February 27, 2021

NightJet用新型客車のエクステリアデザイン公表

2021022410今日は「ÖBBの話題」をお届けしましょう。

ÖBBがSiemens Mobilityに発注していたNightJet用客車の車体が完成し、2月23日、関係者に公表されました。

ÖBBが運行する国際夜行列車NightJetは、今まで同社が使用していた客車(座席車、寝台車)や、City Night Lineを運行していたドイツ鉄道(DB)から移管された客車を使用しており、正直、統一感のない編成でした。

一応、塗装はNightJet仕様に塗り替えられた車両も存在していますが、如何せん、古い車両が多く、見栄えは‥左の写真でご確認ください。

2021022412また、車内の快適性も、今の水準で見ると十分とは言えませんでした。

ÖBBも、この点は承知しており、NightJetの需要が確認されたことを踏まえて、ネットワークの拡充に合わせて新型客車の発注に踏み切ったものです。

新世代のNightJetは座席車(Sitzwagen)2両、簡易寝台車(Liegewagen)3両、寝台車(Schlafwagen)2両の7両編成が基本。

2021022411オール寝台にしない理由は、低料金で利用できるようにするためなのは、言うまでもありません。長距離バス対策という訳です。

基本的な塗装は、現在、NightJetに使用されている客車と同じく濃紺をベースにしていますが、ポイントは、窓下の赤とグレーのラインに加えて、窓上と屋根にかかる部分に夜空が描かれていることです。Feriは、センスの良いデザインだと思います。

写真はÖBB広報部提供の公式写真ですが、車内設備は全くできていない状態で、車体に塗装だけ施して、公開したようです。そのため、よく見ると窓からは車両の骨組みが‥

20200826104日本の場合、ある程度、車内設備を作り込んでから、塗装をするケースが多いだけに、意外な感じがします。

さて、簡易寝台車(Liegewagen)には、プライバシーを確保した、一人ミニスイートが設置されます。

寝台車のスタンダードコンパートメントとデラックスコンパートメントには独立したシャワー室とトイレが設置されます。

20200826106更にRailJetに採用されている無料Wi-Fiが搭載され、利用者は車内で様々な情報サービスを受けることが可能になります。

従来のNightJet用客車はバリアフリーは考慮されていませんでしたが、今回、新製されている車両には低床式の出入り口が設けられ、簡易寝台車はバリアフリー仕様になります。

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February 23, 2021

祝 天皇誕生日

20210223日本の天皇誕生日をお祝いして、番外編としてFeriがその昔、撮影した写真をお目にかけます。

昭和の時代、天皇陛下が公式行事で地方へ行幸される際、鉄道をご利用になるのが一般的でした。そのため、国鉄では御料車を所有しており、宮内省からの要請があると臨時ダイヤを組み、お召列車を運転しました。

東海道線に関しては、新幹線開通後、在来線にお召列車が運転されるケースは希でしたが、それ以外は、年に何回か、お召列車が運転されていました。

この写真を撮影した当時、Feriは高校生でしたが、学校をズル休みすることは親が許さず、学校が終わってから、新潟から原宿へ向かうお召列車を山手線駒込駅に駆けつけて撮影したものです。

実は、この時は、新潟県下で蒸気機関車がお召列車を引くと言うことで、多くの愛好家は、そちらへ遠征していました。

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February 21, 2021

2021年は“Bahn frei für das Europäische Jah”

2021021901今日はFeriの得意分野の一つ、「鉄道の話題」をお届けしましょう。

日本では、鉄道輸送が温室効果ガス削減に貢献するという視点で話題になることは少ないようです(最も鉄道は、列車の運行では温室効果ガスは少ないが、インフラ整備に多量の温室効果ガスが排出されると指摘する学者の方もいるようですが‥)。

一方、温室効果ガス削減を強力に推し進めるEUでは、鉄道は「安全で、持続可能な輸送機関」と位置づけており、積極的に鉄道利用を促進する政策を推進中です。

そして、EUは2021年を「ヨーロッパ鉄道年」(Bahn frei für das Europäische Jah、EU Year of Rail)と宣言しました。

2021021902ÖBBでは、これを記念して新しい特別塗装機関車を登場させ、2月11日、Wiener Hauptbahnhofでお披露目がありました。

この特別塗装機関車は、現在、ÖBBで標準となっているSIEMENS製の汎用電気機関車タウルス(Tauru)。

隣国への乗り入れも可能な2電源仕様(交流15 kV 6.7 Hzと交流25 kV5 0Hz対応)の1116型で、ファンにとって気になる機番は276号機です。

2021021903今後、オーストリア全土や隣国を走り、鉄道が環境に優しい輸送手段であることを広く国民にアピールします。

同機は、\言わば「ヨーロッパ鉄道年」の大使としての役割を果たすもので、キャッチフレーズは“Bahn frei für die neue EU-Lok”。

お披露目当日は、ÖBBのAndreas Matthä CEO、Martin Selmayr駐オーストリア欧州委員会大使、Leonore Gewessler連邦政府気候保護大臣らが参加し、洗礼式を挙行。同機の落成を祝いました。

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February 08, 2021

ÖBBとWestbahnがWien-Salzburg間の列車を減便か

2021020710日本でもCovid-19感染拡大の影響を受けて鉄道利用者が、大幅に減少しているようですが、これはオーストリアでも同じです。

連邦政府は日本の東京-大阪間に相当するWien-Salzburg間の鉄道輸送を維持するため、2020年11月、ÖBBとWestbahnに4500万Euroの緊急支援を行いました。

しかし、2月7日に緊急融資の期限を迎えます。ところが連邦政府財務省は、まだ緊急融資の延長に合意していないため、ÖBBとWestbahnはWien-Salzburg間の列車運行本数を削減することを発表しました。

2021020712具体的には、ÖBBは2月8日以降、Wien-Salzburg間の列車運行本数を段階的に最大50%まで削減する予定です。

更に今まで緊急事態に対応するため、ÖBBとWestbahnの相互利用が可能(各社のチケットで両社に乗車可能日本の振替乗車に相当)でしたが、これも2月8日から打ち切られます。従来のように各鉄道のチケットだけが有効に戻ります。

Westbahnは具体的な運行削減計画を発表していませんが、やはり財政的に厳しいことから、列車本数削減に踏み切る見込みです。こちらのマスコミは、この発表を連邦政府財務省に対する「圧力」と捉えているようです。

鉄道を所管する連邦政府運輸省は、1月上旬、財務省に対して緊急融資延長(約2500万Euro)を要請しましたが、承認されていません。運輸相は“財務相は無責任だ”と怒りをあらわにしています。

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February 06, 2021

ÖBBがウィーン市内でレール削正作業を実施中

20210204103回目のロックダウン後、コロナ信号(Corona-Ampel)はオーストリア全土で「赤」になっていましたが、連邦政府は4日、専門家会議の助言を元に、ウィーンを「」から「オレンジ」に変更しました。

「赤」から「オレンジ」になったのはウィーン(州)が初めてです。2月8日のロックダウン解除に向けて、明るい兆しと言えるかも知れません。

2021020301今日は「鉄道線路保守の話題」をお届けしましょう。

鉄道の安全運行には洋の東西を問わず線路をはじめとする施設の保守が欠かせません。一般の皆さまには目の触れる機会がない鉄道の保守作業ですが、2月3日から13日まで、ÖBBではウィーン市内で、レールの削正作業を実施しています。

一般の皆さまには「レール削正」と言われても何のことかわからないと思うので、簡単にご説明しましょう。

鉄製のレールですが、列車が繰り返し走行すると、レール表面に微小な「傷」や「割れ」が発生します。これを放置しておくと列車走行時に騒音を発生するばかりか、レールの寿命が短くなってしまいます。

そこで、「傷」や「割れ」を取り除く作業を行いますが、これを「レール削正作業」と言います。現在では高速で回転する砥石を備えた大型保線機械「レール削正車」(保線機械、Schienenschleifzug)を使うのが一般的です。

2021020302ただ、鉄製のレール表面を砥石で削る訳ですから、騒音と火花が発生します。また、通常の列車運行中は作業ができないため、どうしても列車の運行本数が少なくなった深夜に作業を行います。

つまり、沿線住民にとって、迷惑な作業の1つ。そこで、予めÖBBやウィーン市では、作業日程を公開し、沿線住民に作業への理解を求めています。

今回は通常のレールではなく、駅の分岐器(ポイント)の削正作業が行われています。ÖBBが使用しているレール削正車は、全長70メートル、回転する砥石24個により、低速で移動しながら削正作業を行います。

ちなみにÖBBは0.3~1.0mmの研磨が行われると発表しています。また、1日の作業距離は3kmです。

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February 04, 2021

U2×U5工事で路面電車が部分運休

2021020311今日は「地下鉄工事にともなう路面電車運休の話題」をお届けしましょう。

1月から都心部の工事が本格的に始まったU2×U5ですが、Wiener Linienから路面電車43系統の部分運休と44系統の運休に関する情報が発表されました。

これはU5のRathaus駅およびFrankhplatz駅建設工事に関係するもので、UniversitätsstraßeとFrankhplatzを走る43系統・44系統の線路を移設します。

移設工事は基本的に通常どおり運行中に行われますが、軌道と架線を移設する最終段階では、列車の運行を止めざるを得ません。

202102031243系統はFeriが17区のアパートにお世話になっていた頃、都心に出るため、よく利用していた愛着のある路線。また、ウィーンでも比較的利用者の多い路線です。

運休となるのは2月5日(金曜日)~2月7日(日曜日)と、2月26日(金曜日)~2月28日(日曜日)の2回が予定されています。

地下鉄工事はAlser Straße(工事区間はSchottentor―LangeGasse間)で行われるため、都心部のSchottentor―Zimmermannplatz間が運休となります。

202102031543系統は図のようにU6のAlser Straße駅に隣接するZimmermannplatzのループ線を使った折り返し運転です。また、44系統(Schottentor―Maroltingerg)は全面運休となります。

Zimmermannplatzのループ線ですが、意外に使われることがあります。代表的なものが43系統が遅れている場合の途中折り返し。
2021020316もう一つはAlser Straßeを全面的に通行止めにして行われるFestの時です。そのため巻き取り式方向幕にもZimmermannplatzが準備されています。

恐るべしWiener Linien。また、まだ工事も始まっていないのにZimmermannplatz行きの写真を用意できるFeriもディープな世界に生きる変人です。

3枚目と4枚目の写真はZimmermannplatzのループ線を使って折り返し運転をしている43系統です。

という訳で、運休中はSchottentorからNeuwaldeggへ直接行く方法がなくなります。

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January 22, 2021

U2×U5本格着工

2021012105このブログでもお伝えしたようにウィーン市の中心部でいよいよU2×U5の工事が本格的に始まりました。

U5の駅が建設される予定のFrankhplatzではLeonore Gewessler大臣(気候保護担当)、Gernot Blümel財務大臣らが参加した起工式が行われました。

トップの写真が起工式の模様。日本では神式の「鍬入れ式」ですが、こちらではスコップを使ったセレモニー。

2021012103このブログでも再三、お伝えしているように今回のプロジェクトで最大の工事となるのがU2とU5が分岐するRathaus付近。

ウィーンでは1990年代にU3が建設されて以来、都心部では久々の地下鉄工事となります。

U2延伸区間とU5の沿線には約37万人の住民が住み、働いています。当局の予測では、U2×U5の完成により3億人の乗客が増えると見込んでいます。

仮に住民が自動車から地下鉄をはじめとする公共交通機関にシフトすると、年間75000トンのCO2発生を抑制することができるそうです。

1月11日からRathausとFrankhplatzで、道路交通の迂回路が設定され、予備工事が始まりました。

路面電車43系統と44系統は、工事期間中、工事の進捗状況に応じて、何度か迂回・部分運休することになります。

2021012106まず、43系統は2月5日から7日にかけて、Neuwaldegg-Alser Straße間に運転区間が短縮されます。また、44系統は運休となり、代替えとして33系統がLange GasseからMaroltingergasseまで臨時に延伸されます。

特に43系統はFeriが17区のアパートに間借りしていた時、頻繁に使っていた系統なので、親しみが違います(笑)。

平時であれば、このような運行系統の臨時変更は記録しておきたいところですが、Covid-19によるロックダウンが続いているため、今回は難しそうです。

2021012102RathausとFrankhplatzのトンネル工事は、早ければ3月から開始されます。

都心部のトンネル工事なので、オーストリアが得意とするシールド工法とNATM工法(Neuen Österreichischen Tunnelbaumethode)で行われます。

まず、60メートルの縦坑を掘り、シールド発進基地を建設するようです。U2が新ルートに入るSchottentor付近にシールド発進基地が設けられる予定です。

NATM工法でのトンネル工事は2022年半ば、Rathaus-Frankhplatz間で開始される予定です。

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January 04, 2021

ÖBBのお忘れ物事情

2021010304一見、しっかりしているようなFeriも、以外とおっちょこちょいで、交通機関の中で忘れ物をしたケースが何回かあります。以前、オーストリア航空の中で小型デジタルカメラを忘れた(実際は落とした)ことがあります。

バゲイジクレイムを出たタイミングで、なくなっていることに気づき、速攻でサービスカウンターに出向き、搭乗便と席を伝えたところ、すぐに手元に戻りました。

このほか、かつてこのブログで顛末をお伝えしたWiener LinienのRing Tramの車内で財布を落とした事もありましたが、幸いなことに、これも無事、戻ってきました。

今日は「ÖBBの忘れも事情」です。

20210103022020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、鉄道利用者が激減しましたが、それでも18500点(通常年の半分)の遺失物が列車内や駅で拾得されています。

遺失物で多かったものですが、第1位はバッグ、スーツケース(約5600点)、第2位は電子機器・IT機器(3100点)、財布に含まれる現金や銀行カードなど(2700点)となっています。

日本では傘の忘れ物が多いと言われますが、基本的に傘をさす人が少ないため、遺失物の上位にランクアップされないのでしょう。

衣類(1900点)、身分証や書類(1400点)、鍵(1100点)などは洋の東西を問わず、オーソドックスな忘れ物。

2021010301一方で、興味深い忘れ物もあります。その代表は楽器。「音楽の国」らしい忘れ物です。

2020年、合計50種類の楽器が見つかりました。ギターが最も多く、32点が拾得されました。しかし、ギターのような大きなものを置き忘れるというのは、不思議な気がしますが‥

大物ではキーボードも2点、見つかっています。楽器ではありませんが、ブルーダイヤモンドのメンズダンスシューズも拾得されています。

ÖBBではLost&Foundサービスセンターを全国に7箇所(Wien Hbf、Linz Hbf、Salzburg Hbf、Innsbruck Hbf、Bruck a. d. Mur、Villach Hbf、Bregenz)開設しており、ここで遺失物の管理を行っています。

2021010303ちなみに2020年は6500件の遺失物が落とし主のもとに戻りました。これは遺失物の35%にあたります。

よくヨーロッパでは落とし物は絶対に帰ってこないと言われますが、意外な感じがします。

特にパスポートや携帯電話、鍵といった貴重品が手元に戻った落とし主は、嬉しかったことでしょう。もちろん、忘れ物をしないのが一番ですが‥

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December 29, 2020

雪が少なくなったウィーン 温暖化の影響?

2020122901今日は「ウィーンの雪にまつわる話題」をおとどけしましょう。ご存じのようにウィーンは、日本の札幌より緯度が高く、冬は雪が降ることが多い地域です。

そのため、降雪に備えて、11月初旬から翌年3月末までWiener Linienには除雪専門のチームを結成し、緊急事態に備えています。

原則、ウィーン市が管理する公道の除雪はMA48が担当しますが、路面電車では雪かき装置を装備した事業用車両もスタンバイしています。このチームは、路面電車や路線バス停留所の除雪なども担当します。

ところが、最近は降雪が少なく、チームの出番が少なくなっているというニュースがありました。

2020122902ちなみに2019/20シーズンに停留所の除雪(転倒防止対策を含む)にチームが出動したのは1日だけだったそうです。

過去、数十年の平均では、積雪期間は30日ほどだそうですが、2020年12 月のように雪が降っても、根雪になることがなく、数日で溶けてしまうケースも増えています。

Wiener Linienが公表した1930年の写真を見ると、ウィーン市内で1.7メートル以上の積雪を確認することができます。

Wiener Linienによると、昨年(2019/20年)の冬、同社の除雪車が走ったのは86回でしたが、10年前(2009/10年)は1029回、2018/19年は408回と、明らかに少なくなっています。

2020122903直近で、除雪車が大活躍したのは2013年1月。さて、今シーズンですが、天気予報によると過去数十年に比べて穏やかな冬になると予想されています。という訳で、除雪車の出番は少なくなりそうです。

さて、Feriがウィーン滞在中、大雪に遭遇したのは1999年2月、オペラ座舞踏会の時期でした。この時は短期間の滞在でしたが、WestbahnhofからMariahilfer Straßeにある某ホテルまで行くのに往生した記憶があります。

ウィーンにしては、除雪が間に合わず、夜間、雪をかき分けてホテルまでたどり着きました。

2020122904Kärntner Straßも除雪が完全ではありませんでした。この時、Grinzingに行きましたが、郊外なので積雪がすごく、38系統の停留所からホイリゲにたどり着くまでに往生しました。この時の様子が2枚目と3枚目の写真です。

Wiener Linienの除雪車が1000回以上、出動した2009/10シーズン、Feriが初めてRobert Meyerさんと面会した2010年2月は、4枚目の写真のようにプラーターなどでも公園は根雪になっており、気温が低かったことがわかります。

直近で除雪車が活躍した2013年1月、FeriはDornbachのアパートにお世話になっていましたが、郊外だったので結構、5枚目の写真のように雪が積もっていました。

2020122905そして、2015年2月にはWiener Linienの除雪車が活躍する姿を見ることができました。

この時は、まとまった雪が降ったため、ウィーンの森に隣接する公園ではご覧のように、大人がそり遊びができるほどでした。

余談ですが、前日は全く雪がなく、「KS EDITA GRUBEROVA 45JAHER WIENER STTATSOPER」が開かれた晩、まとまって雪が降りました。

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December 21, 2020

RailJetの元祖ÖBB4010型特急電車

2020121504今日は「ÖBB特急電車の話題」をお届けしましょう。

かつて西ヨーロッパの国鉄にはオール1等の国際特急TEE(Trans Europ Express)が運行されていました。各国の国鉄が威信をかけて運行していただけあって、車両のクオリティは非常に高く、車内でのサービスも競っていました(何しろフランス国鉄が運行していた「ミストラル」には美容室が設置されていたほどですから‥)。

オーストリア内にもドイツやイタリアからTEEは乗り入れていましたが、フランス国鉄、ドイツ連邦鉄道、スイス連邦鉄道などと異なり、ÖBBにはTEE専用車両はありませんでした。

しかし、1980年代、4010型という特急線用電車が活躍していました。電車と言っても日本のような動力分散型ではなく、編成の一端に専用電気機関車を連結し、プッシュプル方式で運転する列車です。現在のRailJetの元祖のような形態です。

専用機関車(ドイツのICE1のように片運転台)を6両編成。

2020121501ただ、1等車と2等車で編成されていた上に、エアコンを装備していなかったため、TEEの基準を満たしませんでした。ÖBBを代表する特急列車ですから、当然、食堂車(一部はビュフェ)も連結されていました。ちなみに最高速度は150km/hと控え目。

4010型は4010(機関車)-7010(2等オープン客室)-7110-100(2等コンパートメント)-7110-200(2等コンパートメント)-7310-100(食堂車)-6010(制御客車、1等オープン客室)という編成でした。

1965年から1978年にかけて29編成がオーストリアを代表する車両メーカーSPG(Simmering-Graz-Pauker)で製造されました。

なお、食堂車に関しては、ビュフェと半室2等車という7110-300(301~312)も12両、製造されています。さらに7310(001~005)という2等車も5両製造されています。

20201215054010型は1965年に第1ロットが落成し、「Transalpin」(Wien-Zürich間)、「Johann Strauß」(Wien–Passau–Frankfurt am Main間)、「Bodensee」(Wien–Bregenz–St. Gallen間)、「Rosenkavalier」(Wien–München間)などの国際特急列車に投入されました。

登場当時、アイボリーとサファイアブルーのツートンカラーというスマートな塗装とあいまって、地味なカラーが多かったÖBBの車両の中で、非常に存在感がありました。

右の写真は親友と初めて、この列車に乗車し、ウィーンへ向かった時のもの。親友の撮影ですが、窓が開く列車ならではの写真です。

運用に際しては、RailJetと同じように2ユニット12両編成で運転されたこともあります。

1970年代に、塗装がウルトラマリンブルー/アイボリーに変更されましたが、塗り分けは同じでした。Feriが最初に見た頃は、この塗装でしたが、地味な色合いが多い当時のÖBB車両群の中で、その美しさ、優雅さは格別でした。
また、最終ロットの食堂車にはエアコンが装備されています。

1977年、「Transalpin」が、快適性に優れたエアコン装備の新型客車(機関車牽引)に置き換えられのを皮切りに、順次、4010型は国内運用に変わっていきます。

20201215021990年代に入ると、運転室のコーナー窓が廃止、ドアの仕様変更、客室の改装、トイレの改修(一部編成)などの近代化改修工事が行われました。

この際、ÖBB電気機関車の新塗装に準じたトラフィックレッド、アンブラグレー、グレーホワイトという塗装に変更され、イメージが大きく変わりました。

そして食堂車・ビュフェが廃止され、4010(機関車)-7010(2等オープン客室)-7110-100(2等コンパートメント)-7110-200(1等・2等コンパートメント合造車)-7110-300(2等コンパートメント)-6010(制御客車、1等オープン客室)という編成に改められています。

近代化改装を行ったとは言え、老朽化が進んだため、2008/2009ダイヤ改正で全編成がÖBBの運用から離脱します。廃車後、一部がドイツに売却され改修工事を受けましたが、最終的には運用に復帰することなく、廃車になっています。

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