June 05, 2018

Volksoper“Gasparone”Premiere Report(下)

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今日は、“Gasparone”休憩後の後半をお届けしましょう。

第二幕
冒頭、舞台上にアップライトピアノが設置され、ピアノ伴奏で市長が「私もかつては若者だった」と自分の青春を歌います。

この場面、Gerhard Ernstさんの存在感が抜群。客席からも、盛んに拍手が送られました。ただし、この名場面については、公式写真が入手できませんでした。ぜひ、実際の舞台でお楽しみください。

その後、ルイージが、一通の手紙を持って来る。そこには「息子を誘拐した、身代金一万リラを持って来い。ガスパローネ」と書いてありました。

「そんな大金はない」という市長に、カルロッタはその金を用立てしたのでした。

そこに「よそ者」が現れ、「深紅のパラを持って来ました美しき婦人よ」と歌います。ベノッツォが身代金を持って花婿を引き取りに行きます。

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「よそ者」はカルロッタと二人になると、「シンドゥルフは金目当てで結婚しようとしているのです。でも、私は心から貴女を愛しています」と告白します。

カルロッタも彼に惹かれますが、彼女は、自分の気持ちとは裏腹に「お黙り下さい、私は聞く耳を持ませんわよ」と歌うのでした。

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そこに、ベノッツオが戻って来て、シンドゥルフォ救出には失敗したいきさつを話します。

実は身代金は彼がネコババしてしまったのです。市長は憲兵隊を率いて自ら息子の救出に向かう。

客席後方から合唱団扮する憲兵隊が登場。観客にガスペローネに関する情報を入手するためのチラシを配ります。

憲兵隊が客席から退場すると、後半の見せ場「よそ者」の歌う舟唄「蒸し暑い夜に」 の場面になります。

実際にモーターボートに乗って登場。歌い終わるとボートは、なぜか宙を舞います。

暗転で3幕に移ります。


第三幕
ソーラは、ベノッツォがまた夜に家を空けたので、「何をしていたの」と夫を追求。ここで、彼は密輸にかかわっていたことを告白します。

彼女は、他の女のところに行っていなかったのでほっとして、夫婦の仲良い二重唱へ。さすがイタリア‥

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June 04, 2018

Volksoper“Gasparone”Premiere Report (上)

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オペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。2017 /18シーズンの最後を飾る新演出オペレッタがカール・ミレッカー作曲の「Gasparone」です。

最近、Volksoperでは上演されることがなかったため、Feriは観たことがありません。

1884年1月26日にアン・ディア・ウィーン劇場で初演が行われましたが、改作、編曲が多いのが特徴。

ちなみにロガーティ版は場所がシラクーサ、ステファン版はトラーパニ、旧フォルクスオーパー版はピッツォラートと、シチリア島内であるものの、場所が違う上に、登場人物や芝居の内容もだいぶ違うそうです。ある意味、「何が定番」なのかはっきりしない作品。

今回の制作陣は、以下のメンバーです。

-指揮:Andreas Schüllerさん

-演出:Olivier Tambosiさん

-舞台装置:Andreas Wilkensさん

-衣装:Carla Caminatiさん

-振付:Stephan Brauerさん

今回、演出を担当したOlivier Tambosiさんは、Volksoperでは「アナテフカ」の演出を担当しています。

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そして、Premiumの出演者は、以下のとおりです。

-Carlotta(カルロッタ):Mara Mastalirさん

-Baboleno Nasoni(パポーレ・ナゾーニ、市長):Gerhard Ernstさん

-Sindulfo(シンドゥルフォ、パポーレ・ナゾーニの息子):David Sitkaさん

-Der Fremde(よそ者、実はシチリア総督):Sebastian Geyerさん

-Luigi(ルイージ、よそ者の連れ):Christian Grafさん

-Benozzo(ペノッツォ、旅籠の亭主):Marco Di Sapiaさん

-Sora(ソーラ、ペノッツォの女房):Johanna Arrouasさん
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-Massaccio(密輸業者):Wolfgang Gratschmaierさん

-Petruccio(密輸業者):Josef Luftensteinerさん

-Benito(密輸業者):Franz Suhradaさん

-Calvazzi(密輸業者):Daniel Ohlenschlägerさん

最近、Volksoperでは定番の休憩1回バージョンで、上演時間は2時間30分(休憩を含む)でした。

なお、最近は「プログラム」に日本語のあらすじが掲載されていましたが、今回から日本語のあらすじがなくなりました。これは、ちょっと残念。という訳で、後半はあらすじをご紹介します。

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May 15, 2018

映画に登場したVolksoper

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今日は「映画ロケの話題」です。

映画の盛んなオーストリアでは、皆さまもご存じのように、オーストリアやウィーンを舞台にした作品も多数、制作されています。

また、頻繁に映画のロケーションも行われていますが、以前は「他国の街」として使われることも多かったようです。

これは、東西冷戦時、西側の映画会社では、東側諸国でのロケーションが不可能であったため、その代わりとしてオーストリアやウィーンが選ばれた‥という訳です。

理由ですが、「街の雰囲気が東欧圏の国に似ている」ところから来ているのかもしれません。Feriは、詳しく知りませんが‥

さて、先日、友人が日本のテレビで「007リビング・デイライツ」(The Living Daylights)が放送されたので、何気なく見ていたら、Volksoperが出てきた教えてくれました。

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トム・クルーズが出演した「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(Mission: Impossible - Rogue Nation)では、国立歌劇場が実名で登場し、大々的なロケーションが行われましたが、アクション映画にVolksoperが登場するのは珍しいですね。

さて、「007 リビング・デイライツ」は1987年に公開された「シリーズ誕生25周年の記念作品」です。そのため、予算が拡大された他、ジェームズ・ボンド役がロジャー・ムーア(Sir Roger George Moore)からティモシー・ダルトン(Timothy Peter Dalton)に代わった初の作品です。

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Feriは、この作品を詳しく観ていないのですが、インターネットを検索していたら、「あらすじ」が紹介されていました。また、YouTubeには、ウィーンロケの部分をピックアップした映像がアップされていました。なるほど‥という展開です。

ストーリーの前半、ボンドは、ソ連の重要人物コスコフ将軍を西側に亡命させるという密命を受けてチェコスロバキアのブラチスラヴァへ赴きます。

今だったら、簡単にブラチスラヴァでロケーションができますが、当時は、東西冷戦の最中であったため、西側映画会社による撮影は不可能であったため、代替措置としてウィーンをブラチスラヴァに見立ててロケーションが行われたそうです。

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April 12, 2018

速報 Volksoper 2018/19シーズンプログラム発表

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4月12日、10時(現地時間)、Volksoperが2018/19シーズンのプログラムを発表しました。

例年ですと国立歌劇場のプログラム発表後になるのですが、今年は国立歌劇場が19日発表になったため、Volksoperが先行する形になりました。なお、2019年はVolksoper創立120周年という記念イヤーです。

オープニングは2018年9月1日にArne-Carlsson-Parkで行われる野外コンサート「Fest 120 Jahre Volksoper Wien」です。指揮はAlfred Eschwéさんが務めます。

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普通はプレミア中心に紹介するのでしょうが、「オペレッタにはまっている男」ことFeriにとっては、レパートリーも含めてオペレッタに「何が上演されるか」が最大の関心事。

という訳で、オペレッタを中心にご紹介します。

まず、サプライズが2つ。良いニュースは、Feriの願いが叶ったのか「Die Csárdásfürstin」が新演出で上演せれることが決まりました。

逆にショックだったのが、最近、集客で苦戦していた定番オペレッタの1つ「Die Lustigewitwe」(メリーウィドウ)が消えてしまったことです。

Feriの知る限り、演出改定時に上演されなくなったことがありましたが、いきなり上演打ち切りというには、珍しいと思います。Feriが最初に観たオペレッタだけに、これは非常にショックです。さて、1シーズンのお休みで復帰するのかどうか、気になるところです。

なお、シーズンを通して上演されるオペレッタは鉄板の「こうもり」だけで、後の作品は期間を限定した上演される方式になっています。これは、出演者確保の関係かと思われます。

○オペレッタ
プレミアは2作品です。
オペレッタ・プレミア
Die Csárdásfürstin(チャールダーシュの女王、2018年9月16日Premiere)
Feriがオペレッタには本格的にはまった作品がカールマンの代表作である「Die Csárdásfürstin」。Sándor NémethさんのFeriに魅せられました。

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すでにSándor Némethさんは晩年でしたが、逆に若手の恋を成就させる「粋なおじさま」を見事に体現しており、私も「あのような粋なおじさまになりたい」との思いが強くなりました。
すでに主要なキャストも発表されています。

指揮はAlfred Eschwéさん。演出はPeter Lundさん。この方はVolksoperでは「Frau Luna」 (2013年)と「Axel an der Himmelstür」(2016年) の演出を手がけています。だいたい舞台の雰囲気は想像がつきます。

主なキャストは、以下のとおりです。

-Leopold Maria von und zu Lippert-Weylersheim:Robert Meyer
-Anhilte, seine Frau :Sigrid Hauser
-Edwin Ronald, beider Sohn:Lucian Krasznec
-Anastasia Komtesse Eggenberg:Juliette Khalil
-Eugen Baron Rohnsdorf:Christian Graf
-Boni Graf Káncsiánu」Jakob Semotan
-Ferenc Ritter Kerekes, genannt Feri Bácsi」Boris Eder
-Sylva Varescu:Elissa Huber
-Sándor von Kiss:Nicolaus Hagg

タイトルロールのSylvaにはゲストとしてドイツ出身のElissa Huberさんが起用されます。現在、Konzert Theater Bernのアンサンブルで、Sylvaは初めて演じるようです。

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February 20, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その3)

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今日は休憩後の後半です。

○第2幕:舞踏会会場
休憩後の第2幕は、OPERENBALL会場ですが、別にVolksoperをイメージしているような感じはありませんでした。以前の演出でも回り舞台を上手に活用していましたが、Logeへの入り口が並んでおり、どのように参加者を交通整理するかがオーバーケルナーの「腕の見せ所」という感じで楽しかったのですが‥

が、そもそもVolksoperにはStaatsoperと異なり、逢い引きに利用するLogeが少なく、設定が成り立ちません。そのため、LOTOに出てくるようなボール状のオブジェが舞台上で回転していました。

また、途中までは手前にスクリーンが降りており、怪しげな雰囲気全開。まぁ、そういった詮索や野暮というものでしょうね。

1幕でサロンになった雑誌がPLAYBOYだったので、2幕もナイトクラブのような雰囲気です。

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冒頭、毎回、OPERENBALLで、ハリウッド女優を同伴して出席することで有名なおじさまRichard Lugnerさんの「そっくりさん」が登場。その後、有名人が次々と来場します。

更にConchita Wurstさんの「そっくりさん」も舞台袖から登場。ファンのサインに応じます。まぁ、わかりますが、本筋とは違うところで盛り上げようとするのは、正直、痛々しい感じが‥

一応、ストーリーに関しては、2幕は、ほぼオリジナルどおりですが、後半が異なっています。ケルナーの数が少なく、男性なのにバニーガールのような妙なコスチューム。本来、逢い引き目的でLogeを使うお客さまのために、密会中のロジェに飲食物を届ける時、ケルナーは、中の様子を直接見ては行けないという掟があるようです。

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では、どうするか。実は銀のお盆を鏡代わりにして、後ろ向きに出入りするのです。この様子も、2幕では、別の意味で見所だったのですが、今回は、そういった粋な演出はカット。

オーバーケルナー(給仕長)のPhilippが、逢い引きのカップルが、バッティングしないよう、一応、仕切っています。

Henriは会場で待っています。そこへばら色の仮面舞踏会用のドレスを着たHeleneがやってき、早々にHenriとロジェにしけ込みます。

ただし、Heleneは仮面を付けているので、Henriは相手がHeleneだとはわかりません。ここで、Heleneが有名な「シャンブル・セパレへ行きましょう」を歌います。本来は脇役のHeleneが、最も有名なアリアを歌ってしまうというのが、ホイベルガーのサプライズ。

その後、Theophilが、踊り子のFéodoraをつれてやってきます。ちなみに、この時だけ、Theophilは妻と離婚して独身という、自分に都合の良い設定にしています。

TheophilとFéodoraのカップルも、さっそくロジェにしけ込むのですが、Féodoraが高価な飲食物をたくさんオーダーし、Theophilの懐が寂しくなります。

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浮気の証拠を押さえるため、友人夫婦がパートナーを交換する形で、PaulとMargarete、TheophilとAngelikaがカップルを組み、会場にやって来て、ロジェにしけ込みます。

今回は、舞踏会会場前で待ち合わせをしていたようです。

Heleneはもちろん、MargareteとAngelikaも、仮面舞踏会のドレス(ドミノ服)でやってくるのですが、髪型も含めて衣装がまったく同じなので、誰が誰だかよくわかりません。まさに、男女が入り乱れて怪しい雰囲気になっていきます。ここでAngelikaは「約束の時計がある」を歌います。

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しかし、ロジェで「あわや」というタイミングで、TheophilとPaulがオーバーケルナーのPhilippに呼び出されてしまいます。実は、女性陣が、“あらかじめ、きわどいタイミングになったら、ベルを鳴らすので男性達を呼び出して欲しい”という「根回し」をPhilippにしていたのです。

ベルが鳴り、GeorgとPaulが呼び出されている間にMargareteとAngelikaが入れ替わり、「本来の夫婦」になるのがオリジナルですが、今回はちょっと違います。


このタイミングで、GeorgとPaulが会場ではち合わせ。“何だ、君も来ていたのか”という感じ、パートナーを探し出します。

GeorgとPaulは、会場内でドミノ服の女性を見つけてアタックするのですが、それは自分が連れてきたパートナーではなく、Heleneなのです。その際、ドミノ服を傷つけてしまうことが、3幕での展開に関係します。Heleneへのアタックを物陰からチェックするMargareteとAngelika。

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浮気の証拠を目撃した二人は、早々に会場を後にします。また、Heleneも何とか2人を振り切り、会場を後にするのでした。

前演出では、2幕の最後は、バレエ団も登場し、ロジェの廊下で、仮面舞踏会の参加者全員がギャロップを楽しく踊って幕となっていましたが、今回は会場でFéodoraがロデオの馬にまたがって大盛り上がり。その周りには怪しげな人物が多数。その中にはTheophilとHenriの姿も‥

本編と関係のない皆さんも、妙な格好で多数、出演します。なぜ、舞台をVolksoperにしたのかと言えば、他の歌劇場で、こんな乱痴気パーティをしている設定にしたら、クレームの嵐になるからでしょうね。

なお、このオペレッタによってシャンブル・セパレが、パリ・オペラ座のロジェを指すことが、ウィーン子に広く知られるようになったと言われています。

なお、今回、第2幕は40分ほどでした。

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February 19, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その2)

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今日は「Der OPERENBALL」の登場人物をご紹介から。

Theophil Schachtelhuber(オリジナルはThéophile Beaubuisson):ご年配ですが、女性に目のないおじさま。「まじめそうに見えて、実は女性に目がない」という演技ができると際立ちます。何しろ若い愛人をつれてオペラ座舞踏会に来るのですから‥ 

今回は年金生活者という設定です。2008年にはベテランのRudolf Wasserlofさんが起用されていましたが、今回はFeriお気に入りのオペレッタ歌手の一人Kurt Schreibmayerさんが起用されました。劇中ではTheophilという名前で呼ばれていました。

Palmyra Schachtelhuber(オリジナルはPalmyra Beaubuisson):Angelikaの伯母です。夫のTheophilと一緒に生活していまが、夫を尻に敷いている「まじめなおばさま」という想定。基本的にお芝居が中心なので、ベテランのオペレッタ歌手(アルト)か、役者さんが起用されます。

今回、正に、この役にピッタリのHelga Papouschekさんが起用されました。このコンビが抜群だったのは言うまでもありません。

Paul Wimmer(オリジナルはPaul Aubier):カーニバルの休暇を利用して、妻のAngelikaと一緒にオルレアンからパリに来ている想定ですが、今回はオーストリアの地方(Klagenfurt)からWienに来ました。なお、銀行員という想定になっています。

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PaulとAngelikaは若夫婦という設定なので、若手ではつらつとした演技ができるテノールのオペレッタ歌手が起用されます。オペレッタなので、ユーモラスな演技もポイントです。2008年にはJörg Schneiderさんが演じましたが、今回はMarco Di Sapiaさんが起用されました。

Angelika Wimmer(オリジナルではAngèle):Palmyraの姪です。夫のPaulは絶対浮気などしない完璧な夫だと思っている「箱入り娘」です。オリジナルでは、パリではなく、オルレアンという地方都市に住んでいることも影響しているようです。

逆に“夫は出張が多くて可哀相”と同情しています。Paulと同じく、若手ではつらつとした演技ができるソプラノのオペレッタ歌手が起用されます。今回はKristiane Kaiserさんが起用されました。

Georg Pappenstiel(オリジナルではGeorges Duménil):パリに住まいを持つ、今回のホストファミリーです。新興成金という設定です。

そのため、今回は、最近Wienで流行の高級タワーアパートに居を構えています。単独で歌う部分に加えて、演技も重要なので、テノールのオペレッタ歌手が起用されます。今回は、最近、オペレッタでも主役に抜擢されることが増えたCarsten Süssさんが起用されました。

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Margarete Pappenstiel(オリジナルはMarguérite):Georgの妻。男たちの浮気を疑っている女性です。男たちの浮気を証明するための仕掛けを提案するキーパーソン。単独で歌う場面に加えて、演技も重要なので、キャスティングが難しい役です。ソプラノのオペレッタ歌手が起用されますが、今回はUrsula Pfitznerさんになりました。

Helene(オリジナルではHortense):Pappenstiel家のお手伝いでスプレットです。「こうもり」のアデーレと一脈通じる役と言っても良いでしょう。恋人のHenriが浮気をしていないか確認するため、Margarete達が考えた仕掛けに一口乗るところなど、意外とちゃっかりしています。

スプレットなので、歌だけではなく、演技力も問われます。ソプラノのオペレッタ歌手が起用されます。本演出では、2幕の後半からストーリーの鍵を握るキーパーソンになります。そういう訳なのか、アンサンブルではないSieglinde Feldhoferさんが抜擢されました。

Henri(名前はオリジナルと同じ):オリジナルでは海軍士官候補生で、Schachtelhuber夫婦の甥にあたります。今回は、スタイルから見るとミュージシャンのような格好をした若者でした。役柄は男性ですが、オペレッタでは通常、メゾソプラノの女性歌手が起用されます。「こうもり」のオルロフスキーと同じ「ズボン役」です。今回はAmira Elmadfaさんが起用されました。

オペラ座の給仕長Philipp(オリジナルはPhilippe):2幕で浮気者同士が鉢合わせするのを調整する重要な役割があります。という訳で、お芝居が上手なBoris Ederさんが起用されました。

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Féodora(名前オリジナルと同じ):踊り子で、Theophilの浮気相手です。2幕の舞踏会の場面だけに登場します。二幕ではTheophilとのやり取りがポイントです。今回は、こちらもFeriお気に入りのオペレッタ歌手Martina Dorakさんが起用されました。踊りながら歌う場面があるので、まずは妥当なキャスティングでしょう。

オリジナルでは、登場人物の名前はフランス風、場所もパリであるにも関わらず、皆さん、オーストリアなまりのドイツ語で話している…ウィンナ・オペレッタらしい「不思議な世界」が舞台だったのですが、今回は舞台がWeinになったので、こういった矛盾は解消されています。

それでは、「あらすじ」に沿って、見どころをご紹介しましょう。完全ネタバレですから、楽しみにしている方はご覧にならない方がよいかもしれません。

○第1幕:Pappenstiel家のサロン
序曲を少し演奏したところで、ストップ。お客さまに向けて「今回はOPERENBALLの会場がStaatsoperからVolksoperに変更になりました」というアナウンスが‥これは余計かな。

その後、本来の序曲に入ります。幕が開くと、Weinで流行のタワーアパート。正面にリフトがあり、螺旋階段で2階に上がれるようになっています。左側には窓があり、Wienの古い街並みを眺望できます。

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February 18, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その1)

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当ブログをご覧にオペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。“DER OPERENBALL” Premiere Reportをお届けしましょう。

2017/18シーズン、Volksoperでは2018年に入ってからオペレッタの新作が上演されるというパターンです。

2月にPremiereが行われるのがRichard Heubergerの代表作“DER OPERENBALL”です。

Feriは、2007/08シーズンにVolksoperで再演された際、Robert Herzlさんの演出による“Der OPERENBALL”を観ていますが、舞台装置も伝統的なスタイルで、パリを舞台にした「小粋な作品」に仕上がっていたことを今でも、良く覚えています。

という訳で、2008年の写真を1枚だけお目にかけましょう。

まず、ご存じの方も多いと思いますが、作品の背景から‥

リヒャルト・ホイベルガー(Richard Heuberger)の傑作オペレッタが「Der OPERENBALL(オペラ舞踏会)」です。1898年にアン・ディア・ウィーン劇場で初演されました。

「オペラ舞踏会」の舞台は、パリです。ウィンナ・オペレッタでは、名作「メリーウィドウ」をはじめ、パリを舞台にした作品が多いのですが、ウィーン子にとって、華やかなパリはウィーンと違った魅力を感じるのでしょう。

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物語は、毎年恒例のパリ・オペラ座舞踏会を舞台に「他の女性に浮気心を出す男性を、妻達が懲らしめる」というものです。

オペラ座舞踏会と言えば、ウィーン国立歌劇場で毎年、開催されているものが最も有名でしょう。第二次世界大戦後、国立歌劇場が再建された翌年の1956年に復活しました。

オーストリアでは、ファッシングと呼ばれるカーニバルの期間中、色々なところで舞踏会が開催されますが、その頂点は「ファッシングの火曜日」の前週木曜日に開催される「オペラ舞踏会」(Der Wiener Opernball)。

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オーストリア放送協会でも長時間にわたり生中継を行う「季節の風物詩」です。

ただ、1877年に始まった頃は、商談や縁談をまとめる場としても活用されていたようです。そのように考えると、オペレッタ「オペラ舞踏会」のように、「逢い引きの場」として利用されたこともあるでしょう。

この作品、オリジナルはパリを舞台にしていますが、フランス人と言うより、ウィーン子をイメージしてまとめられているのは、言うまでもありません。

歳を重ねても男性は、妻以外の女性に目がないもの。そして、女性は自分のパートナーの浮気には、おおらかになれないもの…そんな「人間の本質」を上手に表現したオペレッタです。

観ているウィーン子も、思わず「あるある」「いるねぇ、こういうヤツ」「あぶない、がんばれ」と心の中で、応援(男性か、女性かは別にして)していると思います。まさに、ウィンナ・オペレッタの王道と言える作品です。

原題は「Der Opernball」なので、邦題は「オペラ座舞踏会」とした方が正しく伝わると思います。しかし、実際には「オペラ舞踏会」という邦題が一般的になっています。

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December 27, 2017

Volksoperからクリスマスカードが!

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こちらは、休日だった昨日から、旧市街を中心にシルヴェスターの準備が急ピッチで始まっています。

何しろ、Adventの飾り付けやヒュッテを撤去してから、新しくイベント用の設備を架設するため、結構、手間がかかります。

基本的にのんびりしているオーストリアでも、この時だけは、「お尻」が決まっているので、仕事が早いです。

さて、先日、Volksoperから一通の封書が届きました。中を開けてみると、クリスマスカードでした。

表のデザインは、2017/18シーズンのPremiere作品に登場する主人公をあしらったもの。年間プログラムの表紙と同じデザインですが、クリスマスバージョンに変更してあります。

中を開くとDirektorのRobert Meyerさんからの手書きメッセージが添えられていました。

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Feriは、ここ数年、Adventの時期になると、Robert Meyerさんにクリスマスカードを送っています。ただ、郵送ではなく、劇場の楽屋口で守衛さんにお願いして渡してもらうというパターンです。

日本へ戻ったときに、日本風のカードを準備して‥

自分のカードに電子メールのアドレスも書いているので、最近では電子メールでお礼が来ることが多かったのですが、今回は、立派な紙ベースのカードでお返事が来ました。

ご本人自筆というのが、嬉しいところです。

今シーズンは、オペレッタの上演回数が減っている上に、Feri自身の多忙さもあり、劇場から足が遠のいていることを察しているのかどうかは存じませんが、絶妙のタイミングで、Feriの心を掴むカードの到着でした。

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December 14, 2017

Volksoperで創立記念割引

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今日は「フォルクスオーパーの話題」をお伝えしましょう。

現在、恒例のAdvent割引を実施中ですが、それに加えて、期間限定の割引プロモーションが行われます。

12月14日は、フォルクスオーパーの創立記念日。今年で119回目になります。それを記念して、12月14日の午前8時から、割引チケットの発売が開始されることになりました。

割引対象となるのは、1月末までのチケット(現在、発売中のチケットです)。割引率は19%に設定されており、1公演について4枚まで同時に購入可能です。

ただし、既に発券済みのチケットには適用されません(まぁ、当たり前ですが)。

チケットの購入は、インターネット経由はもちろんのこと、チケット販売窓口や電話での予約にも適用されます。

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November 17, 2017

100 Jahre Symphonieorchester der Volksoper Wien

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このところ、音楽やオペレッタの話題とご無沙汰で、変な方向に向かいつつある当ブログ。

愛想をつかした読者の方もいらっしゃるような気がします。諸般の事情で、まだまだ現役続行中のFeri。

ありがたいことに、本業が超多忙になり、Volksoperへ顔を出す時間が全く取れない状況に陥っております。

さて、11月16日は「100 Jahre Symphonieorchester der Volksoper Wien」と題したコンサートが開催されました。

シーズン当初からわかっていたので、顔見知りのメンバーも増えたこともあり、本当は馳せ参じたかったのですが、身動きがとれず、断念。

本来ならば、実際に観賞した上でのレポートをお届けしたかったのですが、今回は叶いませんでした‥

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Volksoper Wienの前身は、1898年にオープンしたKaiser-Jubiläums-Stadttheaterですが、オペラなどが上演されるようになったのは1903年のことです。

1905年には劇場名は1905年に「Kaiserjubiläums-Stadttheater Volksoper」と改称され、さらに1908年に「Volksoper」となりました。

「Tosca」(1907年)、「Salome」 (1910年) などは、Volksoperで初演された演目です。Volksoperがウィーン第2の歌劇場として本格的にスタートしたのは、第1次世界大戦後ですから、ちょうど、そのタイミングで座付きオーケストラが誕生したことになります。

11月16日の記念コンサートの指揮は、Lorenz C. Aichner.さん。

当日は、Erich Wolfgang Korngold作曲の「Sea Hawk」、Gustav Mahler作曲の「Lieder eines fahrenden Gesellen」(ソリストはMartina Mikelicさん)、そしてAntonin Dvorak作曲の交響曲第9番「Aus der Neuen Welt」が演奏されました。結構、通好みの選曲ですね。

日頃、演奏しない楽曲を選んでいるところに、オーケストラメンバーの心情が反映されているような気がします。勝手な想像ですが‥

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