December 01, 2017

激変するオーストリアの航空業界 どうなるNIKI

20171130_x201_00003

Adventに合わせてウィーンでも今年はじめて雪が降りました。そのため、交通機関に乱れが出ていたようです。冬本番ですね。

12月最初の話題は「航空業界の話題」です。

皆さまもご存じのように経営再建に失敗したLCCのAir-Berlinは、最終的に2017年10月27日に全便の運行を停止しました。

20171130_x201_00004

保有している機材のうち、81機はルフトハンザ・グループが、25機はイージージェット(イギリス)が引き継ぐというプランが発表されていますが、未だに決着はついていないようです。

同社はワンワールドに加盟していたこともあり、Feriは日本航空との乗り継ぎで何回か利用したことがあります。

元々、LCCでしたから、機内サービスは期待していませんでしたが、シュヴェヒャート空港には上級会員用の簡易ラウンジを設けるなど、それなりの努力はしていたような気がします。

Img_2014_09_5797

まぁ、ウィーン-フランクフルト間は、1時間30分ほどなので、機内サービスは簡素でも全く問題はありません。

一方、紆余曲折があり、オーストリアの航空会社NIKIは、Air-Berlin傘下に入っていたのですが、Air-Berlinの経営破綻を受けて、ルフトハンザが買収し、ユーロウイングスに吸収する計画が発表されました。

というのは、ルフトハンザにとってNIKIは、魅力的な航空会社だったからなのです。

Img_2014_09_7327

他国の航空会社を傘下に収めて、巨大化するルフトハンザ航空。しかし、大変な問題も発生しています。

オーストリア政府が危機感を持っているのは、ウィーン空港は、ルフトハンザがNIKI買収後、空港を事実上、独占使用することになる点です。

シュヴェヒャート空港を発着する航空会社のうち、オーストリア航空、ユーロウイングス、
スイス インターナショナル エアラインズ、ブリュッセル航空の4社はルフトハンザの子会社。

それにNIKIが加わると、何と乗客の70%以上、離発着便の80%以上のシェアを確保することになり、事実上の独占状態。ます。まるでルフトハンザ航空の専用空港のようです。

Continue reading "激変するオーストリアの航空業界 どうなるNIKI"

| | Comments (0)

November 16, 2017

ジャンボジェット アッパーデッキの思い出(下)

1993080019

昨日に引き続き、「ボーイング747型の特徴であったアッパーデッキの思い出話」です。

国内線では、一般席扱い時期もあり、コブが短いSR型のアッパーデッキには何回か搭乗していますその後、スーパーシート扱いになってからも、乗った経験があります。

しかし、国際線については、アッパーデッキ搭乗もチャンスは、なかなか巡ってきませんでした。

初搭乗は、1991年8月、KLMにB747-400型が就航した頃です。この時は、行きは日本航空のアンカレッジ経由便でした。そして、オーストリアからの帰路、アムステルダムから成田まで、B747-400型で国際線初のアッパーデッキを体験しました。

KLMでは、アッパーデッキをビジネスクラスにしており、Feriにとって同社初のビジネスクラス搭乗がアッパーデッキになった訳です。

1993080018

このフライトは曰く付きで、何と、アムステルダムでゲートを離れて滑走路へ向かったところ、エンジン計器の不調で一旦ゲートへ引き返すことに。

しばらく機内で待機。アッパーデッキの前部には操縦室があるので、整備員が頻繁に出入りしていたのを覚えています。

結局、機器を交換しても故障は直らず、シップチェンジとなったため、出発が大幅に遅れました。しかも、代わった機体は全旅客型ではなく、メインデッキの後方が貨物室になっているコンビタイプだったため、座席の調整に手間取っていました。

しかし、さすがに400型のアッパーデッキはビジネスクラスとは言え、雰囲気が違うことを実感したフライトでした。

その後、1993年8月、日本航空がミュンヘン便を設定したので、オーストリアへ行くのに、この便を利用しました。機材はB747-300型。胴体はストレッチしていますが、内部構造は200型に準じる機材です。

Continue reading "ジャンボジェット アッパーデッキの思い出(下)"

| | Comments (0)

November 15, 2017

ジャンボジェット アッパーデッキの思い出(上)

1978_04_23_b747100_a

今日は「飛行機の話題」をお届けしましょう。

来年から再び日本へやってくるオーストリア航空ですが、同社は今のところ、B777型、A340型が最も大型の機種で、一時期、ヨーロッパのナショナルフラッグキャリアが、ほとんど導入していたジャンボジェットB747型とは無縁でした。

同じアルプスの小国スイスですら、一時期、B747型を運用していたことを考えると、ちょっと残念な気もしますが、今から考えると、背伸びしないで経営をしていたことにもなり、妥当な選択だったような気もします。

Img_2005_02_9685

さて、1970年代、日本とヨーロッパの間を結ぶ定期航空路線は、ほぼB747型に独占されて時代でした。たまたま、古い写真を探していたら、懐かしいB747型の機内写真が出てきました。

B747型、一番の特徴は操縦室に続く客席が一部、2階建てになってることでしょう。

開発当初、将来、貨物機に転用する際、操縦席が2階にあった方が有利という判断から、こういった構造になったという話を聴いたことがあります。

そのため操縦室に続く「コブ」のような形が、大きさと共にB747型の大きな特徴になっていました。この2階客席をアッパーデッキと呼んでいます。

最初に登場した100型、200型などはコブが短いスタイルだったので、2階のキャパシティも比較的小さいものでした。

Img_2003_12_371_7130

ちなみにトップの写真は、1978年に羽田空港で撮影した日本航空のジャンボジェット初号機です。アッパーデッキの窓が三つと少ないのが特徴です。

その後、胴体延長型の300型、システムを一新した400型からは、2階客席も長くなったのは、皆さまもご存じのとおりです。

この2階客席ですが、B747型が長距離国際線に投入された当初は、ファーストクラスのラウンジとして使用されているケースが多く、いわゆる定員には含まれていませんでした。

Feriは、残念ながらラウンジ仕様の2階客席は現物を見たことがありません。航空会社が発行したパンフレットや公式写真などを見ると、バーカウンターなどもあり、正に「ゆとりある空間」だったことがわかります。

Continue reading "ジャンボジェット アッパーデッキの思い出(上)"

| | Comments (0)

November 02, 2017

目的地変更‥

Img_2014_08_4712

今日は「旅程変更のお話」です。

30年以上も日本とオーストリアの間を行き来していると、色々な出来事に遭遇します。

ある年の夏も「珍道中」になりました。

この時は、日本からフランクフルト経由でSalzburgへ向かうプランでした。日本からフランクフルトまでは、JAL便。そこから先はオーストリア航空です。

日本航空の407便は予定どおりフランクフルト空港に到着したのですが、乗り継ぎ予定のOS7268便(運行はルフトハンザ航空なので、本来の便名はLH1108便)の案内がディスプレイに出ていません。

ご存じのようにJAL便はターミナルDに到着するので、スカイラインを利用して、スターアライアンスグループが発着するターミナルBへ移動しました。

Img_2014_08_4714

JAL便利用の場合、アライアンスの関係で、ルフトハンザ航空のチェックインはフランクフルトで行うことになります。乗り継ぎカウンターへ出向くと、LH1108便のボーディングパスが手渡されました。

乗り継ぎ時間が長いので、LH1108便の出発ゲートがあるターミナルAへ向かい、底にあるルフトハンザのラウンジでGo。BierやWineを飲んで、のんびり過ごしていました。

搭乗予定時刻の20分前に指定のA03ゲートへ向かいましたが、ゲートにはLH1108便の表示が出ていません。ゲート変更かと思い、総合案内所で確認すると“LH1108便はCancel”。

急きょ、ルフトハンザ航空のコネクティングカウンターへ行くと、係員から次のような案内がありました。

Img_2014_08_4716

21時15分発のLH122便でミュンヘンまで行ってもらう。その後、チャーターバスでザルツブルクまで送る

そして、新たにミュンヘン行きLH122便のボーディングパスが手渡されました。ゲートは同じターミナルのA01だったので、移動はさほど手間はかかりませんでした。

21時に搭乗開始。LH1108便のお客さまが加わったため、ほぼ満席です。LH122便は21時30分にゲートを離れ、21時40分に離陸しました。

LH122便は国内線なので、エコノミークラスは、おつまみと飲み物のサービスでした。

LH122便は順調に飛行し、ミュンヘン空港に22時20分に着陸し、22時23分、ゲートに到着。

ゲートの出口で「Salzburg」と書いたボードを持ったルフトハンザの地上係員が待機しており、全員が集まったところで、バゲイジクレイムへ。ここで各自、荷物を受け取ります。

Continue reading "目的地変更‥"

| | Comments (0)

October 12, 2017

オーストリア航空Premium Economy Classは‥

Oelpa_b7772z9er_img_1978

今日は「オーストリア航空の話題」をお届けしましょう。

7月に日本線復活が発表された際は、当ブログにも多くのアクセスがありました。皆さま、待ち望んでいたことがよくわかります。機材繰りの関係で、デイリーではないのが残念ですが、それでも日本にお住まいの親御さんをウィーンにお呼びになる際には、心強い存在になることでしょう。

さて、今年7月、2018年の夏ダイヤから日本線復活を発表したオーストリア航空ですが、その時、同時に発表された長距離路線用Premium Economy Classの概要が、同社から発表されました。

20171011ss00002

Premium Economy Classが新設されるのは、同社の長距離線用機材B777-200ERとB767-300ER。

今回、新しいシートアレンジメントも発表されましたが、B777-200ERは2-4-2(3列、定員24名)、B767-300ERは2-2-2(3列、18名)と判明しました。

全体の座席数ですが、B777-200ERの場合、現在、Business Class48席、Economy Class260席(機材によってEconomy Classの席数は若干、異なります)が標準ですが、PY改装後は、Business Classが38席、Premium Economy Class24席、Economy Class244席になるようです。

Img_2017_09_0574

オーストリア航空では、パーテションで区切られているため、独立した空間になると発表しています。

最近の日系航空会社は、Business Classの専有面積が広くなり、Economy Classは主翼の後方の最終ゾーンのみというケースが多いですが、オーストリア航空の場合、改装後も、Economy Classの比率が高く設定されています。

しかし、儲かるBusiness Classを一部、縮小してPremium Economy Classを設置するとは思ってもみませんでした。

Continue reading "オーストリア航空Premium Economy Classは‥"

| | Comments (0)

July 09, 2017

オーストリア航空の長距離路線は今‥

Os_b777_001

先日、2018年5月(夏ダイヤ)からウィーン-成田線の運行再開が発表されましたが、今日は、それに関連してオーストリア航空の長距離路線の現状を振り返ってみましょう。

現在、オーストリア航空の長距離用機材は、ボーイング777-200ER(5機)とボーイング767-300ER(5機)の2機種です。

正直、いずれも一世代前の機材なので、最新のボーイング787やエアバスA350に比べると必ずしも燃費は良くありません。

燃費のことは、乗っている分にはあまり関係はありませんが、運行コストに直結する問題だけに、航空会社は気を遣うところです。

Feriは、当初、老朽化が進んでいるボーイング777-200ERを、新しい燃費の良い機材にリプレイスしたタイミングで、日本線が復活するのではないか‥と考えていただけに、ボーイング777-200ERの増備で対応するという情報に接したときは、正直、驚きました。

Os_b777_002

現在、ボーイング777-200ERは製造中止にはなっていないようですが、新規の発注は2013年7月が最後なので、オーストリア航空は恐らく中古の機材を購入するものと思われます。

ちなみに前回はベトナム航空が使用していた機材を購入しました(Boeing 777-2Q8/ER、登録番号OE-LPE)。ちなみにベトナム航空は、いち早くボーイング787-9を導入し、B777-200ERと交代させています。

ちょっと語弊はありますが、先進国の元ナショナルフラッグキャリアが、発展途上国で使用していた機材を中古で導入する例は珍しいと思います。もしかしたら、またベトナム航空から入手するかもしれませんね。


さて、路線に話を戻すと、現在、オーストリア航空の定期長距離路線は、北米、東南アジアの2方面に限定されています。

北米線は、ワシントン、ニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルス、トロントの4路線です。

Continue reading "オーストリア航空の長距離路線は今‥"

| | Comments (0)

July 07, 2017

速報 オーストリア航空 日本線が2018年5月に復活

Os777200er

今日は臨時ニースとして「オーストリア航空に関する朗報」をお届けしましょう。

2016年9月、オーストリアのファンに惜しまれつつ、撤退したオーストリア航空の日本線ですが、2018年5月15日から再就航することが、発表されました。

正直、Feriはびっくり仰天。恐らく復活はない‥と判断していただけに、ここに謹んでお詫びを申し上げます。オーストリア航空の皆さま、申し訳ございませんでした。

さて、再開後のダイヤですが、デイリーではなく、ウィーン発が日曜、月曜、火曜、木曜、金曜の週5便です。また、オーストリア航空側が強く希望していた羽田ではなく、従来と同じ成田になりました。なお、便名は以前と同じOS51便とOS52便。

気になる機材ですが、以前就航していたボーイング777-200ERが投入されます。

ただ、オーストリア航空では、2017年9月から従来のビジネスクラス、エコノミークラスに加えてプレミアムエコノミークラスを導入するため、日本路線再開時は3クラス制のとなります。

現時点では、プレミアムエコノミーの仕様や提供座席数、新しいコンフィグレーションは公表されていないため、詳細は不明です。

ただ、最近の傾向から考えるとエコノミークラスを縮小し、プレミアムエコノミークラスのゾーンにするものと思われます。現時点では、総座席数は300席程度と公表されています。

Oelpc_b7772z9er_img_9812

今回の日本線復活に際して、オーストリア航空のCCO Andreas Otto(アンドレアス・オットー氏)は“予想より早く成田線のフライトを再開できることを嬉しく思います。市場および業績はここ数ヶ月間で大きく改善し、再びポテンシャルを感じています。本路線には確固たる需要があります”とプレスリリースでコメントしています。

しかし、ここ最近で、日本とオーストリアの経済状況が劇的に変化した実感はありません。あえて見つけるとすれば、日本とEU間のEPA締結の動きが出てきたことくらいでしょうか。

何か「大人の事情」がありそうな気がします。それにしても良く言いますね…以下、自粛‥

Feriが気になったのは、現在の機材で、日本線復活が可能なのかどうかという点です。

Continue reading "速報 オーストリア航空 日本線が2018年5月に復活"

| | Comments (4)

June 11, 2017

番外編 謎の飛行機

Img_2015_06_0585


小耳に挟んだ話ですが、日本では6月11日は「傘の日」だそうですが、皆さまは、ご存じでいらっしゃいましたか?

日本洋傘振興協議会という団体が、暦の上で「入梅」にあたる6月11日を「傘の日」と定め、毎年ファッション性や機能性など傘の持つ多様な魅力の紹介にもつとめているそうです。

日本では、最近、傘=ビニール傘というイメージが定着してしまっているので、そういった使い捨て文化を払拭することも狙っているような気がします。

余談ですが、日本洋傘振興協議会のホームページには「世界の傘事情」という興味深い記事が掲載されているのですが、その中に「オーストリア編」がありました。その中で、SalzburgにあるKirchtagという傘の老舗が紹介されています。このエピソードは、後日、改めて‥

今日は、「ちょっと変わった飛行機のお話」です。

以前、オーストリアへの往復で頻繁に利用するドイツのフランクフルト・アム・マイン空港で、写真のような奇妙な飛行機を見かけました。

Img_2014_10_8305

一見すると、古くなった飛行機のようですが、機首部分が妙な形をしており、エンジン部分も変な感じです。

実は、この飛行機ですが、実際にお客さまを乗せて飛んだことがない、特殊な訓練用の実物大模型です。

この訓練というのは、航空機火災の消火と救助です。実際にガスバーナーなどにより火災をシミュレーションするため、機体は、通常の飛行機のようにアルミ合金製ではなく、耐火性の特殊な金属でできているそうです。

火災も機体だけではなく、エンジンからの出火、離着陸装置からの出火など、実際に想定される様々な場面を再現できるようです。

この訓練施設を使って、実際に航空機の消火や乗客の救助にあたる消防隊員の技術向上を図っているのです。

このような目的なので、機体のサイズは、実物大。エアバスA300、ボーイングB767クラスの大きさだと思われます。

Continue reading "番外編 謎の飛行機"

| | Comments (0)

June 08, 2017

有償イベントに思う‥

20170606ss00002

オーストリアの飲料メーカーRedBullが主催する「Red Bull Air Race2017」第3戦が、先週末、日本の千葉県・幕張市でが行われ、日本の室屋義秀選手が、第2戦サンディエゴに続く2連勝、昨年の千葉戦に続く3連覇を達成し、2017シーズンのポイントリーダーにも躍り出ました。

ちなみに、今回、2位はペトル・コプシュタイン選手、3位はマルティン・ソンカ選手でしたが、いずれもチェコから参戦しているパイロットです。

最近、日本ではNHKが、海外のレースを中継していることもあり、大変盛り上がったようです。

今年は、レースの合間に会場を盛り上げるサイドアクトに、アメリカで飛行可能に復元された零戦、ワールドツアーのブライトリングDC-3Aなどが参加したこともあり、多くの航空ファンで賑わったようです。

20170606ss00004

インターネット上には、レースの模様と同時に会場を優雅に飛行する零戦やDC-3Aの写真が多数掲載されており、会場に出向けなかったFeriも、当日の雰囲気を知ることができました。

ただ、その中で気になったのは、有料の観覧エリアに入場せずに、場外から撮影している方が多いということです。

日本で行われる航空ショーの多くは自衛隊や在日米軍などが主催するため、入場無料が一般的です。それに対して、Red Bull Air Raceは、自動車のF-1などと同じく、高額な入場料を支払って見学するようになっています。

また、様々なサービスが提供される高額な観覧席もあります。

日本では、非常に高いという評価が定着しているのですが、こちらでは、ゼクトをかたむけながらレースを観戦するというのは、一般的な行為です。ある意味、対象は全く異なりますが、オペラ鑑賞と一緒です。

ただ、鑑賞する対象が空を飛んでいるため、結果的に観覧エリア外からも見えてしまう‥というだけの話。

Continue reading "有償イベントに思う‥"

| | Comments (2)

May 27, 2017

番外編 実用化に至らなかった「幻のジェット旅客機」

Img_2008_05_4129

今日は番外編として、「開発に成功しながらも、実用化に至らなかったジェット旅客機の話題」をお届けしましょう。

現在、日本では三菱がMRJという小型旅客機を開発しています。

現在、航空会社へ引渡の前提となる型式証明取得に向けて、過酷なテスト中ですが、「旅客機の実用化」というのは、本当に大変なようです。しかも、実績が乏しいメーカーの場合、仮に型式証明が下りても、売れる保証はありませんので‥

さて、今は無くなってしまった東ドイツ(ドイツ民主共和国、DDR)ですが、社会主義国家の時代は、一応、技術大国でした。

そんな東ドイツが、1950年代にジェット旅客機の開発に取り組んでいたことがあります。

ジェット旅客機の名称は「Baade 152(バーデ 152)」(BB-152、ドレスデン 152、VL-DDR 152、単に152と呼ばれることもあります)。

Img_2008_05_4131

ちなみにBaadeという名称は、同機の主任設計者であるBrunolf Baade(ブルノルフ・バーデ)氏の名前に由来するものです。152という数字は、戦前のユンカース社の開発プロジェクト番号から引き継がれていると言う話です。

Baad152は、ドレスデンにあったVEB Flugzeugwerke Dresden(VEBフルクツォイヴェルケ ドレスデン)というメーカーで1956年に製造され、1961年までテストが続けられました。

1956年と言えば、昭和31年。この頃、ジェット旅客機を自力で製造できたというのは、正直、驚きです。

最もドイツは第二次世界大戦中にジェット戦闘機を独自に開発した実績がありますから、技術の蓄積があった訳です。そう考えると、ジェット旅客機の開発も頷けるものがあります。

Img_2008_05_4132

この旅客機ですが、翼が胴体の上(高翼)がある上に、車輪が前後に並ぶタンデム式という、かなり変わった格好をしています。

それもそのはず。実はドイツの名門航空機メーカーであるユンカースの技術者が、ソビエト連邦で設計したジェット爆撃機をベースにしているからです。なお、エンジンは、4機(2機をまとめてパイロンで吊す方式)搭載されています。

しかしタンデム式は安定が良くないため、翼端に引き出し式の補助輪を取り付けていました。

同機は、全長31.4メートル、全幅26.3メートル、全高9.0メートルで、ナローボディで通路は中央に1本、座席数は48名~72名、航続距離は2000km程度だったようです。

機体サイズに関しては、現在、三菱が開発中のMRJとよく似ています。

Continue reading "番外編 実用化に至らなかった「幻のジェット旅客機」"

| | Comments (0)

より以前の記事一覧