ホイリゲと劇場が閉鎖中でフラストレーションがたまっているFeri。そんなFeriを癒やしてくれる番組「Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien」が4月26日、20時30分からORFⅢで放送されました。
まず、お詫びからMCはChristoph Wagner-Trenkwitzさんでした。ただ、冒頭、ご自身が出てきただけで、後は「声の出演」。極端に接触を避けていることがよくわかります。
また、収録はスタジオではなく、ORF RadioKulturhausという小ホールで行われましたが、当然、客席には人はいません。
ちょっと気になったのは、舞台が全般的に暗い点。通常、特殊な演出がある場合は別ですが、この手のテレビコンサートでは、舞台を明るくすることが多いような気がするのですが‥
とくに無観客で、拍手をはじめとするお客さまの反応がゼロなので、Feri個人としては、余計、舞台の暗さが気になりました。
さて、舞台上には伴奏の奏者(ピアノ、ヴァイオリン2名、ヴィオラ1名、チェロ1名)が並んでいますが、奏者の間が微妙に距離をとっているのが印象的。室内楽団(ORF Radio-Symphonieorchesters Wien)を起用した理由がわかるような気がします。
伴奏の皆さんですが、ピアニストはVolksoperのEric Machanicさん。ヴァイオリンはPeter Matzkaさん(コンサートマスター)とJue-Hyang Parkさん、ヴィオラはMartin Kraushoferさん、チェロはSolveig Nordmeyerさんでした。
歌手の皆さんは、その都度、1人ずつ入ってきて、歌い終わったら、ホールの外へ出るというパターン。もちろん、拍手もありません。
結論から申し上げると、この時期、無人のホールとは言え、ライブでコンサートを実施することが、如何に大変であるかを、改めて実感した番組でした。
また、出演者の選定にも苦労があったことでしょう。この時期、喜んで出てくれる歌手ばかりではないでしょうから‥ 制作陣の苦労が忍ばれます。
プログラムは、事前に公開されていまいたが、やはり劇場閉鎖によって2019/20シーズンの再演がキャンセルになった「Die lustige Witwe」が中心でした。
前半はソロの演奏。オープニングはGrafen Daniloが歌う「Da geh’ ich zu Maxim」。歌手はAlexandre Beuchatさん。
元々、オペラ畑の歌手ですが、2019/20シーズンで幻となった「Die lustige Witwe」で、ダニロを演じる予定でした。そのために起用された感じがします。
オペラ畑なので、歌いぶりは良いですが、最初は固い感じが‥ 実際の舞台では、ダニロ役がピッタリだったかどうか、若干不安。
続いて、Hanna Glawariの「Es lebt eine Vilja」。歌手はRebecca Nelsenさんだったので、ご機嫌です。彼女も今シーズンの「Die lustige Witwe」で、ハンナに起用される予定でした。彼女のハンナは観てみたかったですね。
続いて、レハールの作品「Das Land des Lächelns」。歌うのは皆さまご存じのVincent Schirrmacherさん。
1つ気になったのは、いつも劇場で観るときと雰囲気が違っていた点。
歌ったのはPrinzen Sou-Chongの「Von Apfelblüten einen Kranz」と「Dein ist mein ganzes Herz」。無観客の小ホールとは言え、歌いぶりはいつもどおり。声を張りあげて頑張っていました。
ここで、「Volksoperの劇場舞台」に場面転換(伴奏者の休憩タイムですね)。
事前にビデオで撮影していたのだと思いますが、客席側からではなく、舞台奥から無人の客席に向けた新鮮なアングル。
ここでは、VolksoperのピアニストEric Machanicさんの伴奏で、「Die Fledermaus」2幕でPrinzen Orlofskyが歌う「Ich lade gern mir Gäste ein」。歌を披露したのはMartina Mikelićさんでした。
Martina Mikelićさんは、ビデオ出演だけだったので、1曲だけの披露です。
彼女はVolksoperではオペラ中心に出演していますが、2019年の大晦日に上演された「Die Fledermaus」でオルロフスキーを演じています。という訳で、聴き応えがありました。
続いて、「Die Fledermaus」から、もう1曲。披露されたのは仮面を付けたRosalindeが2幕で歌う「Csárdás」。通常の舞台では、回りの男どもを魅了する部分。
歌ったのはKristiane Kaiserさん。2004/05シーズンからアンサンブルとして活躍しているベテラン。主にオペラの出演が多いですが、「Die Fledermaus」のロザリンデにも、起用されています。
歌いぶりは申し分ありませんが、如何せん、回りにロザリンデを虎視眈々と狙っている男どもがいないので、今ひとつ雰囲気が‥ サポートしてくれる男性陣がかいのので、卒倒する訳にはいきません(笑)。
次は、再びビデオ映像。ホームページやYouTuberでも公開されているVolksoper@homeが流されました。
無人のホールでの演奏では、変化がありませんから、こういった趣向が異なる映像を入れることで、番組にメリハリを付けたのでしょう。
また、今回、出演がかなわなかったオーケストラメンバーが登場したのもご愛敬。皆さん、お元気ですか?
今回の番組は、オペレッタ作品が中心ですが、ここでミュージカル作品が入ります。
オスカー・ハマースタイン2世によるブロードウェイ・ミュージカル「Show Boat」から名曲「Ol’ Man River」が披露されました。歌うはStefan Cernyさん。
この曲はEric Machanicさんのピアノ伴奏だけでした。Stefan Cernyさんは、平素はオペラ専門の歌手。彼になぜ、ミュージカル作品を歌わせたのかは、疑問です。ただ、オペラ歌手なので歌は見事でした。
ここからは、Feriもお気に入りEmmerich Kálmánの作品が登場します。
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