June 27, 2020

グラーツ歌劇場2020/21シーズンプログラム発表

2020062601遅くなっていたグラーツ歌劇場の2020/21シーズンのプログラムが、週末に発表されました。

さっそく、概要をご紹介しましょう。グラーツの場合、2019/20シーズンにPremiereが流れた演目を組み込んでいるのが特徴です。

○オペラ、オペレッタ、ミュージカル
オペラ「Die Passagierin」(乗客、2020年9月18日Premiere)
Mieczysław Weinbergsの作品で、2019/20シーズンにPremiereが予定されていた作品です。アウシュビッツ生存者ゾフィアポスミシュによる同名の小説を元に、元強制収容所の警備員リサと元囚人マルタの出会いを描いた作品です。

本作品は、グラーツ歌劇場の新しい主任指揮者Roland Kluttig氏が指揮を担当します。演出はグラーツ歌劇場でオペラ「アリアーヌと野獣」を手がけたNadja Loschky氏が担当します。

2020062602リサにはDshamilja Kaiser さん、マルタにはNadja Stefanoffさんが起用されます。

ミュージカル「Anatevka」(アナテフカ、屋根の上のヴァイオリン弾き、2020年10月17日Premiere)
Jerry Bockによる名作ミュージカル「アナテフカ」が新演出で上演されます。

オペラ「Madama Butterfly」(蝶々夫人、2020年11月7日Premiere)
日本のファンにも親しまれているプッチーニ作曲の名作オペラ。蝶々さんにはMarjukka Tepponenさん、ピンカートンにはMykhailo Malafiiさんが起用される予定です。

2020062603指揮はグラーツ歌劇場デビューとなるFrancesco Angelico氏が担当します。

オペラ「Die verkaufte Braut」(売られた花嫁、2020年12月12日Premiere)
スメタナの代表作で、楽しい作品です。本作品はKonzert Theater Bernとの共同制作で、Adriana Altarasさんが、グラーツ歌劇場で初めて主演、脚本、演出を担当します。

アンサンブルのTetiana Miyusさん、Pavel Petrovさん、Wilfried Zelinkaさん、Albert Memetiさん、Markus Butterさんの起用が予定されています。

2020062604オペレッタ「Die Großherzogin von Gerolstein」(ジェロルスタン女大公殿下、2021年1月16日Premiere)
毎シーズン1作品上演されるオペレッタ。2020/21シーズンでは、ジャック・オッフェンバックの「ジェロルスタン女大公殿下」が取り上げられることになりました。

日本では浅草オペラ時代に「ブン大将」として親しまれてきた楽しい作品です。当時のフランス軍政を皮肉った「パリのエスプリ」にあふれたオペレッタです。

演出はPeter Lundさん、指揮はMarcus Merkelさんが担当します。タイトルロールのジェロルスタン女大公殿下にはAnna Brullさん、イケメンの兵士フリッツにはAlexander Kaimbacherさんが起用される予定です。

オペラ「Der fliegende Holländer」(さまよえるオランダ人、2021年3月12日Premiere)
ワーグナーの大作。今回、ドイツで高い評価を得ているSandra Leupoldさんが、グラーツ歌劇場で初めて演出を担当します。

Jordan Shanahanさん、Cornelia Beskowさんらの起用が予定されています。

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June 13, 2020

#soWIENie「Film Festival 2020」開催決定

2020061306 今日は“プラーターにまもなく「Königreich der Eisenbahnen」が誕生(下)”をお届けする予定でしたが、ウィーン市から夏の風物詩、市庁舎前のフィルムフェスティバル(2020 #soWIENie Film Festival 2020 )開催についての発表があったので、こちらをお届けします。

今夏、各地の音楽祭やフェスティバルが新型コロナウイルス感染の影響で中止になっているため、Feriは「市庁舎前のフィルムフェスティバル」も中止になると思っていたのですが、運営スタイルを変えて実施することが、ウィーンから発表されました。

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、「集近閉の防止」がポイントになります。屋外なので閉鎖空間に関しては、問題ありません。主にソーシャルディスタンス確保がポイントになります。

2020061301そこで、今年の市庁舎広場は、図のように映画観賞エリアと、完全に独立した喫食エリアに分割されます。昨年まで見られたスタンド席は、「集」「近」を阻止できないため、廃止になりました。

そして、映画鑑賞エリアへの入場は「密」を避けるため、完全予約制(Webからの予約、ただし、無料は継続)になりました。

イベント会場のこのような構造により、規定の安全距離と保護対策が可能になります。12日の記者会見では、まだ正式な座席図は発表されませんでした。

当然、入口と出口は分離されます。映画鑑賞エリアへの入口はLichtenfelsgasse側にあり、ここで当日、有効な予約券が確認が行われます。

2020061305入場に際して、アルコールを使った消毒なども行われる可能性もあると思います。屋外なので入場者にはマスク着用の義務はありませんが、手洗いの徹底、咳エチケットの遵守、体調が悪い場合は、来場しないといった要請が出ています。

入場時間は映画上映開始の2時間前から。また、上演終了後、1時間以内に2箇所の出口(FelderstrasseとLichtenfelsgasse)から退出することが求められます。

なお、当日有効な入場券を所持している場合、入場後の退出、再入場は可能です。

300平方メートルのスクリーン前に設置される映画鑑賞エリアは、ソーシャルディスタンスを確保するため、500席が設けられますが、2人席と4人席のボックスにグループ化されます。何となく「椅子のある枡席」といった趣です。

この他、お客さまの安全を確保するため、様々な案内表示が設置されることになっています。

2020061302一方、ブルグ劇場側の喫食エリアについても、様変わりします。従来は、会場内に設置されているテーブルを自由に利用できるようになっていましたが、こちらもソーシャルディスタンスを確保するため、枡席状になります。

喫食エリアは、長年のパートナーであるDO&COが全体を取り仕切ります。今年のモットーは“小さいけれど良い”。こちらも500席の客席が設けられます。

営業時間は11時から深夜まで。こちらについては、予約が必須ではありませんが、主催者側は映画祭のサイトからの事前予約を推奨しています。

2020061303開演時間については、終演を合わせるためか、作品によって20時30分から21時15分までと、ばらつきがあります。

気になるプログラムですが、今年はベートヴェン生誕150周年がメインになりますが、オペレッタファンにとって忘れてはならないのはフランツ・レハール生誕150周年の歳であること。

今年のフィルムフェスティバルは、7月4日(土曜日)、ベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」で幕を開けます。交響曲第9番をはじめ数々の作品が、週1回のペースで上演されます。

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June 08, 2020

特報 Volksoperが6月に特別公演実施

20200608013月15日以降、2019/20シーズンの全プログラムがキャンセルされたVolksoperですが、ロックダウン解除後、2020/21シーズンに向けてリハーサルが始まっています。

そんな中、Volksoperから6月中旬から下旬にかけて特別公演を実施するというアナウンスがありました。

当初、DirektorのRobert Meyerさんは、公園での野外コンサートを企画していましたが、当局から許可が下りなかったため、別途、劇場で小規模な公演を行うことにしたようです。

公演(コンサート)は全9回、各回100名の観客に制限されますが、チケットは一律15Euroです。公開ゲネプロと同じ料金ですね。やるねぇ、Robert Meyerさん。チットは6月9日から一斉発売です。

Volksoperの劇場定員は1300名弱ですから、ここで100名限定のコンサートを開催すれば、ソーシャルディスタンスの確保は十分に可能でしょう。

気になるプログラムは、以下のとおりです。
○Antonio Vivaldi「Die vier Jahreszeiten」(四季)
-6月13日(土曜日)、16時00分と18時00分(2回公演)
-6月14日(日曜日)、18時00分

○Konzert des Salonorchesters der Volksoper Wien
-6月20日(土曜日)、16時00分と18時00分(2回公演)
-6月21日(日曜日)、18時00分

○Operettenkonzert
-6月27日(土曜日)、16時00分と18時00分(2回公演)
-6月28日(日曜日)、18時00分

Feriとしては、2019/20シーズンのフィナーレに「Operettenkonzert」を持ってきてくれたことに感謝。こちらは歌手が入るのか、演奏だけなのかは、現時点では不明です。

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May 27, 2020

速報 2020/21シーズンVolksoperプログラム発表

20200527015月27日、19時45分からORFⅢで放送された「Kultur Heute Spezial」で、Volksoperの「Präsentation der Saison 2020/21」が行われました。

通常よりも1ヶ月半遅い発表ですが、さっそく、来シーズンのプログラム概要をご紹介しましょう。

ただ、歌劇場に関する新しい上演ルールが決まっていないため、今までと同じように実施されるのか、何らかの新しい規制が導入されるのかは、未定です。

2020/21シーズンですが、プレミアは10演目、再演は5演目、レパートリーは22演目となっています。今回、写真はVolksoperの公式写真をお借りしています。

シーズンのスタートは9月1日で、演目は「Die Fledermaus」に決まりました。

○オペレッタ
2020/21シーズンでは、オペレッタが全く上演されない月はありません。この点は評価できます。
プレミア
オペレッタの新作は1演目です。
-「Der Teufel auf Erden(地上の悪魔)」:2020年12月5日プレミア
Franz von Suppéの生誕200年を記念して取り上げられることになりました。1978年にカール劇場で初演が行われたスッペ後期の作品です。ほとんど上演される機会がない珍しい作品です。

最近、Volksoperのオペレッタで「定番」の演出改訂は、厳しい評価が下ることが多く、観客動員も思わしくない傾向があります。昨シーズンの「にんじん王」のように、珍しい作品の場合、過去の名演出と比較されることがないため、リスクは少ないような気がします。

そのように考えると、この演目を引っ張り出してきたのは、ある意味、正解かもしれません。

2020052711指揮はAlfred Eschwéさん、演出・舞台装置・衣装はHinrich Horstkotteさんが担当します。キャストも発表されており、HöllenknechtにRobert Meyerさん、Engel außer DienstにChristian Grafさん、Iska, TanzschülerinにJohanna Arrouasさん、 Ismail, TanzschülerにCarsten Süssさんらが起用される予定です。

再演
オペレッタの再演は2演目です。
-「DIE LUSTIGE WITWE(メリーウィドウ)」:2020年9月~10月に5公演
2019/20シーズンの再演が流れたので、横滑りです。すでに準備ができていたためか9月から10月にかけて上演されます。

2020052713きれいな舞台で、演奏も良いのですが、なぜ、かつてのような人気が出ないのか、疑問です。Hanna GlawariにはRebecca Nelsenさん、Graf Danilo DanilowitschにはAlexandre Beuchatさん、Baron Mirko ZetaにはSebastian Reinthallerさん、ValencienneにはJohanna Arrouasが起用されます。

Hanna GlawariのRebecca Nelsenさんは期待が持てます。また、Sebastian ReinthallerさんのZetaにも注目です。

-「Das Land des Lächelns」(微笑みの国)」:2021年3月~4月に8公演
2007/08シーズンにプレミアが行われました。2010/11シーズン以来、久しぶりに「Das Land des Lächelns」が戻ってきます。

2020052712Beverly Blankenshipsさんの演出は、中国カラー全開でしたね。

Prinz Sou-ChongにはSzabolcs Bricknerさん、LisaにはSophia Brommerさん、Graf GustavにはMichael Havlicekさんらの起用が予定されています。

 レパートリー
珍しく6演目がラインナップされました。
-「Die Fledermaus(こうもり)
-「König Karotte(にんじん王)」:2020年10月~11月に7公演
-「Meine Schwester und ich(姉さんと私)」:2020年12月29日~2021年1月22日に6公演
-「Die Csárdásfürstin(チャールダーシュの女王)」:2021年2月~3月に10公演
-「Gräfin Mariza(伯爵令嬢マリッツア)」:2021年4月~5月に5公演
-「Der Zigeunerbaron(ジプシー男爵)」:2021年5月~6月に8公演

オペレッタでは「Orpheus in der Unterwelt(地獄のオルフェ)」が外れました。

20200527102ただ、シーズンを通して上演されるのは「DIE FLEDERMAUS(こうもり)」だけで、それ以外の演目は、期間限定方式になっています。これも出演者の確保が難しいことが要因だと思われます。

○オペラ
オペラに関しては、1ヵ月に1ないし2演目程度に減っています。
プレミア
来シーズンは4作品が新演出で上演されます。
-「Die Zauberflöte(魔笛)」:2020年10月17日プレミア
モーツァルトの定番が新演出で上演されます。演出はHenry Masonさん、舞台装置・衣装はJan Meierさんが担当します。かなり斬新な演出になりそうです。

-「Macht des Schicksals(運命の力)」:2020年11月7日プレミア
ヴェルディの作品。今回はコンサート形式での上演となります。Leonore di VargasさんにはMelba Ramosさんが起用される予定です。

2020052715-「Der Tod in Venedig(ヴェニスに死す)」:2021年4月17日プレミア
ベンジャミン・ブリテン最後のオペラです。演出はVolksoperでは初となるDavid McVicarさんが担当します。

-「Leyla und Medjnun(レイラとメジュヌン)」:2021年6月24日プレミア
Detlev Glanertの現代音楽劇。1988年にミュンヘンで初演されました。本作品はVolksoperではなくKasino am Schwarzenbergplatzで上演されます。

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May 13, 2020

BADEN 2020/21シーズンプログラム

2020051311Volksoperの来シーズンプログラムは、まだ発表されていませんが、BADENの2020/21シーズンのプログラムが発表になりました。最近は冬シーズンと夏シーズンが同時に発表されるようになりました。

まず、2020年6月からの夏シーズンは、現時点では予定どおり上演されるかどうかは、はっきりしません。ただ、一応、上演禁止が6月末までなので、場合によっては7月以降、上演される可能性は残っています。

さて、2020年夏のプログラムはオペレッタが「白馬亭にて」と「蒼いマズルカ」(いずれも夏劇場)、ミュージカル「サンセット大通り」(冬劇場)ですが、6月にPremiereが行われる予定だった「白馬亭にて」は、全公演のキャンセルが決定しました。「白馬亭にて」の大ファンであるFeriとしては、かなりの衝撃‥ 7月にPremiereを迎える残りの2作品については、現在でもチケットの予約は可能です。

このタイミングでの発表をみると、恐らく2019/20シーズンの公演休止に関係なく、既に決定していたプログラムを上演することにしたのだろうと思われます。ウィーン国立歌劇場と同じパターンです。

10月以降ですが、次のような演目がラインナップされました。

2020051313○オペレッタ
GRÄFIN MARIZA」(伯爵令嬢マリッツア、2020年12月19日Premiere)
Emmerich Kálmán作曲の傑作。今更、説明する必要はありませんね。2021年2月4日まで、12公演上演されます。2020年のシルベスター公演も、同作品に決まりました。

タイトルロールのGräfin Mariza にはCornelia Horakさん、Graf TassiloにはReinhard Alessandriさん、Baron Koloman ZsupánにはThomas Zistererさん、LisaにはVerena Barth-Jurcaさんの起用が予定されています。恐らくオーソドックスな演出だろうと思うので、期待できます。

DER VETTER AUS DINGSDA」(2021年4月24日Premiere)
Eduard Künneke作曲の作品ですが。ほとんど情報がありません。1921年にベルリンで初演された作品です。

Badenの場合、あまり上演される機会のない作品を取り上げる傾向がありますが、その一つと言えるでしょう。

ただ、公演回数が4月30日まで、わずか3回と少ないのが玉に瑕。2020/21シーズン、いわゆる市劇場で行われる「冬公演」ではオペレッタは、この2作品と寂しい限りです。

2020051314EINE NACHT IN VENEDIG」(ヴェネツィアの一夜、2021年6月18日Premiere)
こちらは2020/21シーズンの「夏公演」で上演されるため、会場は夏劇場です。2021年9月3日まで13公演、上演されます。

Guido, Herzog von UrbinoにはIurie Ciobanuさん、CaramelloにはClemens Kerschbaumerさん、AnninaにはIvana Zdravkova、さん、PappacodaにはFrenzel Baudischさん、CibolettaにはVerena Barth-Jurca,さんの起用が予定されています。

夏劇場は舞台が狭いので、シンプルな演出になると思われます。

EVA」(エヴァ、2021年7月30日Premiere)
2020/21シーズン「夏公演」の2作品目は、Franz Lehár作曲の「EVA」になりました。2021年9月2日まで11公演、上演されます。「工場の娘」というタイトルで紹介されることがある作品で、工場で働く少女のシンデレラストーリー。

1911年にアン・ディア・クィーン劇場で初演されました。タイトルロールのEVAにはSieglinde Feldhoferさんが起用されます。

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April 29, 2020

Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記(下)

202004280124月最後の話題ですが、今日も昨日に引き続き「Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記」の後編をお届けしましょう。

Carsten SüssさんとUrsula Pfitznerさんがホールから出ると、入れ替わりにJohanna ArrouasさんとBen Connorさんが、ソーシャルディスタンスを考慮して離れて入場。

歌うは「Die Csárdásfürstin」の2幕で、AnastasiaとEdwinが歌うデュエット「Machen wir’s den Schwalben nach」。歌詞がアナスタシアの気持ちをよく表現している名曲。ただ、ここも2人の距離がポイントなので、今回の番組では、何となく消化不良でした。

20200428013続いての楽曲は「Die Csárdásfürstin」からSylvaとEdwinが2幕で歌う名曲「Weißt Du es noch」。エドウィンは引き続きBen Connorさん、シルヴァはUrsula Pfitznerさんです。

Ursula Pfitznerさんは、シルヴァを何度も演じているので、ポイントを抑えており、よい歌いぶりでした。また、本物の舞台を観たくなる…そんな気持ちにさせてくれました。

が、ここでも2人の微妙な距離感が、歌のイメージを崩していた感じがします。まぁ、やむを得ないのですが‥

2人が退場すると、Johanna Arrouasさんが、1人で入場。

20200428014彼女が歌うのはVolksoperでも人気のミュージカル作品「Der Zauberer von Oz」から、名曲中の名曲「Somewhere over the Rainbow」。今の時期にはピッタリの作品かもしれません。この曲もピアノ伴奏だけでした。

ここで、画面はVolksoperの稽古場へ。窓の外からはU6のWähringer Straße駅が見えます。ギュルテルを走る自動車が少ないのが印象的。

2019/20シーズンでも予定されていたRalph Benatzkyの作品「Meine Schwester und ich」から、「Mein Mädel ist nur eine Verkäuferin」が披露されました。

20200428016歌はOliver Lieblさん。彼はミュージカルの出演が多く、公演中止になる直前の3月5日には「Meine Schwester und ich」に、この楽曲を歌うDr. Roger Fleurioとして起用されました。稽古場でリラックスした雰囲気で歌っていて良かったですね。

いよいよフィナーレです。作品は、再び「Die lustige Witwe」。

20200428017まずJohanna Arrouasさん(Valencienne)とVincent Schirrmacherさん(Camille)が2幕で歌う「Wie eine Rosenknospe」。

色男Camilleが「貞淑な人妻」Valencienneを口説き落とす名場面。その後、四阿に2人で入っていき、それが元で大騒動に発展する訳です。

当然、舞台では2人の密着度が高まるシーンです。が、今回は、2人は離ればなれのまま‥なお、歌っている時の2人の雰囲気は良かったですね。

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April 28, 2020

Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien鑑賞記(上)

20200426001ホイリゲと劇場が閉鎖中でフラストレーションがたまっているFeri。そんなFeriを癒やしてくれる番組「Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien」が4月26日、20時30分からORFⅢで放送されました。

まず、お詫びからMCはChristoph Wagner-Trenkwitzさんでした。ただ、冒頭、ご自身が出てきただけで、後は「声の出演」。極端に接触を避けていることがよくわかります。

また、収録はスタジオではなく、ORF RadioKulturhausという小ホールで行われましたが、当然、客席には人はいません。

ちょっと気になったのは、舞台が全般的に暗い点。通常、特殊な演出がある場合は別ですが、この手のテレビコンサートでは、舞台を明るくすることが多いような気がするのですが‥

とくに無観客で、拍手をはじめとするお客さまの反応がゼロなので、Feri個人としては、余計、舞台の暗さが気になりました。

20200428001さて、舞台上には伴奏の奏者(ピアノ、ヴァイオリン2名、ヴィオラ1名、チェロ1名)が並んでいますが、奏者の間が微妙に距離をとっているのが印象的。室内楽団(ORF Radio-Symphonieorchesters Wien)を起用した理由がわかるような気がします。

伴奏の皆さんですが、ピアニストはVolksoperのEric Machanicさん。ヴァイオリンはPeter Matzkaさん(コンサートマスター)とJue-Hyang Parkさん、ヴィオラはMartin Kraushoferさん、チェロはSolveig Nordmeyerさんでした。

歌手の皆さんは、その都度、1人ずつ入ってきて、歌い終わったら、ホールの外へ出るというパターン。もちろん、拍手もありません。

結論から申し上げると、この時期、無人のホールとは言え、ライブでコンサートを実施することが、如何に大変であるかを、改めて実感した番組でした。

20200428002また、出演者の選定にも苦労があったことでしょう。この時期、喜んで出てくれる歌手ばかりではないでしょうから‥ 制作陣の苦労が忍ばれます。

プログラムは、事前に公開されていまいたが、やはり劇場閉鎖によって2019/20シーズンの再演がキャンセルになった「Die lustige Witwe」が中心でした。

 前半はソロの演奏。オープニングはGrafen Daniloが歌う「Da geh’ ich zu Maxim」。歌手はAlexandre Beuchatさん。

20200428003元々、オペラ畑の歌手ですが、2019/20シーズンで幻となった「Die lustige Witwe」で、ダニロを演じる予定でした。そのために起用された感じがします。

オペラ畑なので、歌いぶりは良いですが、最初は固い感じが‥ 実際の舞台では、ダニロ役がピッタリだったかどうか、若干不安。

続いて、Hanna Glawariの「Es lebt eine Vilja」。歌手はRebecca Nelsenさんだったので、ご機嫌です。彼女も今シーズンの「Die lustige Witwe」で、ハンナに起用される予定でした。彼女のハンナは観てみたかったですね。

20200428004続いて、レハールの作品「Das Land des Lächelns」。歌うのは皆さまご存じのVincent Schirrmacherさん。

1つ気になったのは、いつも劇場で観るときと雰囲気が違っていた点。

歌ったのはPrinzen Sou-Chongの「Von Apfelblüten einen Kranz」と「Dein ist mein ganzes Herz」。無観客の小ホールとは言え、歌いぶりはいつもどおり。声を張りあげて頑張っていました。

20200428005ここで、「Volksoperの劇場舞台」に場面転換(伴奏者の休憩タイムですね)。

事前にビデオで撮影していたのだと思いますが、客席側からではなく、舞台奥から無人の客席に向けた新鮮なアングル。

ここでは、VolksoperのピアニストEric Machanicさんの伴奏で、「Die Fledermaus」2幕でPrinzen Orlofskyが歌う「Ich lade gern mir Gäste ein」。歌を披露したのはMartina Mikelićさんでした。

20200428006Martina Mikelićさんは、ビデオ出演だけだったので、1曲だけの披露です。

彼女はVolksoperではオペラ中心に出演していますが、2019年の大晦日に上演された「Die Fledermaus」でオルロフスキーを演じています。という訳で、聴き応えがありました。

続いて、「Die Fledermaus」から、もう1曲。披露されたのは仮面を付けたRosalindeが2幕で歌う「Csárdás」。通常の舞台では、回りの男どもを魅了する部分。

20200428007歌ったのはKristiane Kaiserさん。2004/05シーズンからアンサンブルとして活躍しているベテラン。主にオペラの出演が多いですが、「Die Fledermaus」のロザリンデにも、起用されています。

歌いぶりは申し分ありませんが、如何せん、回りにロザリンデを虎視眈々と狙っている男どもがいないので、今ひとつ雰囲気が‥ サポートしてくれる男性陣がかいのので、卒倒する訳にはいきません(笑)。

20200428008次は、再びビデオ映像。ホームページやYouTuberでも公開されているVolksoper@homeが流されました。

無人のホールでの演奏では、変化がありませんから、こういった趣向が異なる映像を入れることで、番組にメリハリを付けたのでしょう。

また、今回、出演がかなわなかったオーケストラメンバーが登場したのもご愛敬。皆さん、お元気ですか?

20200428009今回の番組は、オペレッタ作品が中心ですが、ここでミュージカル作品が入ります。

オスカー・ハマースタイン2世によるブロードウェイ・ミュージカル「Show Boat」から名曲「Ol’ Man River」が披露されました。歌うはStefan Cernyさん。

この曲はEric Machanicさんのピアノ伴奏だけでした。Stefan Cernyさんは、平素はオペラ専門の歌手。彼になぜ、ミュージカル作品を歌わせたのかは、疑問です。ただ、オペラ歌手なので歌は見事でした。

ここからは、Feriもお気に入りEmmerich Kálmánの作品が登場します。

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April 26, 2020

臨時更新 4月26日、Volksoperが特別プログラムを放送(追記あり)

20200425201Volksoperを始め各劇場で2019/20シーズンの公演がキャンセルとなっていますが、そんな中、4月26日、ORFⅢで「Wir spielen für Österreich」(Wir spielen für Österreich - Eine Initiative von ORF III und Volksoper Wien)というオペレッタ・コンサートを放送(ライブ配信を含む)することが決まりました(現地時間20時15分からの予定です)。

時節柄、ドクターによる出演者に対する検査をはじめ、十分な感染防止対策を施した上での特別コンサートです。なお、会場はORFの施設が使用されるようです。

出演はJohanna Arrouas、Alexandre Beuchat、Stefan Cerny、Ben Connor、Kristiane Kaiser、Oliver Liebl、Martina Mikelic、Rebecca Nelsen、Ursula Pfitzner、Vincent Schirrmacher、Carsten Süssの皆さん。

演奏はORF Radio-Symphonieorchesters WienとVolksopernのピアニストEric Mechanicさん。おなじみのChristoph Wagner-Trenkwitzさんが構成を担当。Robert MeyerさんがMCを務めるようです。

20200426001コンサートでは、Johann Strauß、Franz Lehár、Emmerich Kálmán、Ralph Benatzkyなどの作品からアリアやデュエットなどが取り上げられますが、すでにORFⅢのホームページでは、当日のプログラムも発表されています。Feri、お気に入りの楽曲が盛り沢山。

劇場へ行けないだけに、オペレッタの名曲を楽しめるのはありがたいことです。

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March 28, 2020

歌劇場の動向

20200327011オーストリアでは、今日から「夏時間」に移行しました。オーストリア航空ですが、新型コロナウイルス感染拡大と各国の入国制限を受けて、全便の運行停止を4月19日まで延長しました。フライトをキャンセルした方が、赤字が出ないと思うので、ある意味、賢明な決断と言えるかもしれません。

ところで、コメント欄で興味深い情報をご提供いただきましたが、オーストリアでも医療崩壊を防ぐため、検査は基本的に発症者に絞っています。

それ故に、外出を事実上、禁止し、接触感染を防止してる訳です。28日、15時現在、感染者数は7995名、死者は68名です。感染者の増加は、若干、低くなってきているようです。また、先日、年代別感染者数が発表されました。

これを見ると、45歳~54歳が最も多く、次に多いのが64歳以上です。逆に5~14歳、5歳以下は非常に少なくなっています。やはり成人で経済活動を行っている人は、色々な人と接触するため、感染者が増えているのかもしれません。

各種の規制により経済活動も制限を受けているオーストリアですが、劇場関連の話題をお届けしましょう。

3月27日の時点では、オーストリア劇場連盟所属の各劇場は4月13日まで休演となっています。ただし、現在、4月と5月の全公演はCulturallでもチケットの販売が休止されています。

20200327001これは公演中止が継続された場合、チケットの払い戻し対応が負担になることを考えているのだろ思います。つまり、状況が流動的であることを物語っています。

さて、チケットの販売も関係するので気になる来シーズンの予定ですが、4月24日に予定されていたVolksoperWienの2020/21シーズン記者会見は中止が決まりました。新しい日程は未定です。

一方、Wiener Staatsoperについては、4月26日11時(現地時間)に2020/21シーズン記者会見が実施される予定です。

それを受けて、Culturallでは4月29日、14時から2020/21シーズンのチケット予約を開始する予定になっています。ただ、これは劇場側が来シーズンのプログラムを予定どおり発表した場合の対応なので、4月26日の状況次第と考えた方が良さそうです。

先日もお伝えしたように、現在、各劇場のボックスオフィスは閉鎖されています。

20200327002なお、グラーツでは4月13日以降の公演については、チケット販売を継続しているようですが、変更や休演の場合があることが明示されています。

なお、休演したチケットを持っている方は、キャンセル以外に別の公演(2020/21シーズンを含む)への振替もできるようです。また、グラーツは、2020/21シーズン記者会見についての情報は、現時点では入手できませんでした。

今シーズンの公演がどうなるかが決められないため、状況によっては来シーズンの公演プログラムにも影響が出ると思います。例えば、公演休止になった期間中に実施予定だったPremiereの扱いなのです。その関係で、通常は4月上旬に記者会見が延期されているのでしょう。

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March 02, 2020

「Der Zigeunerbaron」PremiereReport(その3)

Zigeunerbaron_0013回連載の「Der Zigeunerbaron」PremiereReport。今日が最終回です。明日から通常モードに戻りますので、オペレッタの関心のない方は、ご容赦ください。

さて、演出に関しては、Feriも含めて不満の向きが多い「チャールダーシュの女王」に比べれば、良いと思います。ただ、ジプシーの場面を中心に暗い場面が多いのは、致し方ないかもしれません。ある意味、民族対立を鮮明にしたいという意図があるのでしょう。

20200301006全体的にハプスブルク家のハンガリー統治に対して批判的な感じを受けました。ただ、オリジナルの設定を極端に改変していない点は「チャールダーシュの女王」よりは評価できます。

左の写真はカーテンコールに登場した制作スタッフですが、ブーはありませんでした。

○歌手の仕上がりなど
タイトルロールのバイリンカイを演じたLucian Krasznecさんは、Volksoperでは2016年「乞食学生」のシモンでハウスデビュー。その後、「チャールダーシュの女王」でエドウィンを演じています。

Zigeunerbaron_ohp_110エドウィンの評価は「歌の仕上がりは次第点」。今回はマイクなしで実力が問われます。頑張っていましたが、聞かせる歌では声の出方が、不十分。正直、不満の残る仕上がりでした。

一方、リザーブ組のMarco Jentzschさんは2019/18シーズン「ホフマン物語」でハウスデビューを果たした方で、今シーズンはバイリンカイのリザーブに起用されました。

オペラ出身の方らしく公開ゲネプロでは、素晴らしい歌声を披露しています。正直、バイリンカイはリザーブ組の勝ち。

20200301005ザッフィも、本作品ではキーを握る重要な女性。Kristiane Kaiserさんは2004/05シーズンからアンサンブルとして活躍している方。主にオペラ演出が多いので、声もよく出ていて、歌、お芝居共に見事でした。

リザーブ組のKatrin Adelさんは、ドイツ出身のオペラ歌手で、ドイツの歌劇場で多数のオペラに出演しています。

Volksoperは今回が始めたてのようですが、歌、お芝居共に素晴らしいものがありました。どちらが良いかは、好みの問題になると思います。

ツィプラはMartina Mikelićさん。この方も、どちらかというとオペラ畑の歌手だけに、歌については安定感がありました。

20200301007とくに「カルメン」でタイトルロールを歌っているので、この役にはピッタリです。オペレッタでは「地獄のオルフェ」ではヴィーナスに起用されています。今回は妖艶な感じが良かったですね。

本作品は、聞かせる歌が多いので、お芝居とともに歌のうまさがポイントになります。

20200301004リザーブ組は安定感抜群のAnnely Peeboさん。雰囲気、お芝居、歌ともに申し分ありません。

ジュパーンは広告の写真にも掲載されたKurt Rydlさん。なかなか芸達者な方。押し出しも強く、この役にピッタリという感じがしました。

リザーブ組は、おなじみのGerhard Ernstさん。ゲネプロで拝見しましたが、お芝居は申し分ありません。甲乙つけがたい感じですね。

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