February 20, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その3)

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今日は休憩後の後半です。

○第2幕:舞踏会会場
休憩後の第2幕は、OPERENBALL会場ですが、別にVolksoperをイメージしているような感じはありませんでした。以前の演出でも回り舞台を上手に活用していましたが、Logeへの入り口が並んでおり、どのように参加者を交通整理するかがオーバーケルナーの「腕の見せ所」という感じで楽しかったのですが‥

が、そもそもVolksoperにはStaatsoperと異なり、逢い引きに利用するLogeが少なく、設定が成り立ちません。そのため、LOTOに出てくるようなボール状のオブジェが舞台上で回転していました。

また、途中までは手前にスクリーンが降りており、怪しげな雰囲気全開。まぁ、そういった詮索や野暮というものでしょうね。

1幕でサロンになった雑誌がPLAYBOYだったので、2幕もナイトクラブのような雰囲気です。

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冒頭、毎回、OPERENBALLで、ハリウッド女優を同伴して出席することで有名なおじさまRichard Lugnerさんの「そっくりさん」が登場。その後、有名人が次々と来場します。

更にConchita Wurstさんの「そっくりさん」も舞台袖から登場。ファンのサインに応じます。まぁ、わかりますが、本筋とは違うところで盛り上げようとするのは、正直、痛々しい感じが‥

一応、ストーリーに関しては、2幕は、ほぼオリジナルどおりですが、後半が異なっています。ケルナーの数が少なく、男性なのにバニーガールのような妙なコスチューム。本来、逢い引き目的でLogeを使うお客さまのために、密会中のロジェに飲食物を届ける時、ケルナーは、中の様子を直接見ては行けないという掟があるようです。

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では、どうするか。実は銀のお盆を鏡代わりにして、後ろ向きに出入りするのです。この様子も、2幕では、別の意味で見所だったのですが、今回は、そういった粋な演出はカット。

オーバーケルナー(給仕長)のPhilippが、逢い引きのカップルが、バッティングしないよう、一応、仕切っています。

Henriは会場で待っています。そこへばら色の仮面舞踏会用のドレスを着たHeleneがやってき、早々にHenriとロジェにしけ込みます。

ただし、Heleneは仮面を付けているので、Henriは相手がHeleneだとはわかりません。ここで、Heleneが有名な「シャンブル・セパレへ行きましょう」を歌います。本来は脇役のHeleneが、最も有名なアリアを歌ってしまうというのが、ホイベルガーのサプライズ。

その後、Theophilが、踊り子のFéodoraをつれてやってきます。ちなみに、この時だけ、Theophilは妻と離婚して独身という、自分に都合の良い設定にしています。

TheophilとFéodoraのカップルも、さっそくロジェにしけ込むのですが、Féodoraが高価な飲食物をたくさんオーダーし、Theophilの懐が寂しくなります。

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浮気の証拠を押さえるため、友人夫婦がパートナーを交換する形で、PaulとMargarete、TheophilとAngelikaがカップルを組み、会場にやって来て、ロジェにしけ込みます。

今回は、舞踏会会場前で待ち合わせをしていたようです。

Heleneはもちろん、MargareteとAngelikaも、仮面舞踏会のドレス(ドミノ服)でやってくるのですが、髪型も含めて衣装がまったく同じなので、誰が誰だかよくわかりません。まさに、男女が入り乱れて怪しい雰囲気になっていきます。ここでAngelikaは「約束の時計がある」を歌います。

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しかし、ロジェで「あわや」というタイミングで、TheophilとPaulがオーバーケルナーのPhilippに呼び出されてしまいます。実は、女性陣が、“あらかじめ、きわどいタイミングになったら、ベルを鳴らすので男性達を呼び出して欲しい”という「根回し」をPhilippにしていたのです。

ベルが鳴り、GeorgとPaulが呼び出されている間にMargareteとAngelikaが入れ替わり、「本来の夫婦」になるのがオリジナルですが、今回はちょっと違います。


このタイミングで、GeorgとPaulが会場ではち合わせ。“何だ、君も来ていたのか”という感じ、パートナーを探し出します。

GeorgとPaulは、会場内でドミノ服の女性を見つけてアタックするのですが、それは自分が連れてきたパートナーではなく、Heleneなのです。その際、ドミノ服を傷つけてしまうことが、3幕での展開に関係します。Heleneへのアタックを物陰からチェックするMargareteとAngelika。

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浮気の証拠を目撃した二人は、早々に会場を後にします。また、Heleneも何とか2人を振り切り、会場を後にするのでした。

前演出では、2幕の最後は、バレエ団も登場し、ロジェの廊下で、仮面舞踏会の参加者全員がギャロップを楽しく踊って幕となっていましたが、今回は会場でFéodoraがロデオの馬にまたがって大盛り上がり。その周りには怪しげな人物が多数。その中にはTheophilとHenriの姿も‥

本編と関係のない皆さんも、妙な格好で多数、出演します。なぜ、舞台をVolksoperにしたのかと言えば、他の歌劇場で、こんな乱痴気パーティをしている設定にしたら、クレームの嵐になるからでしょうね。

なお、このオペレッタによってシャンブル・セパレが、パリ・オペラ座のロジェを指すことが、ウィーン子に広く知られるようになったと言われています。

なお、今回、第2幕は40分ほどでした。

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February 19, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その2)

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今日は「Der OPERENBALL」の登場人物をご紹介から。

Theophil Schachtelhuber(オリジナルはThéophile Beaubuisson):ご年配ですが、女性に目のないおじさま。「まじめそうに見えて、実は女性に目がない」という演技ができると際立ちます。何しろ若い愛人をつれてオペラ座舞踏会に来るのですから‥ 

今回は年金生活者という設定です。2008年にはベテランのRudolf Wasserlofさんが起用されていましたが、今回はFeriお気に入りのオペレッタ歌手の一人Kurt Schreibmayerさんが起用されました。劇中ではTheophilという名前で呼ばれていました。

Palmyra Schachtelhuber(オリジナルはPalmyra Beaubuisson):Angelikaの伯母です。夫のTheophilと一緒に生活していまが、夫を尻に敷いている「まじめなおばさま」という想定。基本的にお芝居が中心なので、ベテランのオペレッタ歌手(アルト)か、役者さんが起用されます。

今回、正に、この役にピッタリのHelga Papouschekさんが起用されました。このコンビが抜群だったのは言うまでもありません。

Paul Wimmer(オリジナルはPaul Aubier):カーニバルの休暇を利用して、妻のAngelikaと一緒にオルレアンからパリに来ている想定ですが、今回はオーストリアの地方(Klagenfurt)からWienに来ました。なお、銀行員という想定になっています。

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PaulとAngelikaは若夫婦という設定なので、若手ではつらつとした演技ができるテノールのオペレッタ歌手が起用されます。オペレッタなので、ユーモラスな演技もポイントです。2008年にはJörg Schneiderさんが演じましたが、今回はMarco Di Sapiaさんが起用されました。

Angelika Wimmer(オリジナルではAngèle):Palmyraの姪です。夫のPaulは絶対浮気などしない完璧な夫だと思っている「箱入り娘」です。オリジナルでは、パリではなく、オルレアンという地方都市に住んでいることも影響しているようです。

逆に“夫は出張が多くて可哀相”と同情しています。Paulと同じく、若手ではつらつとした演技ができるソプラノのオペレッタ歌手が起用されます。今回はKristiane Kaiserさんが起用されました。

Georg Pappenstiel(オリジナルではGeorges Duménil):パリに住まいを持つ、今回のホストファミリーです。新興成金という設定です。

そのため、今回は、最近Wienで流行の高級タワーアパートに居を構えています。単独で歌う部分に加えて、演技も重要なので、テノールのオペレッタ歌手が起用されます。今回は、最近、オペレッタでも主役に抜擢されることが増えたCarsten Süssさんが起用されました。

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Margarete Pappenstiel(オリジナルはMarguérite):Georgの妻。男たちの浮気を疑っている女性です。男たちの浮気を証明するための仕掛けを提案するキーパーソン。単独で歌う場面に加えて、演技も重要なので、キャスティングが難しい役です。ソプラノのオペレッタ歌手が起用されますが、今回はUrsula Pfitznerさんになりました。

Helene(オリジナルではHortense):Pappenstiel家のお手伝いでスプレットです。「こうもり」のアデーレと一脈通じる役と言っても良いでしょう。恋人のHenriが浮気をしていないか確認するため、Margarete達が考えた仕掛けに一口乗るところなど、意外とちゃっかりしています。

スプレットなので、歌だけではなく、演技力も問われます。ソプラノのオペレッタ歌手が起用されます。本演出では、2幕の後半からストーリーの鍵を握るキーパーソンになります。そういう訳なのか、アンサンブルではないSieglinde Feldhoferさんが抜擢されました。

Henri(名前はオリジナルと同じ):オリジナルでは海軍士官候補生で、Schachtelhuber夫婦の甥にあたります。今回は、スタイルから見るとミュージシャンのような格好をした若者でした。役柄は男性ですが、オペレッタでは通常、メゾソプラノの女性歌手が起用されます。「こうもり」のオルロフスキーと同じ「ズボン役」です。今回はAmira Elmadfaさんが起用されました。

オペラ座の給仕長Philipp(オリジナルはPhilippe):2幕で浮気者同士が鉢合わせするのを調整する重要な役割があります。という訳で、お芝居が上手なBoris Ederさんが起用されました。

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Féodora(名前オリジナルと同じ):踊り子で、Theophilの浮気相手です。2幕の舞踏会の場面だけに登場します。二幕ではTheophilとのやり取りがポイントです。今回は、こちらもFeriお気に入りのオペレッタ歌手Martina Dorakさんが起用されました。踊りながら歌う場面があるので、まずは妥当なキャスティングでしょう。

オリジナルでは、登場人物の名前はフランス風、場所もパリであるにも関わらず、皆さん、オーストリアなまりのドイツ語で話している…ウィンナ・オペレッタらしい「不思議な世界」が舞台だったのですが、今回は舞台がWeinになったので、こういった矛盾は解消されています。

それでは、「あらすじ」に沿って、見どころをご紹介しましょう。完全ネタバレですから、楽しみにしている方はご覧にならない方がよいかもしれません。

○第1幕:Pappenstiel家のサロン
序曲を少し演奏したところで、ストップ。お客さまに向けて「今回はOPERENBALLの会場がStaatsoperからVolksoperに変更になりました」というアナウンスが‥これは余計かな。

その後、本来の序曲に入ります。幕が開くと、Weinで流行のタワーアパート。正面にリフトがあり、螺旋階段で2階に上がれるようになっています。左側には窓があり、Wienの古い街並みを眺望できます。

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February 18, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その1)

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当ブログをご覧にオペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。“DER OPERENBALL” Premiere Reportをお届けしましょう。

2017/18シーズン、Volksoperでは2018年に入ってからオペレッタの新作が上演されるというパターンです。

2月にPremiereが行われるのがRichard Heubergerの代表作“DER OPERENBALL”です。

Feriは、2007/08シーズンにVolksoperで再演された際、Robert Herzlさんの演出による“Der OPERENBALL”を観ていますが、舞台装置も伝統的なスタイルで、パリを舞台にした「小粋な作品」に仕上がっていたことを今でも、良く覚えています。

という訳で、2008年の写真を1枚だけお目にかけましょう。

まず、ご存じの方も多いと思いますが、作品の背景から‥

リヒャルト・ホイベルガー(Richard Heuberger)の傑作オペレッタが「Der OPERENBALL(オペラ舞踏会)」です。1898年にアン・ディア・ウィーン劇場で初演されました。

「オペラ舞踏会」の舞台は、パリです。ウィンナ・オペレッタでは、名作「メリーウィドウ」をはじめ、パリを舞台にした作品が多いのですが、ウィーン子にとって、華やかなパリはウィーンと違った魅力を感じるのでしょう。

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物語は、毎年恒例のパリ・オペラ座舞踏会を舞台に「他の女性に浮気心を出す男性を、妻達が懲らしめる」というものです。

オペラ座舞踏会と言えば、ウィーン国立歌劇場で毎年、開催されているものが最も有名でしょう。第二次世界大戦後、国立歌劇場が再建された翌年の1956年に復活しました。

オーストリアでは、ファッシングと呼ばれるカーニバルの期間中、色々なところで舞踏会が開催されますが、その頂点は「ファッシングの火曜日」の前週木曜日に開催される「オペラ舞踏会」(Der Wiener Opernball)。

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オーストリア放送協会でも長時間にわたり生中継を行う「季節の風物詩」です。

ただ、1877年に始まった頃は、商談や縁談をまとめる場としても活用されていたようです。そのように考えると、オペレッタ「オペラ舞踏会」のように、「逢い引きの場」として利用されたこともあるでしょう。

この作品、オリジナルはパリを舞台にしていますが、フランス人と言うより、ウィーン子をイメージしてまとめられているのは、言うまでもありません。

歳を重ねても男性は、妻以外の女性に目がないもの。そして、女性は自分のパートナーの浮気には、おおらかになれないもの…そんな「人間の本質」を上手に表現したオペレッタです。

観ているウィーン子も、思わず「あるある」「いるねぇ、こういうヤツ」「あぶない、がんばれ」と心の中で、応援(男性か、女性かは別にして)していると思います。まさに、ウィンナ・オペレッタの王道と言える作品です。

原題は「Der Opernball」なので、邦題は「オペラ座舞踏会」とした方が正しく伝わると思います。しかし、実際には「オペラ舞踏会」という邦題が一般的になっています。

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February 15, 2018

番外編 宝塚歌劇団 ミュージカル版「こうもり」

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友人から、昨年、NHK(BS)で宝塚歌劇団が上演したミュージカル版の「こうもり」が放送されたという話を耳にしました。

Feriは、かねてから“独特の世界観を持っている宝塚歌劇団はオペレッタに向いているのでは?”と考えていたので、是非、観たいと思っていました。

ただ、録画したメディアを譲渡するのは日本の法令に違反するため、送ってもらうことはできず、日本へ戻った際、友人宅を訪れ、魅せてもらうことに…

ご存じのように宝塚歌劇団は、独自の芸風をもっており、熱心なファンも多数存在します。そのため、席を取るのも難しい公演も多いという話を耳にします。実際、ミュージカル版「こうもり」についても、多数の鑑賞記をインターネット上で読むことができます。

そこで、オペレッタにはまっている男ことFeriの視点で、今日は記事をまとめたいと思います。

○演出の勝利
正直、熱心なオペレッタファンから観ると、眉をひそめたくなるような作品に見えるかもしれません。しかし、Feriは、あえてオペレッタ「こうもり」をモチーフに、新しい作品を創造する道を選んだ脚本・演出の谷 正純さんを高く評価します。

宝塚歌劇団の特徴は、とにかくお客さまを楽しませること。日本のお客さまに楽しい時間を過ごしてもらうというコンセプトの元、オリジナルのモチーフや楽曲を活用しながらも、あえて新しい作品を創造したのは、クラシックの専門家では、抵抗があったかもしれません。

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配役の名称はオリジナルに則っていますが、相関関係を全く変えてしまうのには、驚きました。

さらに、オペレッタでは省略されている「本編の前の出来事」(ファルケ博士が愉快な復讐を考えたいきさつ)をしっかり盛り込んだ点は、一般のお客さまを考えると「見事」の一言に尽きます。

ちなみに宝塚歌劇団のホープページでも、以下のように初回されています。

“ワルツ王”と呼ばれる、ヨハン・シュトラウス二世の傑作オペレッタ「こうもり」。名曲の数々で彩られ、今なお世界中の人々に愛される作品が、北翔海莉を中心とした星組メンバーにより新たに飛びっ切り愉快なミュージカルとして甦ります。

19世紀後半のウィーン。ファルケ博士は、親友のアイゼンシュタイン侯爵と共にエリザベート皇后主催の仮装舞踏会に出席。その帰り道、調子に乗って泥酔したファルケは、彼を持て余したアイゼンシュタインによって大通りに縛り付けられ、そのまま一夜を過ごすこととなる。

“こうもり”の扮装のまま朝を迎えたファルケは、街中の笑いものとなり、“こうもり博士”の渾名を頂戴する羽目に。自業自得とは云え怒りが収まらないファルケは、アイゼンシュタインに対する愉快な仕返しを考えた。個性的な登場人物が織りなす、虚々実々の駆け引きをお楽しみ下さい。

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December 31, 2017

2017年のオペレッタ観賞を振り返って

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今日は、当ブログのシルベスター恒例、「今年のオペレッタ観賞を振り返って」をお届けします。

2017年ですが、自分自身を取り巻く環境が激変したこともあり、オペレッタの観賞が非常に少ない年になりました。そのため、オペレッタ関係の記事が極端に少なくなってしまった訳です。

観賞回数は、フォルクスオーパーで上演されたSpecial「Fest bei Orlofsky」を含めても、ついに一桁になってしまいました‥ちなみに7回です‥

2016年が27回でしたから、三分の一以下という惨憺たる結果です。

内訳ですが、それでもフォルクスオーパーが最も多く6回、バーデン歌劇場が1回です。自分で言うのも何ですが、オペレッタを上演していたにもかかわらず、メルビッシュ音楽祭が抜けたのも珍しいですね。

演目別では鉄板オペレッタの「こうもり」(「Fest bei Orlofsky」を除く)をはじめ、「メリーウィドウ」、「会議は踊る」、「サーカス妃殿下」、「乞食学生」の各公演が1回、バーデン歌劇場の「Die Kaiserrin」(1回)といったところです。

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1年間でフォルクスオーパーのオペレッタ・プレミアがゼロというのも久しぶりです。年間を通してもプレミアがゼロになりそうでしたが、最後にバーデン歌劇場の「Die Kaiserrin」を観たので、かろうじてゼロは回避できましたが‥

Feri個人の問題も多々ありますが、オーストリアでは、オペレッタが「不調の年」だったとも言えるかも知れません。万難を排して観たい…という演目がなかったというのが、実態だと思います。

ちなみにオペレッタ観賞が一桁だったのは2001年(8回)以来です。昨年にVolksoperでのオペレッタ観賞200回を記録したので、自分自身の意欲も下がってしまったことも影響しているような気もます。

ちなみに2016年は、1年間でプレミア公演を4回観たので、その反動かもしれませんね。

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また、ショックだったのは、フォルクスオーパーを始め各地で活躍されていた「オペレッタ界の巨匠」、Rudolf Biblさんが1月27日に急死されたことでしょう。

しかし、Volksoperで観た各公演は、十分楽しめるものだったのは言うまでもありません。そんな中で、Feriにとってベストの公演は「 Der Kongress tanzt」でした。

2017/18シーズンでは、継続上演されませんでしたが、気持ちが凹んでいる時、前向きにしてくれるAnita Götzさんの魅力全開の作品。正直、2月に観た時は、かなり気持ちが落ち込んでいたのですが、元気をもらうことができました。

そして、Feriにとって2017年、最大の公演は自分が出演した「Fest bei Orlofsky」です。


「観客参加型のイベント」という特殊な催しであったとは言え、いつもは客席から観ているアンサンブルの皆さんが隣で歌って、踊っている訳ですから、これほど印象に残った経験はありません。

今後も同劇場で、この手のイベントを開催するかどうかがわからない以上、「最初で最後の経験」になる可能性があります。それだけに万難を排して参加することを決め、Robert Meyerさんに掛け合った甲斐が合った…というものです。

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December 18, 2017

Baden「Die Kaiserin」プレミアレポート

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このところ本題の「オペレッタ」がご無沙汰の当ブログ。

恐らく、本年最後のオペレッタ公演としてBaden(STADTTHEATER)の「Die Kaiserin」をご紹介しましょう。

本作品は、102年前にBerlinで初演されたLeoFallの作品です。ご存じのように、2017年はマリア・テレジア生誕300年ということで、色々な行事や催事が行われましたが、Badenでは、年末のPremiereに、本作品を投入してきました。

ご存じのようにBadenは、有名な作品とともに、最近では上演されなくなった作品も積極的に取り上げています。

正直、Feriも、この作品は観たことはありません。そのため、どういう演出が基本なのかも不明。

当日の指揮はFranz Josef Breznikさん。主なキャストは、以下のとおりでした。

-Die Kaiserin:Miriam Portmannさん

-Der Gemahl der Kaiserin:Reinhard Alessandriさん

-Prinzessin Adelgunde, genannt Bichette:Verena Barth–Jurcaさん

-Graf Kaunitz:Christoph Wagner-Trenkwitzさん

-Gräfin Fuchs:Eva Maroldさん

-Graf Pepi Cobenzl:Thomas Zistererさん

-Der Gesandte in Gelb:Beppo Binderさん

-Der Gesandte in Rot:Daniel Ferlinさん

-Der Gesandte in Grün:Sebastian Huppmannさん
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-Graf Khevenhüller:Georg Lehnerさん

-Fritz von der Heide, ein Kurier:Michael Fischerさん

-Dr. van Swieten:Robert Kolarさん

-Prinzessin:Maxima Jeitlerさん

-Prinzessin:Tara Oberkoflerさん

-Prinzessin:Elena-Katrin Pojerさん

-Prinzessin:Anna-Maria Zeilerさん

本作品は3幕もので、ハプスブルク家のお話なので、舞台はSchloss Schönbrunnになっていました。上演時間は2時間30分で、2幕の途中で休憩を入れる最近流行のパターンでした。

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September 07, 2017

オルロフスキー公爵からの招待状来るFeri bie Orlofsky」

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今シーズンのVolksoperFestで、最大の目玉企画は、一般のお客さまを招待して実施する「Fest bei Orlofsky」です。

「こうもり」の第2幕、オルロフスキー公爵の夜会に一般のお客さま70名を招待して、実際にやってしまおうという、ぶっ飛び企画です。しかも、「夕方の部」と「夜の部」と2回実施。

7月上旬、Feriは、Robert Meyerさんに“参加の可否”を打診しました。すると、Festの事務局から、参加を承諾する旨のメールが到着。どちらの回に出演したいかを連絡して欲しいという内容が添えられていました。

正に「こうもり」の第1幕前半、アデーレに夜会の招待状が来て、舞い上がってアリアを歌う場面を連想してしまいます。それくらいFeriもテンションが上がりました。もっとも、アリアは歌えませんが(笑)。

実は、今回の企画は、1回目と2回目では、出演者が違うという凝りよう。実は1回目の方が出演者はFeri好みだったのですが、1回目を見学して状況を把握した方がリスクは少ないと判断し、2回目(夜の部)の出演をリクエストしました。

そして、迎えた本番当日の9月2日。Festの会場には、「Feri bie Orlofsky」出演者用のレセプションが設けられていました。

また、家族や友人に晴れ姿を見てもらうため、出演者用に席が確保されており、Feriもチケットを入手しました。ただ、親しい人が忙しく、残念ながら友人にFeriの晴れ姿を観賞してもらうことは実現できませんでした。

レセプションで受付を済ませると、劇場のバックステージに入場できる名前入りの「Bühenenpas」が交付されました。これで当日限りですが、劇団員の仲間入りです。

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7月下旬、Robert Meyerさんから、当日のスケジュールと第2幕の楽譜が送られてきました。もちろん、全員が歌唱の素養がある訳ではないで、“歌えなくても大丈夫”というコメントが添えられていました。

1回目が予定よりも時間が長くなってしまったため、2回目の劇場入りは、若干遅れて18時過ぎになりました。楽屋口の内部で出演者が「Bühenenpas」を首からぶら下げて待機しています。

皆さんのテンションが上がってきているのが、何となく伝わってきました。

係員の案内で、劇場最上階にあるDressing roomに案内されます。ここは、オペレッタで劇中、衣装を身にまとって小道具などを運ぶスタッフが使用する更衣室のようです。

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ただ、当日はゲスト用に、ちゃんと名前が入った紙製のプレートが取り付けられていました。

皆さま、ここで本番用の衣装に着替える訳です。当然、男性用と女性用で別の部屋ですが、2回目の陣容を見ると、女性が2/3、男性が1/3といった感じでした。

また、ご夫婦で参加のお客さまもいらっしゃいました。こちらは、舞台上でもカップルを演じていました。

着替えを済ませて、Dressing roomで待機していると、館内放送で“出演者は舞台へ”という指示があり、階段を下りて舞台へ向かいました。

実は、今回の「Feri bie Orlofsky」は「こうもり」の2幕を再現しているのですが、完全に行うのではなく、前半と後半に別れています。

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August 24, 2017

写真特集 Seefestspielen Mörbisch2017“Vogelhändler”

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3回に渡ってお伝えした「世界一周旅行のお話」はお楽しみ頂けたでしょうか。

まぁ、余りにも世間離れした旅程に、呆れた方が多いかと思います。正直、今、自分で振り返ってみても、変なところばかりを狙って出かけているのがよくわかります。

さて、例年ですと、この時期、Mörbischのレポートをお届けしています。すでに最終公演が終わってしまってからのレポートで、正直、お役に立たない訳ですが‥

しかし、今年は、大変残念ですが、Feriはオペレッタであるにもかかわらず、“Vogelhändler”を観ることができませんでした。

本来はSeefestspielen Mörbisch60周年記念公演でしたから、オペレッタファンのFeriとしては、参加が必須だったのですが‥

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そのため、ネタバレ満載の観賞レポートをお届けすることはできません。実際に観た有人の話によると、非常にきれいな舞台で楽しい公演だったようです。

また、「小鳥売り」は、Tirolが舞台ですが、今回は主なキャストがオーストリア出身者で固められており、主役のアダムのBernhard Berchtoldさん、Paul SchweinesterさんともにTirol出身の方でした。そういう意味では、雰囲気も出ていたようです。

せっかくなので、主なキャストをご紹介しましょう。

-Christel:Sieglinde Feldhoferさん、Martina Fenderさん

-Kurfürstin Marie:Cornelia Zinkさん、Elena Pusztaさん

-Adelaide:Dagmar Schellenbergerさん

-von Scharrnagel:Peter Horakさん
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-Baron Weps:Horst Lamnekさん、Rupert Bergmannさん

-Graf Stanislaus:Maximilian Mayerさん、Philipp Kapellerさん

-Würmchen, Professor:Gerhard Ernstさん

-Süffle, Professor:Wolfgang Doschさん

-Jette, Kellnerin:Anú Anjuli Sifkovitsさん

-Frau Nebel, Wirtin:Franziska Stannerさん

-Schneck, Dorfschulze:Raimund Stanglさん

-Quendel, Hoflakai:Claudio Hillerさん

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July 02, 2017

「夏の音楽祭2017」に寄せて

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オペレッタのレギュラーシーズンが終わり、いよいよ各地で「夏の音楽祭」が始まります。

そこで、夏の音楽祭関連の情報を整理してみました。

Seefestspiele Mörbisch
最近、ゴタゴタ続きのメルビッシュですが、Seefestspiele Mörbischは予定どおり行われるようです。

演目はカール・ツェラーのオペレッタ「小鳥売り」(Vogelhändler)。屋外向けの作品かどうかは微妙ですが、比較的大人数が出演する作品だけに、演出如何ではメルビッシュの大舞台でも楽しめるでしょう。

プレミアは七夕の7月7日(金曜日)。今日の時点でカテゴリー4~9には、まだ空席があるのが気になります。やはりSerafinさんが抜けた穴は大きかったような気がします。

2017年は8月19日まで行われます。例年、終盤に出かけていたFeriですが、今年はどうなることやら‥

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メルビッシュに隣接するSt.Margarethenで開催される野外オペラ。石切場という特殊な会場を使っているだけに、最適な作品を選ぶのが難しいような気がします。そのため、一時、中止になりましたが、現在はリニューアルして再スタートを切っています。

2017年の作品はヴェルディの「リゴレット」(Rigoletto)です。Feriは、2009年に同演目を観ていますが、やはり屋外向けの作品とは言えなかったような記憶があります。

やはり「アイーダ」の凱旋パレードように、大人数が出る場面がある作品の方がぴったりだと思います。ただ、そうすると作品が限られてしまい、集客が難しいという面もあるようです。

プレミアは7月12日で、8月19日まで、18回、上演されます。興味深いのは、集客に力を入れるためか、インターネットのチケット購入サイトに送迎バスとチケットがセットになったタイプが出たことです。バスの発着はウィーンとアイゼンシュタットです。

さらにステージツアー付きのチケットも販売されるようになりました。これらもリニューアルの一環なのでしょう。

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June 26, 2017

あなたをOrlofsky公爵の夜会にご招待!

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今日は「フォルクスオーパーの話題」です。

2017/18シーズンの冒頭、9月2日に「Fest bei Orlofsky」というSpecialが開催されることは、シーズンプログラムの発表時から公表されていましたが、その内容がわかりました。

まず、当日はシーズンのオープニングを祝ってVolksopern-Fest」が開催されます。このFest最大のイベントが「Fest bei Orlofsky」。

当初、どのようなイベントかわからなかったのですが、同劇場のホームページで詳細が紹介されました。

何と、「こうもり」の第2幕で行われる「オルロフスキー公爵の夜会」に一般のお客さま70名をご招待するというものです。具体的には、実際に劇場のステージで第2幕だけを特別に上演し、そこに一般のお客さまにも参加してもらうという画期的なプログラムです。

つまり、一般のファンがフォルクスオーパーのステージに立つという夢が実現できるわけです。もちろん、主要なキャストは正規のアンサンブルですし、合唱団やバレエ団なども出演する「正規の2幕」です。

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全体のコーディネートはDirektorの Robert Meyerさんが行うようで、アンサンブルが一般の参加者をサポートします。また、ホームページでは、「歌うことができないお客さまの参加も問題ありません」とうたっており、特別な才能がなくても、このイベントに参加することは可能です。

ご存じのように「こうもり」では、ファルケ博士の画策で、第1膜ではアデーレに夜会への招待状が到着します。そして、叔母が病気になっているという話をロザリンデにして、お暇をもらい、ロザリンデの衣装を無断で借りて、夜会に参加します。まさに、このイメージですね。

当日、「Fest bei Orlofsky」は、16時30分と19時の2回、行われますが、出演者を見ると1回目と2回目ではキャストが異なるという念の入れようです。

ちなみにアイゼンシュタインは1回目がThomas Sigwaldさん、2回目がMehrzad Montazeriさん。ロザリンデは1回目がMelba Ramosさん、2回目がElisabeth Schwarzさん。ホストのオルロフスキー公爵は1回目がMartina Mikeli¿さん、2回目がAnnely Peeboさんです。

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