February 26, 2021
January 20, 2021
ロックダウン再延長 歌劇場は‥
1月18日、連邦政府はCovid-19の感染拡大が終息しないため、ロックダウンを2月7日まで延長しました。さらにホテルや飲食店、劇場に関しては2月末まで営業禁止となりました。
という訳で、今日は「歌劇場の対応」をご紹介しましょう。
まず、ウィーン国立歌劇場ですが、2月8日から劇場の公開を始める計画を発表しました。見学は無料で、新しく作られたオペラホワイエ(ブッキングオフィスとショップがあります)も見学対象になります。正確な営業時間は、国立歌劇場のホームページで毎日、公開されます。
肝心の公演ですが、お客さまを迎えての公演は、実施の目処が立っていません。そこで、公演のストーリミング配信を継続する旨を発表しました。プラシド・ドミンゴの80歳の誕生日を記念して、「Nabucco」が1月22日に無観客で上演され、ストーリミング配信されます。本公演は、1月24日にORFⅢでも放送されます。
また、2月7日にはORFⅢで、Calixto Bieitos演出の「Carmen」のPremiereが放送されます。出演は、Anita RachvilishviliとErwin Schrottです。
そして、2月21日には、同じくORFⅢでPhilippe Jordanの指揮による旧作「Le nozze di Figaro」が放送されることが決まりました。両作品とも国立歌劇場がストーリミング配信を行います。
December 12, 2020
「Opernfoyers in der Wiener Staatsoper」がオープンしました
2021年1月6日までオーストリアでは、各劇場は閉鎖されており、公演も中止になり、寂しい限りです。そんな中、12月9日、「新しい国立劇場連盟のチケット売場」がオープンしました。
皆さまの中にもご利用になった方が多いと思いますが、国立劇場連盟ブッキングオフィス(Bundestheaterkassen)はOperngasse 2にありました。以前は、現在、国立歌劇場博物館になっている場所にブッキングオフィスがありました。
今までのブッキングオフィスは、チケット予約と発券・販売に特化したしせつで、入口にプログラムなどを提供する案内所があるという「機能性重視」の施設でした。
このブログでもお伝えしたように国立歌劇場のHerbert-von-Karajan-Platzに面したスペースにあったCaféが廃止され、その跡にビジターセンター「Opernfoyer」の建設が進められていましたが、このほど完成し、12月9日にオープンの運びとなりました。
現在、連邦政府の指示により公演再開の目処が立っていないため、チケットの販売は停止されていますが、施設そのものはオープンしました。
ビジターセンターは、Bundestheater-Holding(国立劇場連盟)の依頼を受けて、 BWM Architektenがインテリアデザインを担当。
写真をご覧になるとわかるように、Café時代と同じく、国立歌劇場のオリジナルデザインを生かしたインテリアになっています。
ビジターセンターという名前が象徴するように、この施設は従来のチケット販売だけでなく、来場者に対して総合的な情報やサービスを提供する施設です。
チケット販売に加えて、各種グッズを販売する国立歌劇場直営ショップ(書籍、記念品などを販売)、読書コーナー、Caféが併設されています。
公開された公式写真を見ると、複合施設にしたことで、チケット売場のスペースが相対的に狭くなっているようです。チケット販売に特化した施設から、複合施設に変えた理由は、最近ではインターネット経由でチケットを購入し、自宅で発券するお客さまが増えたことも背景にあるのでしょう。
さらに2022年には国立劇場連盟のチケットシステムが一新されることになっているため、それを踏まえた対応のようです。
国利歌劇場内にありますが、従来どおり、同劇場のみならず、国立劇場連盟傘下のフォルクスオーパーやブルク劇場のチケットも販売されます。
公開されている公式写真を見ると、ショップでは新しいグッズも販売されているようです。
December 01, 2020
ロックダウン解除後の音楽界は‥
11月の当ブログは、11月3日に1500近いアクセスを頂きました。多くの皆さまにご来場いただき、改めてお礼申し上げます。
さて、今日は「音楽の話題」をお届けしましょう。すでにご存じのようにロックダウンのため、各劇場は現在、全ての公演が中止となっています。
現時点では、ロックダウンは12月6日までなので、12月7日以降、劇場が再開される可能性がありますが、連邦政府から具体的なアナウンスが出ていない状況です。
見通しが不透明な中、連邦政府に業を煮やしたウィーン国立歌劇場は観客の入場可否を問わず、ORFと協力して12月に5つの作品をテレビとラジオで配信することを発表しました。
放送されるのは「Tosca」、「Werther」、「Der Rosenkavalier」、「Mahler, live」(バレエ)、「Das verratene Meer」です。
このうちバレエ作品の「Mahler, live」はロックダウン中の12月4日に収録し、タイムシフト方式で当日、配信される予定です。
また、新しいバレエ監督Martin Schläpfer氏によるウィーン初の振付作品「4」の世界初演は、12月8日9時5分からORF2で放送される予定です。
Piotr Beczalaさんの国立歌劇場デビュー作となる「Werther」は12月10日に録音され、2021年1月10日の20時15分からORFIIIで放送されます。
そして、伝統的な演出の「Tosca」にはAnna Netrebkoさんが登場することで注目されていましたが、12月13日にラジオでライブ配信され、同日、20時15分からはタイムシフト方式でテレビ放送(ORFⅢ)されます。
2020/21シーズンのPremiere「Das verratene Meer」は、予定より1日遅れの12月14日に上演され、Play.wiener-staatsoper.atでライブ配信(無料)されることが発表されました。こちらは、ORFではないので、海外でも観ることができます。
November 07, 2020
その時、ウィーン国立歌劇場では‥
11月2日、ウィーンのテロ以降、準ロックダウンであることもあり、こちらに住む友人とは直接会っていませんが、徐々にメールなどで連絡をとるようになりました。
とにかく今までウィーンでは大規模な無差別テロが発生したことがなかったので、皆、ショックを受けています。
テロの現場を追悼に訪れるウィーン子も多いのですが、今回は色々な民族や宗教の方、子供たちなど幅広い人々が訪れているようです。花束を供える方、「私たちの宗教は愛」「愛は憎しみを超える」といったメッセージカードを寄せる方も‥
中にはヴィーナリッシュで、“おいらたちウィーンっ子はあほじゃないぞ”“ウィーンはちがうんだい”といったメッセージも‥それぞれの立場で、「テロに屈しない」姿勢を示しているのでしょう。
「ウィーンがウィーンであり続けたいという根っ子」がこういったところにあるような気がしています。
さて、準ロックダウン前日であったため、各劇場にも多くのお客さまが来場していたはずです。
Volksoperではオペレッタ「König Karotte」が19時00分~21時45分まで上演されていました。ただ、Volksoperは旧市街ではないため、終演後、旧市街へ戻る方以外は、ご自宅へ向かうことができたかも知れません。
一方、旧市街に面したWiener Staatsoperでは「Cavalleria rusticana / Pagliacci」が19時00分~22時00分まで上演されていました。
本公演は「Pagliacci」のCanio(Pagliaccio)に人気のフランス人テノールRoberto Alagnaさんが出演することで注目を集めていました。
劇場がテロの対象になった訳ではないため、公演は継続されたようですが、テロの全容が判明しなかったため、終演後、観客は劇場に足止めされました。
September 24, 2020
Wiener Opernball 2021中止の衝撃
新型コロナウイルスに感染し、肺炎を発症したオペラ界のスーパースター、アンナ・ネトレプコが、先日、モスクワの病院を退院したそうです。ちなみに彼女は、今年の誕生日を病院で迎えたとか‥
今日はオーストリアの「冬の風物詩」である「舞踏会 Ballの話題」です。
オーストリアでは、冬、経済的に貢献する三本柱が舞踏会、クリスマス市、シルヴェスター。このうち、今冬の舞踏会は大きく様変わりしそうです。
先日、お伝えしたようにオーストリア連邦政府は2021年のオペラ座舞踏会の中止を決断しましたが、ウィーンでは毎年、数多くの舞踏会が開催されており、昨年は延べ52万人が参加し、1億5100万Euroの経済効果がありました。
感染の再拡大を受けて、屋内での行事に参加できる人数が制限されたため、すでにホーフブルクで予定されていたÄrzteball、Jägerball、 Rudolfina-Redouteなどの中止が正式に発表されています。
この中でJägerball(猟師の舞踏会)は、今回100回目を迎える予定だっただけに大きな衝撃を与えました。
この他、Ball der Offiziere、Concordiaball、Ball der Pharmacieなどの中止が決まっています。
ご存じのように舞踏会は不特定多数の方が集まり、ワルツなどを踊りながら、長時間過ごす訳ですから、三密を避けることは困難な行事です。とくにソーシャルディスタンスの確保は事実上、不可能。
ところで、オペレッタ「こうもり」は、仮装舞踏会に参加したアイゼンシュタインとファルケの舞踏会後の出来事が、ファルケによるアイゼンシュタインに対する「笑いの復讐」につながっているのは、皆さまご存じのとおり。
夜通しの舞踏会を終えて、千鳥足で自宅へ戻る途中、コウモリの架装をしたファルケをアイゼンシュタインが街中の広場に置き去りにしたため、早朝、街の人たちに奇妙な格好のファルケが発見され、笑いものにされた‥というエピソードです。このように舞踏会には、色々なエピソードがつきもの。
こちらでは11月から2月にかけて、職業別や地区別の舞踏会が、多数、開催されますが、オペラ座舞踏会中止の決定を受けて、他の舞踏会も主催者が中止を決定すると思われます。
万が一、開催を強行し、クラスターが発生した場合、主催者の責任が追及される可能性が高いだけに、「ダンスより健康」を優先すると思います。
September 09, 2020
ウィーン国立歌劇場2020/21シーズン「Madama Butterfly」
最初に興味深いニュースをご紹介しましょう。オーストリアのSebastian Kurz首相は、9月9日、日本の安倍総理と電話会談を行い、二国間の関係を強化するために尽力した安倍総理に感謝の意を表しました。
同時に「オーストリア訪問を要請した」と、こちらのニュースで報じています。安倍総理はSebastian Kurz首相の招待に対し、「元首相と国会議員としての立場で、健康状態が許せばすぐにオーストリアを訪問したい」という意向を表明したと報道されています。
これがきっかけで、2国間の交流が再開されると良いのですが‥しかし、今まで日本の総理は世界では「顔が見えない」と言われていましたが、安倍総理については長期政権であったことも加わって、海外でもよく報じられていますね。
さて、新型コロナウイルス感染の影響で変則的な運営を強いられるウィーンの歌劇場ですが、何はともあれ9月7日、「Madama Butterfly」のPremiereでスタートを切りました。
しかし、新型コロナウイルス渦の中、オープニングに新演出をぶつけてくるとは、Bogdan Roščić新総裁はなかなかやりますね。
現在、ウィーンは「Corona-Ampel(コロナ信号)」が黄色であるため、劇場内の規制が若干、厳しくなっています。
劇場ならではの規制が、飛沫防止のため“ブラヴァ”や“ブー”は禁止。拍手は飛沫に関係ないのでOK。右の写真が規制の内容です。
さて、9月7日の「Madama Butterfly」PremiereはORFⅢで生中継されました。
当日の指揮は新しく音楽監督に就任したPhilippe Jordanさん。主なキャストは、以下のとおりです。
-Cio-Cio-San:Asmik Grigorianさん
-Suzuki:Virginie Verrezさん
-Pinkerton:Freddie De Tommasoさん
-Sharpless:Boris Pinkhasovichさん
-Goro:Andrea Giovanniniさん
Asmik Grigorianさんは、リトアニア出身の方ですが、確かザルツブルク音楽祭の「サロメ」のタイトルロールで高評価を得たと思います。
しかし、ウィーンやオーストリア国内に住んでいるキャストは問題ありませんが、EU内でも海外からの客演となると、色々と大変なことでしょう。
Feriは、以前、前演出を見たことがありますが、明るい華やかな舞台でした。今回は、最近流行の暗い舞台でしたが、時代設定はオリジナルのまま。その点は、一安心。
オリジナルどおり、2幕構成で、1幕後に休憩。2幕の1場と2場は暗転でした。
歌手の仕上がりは、テレビで見た範囲では、見事でしたが、これだけは実際に劇場で観ないと(聴かないと)、正しい評価は難しいと思います。何しろオーケストラの演奏と歌手の歌を調整していますから‥
また、舞台装置は抽象的なもので、中央に大きな開口部があり、そこが光るような仕掛けになっています。
オープニングも工夫が凝らされています。まず、幕が上がると序曲の前に、着物をお召しの女性が黄金の扇子を手に踊ります。
しばらく踊ったところで、前奏曲が奏でられるという趣向です。衣装が蝶々さんのものと同じなので、蝶々さんをイメージしているのかもしれません。
興味深かったのは、襖を模した衝立を黒衣が異動させて、場面転換を図るようになっている点です。
衣装に関しては、異人さん(あえて、こういう表現にしました)は時代考証もしっかりしており、自然な感じ。一方、日本側は、着物を着ているものの、デザインや小道具が何となく妙なデザイン。
日本から見ると、若干、お隣の国のテイストが混じっているような気もしますが、まぁ、「歌劇」ですから、その当たりは大目に見ましょう。
こちらの方にとっては、古い日本には「異国情調」が満ちあふれていないと困りますから‥
今回の演出で、Feriが一番驚いたのは、2幕から登場する蝶々さんとピンカートンの間にできた子供。今までは子役を使っていましたが、今回、テレビを見ていると何か変。
よく見ると、何と人形遣いが操る人形なのです。実際の舞台を観れば、オペラグラスで、どのように人形遣いが分担しているかがわかるのですが、カーテンコールに出てきた人形遣いは3名でした。
ということは、現在の人形浄瑠璃文楽と同じ構成です。誰が考えたのか存じませんが、人形浄瑠璃文楽をヒントにしていることは間違いないと思います。
そう言えば、Volksoperでは「オズの魔法使い」で、ドロシーの愛犬は人間が操っているぬいぐるみでしたが、あちらの人形遣いは一人。
そういう意味では、こちらのお客さまにとっては、極めて新鮮に映ったかもしれません。
April 27, 2020
速報Wiener Staatsoper2020/21プログラム
4月26日、ウィーン国立歌劇場が、例年とは異なり、ORFⅢの特別番組「Erlebnis Bühne Spezial Spielplanpräsentation der Wiener Staatsoper」を通じて2020/21シーズンのプログラムを発表しました。
通常の記者会見ではなく、総裁と音楽監督の対談に加えて、注目歌手の映像を盛り込むなど、意欲的なプログラムになっていました。本番組は海外へのアピールも兼ねているため、日本からでも視聴できたと思います。
同時に発行された年間プログラム(5Euro)ですが、表紙が随分、変わりました。
2020/21シーズンは9月6日のTag der offenen Tür(オープンハウス)で幕を開けます。それでは、概要をご紹介しましょう。今回は、定番作品の新演出が多いのが興味深いところ。
○プレミア・オペラ
2019/20シーズン後半にプレミアが予定されていた「Così fan tutte(コジ・ファン・トゥッテ、2020年5月22日プレミア予定)と「Un ballo in maschera(仮面舞踏会)」(2020年6月15日プレミア予定)の2作品は、意外なことに2020/21シーズンに引き継がれることなく、消えてしまいました。
MADAMA BUTTERFLY(2020年9月7日)
今までの演出もオースドックスで良かったのですが、今回、シーズントップを飾って新演出で「マダムバタフライ」が登場です。
Cio-Cio-SanはAsmik Grigorianさん、SuzukiはVirginie Verrezさん、Kate PinkertonはIsabel Signoretさん、PinkertonはFreddie De Tommasoさん、SharplessはBoris Pinkhasovichさん、GoroはThomas Ebensteinさん、SolotänzerinはHsin-Ping Changさん、SolotänzerはTom Yangさんらの起用が予定されています。
DIE ENTFÜHRUNG AUS DEM SERAIL(2020年10月12日)
モーツァルトの定番オペラも新演出で登場します。
Bassa SelimはChristian Nickelさん、KonstanzeはLisette Oropesaさん、Konstanze – Schauspielerinは Emanuela von Frankenbergさん、BlondeはRegula Mühlemannさん、Blonde – SchauspielerinはStella Robertsさん、OsminはGoran Juricさん、Osmin – SchauspielerはAndreas Grötzingerさん、BelmonteはDaniel Behleさん、Belmonte – SchauspielerはChristian Natterさん、PedrilloはMichael Laurenzさん、Pedrillo – SchauspielerはLudwig Blochbergerさんらの起用が予定されています。
EUGEN ONEGIN(2020年10月25日)
チャイコフスキーの代表作。かつて小澤征爾さんが得意としていた演目。
TatjanaはTamuna Gochashviliさん、OlgaはAnna Goryachovaさん、Eugen OneginはAndrè Schuenさん、LenskiはBogdan Volkovさん、Fürst GreminはDimitry Ivashchenkoさんらの起用が予定されています。
DAS VERRATENE MEER(2020年12月13日)
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェのオペラ。新しい作品です。
CARMEN(2021年2月6日)
ビゼーの代表作で、日本の方にも馴染みが深い作品。今までも良い演出でしたが、さて、どうなるのでしょうか。
CarmenはAnita Rachvelishviliさん、Don JoséはCharles Castronovoさん、Escamillo,ToreadorはErwin Schrottさん、MicaëlaはOlga Kulchynskaさん、FrasquitaはSlávka Zámečnikováさん、MercédèsはSzilvia Vörösさん、ZunigaはPeter Kellnerさん、Moralès, Sergeant はStefan Astakhovさん、RemendadoはCarlos Osunaさん、DancaïreはMichael Rakotoarivonyさんらの起用が予定されています。
LA TRAVIATA(2021年3月4日)
ヴェルディの代表作「椿姫」。こちらも日本の方に馴染みの深い作品。定番中の定番オペラと言えるでしょう。
Violetta ValéryはPretty Yendeさん、Flora BervoixはMargaret Plummerさん、AnninaはDonna Ellenさん、Alfred GermontはFrédéric Antounさん、George GermontはIgor Golovatenkoさんらの起用が予定されています。
PARSIFAL(2021年4月1日)
ご存じ、ワーグナーの大作ですが、出演者で注目を集めそうです。タイトルロールのパルジファルには、当代きってのワーグナー歌手Jonas Kaufmannさんが起用される他、日本のファンも多いElīna Garančaさんがクンドリ(Kundry)として出演します。
この他、AmfortasはLudovic Tézierさん、GurnemanzはGeorg Zeppenfeldさん、TiturelはPeter Kellnerさん、KlingsorはWolfgang Kochさんらの起用が予定されています。また、指揮はPhilippe Jordanさんが務めます。
FAUST(2021年4月22日)
グノー作曲のオペラ。ゲーテの劇詩をオペラ化したもので、グノーの最高傑作と言われています。
Doktor FaustはJuan Diego Flórezさん、MargueriteはNicole Carさん、Méphistopélès はAdam Palkaさん、Valentin はBoris Pryglさん、Wagner はPeter Kellnerさん、Siébel はVirginie Verrezさん、Marthe はMonika Bohinecさんの起用が予定されています。
L'INCORONAZIONE DI POPPEA(2021年5月22日)
「ポッペーアの戴冠」はモンテヴェルディが作曲したオペラ・セリア。皇帝ネロと悪女として有名なポッペーアの史実に基づく作品。モンテヴェルディ最後のオペラ。
Nerone はKate Lindseyさん、Poppea はSlávka Zámečnikováさん、Ottone, früherer Gatte PoppeasはXavier Sabataさん、Ottavia, Neros GemahlinはChristina Bockさん、SenecaはWillard Whiteさん、Virtù / DrusillaはVera-Lotte Boeckerさん、Arnalta, Poppeas AmmeはThomas Ebensteinさん、Amore / VallettoはIleana Toncaさんらの起用が予定されています。
MACBETH(2021年6月10日)
シーズン最後を飾る新演出はヴェルディの「マクベス」。こちらも注目を集めそうです。というにはLady MacbethにAnna Netrebkoさんの出演が予定されているからです。
この他、MacbethはLuca Salsiさん、BanquoはRoberto Tagliaviniさん、MacduffはFreddie De Tommasoさんらの起用が予定されています。
April 07, 2020
2019/20シーズン終了の衝撃
日本でも、政府から東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡に対して非常事態宣言が出されたようですが、オーストリアから見ると、良くも悪くも「緩い」規制だと思います。
感染拡大を防ぐための対応ですが、日本の感染者数が少ないのを疑問に思っている向きもあるようです。ただ、現在、新型コロナウイルスによる死亡者数が日本は少ないので、ここまでの対策が、それなりに効果を上げたと考えるのだ妥当でしょう。
日本は「同調化圧力」が強いため、政府からの要請(お願い)であっても、各企業が自主的に営業自粛などを行うことでしょう。
さて、オーストリアでも感染者の増加率がかなり低下し、オーストリア政府も次のステージに移りつつあるという見方をしているようです。
ただ、Feriが衝撃を受けたのは4月6日、政府の指示で各歌劇場の公演中止が6月30日まで延長されたことです。つまり、事実上、2019/20シーズンは3月15日をもって終了してしまったことになります。約3ヵ月分の公演が宙に浮いた形になりました。
Feriも、この期間に何公演か観る予定があり、チケットを手配していましたが、残念な結果になりました。この結果、Feriが2019/20シーズンで見た最後のオペレッタはVolksoperの「ジプシー男爵」になりました。
3ヵ月間の休演でVolksoperの場合、チケット販売の損失は350万Euroに及ぶと報道されています。
さて、休演となった3ヵ月間には、Premiereや再演など、様々なプログラムが組まれていました。
これらの処遇について、劇場関係者は頭を悩ましていると思います。しかし、4月中旬に公演が再開されたとしても、人の移動が大幅に制限されているため、アンサンブル(専属歌手)だけで上演できる作品はさることながら、主役に客演を設定している公演は、代役にしないかぎり公演は難しかったと思います。
ちなみにレパートリーに関しては、総稽古無しで本番ができるようなので、出演者を集めることができれば上演できたと思います。
今回の3ヵ月間におよぶ公演中止は、間違いなく9月から始まる2020/21シーズンにも影響を及ぼすと思います。
9月にPremiereを行う公演に関しては、6月には稽古が始まります。また、閉講して舞台装置や衣装の製作が始まりますが、外出規制が大幅に緩和されない限り、スタッフが集まって作業をすることは困難だと思います。また、海外から客演を迎える場合、入稿制限が引っかかる可能性も‥
そのように考えると、2020/19シーズン当初は、Premiereを実施するのは困難を伴うような気がします。
そして、2019/20シーズンで積み残しになったPremiereを、どのタイミングで実施するかも劇場関係者にとって頭の痛い問題だと思います。
現時点でCulturallから発表されている情報では、4月24日に予定されていたVolksoperのシーズン記者会見は中止となりました。新しい日程は未定です。
一方、Wiener Staatsoperのシーズン記者会見は、4月26日ORFⅢで行われる模様です(20時15分~)。同時に、この模様はインターネットでも中継されるようです。
Culturallによる来シーズンのチケット発売は、この発表を受けて行われる予定ですが、まだ流動的な要素も多いようです。なお、現在、ボックスオフィスは閉鎖中です。
March 28, 2020
歌劇場の動向
オーストリアでは、今日から「夏時間」に移行しました。オーストリア航空ですが、新型コロナウイルス感染拡大と各国の入国制限を受けて、全便の運行停止を4月19日まで延長しました。フライトをキャンセルした方が、赤字が出ないと思うので、ある意味、賢明な決断と言えるかもしれません。
ところで、コメント欄で興味深い情報をご提供いただきましたが、オーストリアでも医療崩壊を防ぐため、検査は基本的に発症者に絞っています。
それ故に、外出を事実上、禁止し、接触感染を防止してる訳です。28日、15時現在、感染者数は7995名、死者は68名です。感染者の増加は、若干、低くなってきているようです。また、先日、年代別感染者数が発表されました。
これを見ると、45歳~54歳が最も多く、次に多いのが64歳以上です。逆に5~14歳、5歳以下は非常に少なくなっています。やはり成人で経済活動を行っている人は、色々な人と接触するため、感染者が増えているのかもしれません。
各種の規制により経済活動も制限を受けているオーストリアですが、劇場関連の話題をお届けしましょう。
3月27日の時点では、オーストリア劇場連盟所属の各劇場は4月13日まで休演となっています。ただし、現在、4月と5月の全公演はCulturallでもチケットの販売が休止されています。
これは公演中止が継続された場合、チケットの払い戻し対応が負担になることを考えているのだろ思います。つまり、状況が流動的であることを物語っています。
さて、チケットの販売も関係するので気になる来シーズンの予定ですが、4月24日に予定されていたVolksoperWienの2020/21シーズン記者会見は中止が決まりました。新しい日程は未定です。
一方、Wiener Staatsoperについては、4月26日11時(現地時間)に2020/21シーズン記者会見が実施される予定です。
それを受けて、Culturallでは4月29日、14時から2020/21シーズンのチケット予約を開始する予定になっています。ただ、これは劇場側が来シーズンのプログラムを予定どおり発表した場合の対応なので、4月26日の状況次第と考えた方が良さそうです。
先日もお伝えしたように、現在、各劇場のボックスオフィスは閉鎖されています。
なお、グラーツでは4月13日以降の公演については、チケット販売を継続しているようですが、変更や休演の場合があることが明示されています。
なお、休演したチケットを持っている方は、キャンセル以外に別の公演(2020/21シーズンを含む)への振替もできるようです。また、グラーツは、2020/21シーズン記者会見についての情報は、現時点では入手できませんでした。
今シーズンの公演がどうなるかが決められないため、状況によっては来シーズンの公演プログラムにも影響が出ると思います。例えば、公演休止になった期間中に実施予定だったPremiereの扱いなのです。その関係で、通常は4月上旬に記者会見が延期されているのでしょう。
より以前の記事一覧
- 臨時更新 3月末まで、各劇場の公演中止決定 2020.03.10
- 2020年、ウィーン国立歌劇場来日公演 2019.09.04
- ウィーン国立歌劇場2019/20シーズンプログラム発表 2019.04.04
- 臨時更新 Wiener Hauptbahnhofで断線事故 2018.12.23
- 2017/18シーズンWiener Staatsoperが売上記録を樹立 2018.07.04
- Galakonzert KS Edita Gruberova 2018.06.24
- 速報 Wiener Staatsoper 2018/19シーズンプログラム発表 2018.04.19
- 速報 国立歌劇場2017/18シーズン・プログラム発表 2017.04.05
- 速報 ウィーン国立歌劇場 2016/17シーズン プログラム発表 2016.04.06
- 国立歌劇場で「TAG DER OFFENEN TÜR」がありました 2015.09.09
- 国立歌劇場で「Tag der offenen Tuer」が行われます 2015.08.13
- ウィーン国立歌劇場2015/16シーズンプログラム発表 2015.04.10
- 速報「国立歌劇場2014/15シーズン」プログラム発表 2014.03.25
- 番外編 日経Web版に掲載された甲斐 栄次郎さんの手記 2014.02.10
- 速報 10月27日から国立歌劇場ライブストリーミングがスタート 2013.10.16
- 今シーズンの国立歌劇場から‥ 2013.09.30
- 国立歌劇場のゲネプロを見学しました 2013.06.20
- オペラ座を支える人達 2013.05.26
- ディープな「入待ち、出待ち」の世界 2013.05.07
- 立ち見も、また楽し‥ 2013.01.06
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