February 24, 2021

Wiener Linienの2021年計画

2021022311今日は「Wiener Linienの2021年計画」をご紹介しましょう。

先日、ご紹介したようにCovid-19感染拡大によるロックダウン(住民の移動制限)で、Wiener Linienの利用者は前年より平均40%も減少しました。

なお、最初のロックダウン時には、80%減少しています。2020年の月別乗客数は左のグラフをご覧ください。ロックダウンの影響が顕著に出ていることが、よくわかると思います。

2021022312利用人数ですが、2020年は、地下鉄、路面電車、バスを合わせて約5億7400万人でした。ただ、地下鉄、路面電車、バスの利用者が車内で感染したという事例は報告されていません。

公共交通機関の利用者減少はウィーンだけではなく、ロンドンが95%、リヨンが90%、ブダペストが80%、ベルリンが75%となっています。

乗客数の減少は、Wiener Linienの収入減少につながります。特に観光客激減でシングルチケットや24時間パスなどの利用が伸び悩み、約1億1000万Euroの減収になりました。

2021022314反面、年間パス(シニアパス、ユースパスを含む)は2019年より減ったものの年間100万枚以上、発券されており、Wiener Linienが地元住民に支持されていることを伺わせます。

このデーターが右のグラフですが、年間パスは「基礎売上」となるだけにWiener Linienにとっては、貴重な売上と言えるでしょう。

次に住民の移動手段ですが、2020年はロックダウンの影響で、住民の行動が大きく制限されたため、公共交通機関の利用者が減った反面、徒歩や自転車での移動が増えています。

2021022313また、意外なことに自家用車での移動は2019年と同じ比率でした。つまり、自家用車による移動から公共交通期間や徒歩、自転車による移動が定着しつつあると言うことです。

このような結果を踏まえて、Wiener Linienではウィーン市からの支援を受けて、2021年に5億300万Euroを投資します。2021年の主な計画は、以下のとおりです。

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February 18, 2021

補助金が余っていますよ 電動貨物自転車を導入しませんか?

2021021202日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりましたが、ウィーンでは2月17日から、80歳以上および高リスクグループの予防接種が開始されました。ウィーン市の発表によると、現在、506038人がワクチン接種の予約をしています。

さて、今日は「電動貨物自転車の話題」をお届けしましょう。ウィーンでは、自転車を重要な公共交通機関と位置づけており、様々な施策を導入しています。

その一つに企業に対して「電動貨物自転車(E-Lastenräder)を導入する場合の補助金制度」があります。この制度は1年ほど前に導入されたもので、ウィーン市によると145社が利用し、160台がウィーン市内で各種貨物輸送に活躍しています。

また、現在、100社が補助金を申請しており、購入準備を進めています。

2021021203補助金を受けている電動貨物自転車は、1台あたり年間約0.67トンのCO2節約に貢献しており、今後10年間で約1000トンのCO2削減が期待できます。

補助金の申請者は、物販、飲食、芸術・文化、建設など、幅広い分野の中小企業が中心。いずれもCovid-19感染拡大による影響を受けている企業です。

2021021204電動貨物自転車導入の動機ですが、市内の駐車場確保が楽になること、CO2削減を社内目標に掲げいるといった内容が多いようです。

なお、補助金を最初に申請したのは、専門家のDaniel Bierbaumer氏(トップ写真の粋なおじさま)だったそうですが、同氏は自身のホームページで電動貨物自転車を使った日常を紹介しています。同氏のホームページはこちらからどうぞ。

さて、補助金の内容ですが、可搬重量40kg~100kgの軽量電動貨物自転車購入の場合、最大2000Euro、可搬重量100kg以上の大型電動貨物自転車購入の場合、最大4000Euroが援助されます(なお、上限は購入価格の30%)。

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February 13, 2021

地方でも電気バス導入の機運

2021020702今日は「電気バスの話題」をお届けしましょう。

温室効果ガス削減に力を入れているオーストリアでは、このブログでも度々、取り上げているようにWiener Linienが電気バスや燃料電池バスの導入やテストを進めています。

ウィーンの場合、大都市であるため車庫も多く、充電ステーションや水素ステーションを整備しやすいという特性があります。

2021020705現時点では電気バスは一般的なディーゼルエンジンのバスに比べて航続距離が短い、満充電に時間がかかるといったマイナス面があるため、地方では導入が難しい面があります。

そんな中、現在はÖBB傘下になっているPOST Busが、1月にシュタイヤマルク州北部でVerkehrsverbund Steiermarkと共同で、電気バスの運行テストを実施しました。テストの目的は、冬の地方路線で運行が可能かどうかを検証するためです。

今回、テストに使用されたのはIveco製GX3377-E型。全長12メートルの3ドア仕様。

座席定員27名、立ち席定員55名、航続距離約300km(メーカー発表による数値)、349kw/hの空冷式バッテリーで車体中央に搭載したモーターを駆動します。

2021020704テストはPhyrnstreckeとGesäuseで行われましたが、POST-Busの発表による結果は上々。電力消費量が増える勾配のある路線でも300kmの航続距離が確保できた上に、寒さによるトラブル、暖房の能力不足などはありませんでした。

2月に入ってからも、各種データーを追加で得るため、Stainach、Schladming、Liezen地区で、実際にお客さまを乗せた営業運行が行われています。なお、運行テストは先週で終了したようです。

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January 27, 2021

自転車利用者が増加したウィーン

2021012607今日は「ウィーンの自転車利用者増加」という話題です。

Covid-19感染拡大の影響もあり、ウィーンでは「密」を警戒して公共交通機関利用を避ける傾向があります。

その関係なのか2020年は自転車の交通量が12%増加したというデーターがウィーン市から発表されました。

2021012602ウィーン市では、市内の主要道路で自転車の交通量を自動計測ポイントでカウントしているのですが、2020年は4ヵ所の計測ポイントで初めて100万人以上がカウントされました。

2021012606月別では、最も増加したのは5月と9月。2019年と比較し、2020年5月には45%、9月は23%、それぞれ増加しました。

ウィーンは寒冷地なので、冬になると自転車利用は減る傾向にあるのですが、2020年は11月が19%、12月が13%、前年に比べて増加しています。これは珍しい記録です。

これは降雪が少なかったことも影響していると思われます。何しろ雪が積もってしまえば、自転車の利用は厳しいですから‥

2021012603計測ポイント別ではWienzeileが前年比50%増、Donaukanalが33%増、Liesingbachが36%増を記録しています。

ウィーン市では、ロックダウン下でもレクレーションサイクリングが増えた結果であると分析しています。

2021012605逆に在宅勤務、リモート授業などの影響で、従来、通勤や通学で利用者が多かったエリア(Opernringなど)は、増加率が低下しています。

この他、Praterstern、Operngasse、Opernring、Lassallestraßeの4ヵ所では100万人以上の自転車利用者がカウントされています。

ちなみに、最も多く自転車利用者がカウントされた日は、2020年6月30日(火曜日)で、Opernringの計測ポイントでは10389人の利用者がありました。

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January 16, 2021

整備が進むWiener Linienの新停留所

2021011503今日は「Wiener Linienの新しい停留所の話題」をお届けしましょう。

Wiener Linienでは、乗客の利便性を高めるため、路面電車や路線バスの停留所でデジタル技術を駆使した情報提供を進めています。

まず、停留所の標識が従来の丸型看板から写真のようなポール形式になり、案内表示と一体化されました。従来は案内表示器を別に設置しているケースが一般的でしたが、これを一体化した訳です。

2021011504なお、ポールの先端には照明装置が組み込まれており、夜間でも停留所の場所がよくわかるようになっています。

従来、時刻表や地図、路線図はいずれも紙媒体でしたが、新しい停留所では液晶ディスプレイを使った電子ペーパー(E-Paper)が採用され、画面を切り替えて情報を取得する方式になっています。

このディスプレイですが、車いすのお客さまを考慮して、比較的、低い位置に設置されています。

2021011502電子ペーパーは4つの画面で構成されており、ボタンで切り替えます。表示内容は、次の列車はバスの情報(位置情報、車いす対応車かどうかも含む)、路線図(乗り換え案内を含む)、時刻表、利用に関する各種情報(ドイツ語と英語)を表示します。

また、遅れなどが発生している場合は、リアルタイムで、その情報が電子ペーパーに表示される仕組みになっています。

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January 10, 2021

ウィーンの人は正直者が多い?

2021010803今日は「Wiener Linienの話題」をお届けしましょう。こちらにお越しになった皆さまは、ご存じのようにWiener Linienの地下鉄、路面電車、路線バスは、いずれも信用乗車方式です。

地下鉄駅に改札口はありますが、日本のように自動改札機は設置されていません。また、ワンマン運転の路面電車や路線バスは、乗降の際、チケットを乗務員に提示する必要はありません。

2021010802そのため、改札システムにかかる運用コストが非常に低いと思われます。もちろん、これはゾーン運賃制度を導入しており、運賃が単純化していることも関係しているでしょう。

ただ、無賃乗車をする乗客が増えると、信用乗車方式は破綻します。そこで、臨時検札(Fahrscheinkontrolle)を随時実施すると同時に、万が一、チケットを所持していなかった場合、一切の言い訳を聞かず、高額の反則金(現在は105Euro、その場で支払うことができない場合は、14日以内に115Euroを支払う必要があります)を課す仕組みになっています。

2021010801ちなみにWiener Linienでは、毎日、100名の臨時検札スタッフを地下鉄、路面電車、路線バスの各路線に出動させ、約20000人の乗客をチェックしています。

2020年はCovid-19の影響で、乗客が減少し、臨時検札を受けた乗客は約310万人(2019年は約490万人)でした。その内、チケットを持っていなかった乗客(無賃乗車)の比率は2%ほどでした。

とにかく「逃げ得」は許さないという断固とした姿勢は、トラブルを避ける日本では考えられませんが、これが信用乗車方式を支えている訳です。

ただ、Wiener Linienはホームページで「今日の臨時改札路線」を発表しており、一応、不意打ちではありません。

さて、先日、Wiener Linienが2020年の臨時検札結果を発表しました。

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December 30, 2020

年末・年始の話題から‥

2020123001今日はウィーンの「年末・年始の話題」をまとめてお伝えしましょう。

今回、史上初めて無観客で開催されることになった「Wiener Neujahrskonzert 2021」。 世界90ヵ国に放送されます。

12月29日、指揮者のRiccardo Muti氏をはじめとする関係者が記者会見を開きました。席上、今回で6回目の指揮を務めるRiccardo Muti氏は、今回のコンサートは“Botschaft der Hoffnung"(希望のメッセージ)と語りました。

関係者によると、オーケストラメンバーは毎日、ウイルス検査を受けるなど、放送関係者も含めて万全な対策で当日を迎えるようです。

Riccardo Muti氏はホテルに滞在していますが、空室だらけで、同氏はホテルの様子を“ホラー映画のようだ”と語っています。

確かに通常ですと、年末・年始は大変混みあうウィーンのホテル。それがクリスマス休暇中から空室だらけなのですから、そういった感想を持つのも当たり前かと思います。

2020123002当日のプログラムは、すでに発表されていますが、例年、フィナーレで演奏される観客の手拍子で大いに盛り上がる「ラデツキーマーチ」。

Riccardo Muti氏曰く、“この作品は拍手無しで作曲されました”。ごもっともです。いずれにしても無観客という特殊な環境下で行われるコンサートだけに、演出も含めて、注目されるところです。

例年、シルベスターのウィーンはクリスマスと異なり、お祭り状態。今年は公式イベントが全て中止となり、外出も大幅に制限されます。そんな中でも騒ぐ連中が出てくる可能性があるため、警察が市内の警備を強化するとか‥

通常、特別ダイヤを設定するWiener Linienですが、このような状況を踏まえて、2020年のシルベスターが運行する地下鉄、路面電車、路線バスは、日中は土曜ダイヤで運行されることが発表されました。なお、27A、73A、87Aなどの路線は15時で運転が終了します。

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November 24, 2020

Ottakring-Hütteldorf間ロープウェイ建設プロジェクト

2020112311ウィーン市でSPÖとNEOSの連立政権が発足して、新しい政策案が多数、打ち出されました。その一つが、「新しい公共交通機関の建設計画検討」です。

何と、Feriのお散歩コースであるOttakring-Hütteldorf間に公共ケーブルカー(Seilbahn)を建設しようというものです。

これは、かねてからNEOSが提唱していた計画(2017年に発案)で、今回、政権入りしたことで、建設の可能性について、今後、2年間で検討に入ることが発表されました。

2020112312ORFのニュースによると計画では、図のようにOttakring駅からWilhelminenspitalへ向かい、Ottakringer Bad、Otto-Wagnerエリアを経て、Linzer Straßeを通り、Hütteldorf駅へ至るルートです。

丘の中腹に建設するようなプランです。NEOSは、1時間に2000人を輸送できるとしています。現在、Ottakring駅-Otto-Wagnerエリア間には路線バス48A(連節式)が運行されています。

2020112314このプランが生まれた背景は、Otto-Wagnerエリアある病院を移転させ、その跡地にCentral European University(CEU、中央ヨーロッパ大学)が移転してくる計画があるため、従来の路線バスでは輸送力が不十分であると判断しているようです。

2020112313CEUは、1991年に創立された英語で授業を行う国際的な私立大学院大学で、現在は、ハンガリーのブダペストにキャンパスがあります。

この計画に対してウィーン工科大学のGünter Emberger氏は、費用対効果を考えると適切ではないと批判的です。

このエリアはFeriも良く知っていますが、Günter Emberger氏は路線バス、路面電車、S Bahnなどが完備しており、従来のネットワークを充実させることで、十分対応できるとORFの取材で述べています。

 2020112315そもそもワインハイキングのコースにもなっている非常に自然が豊かな「ウィーンの森」に隣接した場所にロープウェイ建設など、どう考えても尋常ではありません。

案の定、ORFのニュース番組でインタビューを受けた地元の皆さまも批判的でした。この他、実際問題としてWiener Linienがロープウェイ運行の経験がなく、ノウハウ導入にもコストがかかることも指摘されています。

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November 14, 2020

NordbahnhofviertelにWienMobil-Stationが完成

この記事は14日の午前中にまとめていますが、本日、夕刻、連邦政府から11月17日(火曜日)から適用される新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた規制が発表される模様です。

マスコミから確定版ではない概要がリリースされていますが、本年3月のロックダウンに近い内容になる模様です。この件については、公式発表が出た時点でご紹介する予定です。

2020111403今日は「WienMobil-Stationの話題」をお届けしましょう。

ウィーン市とWiener Linienでは、公共交通機関の駅や停留所と自宅(またはオフィス)までを結ぶ「ラスト・ワン・マイル」の輸送を補完するため、CityBikeをはじめとする様々なパーソナル交通機関を整備しています。その代表が各種のパーソナル交通機関を集約したWienMobil-Stationです。

このほどNordbahnhofviertelの都市開発エリアに新しいWienMobil-Stationがオープンしました(場所はBruno-Marek-Allee 13-17, 1020 Wien)。路面電車O系統と路線バス82A系統が最寄りの停留所。

2020111401本ステーションはモビリティサービスを提供するMO.Pointが運営しており、バンを含むカーシェアリングをはじめ、e-bikeやe-truck bikes(カーゴバイク)も借りることができます。もちろん電気自動車の重電も可能。

公開されている写真を見ると道路上に設置されている駐車スペースを転用してWienMobil-Stationを設置したようです。

WienMobil-Stationは自家用車の利用を極力減らすことを目的にしており、このブログでも取り上げているように、現在、Simmering、Ottakring、Landstraße、Neubau、Mariahilf、 Leopoldstadt(Nordbahnhofviertel)の6箇所に開設されています。

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October 29, 2020

荷物運搬自転車を無料レンタル中

2020102902今日は「荷物運搬用自転車の話題」をお届けしましょう。

都市環境を守るためウィーンでは自転車を「公共交通機関の一つ」と位置づけて、専用レーンの確保、レンタルバイクの充実など、様々な施策を導入しているのは、このブログでご紹介しているとおりです。

その一つに「荷物運搬用自転車の活用」があります。日本では、どうも法令の関係でウィーンなどで見かける荷物運搬用自転車は運用が難しいようですが、こちらでは小回りがきく上に、環境に優しいため、企業が導入する際には補助金などの支援があります。

2020102901ただ、今までは一部を除いてCityBikeのようにレンタルは存在せず、なかなか利用しづらいという側面もありました。

何しろ車両価格が高いですから、個人で、おいそれと買うという訳にはいきません。

しかし、3年ほど前から、荷物運搬用自転車(Grätzlräder)の利用を促すため、無料レンタルが始まりました。現在、16地区で22台の荷物運搬自転車が貸し出されています。

貸し出されている荷物運搬用自転車は、個人の利用を前提としており、カーゴスペースの搭載重量は最大100kgもあるので、利用方法も多種多様。

2020102904例えば、幼稚園や学校、遊び場に子供を連れて行く、洗濯機やテレビなどを輸送する、観葉植物を店からアパートへ持ち帰る、家族全員や友達の食べ物や飲み物をお好みのバーベキュー場まで運ぶ、河川浴の道具を現地まで運ぶ、ゴミ捨て場にゴミを運搬する、スポーツ用品を競技場まで運ぶなど、犬を乗せるなど、活用方法は多彩です。

レンタル時間は原則として24時間。なお、週末はオペレーターが休業しているため、レンタル期間が長くなります。利用は無料ですが、盗難防止のため、50Euroのデポジットと写真付き身分証明書の呈示が必要です。

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