June 22, 2017

ウィーン市の新路面電車プロジェクト

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今日はWiener Linienが発表した「Straßenbahn-Projekte laut Öffi-Paket bis 2020」の概要をお届けしましょう。

Wiener Linienでは、これから2020年に向けて、路面電車やバスの路線延長やルート変更を中心とした改良プロジェクトを発表しました。地下鉄U1の延長開業、U2/U5の建設工事なども関係しているようです。

-O系統の延長
O系統は、現在、Migerkastraße-Praterstern間を結ぶ路線ですが、北部の都市開発に合わせてPratersternまで1.4キロ、延長されることになりました。

この間に、4つの停留所が新設される予定になっています。なお、延長工事は2019年から開始されます。

-D系統の延長
D系統は、現在、Alfred-Adler-Straße ―Beethovengang間を結ぶ路線で、Hauptbahnhof Ostにも乗り入れています。

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現在はHauptbahnhofの先、Alfred-Adler-Straßeで折り返していますが、これをAbsberggasseまで延長しようというものです。延長区間の距離は1.1キロで、2つの停留所が新設されます。

この区間はU1と並行する路線ですが、ご存じのようにHauptbahnhof周辺の大規模再開発プロジェクトが進められているエリアです。そのため、U1を補完し、新しいエリアへの足を確保するための路線延長となったようです。

-6系統の路線改良
6系統はBurggasse-Stadthalle - Kaiserebersdorf, Zinnergasse間を結ぶ路線です。

路線が長い上に、混雑する区間を通過することから、より円滑な運行を行うため、新しいループ線を建設することになりました。

なお、D系統が延長されるとAbsberggasseで接続することになります。恐らく、D系統の延長に合わせた関連工事になると思われます。

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June 20, 2017

番外編 駅が劇場に大変身

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今日は、番外編ですが、「劇場の話題」をお届けしましょう。

ウィーンでは、歌劇場や音楽ホールは、当初から目的を明確にして建設されているところが、大多数だと思います。

ウィーン国立歌劇場のように戦災で大きな被害を受けた建物も、復行に際して、オリジナルを尊重した形で復行されたため、細かい説明を見ないと、昔からの建物が、そのまま残っているような錯覚に陥ります。

それに対して、ドイツではバイエルン国立歌劇場やドレスデン・ゼンパーオーパーのように、昔の姿を見事に止めている劇場もありますが、全く新しく作った劇場も多いようです。

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最もFeriは、ドイツの歌劇場やコンサートホールをくまなく回ったわけではありませんから、明確なことは言えませんが‥

そんな中で、非常に印象に残っている劇場が、バーデン=ヴュルテンベルク州Baden-Baden(バーデン=バーデン)にあるFestspielhaus Baden-Baden(祝祭劇場)です。

ご存じの方も多いと思いますが、ドイツのバーデン=バーデンは、17世紀から続く有名な温泉保養地です。Feriなどはウィーン近郊のBadenの方が親しみがありますが、一般の人にとっては、ドイツの方が知られているかもしれません。

人口5万人ほどの小さな街なのですが、温泉保養地としてクアハウスやホテルが充実している他、競馬場、美術館(州立美術館を含む)などが設置されています。

そして音楽ファンにとって有名なのが、Festspielhaus Baden-Baden(祝祭劇場)です。同劇場は収容人数2500名という巨大な劇場です。

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実は、この劇場は、規模が大きいだけではなく、その構造に特長があるのです。というのは、劇場のファザードがかつての鉄道の駅舎を、そのまま転用しているのです。

この駅は1904年、Baden-Badenの中央駅として建設されたものです。ただ、本線から分岐している支線の駅として使われていました。その後、支線が廃止されたため、駅も1977年に廃止されました。

その後、Festspielhaus Baden-Badenを建設する際、伝統的な駅舎の再活用プランが浮上し、劇場のエントランスとして使用されることになったものです。

ちなみに設計を担当したのは、Salzburg生まれの建築家Wilhelm Holzbauer氏だそうですから、オーストリアとも縁があるわけです。

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May 26, 2017

万国共通「列車ダイヤ」

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今日は「列車ダイヤの話題」をお届けしましょう。

よく、日本では“台風により列車ダイヤが乱れました”“ダイヤ改正”といった報道を目にします。

このダイヤという言葉ですが、略称で、正確にはダイヤグラム(diagram)と言い、運行計画を表現した線図のことです。

一般的に鉄道ダイヤグラムは、横軸に時間、縦軸に距離をとり、駅を縦軸上に配置したグラフ状の資料です。お客さまには馴染みがありませんが、運行に携わる鉄道職員にとっては必携の業務ツールです。

また、列車の運行計画は、このダイヤグラム作成から始まります。一般の時刻表は、このダイヤグラムから各駅の停車時刻を抜き出してまとめたものです。

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日本でも鉄道ファン向けの雑誌などに、時々、特定路線のダイヤグラムが掲載されていることがあります。

これは、列車の撮影をする際、どこで追い抜きがあるか、単線の場合、どこで列車の交換が行われるかなどが一目でわかるためです。使い方に慣れると非常に便利なツールです。

さて、以前、Karlsplatzにあるウィーン博物館で「GROSSER BAHNHOF」という特別展を実施していたことがあります。

博物館前に小型蒸気機関車を展示する力の入れようで、駅に関する様々な資料を展示していました。

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その中には、現在完成しているWestbahnhofの完成予想図、現在はビルディングの中に入ってしまったフランツ・Franz-Josefs-Bahnhofのオリジナル写真なども見られました。

その中でFeriの興味を引いたのはÖBBの列車ダイヤグラム(南鉄道のようでした)。横軸に時間、縦軸に駅を配置しており、基本的に日本で使用されているものと同じ仕様です。

これを見ると優等列車が普通列車を追い抜く様子などが、よくわかります。また、南鉄道の場合、セメリング峠があるため、ここへさしかかると列車速度が急速に低下し、列車を描いた線の角度が緩くなるのがわかります。

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May 22, 2017

謎のピクトグラムシリーズ 不気味なマーク これは何?

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今日は「謎のピクトグラムシリーズ 鉄道編」です。

鉄道の世界も「謎のピクトグラム」の宝庫です(笑)。何と言っても、外国人の方も含めて多くのお客さまが集まる駅の案内は基本的にピクトグラムが基本。

また、オーストリアでは列車内の表示もピクトグラムが基本です。ただ、今日は一般のお客さまとは、あまり関係の無いピクトグラムのご紹介です。

さて、トップ写真のピクトグラムですが、ちょっと不気味ですよね。「枯れた木とひっくり返った魚」がモチーフになっているようです。

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少なくとも「好ましくない状態」であることは間違いなさそうです。さて、このピクトグラムは、どこに掲出されていたのか‥ 実はオーストリアを代表する狭軌鉄道MURTALBAHNのタンク車に張り出されていたもの。

タンク車に搭載されている液体は、ガソリンなどの燃料のようでした。つまりガソリンなどを川などに流すと環境汚染を引き起こすので、「作業員に注意を促すピクトグラム」ということでしょう。

実際に意図的に流すような作業員はいませんが、タンクローリーに移し替える際、誤って燃料をあふれさせてしまうことは考えられます。

そこで、内容物に関して注意を促すために、このようなピクトグラムが表示されているのでしょう。

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May 11, 2017

「Tramwaytag 2017」の模様をちょっとだけ‥

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このブログで予告したWiener Linienのオープンハウス「Tramwaytag 2017」が、予定どおり、先週末の5月6日に開催されました。

当日は晴天に恵まれて、大変な賑わいだったようです。何しろ基本的には屋外のイベントですから、天気に左右されるのは言うまでもありません。

Feriが参戦していれば、色々な写真を交えてレポートができたのですが、諸般の事情で、今回はお休み‥

やはりSchottentorの地下停留所(38系統、37系統、40系統、41系統、42系統)にオールドタイマーが入るのは珍しいようで、大勢のファンが記録しているようです。

そこで、YouTubeなどにアップされていた動画をご紹介することで、雰囲気を味わっていただければ幸いです。

ところで、日本では、この手のイベントがあると新聞やテレビなどで、その模様が紹介されることが多いのですが、こちらでは、余り出ませんね。これもお国柄なのでしょうか。

しかし、YouTuberにアップされている動画を見ると、日本の鉄道イベントのように「荒れていない感じ」がいいですね。皆さんが、それぞれの立場で楽しんでいるようです。

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April 29, 2017

今も残る旧ロゴ

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今日からゴールデンウィークが始まりますね。今年は前半が連休、後半が5連休という方が多いのではないでしょうか。

こちらのようにメーデーがお休みになると、更に連休が続くのですが‥

さて、最初にお断りから‥今日は「短めの話題」でご容赦ください。テーマは「ÖBBのロゴマーク」です。

ÖBBは、民営化を機にロゴマークを変更したのは、皆さまもご存じかと思います。

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ロゴマークのデザインを、言葉で説明するのは難しいので、写真をご覧頂くのが手っ取り早いですね。

今回、トップに掲載したのが、古いタイプ(一つ前)のロゴマークです。これはFeriが、30年前にオーストリアを訪問した頃、採用が始まったタイプだったと思います。

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ちなみに、その前はÖBBの文字をアレンジしたものですが、羽が生えたようなデザインで、これはなかなか見事なものでした。現在、保存車両などで、このロゴを見ることができます。

現在は、ÖBBの文字をアレンジしたロゴになっています。わかりやすいと言えば、わかりやすいのですが、デザイン的にはどうなのか‥個人的にはちょっと疑問が残りますが‥

こちらでは、日本ほど、ロゴや表示の更新が徹底されておらず、車両に関しても、検査時の塗替に合わせてロゴの変更を行っているようです。

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April 17, 2017

列車の座席指定

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オーストリアでは、今日、4月17日、月曜日は「復活祭の月曜日(Ostermontag)」でお休み。3連休の方も多いようです。

さて、今日は「長距離列車の座席指定」にまつわる話題をお届けしましょう。

日本のJRとÖBBで最も違うシステムが座席指定ではないかと思います。

日本の場合、原則として座席指定車と自由席車に別れていて、座席指定をすると座席指定車の席が割り当てられると思います。

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それに対してÖBBの場合、1等車、2等車という区別はありますが、基本的に全車が自由席で、必要に応じて座席を指定席に切り替える方式になっています。

以前は、座席指定区間を印刷したカードを座席番号の下に差し込む方式でしたが、RailJetなどでは、液晶表示器に自動表示される方法に変わりました。

2枚目と3枚目の写真は、ドイツ鉄道のICEですが、やはり液晶表示装置を使っています。

利用者は、座席を指定している場合、該当する番号の座席へ行き、表示を確認の上、着席する訳です。

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一方、座先指定をしていない利用者は、表示を確認して、座席指定が無い席もしくは乗車区間が座席指定になっていない席を使用することになります。

ちなみに現在の座席指定料金は3Euroです(付加価値税10%込み)。

さすがにクリスマス前など、移動するお客さまが多い時期になると、座席指定の比率が相対的に増えるような気がしますが、通常は座席指定をしなくても大丈夫です。ただ、場合によっては相席を覚悟する必要がありますが‥

Feriが、以前、ウィーンからドイツのニュルンベルクへ往復した際、座席指定は行いませんでした。

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April 10, 2017

CityJetが増えています

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今日は「鉄道の話題」をお届けしましょう。

2015年12月のダイヤ改正からウィーン近郊区間に投入が始まった新型電車CityJet(4746型、4044型)ですが、徐々に車両が増備され、運用区間も増えてきているようです。

ダイヤ改正直後はS80系統に投入されていましたが、その後、2016年12月のダイヤ改正で、お客さまからも要望が多かったシュベヒャート空港連絡のS7にも投入されました。

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ÖBBでは、CityJetを一部の路線に集中投入するのではなく、在来車(4042型や4040型)と共通運用という形で使用しているため、正直、なかなか乗れないのが難点。

それでも、車両が増えてくれば、乗車できる機会も増えることでしょう。

現在、ウィーン周辺でCityJetが投入されているのは、S1、S2、S3、S7、S40、S50、S80とWien FJBf – Tulln – Eggenburg – Sigmundsherberg – Gmünd NÖ – České Velenice間のREXです。

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今回、Feriが見かけたのはHeiligenstadt駅です。最初は、以前に見かけたS Bahn用の4046型かと思ったのですが、よく見ると先頭車の出入り口が1箇所しかありません。これは近距離区間用の4044型ではありませんか。

最初に来たのは近郊路線、次に来たのはS40でした。S Bahnでも路線によっては4044型が使われているようです。

ところで、以前ご紹介したS Bahn用の4046型との違いは、先頭車の中央寄り出入り口がなく、客席になっている点です。

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March 31, 2017

工事が進むÖBB南鉄道プロジェクト(後編)

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今日は昨日に引き続き「ÖBB南鉄道(Süd Bahn)改良プロジェクト」をご紹介しましょう。

しかし、詳しい情報を見ると、ウィーン近郊でも関連する改良工事がいくつも行われていることがわかり、正直、驚きました。

さて、今日は、本プロジェクトで最も注目されているSemmering-Basistunnelから南側をご紹介します。

-05:Semmering-Basistunnel
Wien-Graz間で輸送上のネックになっているセメリング峠を長大トンネルで通過させようという大プロジェクトです。

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セメリング峠を鉄道で通過した方は、わかると思いますが、ループ線を使って峠を登るため、RailJetでも最高速度が70km/h以下に低下します。

さらに重量の重い貨物列車の場合、補助機関車を連結しても、編成に制限があります。それだけに輸送の大きなネックになっている訳です。

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オーストリア以外でも聞くことが増えてきた「Basistunnel」という言葉ですが、これは山の基部に近いところに長大トンネルを掘削する場合に使う言葉です。

従来はトンネル掘削の手間を省くため、ある程度の高さまで登ってから、短いトンネルで峠を越えるという方法が一般的でした。

しかし、トンネル掘削技術の進歩により、地圧が高い山の基部にトンネルを掘ることが可能となりました。当然、この方が勾配が少ないため、到達時間の短縮効果は絶大です。

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March 30, 2017

工事が進むÖBB南鉄道プロジェクト(前編)

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3月朝以後の話題は「ÖBB南鉄道改良プロジェクト」をご紹介しましょう。

このブログでも断片的にご紹介していますが、ÖBBではWien-Graz間の幹線である南鉄道改良プロジェクトを進めています。

このプロジェクトの中心は、ご存じのSemmering-Basistunnel(セメリング・ベーストンネル)ですが、実は、それ以外にも、関連して複数の案件が同時進行しています。今日は、その内容を、まとめてご紹介します。

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現在、チェコ発着のRailJetがグラーツまで乗り入れていますが、チェコ-ウィーン間の路線がNordbahn(Mehr Verbindungen – Weniger Grenzen)です。

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南鉄道と一体になって運用される計画が立案されたため、南鉄道改良プロジェクトに含まれました。

工事は線路の改良に加えて、オーストリア国内の駅(18駅)についてのバリアフリー化が計画されました。

改良工事はRailJetの乗り入れ開始に合わせて2016年にほぼ完了し、運用に供されています。

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皆さまもご存じのように、こちらはプラットホームの高さが低いため、車両にはステップがついており、これがバリアフリー化を妨げています。

日本の場合は、プラットホームのかさ上げで対応するケースが多いようですが、こちらでは、近郊型車両の場合、デッキ部分を低床化することで対応しています。City Jetの投入も、その一環です。

ただ、プラットホームの高さが低いとは言っても、駅構内の移動をスムーズにするため、各種の改良が必要になってきます。

-02:Wien Hauptbahnhof
このブログでも建設経過をご紹介した「南鉄道改良プロジェクトにおけるウィーン側最大の案件」がWien Hauptbahnhof。

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駅周辺の整備事業は、現在も継続中ですが、駅設備に関しては2015年に完成し、2015年12月のダイヤ改正から、ウィーンに発着する総ての優等列車が同駅を利用するようになりました。

南鉄道と西鉄道の乗り換えも、同一ホーム上でできるようになり、利便性が大幅に向上したのは、皆さまもご存じのとおりです。

-03:Güterzentrum Wien Süd
Wien Hauptbahnhofが旅客駅であるのに対し、日本以上に鉄道による貨物輸送を重視するヨーロッパでは、現在も大規模貨物駅の整備が行われています。いわゆるモーダルシフトの拠点となる駅です。

ウィーン郊外にあるGüterzentrum Wien Südも、その一つ。最新の貨物駅だけあって、荷下ろしが効率的にできるよう、様々な工夫が施されているそうです(貨物駅なので、一般の人は見学できませんので‥)。

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