています。

Wiener Linienが当初、難色を示した理由ですが、U2とU4を結ぶ短絡線の分岐器(ポイント)は、営業運転を考慮していないため、最高速度が25km/hに抑えられていました。

当初から環状運転を考えていれば、短絡線の構造も違っていたのでしょうが、このあたり「詰めの甘さ」がオーストリアらしいところかもしれません。 20200401005また、U4はすでにHeiligenstadtまで開業していたため、U2の列車が、U4の途中駅であるSchottenring で割り込む形になります。

U2とU4を結ぶ分岐器の位置がプラットホームに近いところに設置されていたため、分岐器がU2側に切り替えられている時、保安上の関係でU4の列車はプラットホームに進入できず、構外で一時停車せざるを得ませんでした。

当然、ラッシュ時を中心にダイヤの乱れが多発し、逆に利用者には不便を強いる結果になりました。

20200401009当時、U2は路線が短く、お客さまが少ないため2ユニット(4両編成)の列車を使用していましたが、U4はすでにラッシュ時は3ユニット(6両編成)が中心でした。

困ったことにU4の列車がU2に乗り入れることは、当時はU2の設備上の関係で不可能でした(当時のU2は6両編成に対応していませんでした)。

そのため、U2の列車がU4へ乗り入れる「片乗り入れ」という形でした。

20200401006アイデアとしては面白かったのですが、短絡線が営業運転を前提に建設されていなかったことが災いし、テストプロジェクトは失敗。

何とわずか3週間で「U2/U4プロジェクト」は中止。乗り入れ期間は1981年9月7日から9月25日という短い期間でした。

現在もU2とU4を結ぶ短絡線はありますが、U2の延伸に合わせて、変更され、配線図のようにU2からU1には直接乗り入れることは可能ですが、U4へ乗り入れるにはHeiligenstadt方面に向かう必要があります。当時のように、Hietzing方面へ直接乗り入れることはできません。

202004020012008年、EURO2008(サッカー欧州選手権)がオーストリアとスイスの共催で開催されましたが、Stadionへの観客輸送のため、同年5月10日、U2はStadionまで延長開業します。

20200401030Feriは延長開業直前(5月3日)にSchottenring駅を訪問したことがありますが、まだ、U4と同レベルのプラットホームを使っていました(左の写真)。

これは、U2のSchottenring新駅では、折り返しができないため、延長開業と同時に新駅に切り替えたようです。

そのため、U2の延長開業後、中央にあったU2の路線を塞いだようです。現地に行ってみると変わった構造になっています。

現在U4のSchottenring駅は事実上、大きな島式ホームなのですが、Heiligenstadt方面(Glies1)とHütteldorf方面(Glies2)がつながっているのは、U2への乗り換え口があるHeiligenstadt方面だけ。

20200401017左の写真はGlies1とGlies2がつながっているHeiligenstadt側の様子です。奥にはU2への乗り換え口が見えます。

Hütteldorf方面やプラットホーム途中にはGlies1とGlies2を結ぶ通路はありません。Salztorbrücke側の地上へ出ないとプラットホーム間の移動ができません。

右の写真はプラットホームからSalztorbrücke側へ出るための階段。左側が壁になっているのがわかると思います。

ただ、この駅でGlies1、Glies2間を移動するお客さまはいないので、不便はありませんが‥

20200401020このような構造になっているのは、現在の広いプラットホームの間にU2の線路が敷かれていたためなのです。今は壁になっているので、U2の線路は見ることはできません。

なお、U2の乗り換え口になっているHeiligenstadt方面には、現在、大手ベッカライチェーンStröckの売店がU2の元プラットホーム上に設けられています。

しかし、U2の線路がないのであれば、壁を取り払ってGlies1とGlies2を結ぶ通路を作る、もしくはプラットホームを拡幅しても良さそうなのですが、実は、それができない理由があります。

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April 02, 2020

幻のU2/U4乗り入れプロジェクト(前編)

202004010023月の当ブログですが、最もアクセス数が多かったのは3月3日でした。読まれた記事の上位は新型コロナウイルス関連でした。当ブログもしばらくは、かつて仕入れた話題で対応することになるので、アクセス数が伸び悩む可能性があります。

こんな時期なので、恐らく、ウィーン子でもご存じない人が多いディープな話題をお届けしましょう。今日のテーマは「ウィーン地下鉄秘話」。

ウィーンの地下鉄はU1、U2、U3、U4の4系統は全て同じ車両を使用しており、各線区で運用することが可能です。また、車両の検査などで、通常、走らない路線を使って工場まで回送させるケースがあり、営業列車が通らない短絡線も設けられています。

現在、U1、U2、U3、U4はいずれも単独で営業運転されており、相互乗り入れは行われていないのは、皆さまもご存じのとおり。

20200401023ウィーン地下鉄で「異色の存在」はU2。現在、Karlsplatzと郊外のSeestadtを結ぶ17km弱の路線に成長しましたが、1980年8月末の開業から2008年5月8日までは、Ringの半分にあたるKarlsplatz-Schottenring間を結ぶ3.5kmの短い路線でした。トップの写真は開業当初のU2(Wiener Linienの公式写真)。

ご存じのように、この区間にはRingを走る路面電車の路線も多数あり、地下鉄の方が所要時間が短いとは言え、わざわざ地下鉄を利用するメリットは少ないと思います。

なぜ、このような「短い路線」が建設されたのでしょうか。

実は、当時、ウィーンではドイツのミュンヘンなどに対抗して、近代都市をアピールするため、積極的に地下鉄建設を進めていました。その結果、誕生したのがU2‥という訳です。

20200401031U1、U3、U4が、開業後、順調に路線を延伸してきたのとは対照的に「取り残された路線」というイメージがありました。

さて、そんなU2ですが、2000年代に入ると状況が一変します。2008年5月にStadion、2010年10月にAspernstraße、2013年10月にSeestadtまで、それぞれ路線が延伸され、新興住宅地とウィーン旧市街を結ぶ重要な路線に成長しました。

かつてはウィーン地下鉄最短路線だったU2も、現在ではU1に次ぐ路線長を誇っています。ただ、当初から郊外延伸を視野に入れて建設された路線ではなかったようです。

20200401022それが、今日、ご紹介するエピソード。

U2開業から1年後の1981年8月、U4への乗り入れが実施されたのです。

U2とU4は、KarlsplatzとSchottenringの両駅で乗り換えが可能ですが、線路がつながっていたのはSchottenring。

現在、U2のSchottenring駅は、同線のStadion延伸に合わせて2008年5月に完成したもので、ドナウ運河の下にシールド工法で建設されています。

左の写真は、現在のU2 Schottenring駅です。ドナウ川をトンネルでくぐり抜けるため、地下深い場所にシールド工法で建設されています。

20200401021しかし当時は、U4と同じレベルにプラットホームがありました。具体的にはU4のプラットホームの間にU2が入る形になっていたのです。なお、U2のSchottenring駅は折り返しを考慮して単線でした。

そのため、乗り入れ前から、同一プラットホームでU2とU4は乗り換えができました。当時の写真を見るとプラットホーム上の仕切りがラインカラーに塗り分けられています。

乗り換えを伴いますが、U2とU4を合わせるとRingに沿って走る環状線になります。実際、当時の写真を見ると、Schottenring駅に到着したU2は両側の扉を開けて、U4に簡単に乗り換えができるようになっていました。

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March 24, 2020

踏切に見るお国柄

20200323001今日は「鉄道の踏切にまつわる話題」をお届けしましょう。

ÖBBの場合、新しく建設された高速新線を除くと、結構、踏切があります。日本でも、時々、踏切で列車と自動車の衝突事故が発生していますが、事故防止の鍵を握るのが踏切に設置されている警報器と遮断機です。

日本では、遮断機が下り始まると、赤信号が点滅し、警報音が鳴るのが一般的ですね。光りと音で警告を与える‥という訳です。

先日、シュトラースホフ鐵道博物館を訪問した時、Silbewald駅を利用しました。この駅は、踏切を境に上下線のプラットホームが別れているのが特徴です。

20200323003ウィーン近郊のS Bahnだけが停車する駅ですが、無人駅です。ウィーン方面行きのプラットホーム上(1番線)に設置されている待合室内にチケットの自動券売機が設置されています。

この駅で面白いのは、下りのプラットホームに隣接して小さなBUFFETがありますが、先日、Feriが訪問した時は営業していませんでした。

博物館の訪問を終えて、ウィーンに戻るため1番線で待っていたところ、ウィーン発のS Bahnがやってきました。当然、踏切が閉まる訳ですが、日本ではおなじみの警報器の音が聞こえませんでした。

20200323002どうやら、赤信号と遮断機だけで踏切の通行を遮断しているようです。

この区間は、S Bahnだけでなく、快速列車や長距離列車、貨物列車も走る幹線なので、意外と列車が頻繁に通ります。

駅周辺は住宅地なので、列車が通過する旅に警報音が鳴ると、正直、かなりうるさいと思います。しかも夜間も列車は運行されていますから‥

駅付近の住民のために警報音が鳴らないようにしているのでしょう。このあたり、考え方の違いが現れているような気がします。

そう言えば、その昔、市内の歩行者用交通信号に目の不自由な方向けに音の出る装置を取り付けたところ、最初は、結構、住民からクレームが出たという話があります。やはり「音」に対しては、敏感なのかもしれません。

20200323005また、この区間は直線区間なので、通過列車は高速で走っています。そのため、踏切が意外と早く閉まります。

道路遮断の流れですが、最初に踏切に設置されている信号が赤になります。信号機で自動車に停止を促したあと、遮断機が下りるというパターンです。

そして、自動車用信号機が線路を挟んだ反対側からも見えるように複数、取り付けられています。信号機の数を増やすことで、警報音を鳴らさないことをカバーしているのかもしれません。

また、遮断機のバーは、日本と異なり、かなり大型(太い)のものです。

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March 21, 2020

謎のピクトグラムシリーズ ÖBB「CityJet」にて

20200319011「コロナウイルス関連の話題」と「一般の話題」が交互になっており、申し訳ございません。今日はÖBBが増備を進めている近郊型電車「CityJetのピクトグラムに関する話題」です。

このブログでも何回か取り上げていますが、この電車は、色々な工夫がなされており、乗客の利便性が大幅に向上しています。車内には総合案内装置が設置されており、到着時間や乗り換えを確認することが出来ます。

そして、無料のWi-Fiが設置されています。ÖBBでは駅に無料Wi-Fiを設置していますが、こちらは走行中でも使えるので、正直、便利です。

20200319012また、パーソナルコンピューターやスマートフォンの充電に使用できるAC電源も設置されています。

日本で、電源コンセントは座席に設置されていることが多いですが、CityJetの場合、に棚下にあります(2人に1つ)。せっかくなので使用中の写真をご紹介しましょう。

また、以前にもご紹介したように様々なピクトグラムを見ることができます。

この荷棚下には近郊型電車ながら読書灯が設置されています。タッチ式のスイッチに触れると読書灯が点灯します。

20200319013ふと、気になったのは、読書灯の横(写真では下ですが)。左側はLED式の読書灯なのが、すぐにわかりますが、問題は右側。

読書灯のスペースに「ゴミ箱」のピクトグラムが付いています。当たり前ですが、荷棚にゴミ箱はありません。

ピクトグラムそのものは一般的なものですが、掲出されているところが、正に「謎」。

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March 09, 2020

シニア割引

20200308006ヨーロッパでもイタリアを中心にコロナウイルス感染者が増えていますが、ウィーンにも影響が出てきています。ウィーンでは観光客も多いですが、国際都市として、毎年、各種学会が開催されます。

先日、ORFは「国際放射線学会(23000名が参加予定)の開催が3月から7月に延期された」と報道していました。当然、観光客の数も減っているようです。

ホテルをはじめとする観光産業では、従業員の一時帰休などを始めているところもあるようです。それをふまえて、オーストリア政府も財政的な支援を開始しました。

ウィーンでは、まだ劇場の公演休止などは行われていませんが、今後の動向が気になります。

20200308002さて、今日は「割引に関する話題」です。Feriも歳を重ねて、一部ではありますが「シニア割引」の対象者になりました。

Volksoperでもシニア割引がありますが、自分の見たい公演と重なりません。Robert Meyerさん、自腹でレポートをお届けしているので、なんとかしてください(笑)。

さて、先日、現在、原稿を書いている鉄道車両に関する詳細な情報を得るためシュトラースホフ鐵道博物館(DAS HELZHAUS/EISENBAHNMUSEUM STRASSHOF)を訪問しました。

20200308003現在は冬季営業(3月末まで)なので、土曜日と日曜日しか開館していません。更に施設内のCafeも閉鎖中で、各種のアトラクションもなし。そのため、来場者はほとんどいないようです。

Feriは日曜日の午後、訪問しましたが、来ていたのは家族連れが一組と鉄道ファンらしき男性が1名でした。

正直、Feriも、原稿執筆がなければ行かなかったのですが‥市内からはS1で行くのですが、列車がCityJet中心になっていたのが驚き。

今回は往復ともCityJetでしたが、やはり快適ですね。車内でWi-Fiも使えますしね。

20200308001さて、最寄り駅のSilbewaldから徒歩で博物館へ向かいます。その昔、初めて訪問した際、名前に騙されて手前のStrasshofで下車して、大変な経験をしました。

博物館に到着して、チケット売場で入場券を購入。ご年配の職員の方が対応してくれました。

開口一番、“貴方はシニアか?”。もちろん、“Ja”。という訳で、シニア割引料金で入場することができました。

その後、振り返ってみるとウィーンでシニア割引を適用されたのは、今回が初めてだったと思います。鉄道に縁のあるFeriらしいお話。お値段は通常の大人料金が9.0Euroのところが7.2Euroになりました。

20200308004しばらくぶりに訪れたシュトラースホフ鐵道博物館ですが、集められている車両がかなり変わっていました。

今回のお目当ては別の車両だったのですが、かつて期待された新鋭電気機関車1014型が多数、集められていた点です。

電気機関車は電機部品の関係で動態保存は難易度が高いのですが、5両以上の1014型が集められていたのには、正直、驚きました。何かプロジェクトが動いているような気もします。

ところでシュトラースホフ鐵道博物館では、動態保存機は別にすると、展示車両の状態は非常に悪いのが残念でなりません。

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March 06, 2020

訂正 Pilgramgasse駅の今

20200304011ヨーロッパでもコロナウィルスの影響でスポーツイベントの延期や無観客試合化が行われていますが、ウィーンで大きなイベントは4月19日に開催予定の第37回ウィーンマラソン。

現時点では、コロナウイルス蔓延の状況を精査しつつ、予定どおり、開催する方向で準備が進められているようです。なお、4日現在、オーストリア内の感染者は29名です。

今日の話題は「ウィーン地下鉄U4のPilgramgasse駅の近況」です。

先日、営業を再開したPilgramgasse駅へ行ってきました。実際に現場を見て、Feriが勘違いしていたことがあり、赤面の至りです。

まず、プラットホームは、補強工事も行われて壁が非常にきれいになりました。ただ、車いす対応のスロープはHütteldorf方面のプラットホーム(Gleis2)に設置されていました。

20200304015てっきり運河とは逆側に仮設したものと思い込んでいましたが、運河の護岸を改修し、スロープをつけるスペースを生み出したようです。当然、この部分の護岸はコンクリート造りです。

スロープは線路上をまたぐ形で運河方向へ出て、そこから運河沿いにプラットホームに下るようになっています。なお、スロープはいきなりプラットホームに入るのではなく、90度曲がってからプラットホームにつながっています。

これは万が一の事故防止を視野に入れているものと思われます。

20200304014勾配が10%(100‰)と急なため、車いすでの利用の際は注意を呼びかけるピクトグラムが掲出されていました。

逆にHütteldorf側(Glies2)には仮設階段が設置されています。

将来、U2の駅が出来るとメインになるHütteldorf側の駅舎は、現在、解体されており、仮施設での営業中です。

20200304013そのため、チケット販売機も入り口に近い場所に仮設されています。

こちらに関しては、後日、U2駅の本格的な工事が開始される関係で、仮囲いで完全に覆われています。いかにも「仮駅」といった雰囲気。

なお、Heiligenstadt方面のオットー・ワグナー設計の駅舎には、スロープがある箇所を示す案内板が設置されています。

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February 26, 2020

非常通報装置は、こちらです

20200226002今日は駅に設置されている「非常通報装置の話題」です。

昨年、日本に戻って仕事で移動中、某私鉄の駅で列車を待っていると、突然、プラットホームに耳慣れない警報音が鳴り響きました。

事務室から一斉に駅員さんがやってきて状況確認を始めました。どうやらお客さまがプラットホームから転落し、それを反対側のプラットホームにいたお客さまが発見し、非常通報装置を動作させたようでした。当然、列車は緊急停止。

列車の運転が抑止されたため、Feriも、その駅でしばらく待機。しかし、その後がすごかった‥

まず、救急車が到着。これは想定内。が、続いて消防署の特別救助隊と消防車も到着。重装備の隊員が一斉にプラットホームに向かいます。

20200226001 そして、最後は警察のパトロールカー。駅前を見ると緊急自動車が8台近く集まっていました。ウィーンだったらカメラを持ち歩いているのですが、日本の場合、持ち歩く習慣がないので、写真はございません。

駅員さんの話によるとプラットホームからの転落事故が発生した場合、最悪の事態を想定して、消防機関は最初に多くの戦力を投入するようです。警察が来たのは、事故ではなく、事件の可能性があるからだとか‥

最終的にプラットホームから転落したお客さまは、事件性はなく、列車に巻き込まれることもなかったため、特殊機器を使って救出するという事態には至らず、タンカで救急車に搬送され、救急病院へ向かったようです。

なお、転落した理由はわかりませんが、日中だったので、病気の可能性が高いようです。

さて、前置きが長くなりましたが、ウィーンの地下鉄駅にもプラットホームに非常通報装置が設置されています。地下区間では壁に消火栓などと一緒に埋め込まれているのが一般的です。

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February 22, 2020

盗まれた駅名板

20200222003今日は「ちょっと残念な話題」です。日本でも、時々、「鉄道愛好家の暴走事件」が発生しますが、地下鉄U4のStadtpark駅とSchönbrunn駅でプラットホームの壁に取り付けられている駅名板が盗難に遭うという事件が発生しました。

ちなみに右の写真は、Stadpark駅の修復工事が完了した当時のもので、駅名板もオリジナルです。

犯人は、まだ捕まっていないようですが、どうやら「愛好家の行為」のようで、しかも繰り返し発生しているとか‥

20200222002ご存じのようにStadpark駅はオットー・ワグナーがデザインしたもので、1899年にStadBahnの駅として開業しました。駅名板のフォントについてもオットー・ワグナーが選択した由緒正しきもの。それ故に、コレクションの対象になったのでしょうかね。

従来の駅名板は、文字を一文字ずつ鋳造で製造しており、製造コストもけっこうかかります。

今回、Wiener Linienでは、修復作業にあたり、従来のデザインを踏襲しつつも、盗難防止策を徹底する対策をとりました。

20200222004具体的には、文字を取り付けるボルトを長く(25cm)して、基部に深くねじ込み、簡単には取り外せないようにしたのです。Wiener Linienの担当者によれば、「石づくりの基板と一緒でないと駅名板は外せない」そうです。

また、今後、窃盗犯の出没に備えて、駅に設置されている監視カメラによる監視強化も推進することになっています。

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February 20, 2020

ÖBB-ROLAがブレンナー峠で活躍中

20200220001今日は恒例の「第64回オペラ座舞踏会」(64. Wiener Opernball) ですが、当ブログの記事をアップしたのは日本時間の20日午前5時なので、ウィーンは、まだ19日です。日本だったら、時節柄、中止という判断が下ったかもしれません。

さて、5001件目の記事ですが、Feri「お得意のジャンル」の一つ、鉄道ものです。「環境保全を目的としたモーダルシフトの話題」です。

ご存じのように最近では環境保護の観点から、大型トラックをアルプスを通過する高速道路から締め出す動きが出ています。これは、イタリア方面とドイツ方面を結ぶ貨物輸送の場合、スイスやオーストリアは単に通過するだけで、両国にとってメリットが少ないためです。

オーストリアでもブレンナー峠で2020年から大型トラックの通行が制限されています。しかし、鉄道だけで全ての貨物輸送を担うことは困難です。

そこで、峠の区間を、大型トラックを搭載し列車を運行する列車フェリー方式が採用されています。

20200220002オーストリアでも峠を越える道路がない区間には列車フェリーが運行されており、大型トラックだけでなく、一般の乗用車なども運搬しています。

運行を担当しているのはオーストリア国内のみならず、ヨーロッパで貨物列車の運行を行っているÖBB Rail Cargo Group。

ブレンナー峠を走る大型トラック搭載列車フェリーですが、「ROLA am Brenner」という名称で、専用の超低床式車運車を使い運転されています。運転区間はBrenner - Wörgl間、Trento – Wörgl間、Wels – Maribor間で、最大46列車が運行されています。

20200220004ちなみに2019年は、この列車で、151274台のトラックが輸送されました。

3区間の中で、メインとなっているのがBrenner - Wörgl間です。平日は、深夜も含めてほぼ1時間間隔で運転されています。所要時間は2時間40分ほどです(上下で所要時間が異なります)。

搭載できるトラック(トレーラーを含む)は全長18750mm、全幅2600mm(車輪幅は2520mm)、全高4000mmです。また、電化区間を走行するため、車高よりも高いアンテナ類の使用は禁止されています。

20200220005超低床式の専用車運車を使用しているため、トラックは、基地でチェックインの後、ドライバー自身の手で自走して列車に搭載します。

その後、ブレーキをかけて、車止めでトラックを固定します。走行中の安全確認を行った後、トラックドライバーは併結されている客車に乗車し、移動します。

トラックドライバーは基地構内を徒歩で客車に移動するため、安全確保のため、反射ベストの着用が義務づけられています。

20200220006興味深いのは列車で移動中の時間、トラックドライバーは法廷休憩時間になることです。

日本と同じく省略形が好きなオーストリアなので、正式名称はRollenden Landstraße ですがROLAと呼ばれています。

ROLA利用のメリットですが、トラックの走行距離削減、待ち時間の削減、ドライバー負担軽減、環境負荷軽減などです。

気になる料金ですが、Brenner発Wörgl行きの場合、トラックのサイズによって事なりますが、トラックドライバー(2名分)の運賃も含めて、2tが100Euro、3tが110Euro、4.05tが136Euro、4.2tが192Euro、4.4tが226Euroとなっています。

興味深いのは上下で料金が異なっている点です。Wörgl発Brenner行きの方が運賃が高くなっています。

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February 14, 2020

季節外れの暴雨風で鉄道が運休に‥

20200213001日本では、本日、2月14日はチョコレート売場が盛り上がる「バレンタインデー」。このブログでも再三、ご紹介しましたが、こちらは日本のように女性が男性に贈り物をする日ではありません。

日本では2月は消費が冷え込む時期なので、消費拡大を狙った業界の戦略が見事に当たった一つかもしれませんね。実際、コンビニエンスストアの店頭にも、いつもは見かけない高級チョコレートが並んでいるようですが‥

さて、コロナウイルスによる新型肺炎のニュースが中心のため報道されていないかもしれませんが、ヨーロッパでは季節外れの暴風雨に見舞われました。

オーストリアでも被害が出ており、南チロルDrautalでは土砂崩れが発生し、ÖBBの路線が一時、運休となっていました。

復旧作業の結果、線路上の障害物が取り除かれ、2月12日から東チロル-南チロル間(Lienz -InnichenおよびFranzensfeste間)の列車運行が再開されました。

20200213003ÖBBが復旧を急いだ要因の一つは、Antholzで開催されるバイアスロンのワールドカップ(2月12日~23日に開催)に間に合わせるためでした。こちらではバイアスロンも人気のあるウィンタースポーツなので、観客輸送には鉄道は欠かせません。

ただ、今回の被害では、線路だけでなくÖBBのパートナーであるVVT(VERKEHRSVERBUND TIROL)が運用する車両に被害が及んだため、列車の運行に支障が出る可能性がありました。

そこで、ÖBBでは、急きょ、車両をVVTに貸し出して、通常ダイヤによる運転再開を支援しています。なお、この措置は、VVTの車両整備が完了する2020年6月まで継続される予定です。

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